旅の行く末   作:仮面騎士

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8話

横浜とある公園

俺は、昨日稼いだお金を公園でホームレスや失業者達に配っていた。少しのお金との明日のパンツさえあれば、生きていける。何故か最近そういった思考になってきた。それに服の趣味も変わった気がする。ちなみに、俺が今着ているのはエスニック調の服だ。お金を配り終わると、一人の少女が近づいてきた。

「ごめん、今日はもうお終いなんだ。また明日来てくれるかな。」

俺はお金を受け取りに来た子だと思い、優しくそう言った。

「嫌ですね、違いますよ。私が欲しいのは…。」

言い終わる前に彼女は、自分の目の前まで来ていた。そして、

「チュッ。」

キスをしてきた。その瞬間、頭から何かが抜けていくのを感じた。しかも凄いスピードで。彼女がキスを終えた瞬間その場に倒れ込んだ。

「思い出ですよ。まあ、もう聞こえてないでしょうけど。それにしても、凄い思い出の量ですね。この分だとミカの分の思い出はすぐにたまるでしょう。」

そう言って、次の相手を探しにガリィはその場を去っていった。

数時間後、昴は起き上がった。

「何だったんだ、あの子は。痛っ。頭が痛い。」

昴は最初に転生する前の記憶をほとんど持っていかれていた。しかし、昴は何度も転生を繰り返してきた。そのおかげで、普通の人の何倍もの思い出を有している。そのおかげで助かったのだ。ちなみに女神に会う以前の記憶は完全に無くなっている。

「あー頭痛っ。くそっ。」

昴は頭を押さえながら、寝泊まりしているテントに戻っていった。

 

深夜の公園

昴は夜まで全然動けなかった。しかし、もうすぐ野外コンサートの時間だ。

「休む訳にはいかないよな。」

すでに観客は沢山来ていた。昴は重たい体を引きずりながら、ステージに向かった。

今日、歌うのはGot to keep it realとRide on Right timeだ。

 

そのころ、公園の近くには立花響と小日向未来がいた。

「ごめんね、気晴らしの散歩に付き合ってくれて。」

「気にしなくていいよ響。」

眠れない響は気晴らしに近くの公園に散歩に来ていた。

(この手で人を傷つけるのが怖い。だけど、私の弱さがみんなを危険に巻き込んだ。どうしたらいいんだろう。)

響は今日の出来事で悩んでいた。未来はそんな響のことを心配している。そんな時、二人の耳に誰かが歌う声が聞こえてきた。

「一体何だろう響。」

「行ってみよう。」

二人は歌声が聞こえてくる場所に向かった。するとそこのは多くの人が一人の歌う歌に熱狂していた。

(凄いこの人。)

響はステージで歌う男の歌声に聞きほれていた。

(特別な力がなくても、歌でこんなに多くの人を幸せにできるんだ。)

二人はその歌声に聞き入っていた。コンサートが終わっても二人はしばらく熱が冷めぬ様子でその場に居た。

「おい、どうしたんだ。コンサートはもう終わったぞ。」

そんな二人に話しかけてくる人がいた。それは、ステージで歌っていた男の昴だった。

「今日のコンサート本当に最高でした。」

「ちょ、ちょっと響落ち着いて。」

響はものすごい勢いでまくしたててきた。そんな響を未来がなだめる。

「ありがとう、そう言われると嬉しいよ。」

そう言い微笑む。その笑顔を見て、二人は赤くなっていた。

(うわー、とってもかっこいい人だ。)

(その笑顔は反則ですよ。)

そんな二人の様子に気づかず再び話しかける。

「俺の名前は黒木昴、それで君達の名前は?」

「私は立花響です。」

「小日向未来です。」

「響ちゃんに未来ちゃんか。それで、二人は何でこんな所に居るんだ。君達みたいな子が出歩く時間じゃないと思うけど。」

その言葉に二人の顔が暗くなる。

「えーっとそれは…。」

口ごもる彼女に昴は優しく問いかける。

「何か悩みがあるなら言ってみて。人に聞いてもらうのともらわないとでは、随分違うよ。」

響は今日あったことの一部を隠し昴に話した。勿論シンフォギアやオートスコアラーの事は内緒にしてだ。

「私、怖いんです。この手で人を傷つけてしまうのが。戦う力があるのに。」

そう言う響に昴は真剣な表情でこう答えた。

「響ちゃん、君は人助けが出来る時に出来なかったら後悔する?」

「当たり前ですよ。」

「手が届くのに手を伸ばさなかったら一生後悔する。それが嫌だから人は手を伸ばすんだ。響ちゃんは、後悔したままでいいの。」

「それは嫌です。」

「だったら自分が後悔しないようにしないと。君の力は誰かを傷つける力じゃない、誰かを守ることのできる優しい力だと思うよ。それに、君には支えてくれる友達もいるんだから。」

昴は未来の方を見てそういった。響はどことなく吹っ切れた顔をしていた。

「ありがとうございます。すいません、急にこんな話をしてしまって。」

「いいよ別に。またコンサート見に来てね。毎週ここでやってるから。」

「それと、良かったら呼び捨てで呼んでください。」

「私もお願いします。」

「分かったよ。気を付けて帰るんだよ。」

そう言い、昴は寝床のテントに帰っていった。

 

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