ナルカプ妄想物語   作:落ち葉崩し

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いつも私を見つけると子犬のように走りよって来る男の子。

彼の名前はうずまきナルト。

彼は私にいつも笑顔をくれた。

そんな彼を私はいつも見守っていた。


テンテン~年下の男の子~

ある晴れた昼下がり。

 

太陽が暖かく私の身体を照らしてくれる。

 

そんな陽気な秋の空を眺めながら私はいつものように修行をする。

 

いたるところに設置してあるたくさんの的。目に見える場所から目の届かない場所までそれはもういたるところに。

 

中忍試験でテマリさんに負けてからというもの私は誰にも負けない忍具の使い方を編み出そうとしていた。

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

飛び上がり巻物から時空堪忍術の応用で忍具を取り出しては投げる。そしてその忍具は的にどんどん命中していく。

 

木の裏においてあったり、かなり上の方にある的にもワイヤーを使ったりチャクラの応用で全ての的に命中させていく。

 

そして全ての的を射抜き着地したときに後ろから手を叩く音がする。

 

「ナルト!!」

 

私が後ろを振り返るとナルトが笑顔で立っている。その手には飲み物と笹の包みが見える。

 

「お疲れ、テンテンさん!任務終わったから探しに来たらやっぱりここだったってばよ」

 

私に駆け足で近寄ってきて笑顔を見せるナルト。その笑顔は太陽のようにまぶしかった。

 

「ありがとう、ナルトもお疲れ様、今回の任務砂の里の付近まででていたんでしょう?結構期間も長かったし」

 

そう、ナルトは中忍試験以降メキメキと成長し、2度目の中忍試験で見事中忍となり、私の1歩前を歩いているのだった。

 

そんな彼の前に立ち私も笑顔を見せる。いつからだっただろうか。彼がこうして私になついてくれたのは。確かそれは中忍試験の1ヵ月後くらいだった。

 

 

+++++++++++++++++

 

「はぁ、なんでこんな日に限って任務があるのぉ、今日は木の葉祭りの日なのにぃ」

 

私たちはシカマルの指揮の中忍と下忍で構成された5人小隊での任務に当たっていた。

せっかくの祭りの日の非番に喜んでいた前日に火影様より命が下ったのだった。

 

「しょうがないだろ?あいてるのが俺達しかいなかったんだから。寄せ集めでもまだかなりましな面子だぜ?」

 

シカマルが言う。確かに任務において戦闘となったときに強い面子ではある。

 

シカマル、ネジ、シノ、ナルト、私の5人。

 

シカマルは頭が切れ、この任務に当たっても私達に完璧な作戦を立てていた。

 

ネジもシノもかなりのポテンシャルを秘めているし、ナルトにいたってはネジや砂漠の我愛羅を倒しているのだから驚きである。

 

落ちこぼれと呼ばれていたはずが一躍実力者の仲間入りを果たしていた。

 

だが里の大人たちのナルトを見る目は少しおかしいままだったが。

 

「でもよぅ、シカマルゥ、俺ってば今日は休みのはずだったんだぜ?せっかく皆でお祭りに行こうと楽しみにしてたのによ」

 

ナルトも私と同じように愚痴をこぼす。その顔はかなり不満げだ。

 

「我慢しろ、ナルト。任務なんだから仕方がない。任務が速く終わったらこの5人で行けばいいだろう」

 

ネジがナルトをなだめる。中忍試験以降以前と比べて優しくなり、面倒見のいい兄のようになっていた。

 

「そうだ、ナルト。文句を言う暇があったら急ごう。何故なら祭りは夜遅くまでやっているから急げば間に合うからだ。

 

シノもナルトに提案する。シノの言葉にナルトがうなずく。

 

「ナルト、任務が終わったら中忍のシカマルに祭りで何か買ってもらいましょう?ね」

 

私の提案にシカマルもナルトも反応する。

 

「ちょ「おう、そうだな!シカマルは俺達の上司だからな!確りおごってもらうってばよ」

 

 

シカマルが言葉を発する瞬間にナルトの大きな声が響く。

 

「誰も「そうだな、シカマルは中忍だからな」

 

ネジもシカマルの言葉にかぶせてくる。これはチームワークの見せ所かもしれない。

 

「だから「祭りで皆で食べる飯はうまいからな」

 

シノもうまい具合に言葉をかぶせてくる。

 

「じゃぁシカマルごちそうさま!」

 

私の言葉にシカマルは諦めたようにうなだれる。

 

「・・・ま、しゃぁねぇ。1人1個だからな」

 

しぶしぶといった表情でシカマルは言う。私達はみんなで目を合わせてガッツポーズする。

 

「よーっし、じゃぁはりきっていっくぞ~!!」

 

ナルトが大きな声を張り上げ気合をいれる。その表情は先ほどまでと違い明るく、皆も釣られて表情が柔らかくなっている。

 

「お~~!!」

 

私も声を上げる。そしてそのまままっすぐ走り続けた。

 

 

++++++++++++++++++

 

「これで任務完了、ナルト、お手柄だったな」

 

傷だらけのナルトに対しシカマルが声をかける。

 

「おう、これでこの町も何とかなりそうだな」

 

ナルトの足元には鎖とロープで縛られた大男がいる。最近このあたりの村を荒らしまわっていた抜け忍2人組の1人だ。もう1人はシノとネジが何とか倒し取り押さえていた。

 

私は攻撃を受け右足首をひねり、左手に裂傷を負っていた。

 

「大丈夫か?テンテン」

 

シカマルの問いに立ち上がりながらうなずくが脚の痛みに耐え兼ね身体がよろける。

 

そのまま地面が近づいて来るがそこで身体が止まる。

 

「大丈夫?テンテンさん」

 

心配そうな表情でナルトが見下ろしてくる。右腕だけで私を抱きとめ、見つめるナルトはとても優しい目をしていた。

 

「大丈夫よ、ありがとうナルト。おかげで助かっちゃった」

 

傷だらけのはずのナルトのほうが痛そうなのにもかかわらず私の心配をしてくれている。なんて優しい子なんだろうかと思った。

 

「ま、こいつ等は俺達で里まで連行する。ナルトはテンテンをつれて先に里に戻って火影様に報告してくれ。テンテンは足を怪我してるからつれて帰って病院に連れて行け。俺達もあとから病院に向かう」

 

シカマルは真剣な表情で告げるとナルトは確りうなずく。

 

「わかったってばよ!テンテンさん、しっかり捕まって」

 

そういうナルトは私をおんぶし始める。

 

「待ってナルト、大丈夫、私も走るわ」

 

私は少しあわててナルトから降りようとして右足を着くと痛みが走りナルトの背中にしがみついてしまう。

 

「テンテンさん、無理しちゃだめだってばよ。こっから外までならそんなに遠くないから大丈夫だってばよ。俺ってば体力にだけは自信があるからさ」

 

そう私に告げるとナルトはまた私を背負うと今度はしっかりと私の身体を持ち上げる。私はナルトの首に腕を回ししっかりとつかまる。

 

「じゃぁシカマル、後は任せたってばよ」

 

ナルトは私を担いだまま走り出す。シカマル達は2人の男を連行するための準備をしていた。多分あとから来るのだろうが。

 

「テンテンさん、足大丈夫か?痛くない?」

 

走っている最中に何度も聞いてくるナルト。衝撃ができるだけないように走ってくれているため痛みなど今は感じない。

 

そのたびに私は耳元でこう答えた。

 

「大丈夫、平気よ。ありがとうナルト」

 

里までの道のりの中何度も交わしたこの言葉。

 

この言葉にナルトの優しさをひしひしと感じたのだった。

 

 

火影様への報告を終えるとそのまま木の葉病院に向かった。

 

木の葉病院の前でナルトは私を下ろした。

 

てっきり診察室まで着いてくると思っていた私は尋ねる。

 

「あれ・ナルトは着いてきてくれないの?」

 

ナルトは苦笑いしながら私の目を見て呟いた。

 

「俺ってば病院の人たちに嫌われてるから俺と一緒に入らないほうがいいってばよ。俺ってば前の公園で待ってるからさ。ちゃんと見てきてもらって?」

 

ナルトは寂しそうな表情で呟く。そんな顔を見たら断れるはずないじゃない。

 

「わかった。じゃぁ終わったら皆で祭りに行きましょう。約束よ?」

 

私の言葉にナルトは少しだけ笑みを浮かべうなずくと公園のほうに歩いていく。

 

その後姿はさっきまでのナルトと違いなんだか暖かくないものを感じた。

 

 

足を引きずりながら診察をしてもらい処置をしてもらうとさっきまで痛かったのがうそみたいになくなっていた。だが一応念のためにと松葉杖を渡され、包帯を巻かれてしまったため公園で待っていたナルトは私を見て心配そうに見つめてきた。

 

「テンテンさんそれ大丈夫なの?結構ひどかった?」

 

ナルトの表情は少し暗く、私を真剣に心配してくれていた。

 

「だいじょうぶ、痛みも引いたけど一応って渡されたわ。だから今日はしょうがないからこれで祭りに行くわ」

 

私は心配させまいと笑顔を向ける。ナルトにそんな表情は似合わないよ。だから笑いなさい。そう口にすることはないがそれが伝わるように笑顔を向けた。

 

「ほんとに?よかった!じゃぁ今日はお祭りのときずっとテンテンさんの隣にいるね!」

 

ナルトはそう言うと私に向けてまたまぶしい笑顔を向けてくれる。

 

こんな優しくて周りも笑顔にできるナルト。彼を嫌う町の大人達に少しの嫌悪感と苛立ちを覚えた瞬間だった。

 

「お、こんなところにいたのか探したぜ」

 

振り返るとシカマル達がこちらに歩いてくる。

 

「テンテン、足のほうはどうだ?」

 

ネジが心配そうに口を開くが私が答えようとしたときにはナルトが答えていた。

 

「大事をとって一応松葉杖ついてるんだってさ。痛みはもうないって言ってたってばよ」

 

その言葉に私はうなずき同意を示す。

 

「そうか、よかった。何故なら今から皆で祭りに参加するからだ」

 

シノはサングラスを指で押し上げながら話す。

 

「そうだった!シカマルにおごってもらう約束だったってばよ」

 

ナルトは思い出したように声を上げるとシカマルがめんどくさそうに声を上げる。

 

「1人1個だからな!それ以上はださねぇ」

 

そう言うと先頭に立って歩き出す。だがその歩くスピードは遅く私に合わせてくれていた。

 

「じゃぁ行くか」

 

ネジの言葉に3人は返事をしシカマルの後を追う。ネジ、シカマル、シノは横並びになりなにやら話していた。

 

ナルトは今も私の隣で私のペースに確りと合わせて歩いてくれていた。

 

「ナルト、シカマルに何を買ってもらうの?私は林檎飴にしようと思うんだけど」

 

ナルトの顔を横目にちらりと見つめながら問いかけるとナルトは笑いながら答える。

 

「俺ってばたこやき!たこやきは祭りの風物詩だってばぁちゃんが言ってた」

 

ばっぁちゃんとは5代目火影様のことだろう。

 

「たこやきかぁ、おいしいもんね!私も食べようかなぁ」

 

「じゃぁさ、分けてあげるね!」

 

私の呟きにナルトは顔を覗き込みながら答える。その目はきらきらしていた。

 

「じゃぁ一口だけもらおうかな!あ、あそこが会場の入り口ね」

 

入り口となっている商店街の入り口にはきらびやかな装飾と看板が立っていた。

 

そしてその前にはシカマルたちが私達を待ってくれていた。

 

「よし、じゃぁさっそく食べるってばよ。俺ってばたこ焼きな!」

 

追いついて早々になるとは笑顔を浮かべながらシカマルに提案する。

 

「じゃぁわたしはりんご飴!」

 

「俺は焼きとうもろこしにしよう」

 

私も手を少し上げてシカマルに告げた。そのあとにシノも続いた。

 

「じゃぁ俺は焼きそばだな。シカマルは何を食べるんだ?」

 

ネジはシカマルに問いかける。

 

「俺は自腹だからな。お前等が言ったもの全部食うぜ?」

 

シカマルは冗談交じりに呟いた。今野を全部食べるなんてチョウジくらいしかできないんじゃないだろうか?

 

なんてことを考えながら今度はシカマル達も完全に私のペースに合わせて歩いてくれていた。

 

「あ、あそこに焼きそばとたこ焼きが隣同士にあるってばよ!」

 

ナルトの指差すほうへ顔を向けると確かに隣同士に屋台が出ていた。

 

「じゃぁまずはナルトとネジの分だな。行くか」

 

シカマルは呟くとそちらに向かい歩き出す。

 

そしてたこ焼きと焼きそばが入った袋を両手に持っていた。。

 

「あとはりんご飴と焼きとうもろこしか。あれじゃねぇか」

 

シカマルが辺りを見渡し焼きとうもろこしの屋台を見つけたようだ。

シノがシカマルに右手を差し出す。

 

「俺が買って来るからお金をくれ」

 

シノはぬけぬけと言ってのけるとシカマルはしょうがないなぁと呟き氏のにお金を渡して告げる。

 

「2本だぞ。俺も食うからな」

 

シノがうなずきお金を受け取るとすばやい動きでその列の後ろに並んだ。

 

「ったく、あ?ネジ何してんだ?」

 

シカマルはなぜか白眼を発動しているネジに問いかける。

 

確かに何かあったのかと私も少し身構えたのだが。

 

「りんご飴の屋台を見つけた。この先50mのところの右側だ。この先は人ごみになっているから俺が買ってこよう。3人はシノが戻ってきたらそこの河原にでもいてくれ」

 

ネジがそう告げながらもしっかりと右手はシカマルのほうへ伸ばされていた。

 

「わかった。じゃぁそこのの河川敷の所にいるからりんご飴2個買ってきてくれ」

 

そう告げるとネジはうなずきお金を受け取る。

 

「ったくあいつ等は気がきいてんのかちゃっかりしてんのかどっちかわかんねぇぜ」

 

シカマルは頭をかきながら呟く。

 

確かにそのとおりなのだが、多分2人とも私の足を気にしてくれているのだろう。その厚意に甘えることにする。

 

そしてシノが戻ってきたので事情を説明し歩き出そうとしたとき。

 

「シカマル、テンテンさん、シノそれじゃぁ行くってばよ」

 

ナルトは私達の前に立ち振り返るとにししと笑みをこぼしながら言った。

 

私達も返事をしゆっくりと人並みから外れていった。

 

 

 

 

++++++++++++++++++

 

 

「待たせたな、りんご飴が思ったよりも並んでいた」

 

ネジはなぜかりんご飴を5つ持っていた。シカマルは確か2個分しかお金を渡していなかったはずなのだが。

 

そしてシノのほうの袋にとうもろこしもなぜか5個入っていた。

 

シカマルの持っていた袋からも焼きそばとたこ焼きを5パックずつ出してきた。

 

「え?何で5個ずつあるの!?そんな食べられないでしょ!?」

 

私の声にナルトが反応する。

 

「大丈夫、残ったら俺が食べるってばよ!」

 

そういってナルトはシカマルから焼きそばとたこ焼きを、シノからとうもろこしを、ネジからりんご飴を受け取った。

 

私も同じく受け取り、皆にいきわたると、シカマルが声を上げた。

 

「俺が中忍になって始めて率いた小隊が誰も欠けずに任務を終えた記念だ。ネジたちにはあらかじめ歩いているときにお金を渡しておいた。これは俺のおごりだ。しっかり食って祭りの気分を味わってくれ」

 

なんとも男前な発言をするシカマルにナルトもネジも、シノまでシカマルをはやし立てる。その光景はなんとも楽しそうで、皆笑顔があふれていた。

 

「ありがとう、シカマル。じゃぁ食べましょう。さめちゃったらもったいないわ」

 

「「「「「いたたきます!」」」」」

 

皆手を合わせ挨拶を済ませると、地べたに座り込んだまま口にほおばっていく。

 

「うまいってばよ、シカマルサンキューな!」

 

ナルトが声を上げるとシカマルはナルトをとうもろこしで指しながら言う。

 

「ま、今日のMVPはお前だからなお前がいなけりゃ最悪小隊は全滅。そして任務は失敗。俺達は死んでたかもしれねぇからな」

 

その言葉にうなずき同意する。

 

あの大男はかなりの手練れであり、木の葉の元特別上忍。もう1人は木の葉の中忍だった男。シカマルの援護があったとはいえ正直勝てる相手とは思えず、シカマルも引くのが得策だと思っていたそうだ。

 

だがナルトはそれを覆し、近隣の村のため、そして私達を守るために全力で戦い、最後には螺旋丸という新術をぶちあてて倒してしまったのである。

 

「そうだな、あいつの動きは普通じゃなかった。今の俺達が束になっても勝てる相手とは言いがたい。それを1人で倒してしまったんだ。たいしたやつだよ、ナルト」

 

ネジの言葉にナルトは照れ笑いを浮かべたこ焼きをほおばる。

 

「そうだな。何せ相手は月光ハヤテの同期でライバルだったと聞いた。火影様が驚いていた」

 

シノの言葉にまたも皆がうなずきシカマルが続ける。

 

「俺も正直驚いたぜ。このやろうまた強くなりやがって」

 

空いている手で拳を作りナルトの方をぐりぐりと押すシカマル。

 

ナルトはうれしそうに微笑むと話し出した。

 

「痛いってばよ、シカマル。おれってばもっと強くなって火影になるんだからな!」

 

笑いながらシカマルに文句を言うナルト。

 

その夢に向かってまっすぐ進むナルトはすごくかっこよくて、少しうらやましかった。

 

「でもナルトのおかげで私は怪我もたいしたことなかったしね。ありがとね、ナルト」

 

私は隣に座るナルトの身体に腕を回し抱きしめる。

 

するとナルトの顔が見る見る赤くなる。

 

「だめだってばテンテンさん、そおいうのは好きな人にやってあげるもんなんだってばよ」

 

照れながら私の腕を優しく解き少し距離を戻すナルト。

 

「照れんなよ、ナルト。せっかくテンテンが礼言ってくれてんのによ」

 

シカマルがはやし立てるとナルトはそちらに向き直り反論する。

 

「うるせぇシカマル、お前は砂のねぇちゃんとイチャコラしてろ!」

 

「何で今あいつが出てくんだぁ!?いいからお前は黙って飯食ってろ!」

 

ナルトとシカマルは文句の言い合いをものすごい笑顔で続けていた。

 

私達はそれを眺め笑いながら食事をしていた。

 

皆で食べるお祭りのご飯はとてもおいしくて、楽しかった。

 

 

 

「そろそろ帰るか、ナルト、テンテンを送ってやってくれ。お前の家の方向だからな」

 

ネジの一言にナルトはうなずき立ち上がる。すると右手を差し出してくれた。

 

私はそれを握るとしっかりと引き上げてくれた。そのときのナルトの顔はすごく赤かったような気がした。

 

「ありがと、じゃぁお願いしようかな」

 

 

3人と分かれて並んで歩く。

 

「ナルトはすごいね、中忍試験からまだそんなにたってないのにもうあんなに強くなってて」

 

隣を歩くナルトに話しかけるとナルトはうれしそうに微笑んだ。

 

「へへ、俺ってば今はまだだめかもしんねぇけどいつか里の皆に認めてもらえるような忍びになりてぇ、そんでもって火影になるんだ」

 

空を見上げながらナルトが呟く。

 

「応援してるよ、ナルト。私も強くなってナルトを支えてあげられるような忍びになるわ」

 

笑顔を向けて返事をするとナルトはうれしそうに笑いこちらを向いていった。

 

「ほんとに!じゃぁテンテンさんは俺が火影になったら俺の付き人になってもらおうかな」

 

その言葉に少し顔が熱くなる。少し照れてしまった。

 

「いいわよ!でもナルトが火影になれたらだけどね」

 

意地悪に笑って見せるとナルトは右手の拳を突き上げた。

 

「よーし、じゃぁテンテンさん、約束だってばよ!」

 

「ええ、約束。あ、ここが私の家よ」

 

話に夢中になっているともう家についてしまった。

 

少し残念な気もしたがしょうがない。

 

「じゃぁここで、今日はしっかり休んでね!おやすみなさい!」

 

「おやすみ、今日はありがとね!今度時間があったら一緒に修行しましょう。いつも第5演習場のところで修行してるの」

 

ナルトに挨拶を返し言葉を投げかけるとナルトはにこりと笑って返事をしてくれた。

 

「うん、じゃぁおれもこれから時間があるときは第5演習場で修行するってばよ!じゃぁ俺行くね!」

 

振り返り走り去るナルトを見送ってから家に入る。

 

そしてナルトに言われたとおりにゆっくり風呂につかりマッサージをして眠りについた。

 

 

++++++++++++++++

 

「はい、テンテンさんこれ飲んで」

 

ナルトが私に水筒を片方渡して腰を下ろす。

 

私もナルトの隣に腰を下ろした。

 

「ありがとう、いただくね」

 

水筒のキャップをはずしのどに流し込むと冷たいお茶が身体に染み渡る。

 

 

「ん~~、おいしい!修行の疲れが一気に吹き飛ぶわ」

 

私は口を離すとそれを横に置きながら地面に寝そべる。

 

「そう、よかった。じゃぁこれを食べるともっと疲れが取れるってばよ」

 

そういって隣でごそごそと笹の葉にくるまれていたものを取り出し寝転ぶ私の口に緑色の団子を差し出してきた。

 

私は口をあけえさを待つ雛のようにそれを食べた。

 

「森の町の人気商品森の笹団子、テンテンさんにお土産だってばよ」

 

ナルトはにこりと笑うとそのままもう1本出してきたと思えば自分も寝そべり食べ始める。

 

確かにおいしい、甘くて少しの渋みがあり、お茶に合いそうだ。

 

「おいしいね、ナルト。ありがと!」

 

隣に寝そべるナルトのほうに向き直り微笑むとナルトもこちらを向き微笑む。

 

「喜んでもらえてうれしいってばよ」

 

そして起き上がりナルトは私に手を差し伸べる。その手をしっかり握るといつもと同じように優しく引き上げてくれた。

 

「もう今日は修行は終わりにするわ、久しぶりにナルトが帰ってきたんだもん。遊びに行きましょう」

 

私の提案にナルトはうなずきそのまま手を放すことなく歩き始める。私もその手を躊躇することなく握り返した。

 

あの合同任務からちょうど7ヶ月。あれから私達の距離は少しずつ近づいていってはいるがお互いに相手に対しての好意を伝えることもなければ付き合いたいと口にすることもなかった。

 

だがナルトはいつも私の手を優しく握り、力強く私を導いてくれるようになっていた。

 

そしていつものように家の前に送り届けてくれた。

 

「テンテンさん、俺また明日から任務が入ったんだ。3回目の隊長としての任務だからさ。ちょっと緊張しちゃってさ。柄にもないけどさ」

 

家の前で普段はすぐに手を離し挨拶をして帰るナルトが今日は珍しく手を放さないと思ったらうつむき加減に話し始める。

 

「そうなんだ、じゃぁ任務成功するように私がナルトに魔法をかけてあげる」

 

私はそのままナルトの頬に口付ける。ナルトは何が起こったかわからないかのように呆然としていた。

 

「しっかり怪我せずに帰ってきて。それで私にまたナルトの笑顔を見せて?」

 

下から覗き込みながら言うとナルトは顔を赤くしながらうなずいた。

 

 

「じゃぁ待ってる。帰ってくるのを」

 

そういって手を離し私は家に走ってはいる。そして玄関のドアを閉めて座り込んだ。

 

「私何してんのよもぅ」

 

熱くなる顔を両手で押さえ呟く。ナルトを見ていたら抑えることができなかったから。

 

そしてその日は一日中そのことが頭から離れることはなかった。

 

 

+++++++++++++++++

 

そしてそのにから13日が経過した。

 

私は任務を終えガイ先生、リー、ネジと共に火影様に報告に来ていた。

 

「そういえば、テンテン、今日はナルトが帰ってきているんだがもう会ったか?」

 

 

綱手様の問いかけに私は首を横に振る。

 

普段なら帰ってきたらすぐに私に会いに来てくれるはずのナルト。そんな彼が今日は帰ってきているのに会いに来ていないというのに少し寂しく感じた。

 

「そうか、あいつは今少し落ち込んでいるからかもしれないな。テンテン、あいつは多分火影岩のところにいるはずだから励ましてやってくれないか?」

 

綱手様の問いかけに私はうなずき走り部屋を出た。

 

部屋の中では3人と綱手様とシズネさんが優しい表情をしていたのにも気づかずに。

 

 

 

 

「ナルト!!」

 

火影岩の上に来るとナルトは4代目の上の辺りに胡坐をかいて座っていた。

 

「あ、テンテンさん、ただいま」

 

ナルトは振り返り私に挨拶をしてくる。その顔にいつもの明るさはまったくない。

 

 

 

「お帰り、ナルト。任務で何があったか教えて?ナルトの笑顔が今日はない理由。私に教えて?」

 

私はナルトの隣に腰を下ろし横顔を見つめながら問いかけた。

 

 

私の問いかけに少しの沈黙の後ゆっくり話し始めた。

 

「俺さ、今回の任務で始めて部下をなくしたんだ。サスケが里を抜けた時とは違う。仲間をなくしたことに変わりはない。でも俺の仲間が、俺のせいで死んだのは初めてだった。そりゃ忍びに死はつきものだってのもわかってるってばよ。でもその責任が全部自分にあると思うと俺ってば何もわからなくて。もう少し早く動けてたら。もう少し俺が強かったらって思ったら」

 

ナルトは地面に拳をたたきつける。ナルトの表情は見ているこちらが悲しくなるような悲痛な表情をしていた。

 

「任務は無事達成できた。でも仲間を守れなかった。この任務を達成できたことで里の脅威はひとつ減ったけどさ。それでも仲間をなくすって言うのは、人の命を背負うってことがこんなに思いことだってのは初めて知ったんだ」

 

ナルトはうつむいたまま話している。その目からは少しずつ涙があふれていた。

 

「そっか、ナルトはやっぱりやさしいね」

 

私は口に出していた。ナルトの苦しみを取り除きたくて。

 

「大丈夫、こんなに仲間のこと思ってくれている隊長のこと、だれも責めたりしないよ。それにその人も恨んでないと思う。だって自分のためにこんなに涙を流してくれているんだもの。だから大丈夫。泣かないで。私はナルトが弱いなんて思わない。ナルトは仲間思いで、強くて優しくい忍びだよ。だからそんなに自分を責めないで?」

 

泣いているナルトの前にしゃがみこむようにし、ナルトの頭を抱き寄せる。

 

「でも、でも」

 

ナルトが何かを言おうとするが言葉をさえぎる。

 

「ナルトは火影になるんでしょう?こんなことでへこたれてちゃだめ。私はナルトが火影になるって信じてる。だからナルトはこれを乗り越えられるって信じてる。ナルトが次は仲間を守れるって信じてるから」

 

私はナルトの頭を離しナルトの瞳を見つめる。その瞳は涙がにじみ、空色の瞳が揺れていた。ハンカチを出しその涙をぬぐいナルトに告げる。

 

「私をナルトの補佐にしてくれるんでしょ?だったらこんなところで立ち止まっちゃだめ。くじけちゃだめ。次は成功させるための努力をしましょう?私手伝ってあげるから」

 

にっこりと笑い立ち上がる。そしていつもとは逆で私がナルトを引き上げる。

 

ナルトが立ち上がり目の前に立つと私はナルトに詰め寄る。

 

「任務自体は成功したんだから、しっかりしなさい!そんな顔してるナルトなんてみたくないんだからね!」

 

右手の人差し指を立てナルトに向ける。ナルトはそれを見て自分の頬を両手で張る。

 

パァン

 

乾いた音が響きナルトの顔に赤いあとがついていた。

 

「そうだよな、よぉし!次こそは絶対に、完璧に成功させてやるってばよー!もう仲間を死なせたりしねぇからなー!!」

 

火影岩から里に向け叫ぶナルト。その表情は先ほどとは一転、吹っ切れたような顔になっていた。それに強い意志も感じられるやる気に満ちた表情をしていた。

 

「ふぅっ、ありがとう。テンテンさんのおかげで少し楽になったってばよ」

 

振り返りはにかみながらナルトは言った。

 

私はそれににこりと笑い言葉を返す。

 

「やっぱりそっちのほうがナルトらしくて好きだよ!」

 

ナルトは自分が叩いた頬をさっきよりもさらに赤く染めながらも言う。

 

「尾、俺も笑顔のテンテンさんが好きだってばよ」

 

その言葉に私はうなずき手を伸ばす。

 

「ほら、あたしの手はナルト専用なんだから、早く持ってよね?」

 

ナルトはいつものように優しく握ってくれる。そしてまた私の手を引いてくれた。

 

「テンテンさん、俺火影になる。頑張ってなるから待っててくれよな?」

 

歩きながら手を引いてくれるナルトの手を放し前に出て振り返る。

 

「待たせすぎちゃったら別の場所に行っちゃうんだからね!急ぎなさいよ!」

 

そういって私は駆け出した。

 

ナルトは私を追いかけて走ってくる。そしてすぐに後ろから捕まえられ告げられる。

 

「うん、頑張るから隣で見てて。これからもずっと」

 

その言葉に私は微笑んだ後うなずきナルトの唇にキスをした。

 

ナルト…ずっと隣にいるからね。




やっと書き終わった。おわりました。

テンテンさんのことをナルトは原作ではテンテンと呼び捨てにしていますが、今回の作品ではさんづけ。テンテンは原作サクラと一緒で特別な扱いとして?そうしてみました。

やはりテンテンさんはかわいいですね(確信)

そしてテンテンさんはナルトだけでなく、ネジ、リーと組ませてもいいし、ここでまさかのキバやチョウジなんかもありなんじゃないかと思っていますがそれはかくかわかりません。

まぁなんにせよテンテンがかわいいという現実。

それを文字に起こすことが難しかったなと感じております。

読んでいただいて楽しんでいただけたなら幸いです。

でわ。
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