「着いたぞ」
圭はパトカーから降り、目の前の大型スーパーを見る。
「祠堂、俺から離れるなよ」
「う、うん」
圭は緊張気味に頷き、和哉の後を追う。
今日、和哉と圭は物資の確保の為、警察署からパトカーで約二十分の所にある大型スーパーへと来た。
本当は和哉だけで行くはずだったが、圭が一人でいるのは嫌だと言い、和哉も圭の気持を酌みとって絶対に離れないことを条件に付いて来ることを許した。
和哉はクロスボウを構えながら壊れたドアからスーパーの中へと入る。
入った直後、酸っぱい匂いが鼻を刺激し、二人は思わず顔をしかめる。
「やっぱり生鮮食品は腐ってるな」
「取り敢えず、缶詰とかインスタント系の食糧集めよう」
和哉は頷き、二人で缶詰のコーナーへと向かう。
中で、何体か奴等と遭遇したか和哉がクロスボウで倒したりショットガンのストックで殴り倒した。
缶詰のコーナーへ向かうと驚くことにまだ缶詰が大量にあった。
和哉の予想では生存者などが持って行ってると思い、殆ど残っていないと考えていた。
だが、缶詰はまだ残っていた。
それを疑問に思っていたが、残ってることに感謝し二人は缶詰を回収する。
缶詰を鞄に入れると次にインスタントやレトルトの食品を回収し、二人はパトカーの方へと戻った。
パトカーのトランクに持ってきた食料を詰め込むと、今度はスーパーの隣にあるホームセンターに向かった。
「取り敢えず、光を遮断する遮光カーテンと補強用の板と釘が欲しいな」
「後、予備のガスボンベとかできれば薬とかも欲しいけど」
「農薬とかならまだしも、流石に普通の薬はホームセンターには置いてないだろう」
そう言い、ホームセンターの中に入る。
ホームセンターの中にも奴等はいたが、同様に和哉が全員倒した。
残念ながら板は折れていて使える物が無く、結局見つかったのは釘と遮光カーテン、そしていくつかの消耗品だった。
「数があるな。パトカーを近くまで回してくるから祠堂はここで待っててくれ。すぐに戻る」
「うん、わかった」
ホームセンターの入口前に手に入れたものと祠堂を残し、和哉はパトカーの所まで戻った。
すると、パトカーの近くに誰かが居ることに気付いた。
最初はゾンビかと思い、クロスボウを構えたがその人物はパトカーの中を覗き込んでいた。
服は汚れているか手に猟銃用のライフルが握られていた。
和哉たち以外の生存者だった。
初めて圭以外の生存者と会ったことに和哉は安堵しクロスボウを下ろした。
「あの、すみません」
和哉はその人、男に声を掛けた。
すると、男性は行き成り銃を構え、銃口を和哉に向ける。
和哉は慌てて横に飛び退くと、次に銃声が聞こえた。
「待って下さい!何もしません!俺は生存者です!」
手を上げ敵意が無いことを示し、生存者であることを叫ぶ。
「だから何だ!此処にいるってことはあのスーパーの食糧目当てだろ!」
そう叫ぶと、男再び銃口を和哉に向け、引き金を引く。
ライフル弾は一の近くにある車のフロントガラスを砕く。
「あれは俺達の物だ!人の物を盗みやがって!殺してやる!」
(まずい!この人壊れてる!)
和哉は銃口が向けられるより早くクロスボウの引き金を引き、矢を男の肩に当てる。
「がっ!?」
男は猟銃を落とし、肩を押さえる。
和哉はすぐに立ち上がり、圭の元へ戻る。
(あいつ、俺達って言ってた。てことは、まだ仲間がいるはずだ…………)
ホームセンターの入口に着くと、そこで圭が男に襲われているのを見た。
「いや!離して!」
「喚くな!久々の獲物だ!みすみす逃すかよ!」
そう言い、男は圭の服を脱がそうとする。
和哉は走り、腰に着けた警棒を抜き、男の横顔を思いっきり殴る。
「あああ………イテェ………!」
男は横顔を押さえ、地面を転がる。
「祠堂!逃げるぞ!」
圭の腕を掴み、和哉はそのままホームセンターの中へと逃げる。
奥へと逃げ、商品棚に身を隠していると入り口から何人か生存者が入ってくるのが分かった。
「あの野郎!ぜってー許さねぇ!」
「俺達の物を盗んだんだ!必ず殺してやる!」
「女もいる。女は殺すな」
「お前たちはあっちを調べろ!俺達はこっちだ!」
そう言い、男たちは二手に分かれた。
「三藤君……あの人達はなんなの………どうして、私たちを追ってくるの…………」
振るえる圭の質問に和哉は、クロスボウの弦を張り直し、矢を装填してから答えた。
「一番最悪なことが起きたんだ」
そして、ショットガンの残弾を確認し、言葉を繫げた。
「生存者同士の争いだ」