私はただのマサラ人です!   作:若葉ノ茶

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第十二話~地下通路の再会~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハナダからクチバへ行くには、通常は地下通路で行く人が多い。リザードンで空を飛んで一気に行った方が早いかもしれないけれど、トレーナーとしての旅だから地下通路から行こうと決めた。トレーナー達もそこまで追ってきてはいないようで、リザードンも飛び疲れてはいけないからさっさと行こう。ボールからでも外の景色は見れるみたいだし大丈夫。

 

 

そう思って私は地下通路を歩いた。

 

 

 

「フェスティバル?」

「そう!地下通路が開通した…えっと、10年だか100年だかのお祝いなんだって!」

「へ、へえ…そうなんだ」

「ええ!だからあなたも楽しんで!」

「うん。ありがとう」

 

 

10年や100年と大雑把に言われたけれど、つまり地下通路開通記念のお祭りということだ。

ハナダシティからクチバシティまでの道のりは長く、ただの通路として作られていたのだが、まさか私たちが来た時にトレーナー達が集うお祭りを開催していたとは思わなかった。

通路には屋台が広がっており、小さな子供から大きなトレーナーたちまでたくさんいる大きな道として機能していた。

 

屋台には食べ物がたくさん並んでいて、お菓子からごはんまで置いてある。美味しそうな匂いがしたと思ったらナゾノクサがボールから出てきて私の腕に乗り、食べたいとねだってきた。赤ん坊だからまだ物事の善悪や甘え方についてよく分からない部分があるため、本当ならここで厳しく育てるのならば我儘言っちゃ駄目ということを教えなければいけないのだが、ナゾノクサの瞳を見たら無理だなと悟る。

 

 

 

『ナッゾ!』

 

「しょうがない。ジム戦頑張ってくれたし…今回だけだよ?」

『ナゾ!』

 

 

屋台に置いてある食べ物に突撃しようとしたため私はそれを止めてちゃんと屋台でわたあめを買ってナゾノクサの口に近づけた。ナゾノクサはわたあめに警戒することなく口の中に入れてもぐもぐとさせている。それを可愛いなと思いながらも、後でピチューとリザードンにも何か買って一緒に食べようと決心して懐のボールを小さく叩く。

幼い時からずっと一緒にいるリザードン達ならば自らが入っているボールを小さく叩いたことで欲しいものがあればすぐに言ってという意味で私のいいたいことを理解する。だから屋台の前でゆっくりと歩いていって、ケチャップのついたオムライスがあればピチューのボールがぐらぐら盛大に揺れたり、きのみケーキの前でリザードンが小さくボールを揺らしたりするのを見て笑いながらあとで外に出る時に買おうと覚えておく。

ナゾノクサもあれが買いたい!これなぁに?と私に向かって鳴き声をあげていて、ちょっと楽しいと思えた。

 

そんな時だった。

 

 

【さぁーやってきましたまいりました!!地下通路記念のポケモンバトル大会ィィイ!!参加したいトレーナーはどしどし中央受付前で応募してくれよ!!】

 

 

 

「ポケモンバトル…ねぇ?」

『ナゾ?』

 

 

 

地下通路の端から端まで響き渡る大きな声にトレーナー達は反応した。あるトレーナーは自慢したいポケモンがいることをアピールするために参加したり、あるブリーダーは育てたポケモンがどのくらい強さを発揮するのかを確かめてみたいと挑戦したり―――そんなトレーナー達が大勢この地下通路にはいた。

地下通路はポケモンバトルをしても頑丈でポケモンをたくさん出しても隙間があるほど大きい空間でできている。だから大会が開かれたのだろう。

ちょっとだけ、面白そうだと思った。

 

 

 

「ナゾノクサ、バトルしてみたい?」

『ナゾ?…ナッゾォ!!』

 

 

ナゾノクサは大きな声で答えてくれる。そして私に向かって笑いかけ、頷いてくれた。リザードン達も、ボールをゆらゆらと揺らしてやってみたいと答えてくれる。

もちろん私も、バトルしたい。

 

「よし行こっか!ポケモンバトル大会!」

『ナッゾ!』

 

 

中央受付まではちょっとだけ遠いけど、でもまあ屋台でも見ながら行けばいいかと考えて私は歩いていった。ナゾノクサは私の腕の中で楽しそうに頭の草をゆらゆらと揺らしていた。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

「お名前とポケモン図鑑をお願いします」

 

「はい!マサラタウンのヒナです!お願いします!」

『ナゾ!』

 

 

「―――登録完了しました。あなたはAブロックでの参加となります」

「分かりました」

『ナゾ?』

 

 

 

ポケモンバトル大会では、どうやらAからCまでのブロックごとに分かれてバトルを始めるらしい。まるでリーグ戦のような方式で――――かなり大勢の参加者が集まった大会ということなのだろう。

Aの札を渡された私は係りの人に呼ばれるまでどこかで時間潰そうかと思って歩き始めた。

 

 

「あれ、ヒナ?」

「ヒビキ?ヒビキもここにいたんだ!」

「おう!地下通路でポケモンバトル大会があるって話をマサキさんから聞いたからな!」

「マサキさん?」

 

「ポケモンを預けたり引き取ったりする通信機能を作り上げた人だぜ!」

「へぇ凄い!」

「クチバシティに向かうって言ってたから、もしかしたら会うかもしれねえな!」

「そっか。クチバシティかぁ…」

『ナゾ!!』

「ナゾノクサ?新しいポケモンゲットしたのか。俺はヒビキだ。よろしく!」

『ナゾナゾ!』

 

ヒビキはお祭りを楽しんでいるようで、帽子の上にヒノアラシのお面をつけ、手にはオレンチョコを持っている。でもすぐに手に持っている食べ物を食べてからナゾノクサの頭の草を優しく掴んで挨拶したら、ナゾノクサは楽しそうに笑って笑顔でよろしくと鳴いていた。

どうやらヒビキもバトル大会に参加するみたいで、結構上機嫌そうだ。

そんなヒビキの背後から、見覚えのある赤髪が見えたため私はすぐに叫ぶ。

 

 

「あ、シルバー!」

「え、シルバー!?お前もここに来たのか!!!」

『ナゾォ?』

 

 

私たちがシルバーの名を叫ぶと、彼はすぐに私たちに気づいたようでこちらに近づいてきた。不機嫌そうな表情だけど、雰囲気はいつもより楽しそうだから大丈夫かと判断して再会を喜んだ。道のど真ん中で話をするといけないからちょっとだけ移動して屋台がない道の端へ行く。

そしてヒビキはシルバーに向かって口を開いて言った。

 

 

「なあシルバー、お前もバトル大会に参加するのか?」

「ああ。このバトル大会では優秀なトレーナーが数多く参加すると聞いたからな。全国から優秀なトレーナー達がこの地下通路へ来ているらしいぞ」

「全国?!それは凄い」

『ナゾ!』

「それはともかく…ヒナ、ナゾノクサを手に入れたのか?ナゾノクサはラフレシアとキレイハナの二つの進化ができるポケモンだ。見たところそのナゾノクサはまだちゃんと育成していないな?ならばラフレシアとキレイハナのどちらかの進化を選ぶのかナゾノクサに聞いてさっさと育成方針を決めろ。ピチューのように進化したくないと言うのならナゾノクサとして強く育つきのみを使え。きのみは持っているか?ああそうだ簡易きのみプランターというものを父上から貰ったからやろう。おいヒビキお前もだ。ナゾノクサは草タイプだが、育成によってはフェアリータイプの技も覚えることができる。ドラゴンタイプにも力強い味方となるからそういう技も――――――」

「――――――ああああはいはい分かった!大丈夫よまかせて!!それにプランターありがとうねシルバー!!」

「プランターありがとうな!大切にする!それよりシルバーはどのブロックに参加するんだよ!?」

 

「俺はBブロックだが」

「おっしゃ俺もBブロック!!ニビシティでできなかったバトルしようぜシルバー!」

「ふん。どのくらい強くなったのか見定めてやろう」

「ヒナはBブロックか?」

「いや私はAブロック。もしもヒビキやシルバーとバトルするんなら決勝でかなぁ…」

「それに俺かヒビキのどちらかが負けなければ決勝でヒナとバトルできないということか。面白い」

「まあ何とかなるだろ!大会楽しんでお互い勝とうぜ!!」

「いいわよー!」

「フン…」

 

 

ヒビキが私とシルバーの片手を取り、地下通路の天井に向かって上げた。シルバーは不機嫌そうだがヒビキの手を振り払うようなことはしない。もちろん私もしない。Aブロックで勝ち抜いて決勝にいけるよう頑張らないとと思いながらも、私たちは気合いを出していったのだった。

 

 

 

 

「…あ、シルバーお前ニビジムの時のようにはかいこうせんぶっ放して終わらせるんじゃねえぞ!!」

「確かにそうね。シルバーのチルタリスのはかいこうせんで地下通路が埋まるから本気出してやっちゃ駄目だからね!」

 

 

「…チッ、わかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




雰囲気としてはポケモンBW2のPWT(ポケモンワールドトーナメント)のシングルバトルな感じ。ただしその参加人数が多すぎてブロックごとに分けられた状態をイメージ。ゲームだと無駄に広いから人数はたくさん入るし大丈夫。


Q、なんでどこにでもある地下通路の開通記念に全国からトレーナーが来ちゃうの?


A、一言で言えばフラグです。



とりあえず続きます。




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