イナズマイレブン~クロスライジング~   作:shoogel

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果たしてトライペガサスは完成するのか!?


羽ばたけトライペガサス!

「午後の飛行機でアメリカに帰る、それまでに必ずトライペガサスを完成させるんだ!」

 

そして次の日、一之瀬は今日の午後アメリカに帰ってしまうとのことだった。

 

昨日の特訓では結局完成させることが出来なかったトライペガサス…それをなんとしても今日、完成させようと、円堂達は再びトライペガサスの特訓を開始し始めていた。

 

「うわあっ!?」

 

「くうっ…!もう少しなのに…!」

 

「もう一度だ!」

 

すでにかなりのレベルまで完成してきているトライペガサス…、3人の交差もほぼ1点で交わっているように見えるが、それでもわずかな誤差のせいか完成まで一歩及ばずにいた。

 

その最後の一歩がまた遠い道のりで円堂たちが何度チャレンジを繰り返しても、どうしても惜しいところで技が失敗してしまう。

 

そうしているうちに時間はどんどんと過ぎていき、ついに午後3時をまわってしまった。

 

「「「はあ、はあ、はあ、はあ…!」」」

 

(私もみんなの力になりたい…力に…!)

 

これ以上特訓を続ける時間はなく、このまま未完成で終わるのかと悲壮感が漂い始めた円堂達…。

どうにかして3人の力になりたいと秋が苦悩していると、その脳裏に初めてトライペガサスを習得した時の記憶が蘇った。

「あっ…!」

 

「どうしたんだ木野?」

 

俺がそう木野に言うと、木野は叫んだ。

 

「思い出したの、ペガサスが飛び立つには乙女の祈りが必要だって!」

 

「はあ…はあ…んっ、木野…?」

 

「私が目印になる。3人が1点で交差出来るようにポイントに立つわ」

 

「木野そんな事したら危ないぞ…!」

 

俺も心配して声を掛けるが、

 

「大丈夫…私、みんなを信じてる!」

 

そう言い切った。

 

だがトライペガサスは、3人が全速力で突っ込んでくるうえにボールを竜巻で吹き飛ばす技…、その交差ポイントに立っていたりしたら、技が失敗した時にどんな大ケガをするか分かったもんじゃない…。

 

「…頼むぞ、木野」

 

「円堂、ポイントの前に立つってことは、失敗したら木野は…」

 

「だから成功させるんだ、木野は俺達の成功を信じてくれてる!信じる心には…」

 

「行動で応える、だね」

 

「へっ?」

 

「はは…ったく、あの時と同じだな」

 

「初めてトライペガサスを成功させた時も、今と同じように秋がポイントの前に立って…円堂、俺も君と同じ事を秋に言ったんだ!信じる心には…」

 

「行動で応える!!」

 

以前にもトライペガサスを完成させた時にもこんな無茶をやっていたという秋…。失敗したら大変だが「だからこそ絶対に失敗できない」という緊張感がこの技を成功させる鍵になっているようだ。

 

そして秋を交差ポイントに立たせ、ついに3人は最後のチャレンジを開始した。

 

「チャンスはこの一度のみ…!」

 

「「「絶対に成功させるんだ!!行けえーーっ!!」」」

 

3人が綺麗に交差線を描き、強烈な風が巻き起こる。その勢いでボールはペガサスへと変化し、空へ羽ばたいた。そして一之瀬、円堂、土門も大きくジャンプをして、3人で同時に蹴り込んだ。

 

「「「トライペガサスッ!!」」」

 

ついにその完壁な姿を現したトライペガサスは美しかった。

 

だがこれだけ凄い強風が巻き起こったならば、あんな近くにいた木野は大丈夫なのか…。

 

「やったああああっ!!できた!できたよ一之瀬!!」

 

「ああ!やったな円堂!ありがとう土門!」

 

「おお!どうよぉ!」

 

「うん!みんな素敵よ!」

 

「素敵でヤンスー!」

 

「へっ?」

 

ついにトライペガサスを完成させた歓喜に震えながら、思い切り抱き合って喜びを分かち合う円堂たち。しかしその中には、なぜか何もしてない栗松達の姿もあった。

 

「へへっ、俺達だってマネージャーを守ろうって…なっ」

 

「うん!」

栗松たちはトライペガサスが発動したあの瞬間、我が身を盾にして秋を竜巻から守っていた。

 

「お、お前達…!嬉しいことしてくれるぜ、この~!」

 

「へへへっ、万が一に備えてたのは俺たちだけじゃないでヤンス」

 

「えっ?」

 

栗松達に改めて飛びつきながら喜ぶ円堂。しかし栗松は、備えのために動いてたのは自分達だけじゃないと言う。

 

そんな栗松の指差した先には、栗松達がカバーし切れなかった時のために、医療器具を持ってきていた俺たちが待機していた。

 

「み、みんな…!」

 

「秋…!このチームは最高だよ!円堂、君達に会えて本当によかったよ!」

 

仲間を大事にする俺たち、雷門イレブンに感動した様子の一之瀬。

 

そして最後にまたあの爽やかな笑顔を残すと、一之瀬はアメリカへと旅立って行くのだった。

 

「あの飛行機かな…」

 

「うん、多分ね…」

 

「一之瀬ぇーーっ!また一緒にサッカーやろうぜー!!」

 

太陽も沈もうとしていた頃、雷門中の頭上を飛んで行ったアメリカ行きの飛行機。あの中に一之瀬も乗っているんだろう。

 

円堂はまた再会する日を夢見て飛行機へと叫んだ、サッカーを続けていればまたいつか一緒にサッカーをやれる日が来る。

 

俺がそう思ったときだった。

 

「うん!やろう!」

 

「え、えっ!?」

 

俺も思わず驚いた。

 

「い、一之瀬!?どうして!?」

 

円堂も驚いたように叫ぶ。

 

「あんなに胸がワクワクしたのは初めてだ!だから帰るに帰れない、もう少しここにいる!俺、一つのことに熱く燃えるみんなとサッカーがしたい!円堂達と一緒にサッカーがしたいんだ!」

 

「雷門に来てくれるのか!?」

 

「うん!よろしく!」

 

そんなこんなで一之瀬は、なんと雷門中に転校することになり、雷門イレブンの仲間入りを果たしたのだった。

 

「みなさぁぁーーん!!」

 

「あっ、音無さん?」

 

「はあ、はあ、つ、次の対戦相手が決まりました…!」

 

一之瀬の加入に雷門イレブンが喜んでいたその時、準決勝での対戦相手を知った春奈が大慌てでやって来た。

 

「つ、次の対戦相手は…木戸川清修です!」

 

「…!!」

 

「き…木戸川清修…!?」

 

「木戸川清修と言えば豪炎寺の古巣の学校…!?」

 

俺は豪炎寺にそう問うが返事はない。

 

豪炎寺は木戸川にいた去年、帝国との全国大会決勝へ応援に来た妹が事故に遭い、自分も病院に向かって決勝戦を欠場し、サッカーを辞めてしまった身…木戸川のチームメイトからしたら《裏切り者》と見られても不思議じゃない。

 

……これは一筋縄では行きそうにはないな…。




雷藤「円堂ちょっといいかー」
円堂「どうした?」
雷藤「円堂のおじいさんのノート貸してくれないか?」
円堂「いいけど読めるのか…?」
雷藤「読めるようになってみせる!」
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