ベンチに帰って行き、腰を下ろすと隣にシアリアが座った。
「いい感じだね!このまま押し切れるんじゃない?」
シアリアがそう話す、しかしそう簡単に行くはずが無い。
俺はシアリアの方を見て話す。
「そう簡単に行けばいいがな…」
「どういう意味?」
シアリアの問いに答える。
「ガイアは本気を出していない」
シアリアは一瞬驚きの表情を浮かべたが、すぐにクスクスと笑い話す。
「エクレール〜、どの口が言ってるのかしら?」
「何が可笑しいんだ」
俺がそう話すとシアリアは立ち上がった。
「ガイアが本気出してない?ふふふ、それはエクレールもでしょ?後半期待してるね」
「……………こういうのは鋭いんだよな女って」
俺も立ち上がりスパイクを結び直すとグラウンドに向かった。
後半、俺らスターダストからのボール。
俺はシアリアの言葉が脳内に響いていた。
(ガイアが本気出してない?ふふふ、それはエクレールもでしょ?)
「出来れば雷門用にとっておきたかったんだがな。仕方ない」
「何、独り言言ってんだエクレール」
ガエンにそう話し掛けられ、一言声を掛ける。
「すぐにわかるさ」
ピーーーーーーーーーー!
笛が鳴り響き、ボールがガエンからセツリュウに渡る。
セツリュウの華麗なドリブルにグラン、ウィーズは翻弄され簡単に抜かれる。
「ガエン!これで決めてくれ!」
セツリュウはガエンにセンタリングを上げ、それにガエンが合わせる。
「燃え尽きろ!ブラストバーン!!」
火柱を上げ、唸りをあげネロが守るゴールに向かう。
「さっきは油断したが、今度は油断しない」
ネロはゆっくりと右手をあげ、手を開く。
「時空の壁……!」
突如としてボールの威力が落ち、ゆっくりした動きになる。
そしてそのボールをネロが裏拳で弾いた。
バァァァァン!!
凄まじい音が響くと、ネロが弾いたボールが勢いそのままゴールに向かって行く。
シャアが何とかカットしてクリアしたが、そのままカウンターに持ち込まれていたら危なかった。
「ネロはやはりバケモノだな」
ロイがそう呟く。
俺はその言葉に不敵な笑みを浮かべ話す。
「ふん…バケモノはあっちだけじゃ無いぜ?」
「…?どういう意味だ」
俺はその問いには答えず、グランのマークに付く。
「エクレール。君じゃガイアには勝てない」
グランが俺にそう話しかける。
「何か勘違いしていないか?スターダストのメンバーでお前達ガイアを倒すんだよ」
俺はそう言い残すと、素早く動きスローインからのボールを奪い、前線に上がって行く。
「速い……!!」
ウルビダのブロックをいとも簡単に突破し、DFのキープと一対一に持ち込んだ。
「行かせないわ!グラビテイション!!」
「ぐっ……!」
グラビテイションによりかなりのGが俺に襲い掛かる。
「くくく………」
「………!?」
キープが驚いたのもしょうがない。
俺は自力で立ち上がったのだから。
「そんなあり得ない!」
「あり得るんだよ。相手が悪かったな……」
俺は自力でグラビテイションを打ち破り、キープを抜きに掛かる。
「紫電一閃……!!」
電光石火の進化版、速さに更に特化したドリブル技だ。
「今の俺は誰にも止める事は出来ない」
俺はそのままゴールに向かい、ネロと対峙する。
「エクレールお前じゃ、俺からは点は取れない」
「どの口が言ってんだ。鼻から俺の眼中にお前は居ないぜ」
「なに……?」
ネロが少し俺を睨む。
「その面、最高だぜ。まあ今からもっといい面になると思うぜ」
俺は高々とボールを蹴り上げた。
蹴り上げた場所から徐々に雷雲が拡がっていき、稲妻が走る。
その稲妻がボールに集中し、雷雲から稲妻と共にボールが降り注ぐ。
「天翔ける雷よ!!唸れ……天地雷鳴ィィィィ!!!」
その稲妻を纏ったボールを俺は渾身のひと蹴りで叩き込んだ。
あまりの威力に地面は大きくえぐれていく。
「こんなシュート…!」
ネロは前に手を出すと、あの技を発動させる。
「時空の壁…!」
ネロが発動させた時空の壁だったが、天地雷鳴の威力に耐え切れず空間そのものが崩壊していく。
「そ、そんな馬鹿な!?う、うわあああああ!!」
ピーーーーーー!
俺が放った渾身の天地雷鳴は、相手のゴールそのものを吹き飛ばし点を奪った。
「ネロ……!」
グラン達がネロに駆け寄る。
怪我は無いようだが、意識を失っている。
「勝負あったようですね」
そんな声と共に、父さんが近寄る。
「この勝負はスターダストの勝ちです」
「俺たちガイアが本気を出せばスターダストにだって……!」
グランがそう言うとウルビダも話す。
「そうです父さん!私たちの力はこんなものでは……!」
すると父さんは少し考え口を開いた。
「では、スターダストとガイアから選抜して、その選ばれたメンバーにザ・ジェネシスの称号をあげましょう」
その父さんの提案に全員が沈黙した。
「異論はないよ父さん」
俺はそう口を開いた。
当然だ、強いメンバーを集めて最強のチームを作る。
これ以上に最適な方法などない。
「決まりですね、結果は追って伝えます。その間、自由にして居なさい」
父さんはそう言い残すと、姿を消した。
ある意味今回の試合は運が良かった。
ガイアが初めから本気を出していたら、正直わからなかった。
グランのシュートだけであの威力…。
ガイアには更に強力な技があった事だろう。
グランが俺に近付き話し掛けてくる。
「いい勝負だった。今度は同じチームになりたいものだね」
「確かにな…、お前らとやるのはもう懲り懲りだぜ」
俺もそうグランに言うと、グラウンドを後にした。
「次の戦いまで休戦だな」
俺はそう言うと服を着替えて、外に出て行った。
シアリア「エクレール、ワイルドでカッコ良かった……」
ガエン「俺の方がワイルドだっただろ!」
シアリア「…………」
セツリュウ「スルーされたな……」