博麗神社の居候   作:アマザケ01

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えー、三日坊主というものは怖いもので、気づけば早こんな時期に…


第四話 進め、針妙探検隊!

幻想郷に、一羽の鳥が空を舞う。その鳥は優雅に滑空し、幻想郷の景色一面に目を通す。それはまるで絵に描いたような美しい風景であり、その風景は……

 

「こ、こら! 離せー! おーろーせー!」

 

1人の騒がしい小人族により遮られた。

 

鳥に捕まえれながらもジタバタと私は体を揺らす。お煎餅を取り上げられ、さらに私まで攫われるだなんて思わなかった。全く、どうしたものか……

 

「……ん? あ、これがあるじゃん! これで……」

 

そう言いながらも私は先ほどから手に持っていた小さい針(私にとっては少し大きい針)に力を込め、鳥の体へと突き刺そうと……

 

「……………」

 

したところで、鳥がじっとこちらを見つめているのに気がついた。

 

「な、なにさ。刺されるのが嫌だっていうの? もしそう思うんだったら私を霊夢のいる神社まで戻してよ! ほら、早く!」

 

その目線に少したじろぎつつも、バタバタと両手両足を振るう。しかし、その鳥は特になにも思ってはいない、否、言葉が通じているかすらわからないその目線を前へと戻し、不意にとある木に向かって急降下する。

 

「ひゃぁああぁぁあぁっ!?」

 

怖い怖い怖い怖い!私は絶叫を上げ、軽く涙を流しながらもぎゅっと足にしがみつく。

 

鳥はすっとその木の枝の一本へと降り立てば、幹の近くにあった巣へと自身の体を向ける。きっとこの巣がこの鳥自身の巣なんだろう。そしてそこには

 

「「「ぴぃ! ぴぃ! ぴぴぃ! ぴぃ!」」」

 

3匹の小鳥がその親鳥を出迎えるように巣の中で声をあげていた。

 

「……雛鳥? へぇ、あんたってもしかしてお母さんなの? 結構大変なんだねぇ……」

 

私はしみじみと感慨深い思いをしながらも、その小鳥へと視線を移す。小鳥はその親に向けて、何かを訴えかけるようにぴぃぴぃと鳴き続ける。それに合わせて親鳥も、コクリと軽く頷きを返す。そう、それはまるで、親が子にとってきた食材を振る舞うような仕草であ

 

「待った待った待った! この場合の食材ってどう考えたって私のことだよね!? 私のお煎餅食べておきながら、私自身も餌にしようってこと!? 確かに私がいなくなればお煎餅のことを気にすることも必要ないけど、いくらなんでも発想が飛びすぎてない! ……あ、今のは鳥だから飛んでるって思ったわけじゃなくて」

 

なんで私が上手いことを言ったと思っていた矢先、ぽいっとその小鳥に向けて私が放り投げ出される。

 

「へぶっ!」

 

口から言葉を発していた私は、咄嗟のことに対処できず、顔から着地してしまった。

 

「いててて……って、うわわっ! こ、こっち来ないでよ! というか来るなーっ!」

 

巣の中で私と小鳥の追いかけっこが始まった。霊夢普通の人間なんかの背丈からすれば、おそらくは手のひらに乗る程度のサイズである小鳥。しかし、私からすれば同等のサイズの私を食べようとしている存在が3匹も襲いかかって来ているのだ。正直、めっちゃ怖い。

 

「……はっ……これが本当のチキンレース……って、そんなこと言ってる場合じゃないから!」

 

ふと思いついた言葉を口にしながらも、そっと懐から一枚のスペルカードを取り出す。

 

「スペル! 「七人の一寸法師」!」

 

私がそう言葉を発すれば、カードが光る。そして、私の周りに私とそっくりの姿をした私の分身が6人増える。私を入れて合計七人。これなら……!

 

「「「ぴぃぴぃぴぃ!!!!」」」

 

「「「「「「「いーやぁぁああぁっ!!!!」」」」」」」

 

ただ餌が増えただけだった。

 

その様子を、親鳥はほっこりとした様子で見つめては、また新たな餌を探しに行こうと思ったのか、再び翼をはためかせては飛び去っていく。

 

「! チャンス!」

 

飛び去っていくのに目が向けば、呼び出した分身が六人が、それぞれ1匹に二人の割合で小鳥を押さえ込む。そしてその隙に、本体の私が巣から飛び降りる! ……なんだか、後方から、叫び声が聞こえた気がするけど……うん、私は今日も元気です!!

 

そう自分に言い聞かせながら地面へと降り立ち、早めにスペルカードを解除する。これなら被害が出る前に対処できたはず。そう考えながらも、辺りをキョロキョロと見渡す。一面は草木に覆われ、まるで巨大なジャングルのように生い茂っていた。まぁ、普通の人からすればただの小さめの森や林みたいな感じだと私は思う。

 

「……うーん、霊夢の神社ってどこにあるんだろ……」

 

私は少し小首を傾げながらも、思いついたように自分の針を地面へと突き刺す。そして

 

「……えいっ!」

 

その針から手をパッと離す。すると、針はフラフラと揺れ、数瞬後にはパタンと倒れこむ。

 

「……よし、こっち!」

 

その倒した針を再び手に持ち、倒れた先に向かって歩みを進めていくことに決めた。きっと、私の運が良ければ神社にたどり着くはず!

 

そう、この時私は運が良ければ、このまま真っ直ぐに歩いていけば辿り着くと思っていたの。でも、私は考えなかった。否、考えつかなかった。

 

運が悪かったからこそ、こんなことになっているのだ、と。




はい、ということで今回も書き終わりました。いやー、なんとか書けました。久しぶりだったので不安ではあったのですけど……良かった良かった(ただし更新はめっちゃ遅かった)
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