イナズマイレブン~クロスライジング~   作:shoogel

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舞台は新しい舞台へ!


エイリア学園編
宇宙からの侵略者!!


「痛つつつ…!」

 

「ほら無理ばっかりするから…」

 

俺はナイトメアとの試合が終わった後、トロフィーなどをみんなで貰い、集合写真など取ってすぐに病院に向かっていた。

 

「それにしても…俺たちが優勝か…」

 

俺が感慨深そうに呟くと、心美はふふっと笑いながら話す。

 

「お兄ちゃん優勝おめでと!でも入院もオマケで付いてきちゃったけどね~」

 

「はは…笑えねぇ…」

 

俺は無理ばかりし過ぎて流石に、足の状態は悪化していた。変わりに目は少しは見えるようになってきていた。

 

「ちゃんと入院して、安静にしててね!」

 

「へいへい、気をつけるよ…、…?心美…あの外のはなんだ?」

 

「えっ?外?」

 

俺たちはその外の光景に絶句した。

 

「あの方向は雷門中!?私ちょっと行ってくる!」

 

「あ、ああ…気をつけろよ!」

 

 

時を同じく──────

 

「誰がここまで行けるって想像した!?俺達はじめは7人だったんだぜ!」

 

「廃部廃部って馬鹿にしてた奴もいたよな~」

 

数ヶ月前までは部員も足りず、円堂と雷藤以外に誰一人やる気のなかった雷門イレブン。それがここまで登り詰めたことに、古参メンバーの半田は心底嬉しそうに話す。夏未も最初は「帝国学園に負けたら廃部、尾刈斗中に負けても廃部」と怠け者揃いのサッカー部をさっさと潰そうとしていたのが今では懐かしい。

 

「それを言うなら鬼道君だって、最初は豪炎寺君以外相手にしてなかったわよ~?」

 

「ふふ、最初はな。だが帝国との練習試合が、結果的にはお前達全員を目覚めさせた」

 

「私は…この日が来るのをずっと信じてたよ!」

 

「ありがとう、秋!」

 

そしてまたまた時を同じく──

「夕香…俺、勝ったよ」

 

「…」

 

お祭り騒ぎのバスとは正反対に、今日もしーんと静まり返っていた夕香の病室。

 

夕香が何より望んでいたフットボールフロンティアでの優勝、豪炎寺は優しい微笑みを浮かべながらその報告をするが、夕香は相変わらず静かに眠ったまま、何の反応も返してはくれない。

 

穏やかな表情を浮かべながらも、何かを諦めるように目を伏せる豪炎寺。そして花瓶の花を換えてやろうと、後ろの棚へ向き直った瞬間だった。

 

「………お兄ちゃん…?」

 

「…!?」

 

その時、豪炎寺の背中に小さく語りかける声が静寂に包まれていた病室に響いた。

 

自分の耳が信じられないかのようにベッドの方へ振り向く豪炎寺。

 

しかしそこには、紛れもなく夕香が目を開けて言葉を発していた。

 

「お兄ちゃん…」

 

「…っ…ぁ…!」

 

信じられない出来事に、思わず花瓶を取り落として駆け寄る豪炎寺。

 

目を開けている夕香の姿を目にしても、ただただ驚きばかりが豪炎寺の中に広がって現実とは信じられないようだ。

 

そんな夕香が本当に存在しているかを確かめるように、ゆっくりと夕香の髪に触れ始めて…

 

夕香は静かにそして優しく豪炎寺に微笑みかけた。

 

「…う…っ…く…!」

 

1年振りの再会に涙を流す夕香。

 

そして驚きだけに包まれていた豪炎寺もようやく実感が湧き始め、溢れる歓喜を抑え切れずにボロボロ涙を流す。

 

「…夕香…お兄ちゃん…勝ったよ…!」

 

豪炎寺はしぼり出すような声で夕香に語りかけるのだった。

 

 

 

雷門イレブンside

 

「見えて来たぞぉ、稲妻町だ!」

 

ひゅるるるるるる

 

「んっ?なんだ?」

 

その頃雷門イレブンの乗るバスは、慣れ親しんだ雷門中の近くへと帰ってきたところだった。

 

ところがその時、ふと気がつくとはるか上空からひゅるひゅる黒いサッカーボールが落ちてきていた。

 

「なんだありゃ?今日の天気は晴れ時々サッカーボールか?」

 

と、円堂達がいぶかしげな顔をしていると…

 

ゴワシャオオオオオオン!!

 

「…!?」

 

突如鳴り響いた世にも恐ろしい轟音、そして隕石でも直撃したかのような凄まじい衝撃に包まれた雷門中…。

 

突然目の前で起こった悪夢のような大惨事に、ひたすら困惑しながら雷門イレブンは雷門中へと急ぐと…。

 

「な…!なんてこと…!?」

 

「な…何が起こったんだ…!」

 

円堂達が到着した雷門中の様子はひどいものだった、通い慣れた校舎は跡形もなく破壊され、完全なる廃墟に変わっていた。

 

「き、君達なのか…?」

 

「あっ…!校長先生!何があったんです!?」

 

「う、宇宙人だ…」

 

「え…?」

 

「宇宙人だ、宇宙人が攻めてきたんだよ!」

 

その時廃墟と化した校舎の中から、命からがら助かったという様子で現れた校長先生。

 

ところがそんな校長に話を聞いてみると、「宇宙人が攻めてきた」などと話し始めた。

 

「うぐ…う…うう…」

 

「あ…!?イナズマイレブンのおじさん達!?」

 

「め…面目ありません…皆さまの代わりに宇宙人と戦ったのですが…まったく…歯が立ちませんでした…」

 

「ま、まさか…本当に宇宙人と戦ったっていうのか…!?」

 

ところがその時、周囲のうめき声に気づいて辺りを見渡してみれば、なんとそこにはボロボロの姿で倒れているイナズマイレブン達の姿があった。

 

話を聞けば校長と同じく宇宙人の仕業だとか…ここまで来ればさすがに校長の世迷い言で済む問題ではない。

 

宇宙人というのは本当の話なのか…と円堂達が息を飲んでいると、そこへまさにその張本人である宇宙人たちが現れた。

 

「や、奴らです…!奴らが戦いを挑んできたのです…!」

 

「我々は遠き星エイリアよりこの星に舞い降りた、星の使徒である。我々はお前達の星の秩序に従い、自らの力を示すと決めた。その秩序とは…サッカー!サッカーはお前達の星において、戦いで勝利者を決めるための手段である。サッカーを知る者に伝えよ。サッカーで我々を倒さぬ限り、この地球には…存在できなくなるであろう!」

 

サッカーで宇宙人に勝てなかったら人類滅亡というとんでもない話に円堂達は戸惑う。

「宇宙人だろうがなんだろうが、学校ブッ壊されて黙ってられっかァ!!」

 

誰もが動揺する中、動じていない染岡が叫ぶ。

 

「染岡…!ああ、見せてやろうぜ俺達のサッカー!!」

 

「その必要はない」

 

染岡の闘志で盛り上がる雷門イレブンだったが「試合をするまでもない」と軽くボールを蹴ってみせた宇宙人。

 

するとそのボールが恐ろしい威力を持って円堂達へと飛んで行く。

 

グオバオオオオオオオオ!!

 

「マジン・ザ…!!」

 

ズッバアアアアン!!

 

「うあああああーっ!!」

 

すかさずマジン・ザ・ハンドで受け止めようとする円堂だったが、あまりのスピードにまるで反応が間に合わず円堂は吹き飛ばされ、そして凄まじい威力を持ったボールは、あろうことか円堂達サッカー部の部室を直撃し、崩壊させた。

 

イナズマイレブンの時代から、数々の思い出が詰まったサッカー部の部室…、それが円堂達の目の前で、無残にもグシャグシャに破壊されてしまった。

 

「お…俺達の部室が…!」

 

「…なんということを…!」

 

シュウウウウウウウ

 

凄まじい宇宙人の実力に雷門イレブン達が戦慄する中、妙な光に包まれて忽然と姿を消してしまった宇宙人。

 

どうやらこれ以上留まる意味がないとして、別の場所へと去っていったようだ。

 

「…恐ろしいシュートだった、スピードもパワーも…あんなのは見た事がない…」

 

「世宇子でさえ…さっきのシュートに比べたら…」

 

「マジン・ザ・ハンドでも止められなかったなんて…」

 

「いいや…技を出す間もなかった。そうだろう、円堂」

 

「……」

 

世宇子のアフロディすらも凌駕する恐るべき威力のシュート、地球人とはまるで次元の違う宇宙人の実力…。

 

やっとの思いで習得したマジン・ザ・ハンドも無意味と化すそのレベルに、雷門イレブンはすっかり意気消沈してしまった。

 

ピリリリリピリリリリ

 

「一之瀬君から…?」

 

ピリリリリピリリリリ

 

「お父様…?」

 

とその時、夏未と秋に向けてかかってきた理事長と一之瀬からの電話。

 

何かと思って電話に出てみれば、なんと2人からは「他の中学校も次々と宇宙人の襲撃を受けている」という報告が伝えられた。

 

一之瀬達が向かった木戸川清修も、雷門中と同じで無惨な破壊の跡が残るばかり…。

 

武方3兄弟や西垣もまるで宇宙人の相手にならず、手痛い敗北を喫してしまったようだ。

 

「お父様、今どこにいるんです!?」

 

《説明は後だ!宇宙人は今、傘見野中に現れている!》

 

「傘見野中…!?」

 

「傘見野中なら隣町だ!」

 

「行こうぜ…!助っ人に行くんだ!やられっぱなしで終われるもんか!」

 

そして理事長からの情報により、宇宙人の現れた傘見野中へと急行する円堂だった。

 

そして心美も夏未の連絡を受け、傘見野中に向かうのだった。




雷藤「心美…気をつけろよ…」
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