今回は圭視点です。
「あれ?ここは?」
目が覚め、私は辺りを見渡し、自分が何処にいるのか一瞬わからなかった。
だが、すぐに昨夜の事を思い出し、同じ学園の生徒である三藤君に助けられた後、すぐに睡魔が襲って来たことを思い出した。
ここは警察署の会議室だ。
布団から出て、扉を開けると廊下と言うより警察署全体が静まり返ってる。
恐る恐る部屋から出て、廊下を歩く。
ひんやりとした空気が頬を撫で少し身震いする。
角を曲がるとロビーに出て、そこにはクロスボウを手にした三藤君が居た。
「三藤君」
「ん?祠堂、目が覚めたんだな」
私に気付くと三藤君は、私を一瞥するとすぐに外の様子を見始める
「………あの、外は大丈夫?」
「ちょっと奴等が多いかな。昨日の夜に使った防犯ブザーがまだ鳴ってるみたいで奴等がどんどん集まってる」
「あ、ごめん……私の所為………だよね」
「いや、祠堂が謝ることじゃねぇよ。あの時はああするしか方法は無かったんだし」
そう言うと三藤君は外の様子を見るのを止め、私の方を向く。
「朝飯にしようぜ。大したもんは特にないけど」
三藤君はクロスボウを肩に担ぎ、私がさっきまで寝ていた部屋に連れてく。
「ちょっと待ってろ」
レトルトのカレーとご飯をガスコンロを使い温め、数分後には私の前にカレーライスが用意された。
「ほら、出来たぞ」
「わあ……温かい」
「そりゃ、カレーだからな」
私の向かい側に三藤君は座り、手を合わせてカレーを食べ始めた。
それに倣い私も手を合わせてから食べる。
一口食べるとカレーの辛さと旨味、そして温かさが伝わってくるのがわかった。
「うわ!?祠堂どうした?泣いてるぞ!」
久々の温かい食事に思わず涙が出てしまったらしく三藤君が心配そうに見て来る。
「もしかしてまずかったか?いや、でもレトルトだし」
「ち、違うの!そうじゃなくて…………温かい食事なんて久々だったから何か感極まっちゃって」
「………そうか、ゆっくり味わってくれ」
「うん」
食事を終え、お茶を貰っていると三藤君が話しかけてきた。
「祠堂、お前ずっと一人だったのか?」
その言葉で私は思い出した。
色々あり過ぎて言うタイミングを逃してた。
「あのね、三藤君。実は」
私は三藤君にリバーシティ・トロン・ショッピングモールに親友の美紀と二人で立ち籠っていたこと、そして、三日前に助けを呼びに私だけあそこを出たことを話した。
「それで警察署なら対策とか立ててるんじゃないかって思って来たんだけど…………警察の人はここに居ないの?」
「……残念だけど、警察はここにはもういない」
三藤君は首を振ってそう答えてくれた。
そんな……………
「俺が着た時には誰もいなかった。奴等が数人中に居たけどそいつらは全員殺した。ここには、俺しかいない。今は祠堂もいるけどな」
三藤君の言葉はもう私には聞こえてなかった。
警察の人がもういないってなると、どうやって美紀を助けに行けば…………
もう頼れそうな人が居ない……………
「なぁ、まだ親友はそのショッピングモールに居るのか?」
「え?………分からないけど、多分まだ居ると思うよ」
「そうか………防犯ブザーの電池はもうそんなに持たないから、明日には鳴りやむと思う。明日、そのショッピングモールに向かって、親友を助けに行こう」
「………え?」
「何驚いてるんだよ?親友を助けに行くって言ってるんだよ」
「ほ、本当に!?」
私は椅子から立ちあがり、机に乗り出すように三藤君に詰め寄る。
「あ、ああ」
「………どうして?」
「まだ生きてるって希望があるなら助けたい。それに、親友の為にここまで助けを求めに来たのに、それが無理だなんて祠堂の今日までの頑張りが無駄になっちまう。それだけは嫌だからだ」
その言葉を聞いた瞬間、肩に乗っていた重たいものが無くなったかのように心が楽になった。
生存者に出会えて、これで美紀を助けれられるって言うことと、頼もしそうな彼と出会えたからだと思う。
「……あの…………ありがとう」
彼にお礼を言い、私は久しぶりに笑顔になれた。