「部屋に閉じ籠って生きてればそれでいいの?」
祠堂圭は親友である彼女にそう尋ねた。
リバーシティ・トロン・ショッピングモールに立てこもって数日。
圭は閉じ籠っていることに耐えきれず外へ出ることを決意した。
親友の彼女には必ず助けを連れて戻ってくると約束し、鞄に食料と水を入れ非常用にペンライトも何本か入れる。
親友の彼女はそんな圭を引き留めようとしたか、圭の言った言葉に言い返せず圭が出て行くのを黙って見送った。
圭は命からがらショッピングモールを抜け出し、外へと出た。
そして、外の様子を見て絶句した。
ショッピングモールに居た人たちと同じ生物になってしまった人たちが街を闊歩し、町はかつての面影も無いぐらいに壊滅していた。
それでも、置いて来た親友の事を思い、圭は街を歩き出した。
圭は警察署を目指すことにした。
警察に行けば何かしらの対策が立てられているだろうと思い、警察署まで歩き出す。
しかし、警察署までの道のりは長いものだった。
車が横転していて道が塞がっていたり、ゾンビの大群で回り道を余儀なくされたりと警察署に中々たどり着けなかった。
昼間は街を歩き、警察署へ向かい、夜は空き家などに入り、ひっそりと息を潜め隠れる。
歩き続ければいつか警察署に着けるそう信じて歩き続けた。
そして、ショッピングモールを出て三日目の夜、とうとう警察署の前まで圭は来た。
だが、警察署前の道路はゾンビが居た。
数は多くは無いが、少ないわけでもない。
ゾンビを遠ざけようにもゾンビの対処に持ってきたペンライトは既に無い。
警察署の入口にはバリケードが作られており、中に生存者がいる可能性がある。
その為、圭は思い切ってある行動に出た。
一気に走り、警察署を目指す。
走ればそれだけ足音も出る。
そうなればゾンビにも気づかれる。
しかし、そんな悠長なことを言ってられなかった。
置いて来た親友の事を思い、圭は走った。
こちらに向かってくるゾンビの腕を屈んだりして躱し、警察署へと近づく。
そして、もうすぐ警察署の敷地内に入りそうになったとき、圭は急に転んだ。
「う……早く起きないと………」
起き上がろうと腕に力を込めた時、今度は後ろに引っ張られた。
首を回し後ろを見ると、這いずくばってるゾンビが圭の足を掴み、引っ張ていた。
「いやあああああ!離して!」
足を動かし、振りほどこうとするがゾンビは圭の足を離そうとしなかった。
そうしてる間にもゾンビは圭の悲鳴を聞き、どんどん近づいて来る。
(私………ここで死んじゃうのかな………ごめんね、美紀)
涙を流し、親友に助けに行けれないことを圭は心の中で謝った。
そして死を覚悟したその時、風を切る音と何かが突き刺さる音が耳に聞こえた。
それと同時に、足を掴んでいた腕の力が緩んだのに気付いた。
見ると、足を掴んでいたゾンビは額に矢が刺さっていた。
「こっちだ!」
声がした方を向くと、そこにはクロスボウを手にした少年が居た。
「早くしろ!」
急かされるように圭は慌てて立ち上がり少年の近くまで移動する。
圭の移動が終わると少年はポッケから防犯ブザー三つを取り出し、遠くへ放り投げる。
すると、防犯ブザーの音に連れられゾンビは音がする方へと動き出す。
「こっちだ」
少年は後ろに隠れていた圭の腕を取ると、そのまま走り、警察署の入口へと入る。
開けたバリケードをもとに直し、少年はその場に座り込んだ。
「ふぅ……危なかった」
「あ、あの」
圭は自分を助けてくれた少年に声を掛ける。
少年は、額の朝を拭いながら圭の方を見た。
「助けてくれてありがとうごいざます」
「良いって良いって。困ったときはお互い様だし、それに目の前で人の死を見るのは嫌だからね」
少年はそう言うと、圭に水の入ったペットボトルを差し出す。
圭はもう一度礼を言い、水を飲む。
「そう言や、自己紹介まだだったな」
「俺は