祠堂と出会った翌朝
俺と祠堂は鞄を引っ張り出し、中に乾パンや水などを詰め込み、祠堂の親友の直樹美紀を助けに行く準備をしていた。
だが、クロスボウの矢は残り四本。
正直心もとない。
昨日の矢は恐らく回収は出来ないだろう。
次に地図を出し、警察署からリバーシティ・トロン・ショッピングモールまでの道を調べる。
「祠堂、ショッピングモールからはどうやってここまできたか分かるか?」
「えっと…………確かここの道を通ってこう来たはず」
結構遠回りだな
まぁ、ゾンビの群れが居たり、道が通れなかったりなどのハプニングの所為だから仕方がないか。
「ショッピングモールまでの足が必要だな」
となると車が必要だな。
本当はバイクの方がいいけど、祠堂の親友の直樹美紀の事もあるから三人乗れる車の方がいい。
確か地下にいくつか使える奴があったはずだ。
「それと武器も足りないな。祠堂、ちょっと武器を取りに行ってくるから、この部屋から出ないようにな」
祠堂にそう言い残し、俺は部屋を出る
だが、警察署の武器庫にある銃や装備は、この事態の終息の為に警察官たちが携帯したか、生存者が持ち出したらしく何も残っていなかった。
俺が向かうのは証拠品保管庫だ。
そこにあるのは、事件の証拠品や押収した危険物が置かれていて、そこにあるのは警察装備でないから、警察が持ち出してることは無く、般人ではまず思いつかないだろうから武器が大量に残っていた。
このクロスボウもそこで見つけた。
保管庫の扉を開け中に入り、武器を物色する。
「おっ!コイツはいいな」
引っ張り出したトランクの中にはショットガンがあった。
確かモスバーグとか言う奴だ。
弾も結構あるし、こいつを持っていくか。
だが、ゾンビは音に寄ってくる。
コイツはいざと言う時に使おう。
弾の入った箱を手に取り、保管庫を出る。
会議室に戻る途中、会議室から良い匂いが漂ってくるのが分かった。
「あ、おかえり三藤君」
「祠堂、朝飯作っておいてくれたのか」
「うん。といっても全部レトルトやインスタントだけどね」
「ありがたいよ。いただきます」
クロスボウとショットガンを壁に立てかけ、祠堂の作ってくれた朝飯を食べる。
インスタントでも一人で食べるより二人で食べる方がよりうまく感じるな。
朝食を終え、俺と祠堂は地下の駐車場へと向かう。
クロスボウとショットガンを肩に掛けると、祠堂は珍しそうにショットガンを見る。
「そんなに珍しいか?」
「いや、そうじゃないけど………撃てるの?」
「ああ、まぁな」
俺が銃を撃てるのは高一の時、アメリカに一ヶ月近く旅行に行ったことが理由だ。
現地で元軍人で民間軍事会社のインストラクターを務めてる男と知り合って、射撃をみっちり教えてもらった。
男は言うには俺は「筋が良い」らしい。
「こいつは万が一危険な状況になった時に使う奴だ。なるべくは奴等との戦闘は避けて行く。いいな」
「うん」
「よし、行こう」
駐車場に着くと一台のパトカーに乗り込み、キーを回しエンジンを動かす。
「ねぇ、三藤君…………今更だけど運転できるの?」
「祠堂…………いいこと教えてやる」
俺は祠堂の方を向き、笑顔を浮かべ、親指を立てる。
「無免許運転は高校生の特権だ」
「それはバイクの方じゃないの!?」
「しっかり捕まってろよ!」
一気にアクセルを踏み、パトカーを発進させる。
「いやあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
祠堂の絶叫が響く。
地上の出口からパトカーは飛び出し、警察署前のゾンビを数体跳ね飛ばし、転がってるゾンビを轢き殺す。
車の音を聞きつけ寄ってくるか、車の方が速いためゾンビには追いつかれない。
「祠堂、大丈夫か?」
「だ、大丈夫なわけないよ!死ぬかと思ったよ!」
「そう簡単に死なねぇよ」
怒る祠堂を宥めながら、俺達はショッピングモールを目指した。