竜破壊でありながら竜と共に歩む者 作:リメイクカード
悪魔に転生してから早数日。俺たちは夜中に自転車を走らせていたのだった。
「竜弥さん!次で最後っすよー!」
「了解!」
ちなみに俺の後ろにはミッテルトが乗っている。警察に見つかると面倒なこと極まりないがミッテルトがどうしてもと言うのだ。なんでも少女漫画で見たのをしてみたかったのだと言い、押し切られたのだ。
まぁ、別にいいんだけれども。
あぁ、そうそう。ミッテルトは家に住むことになり、俺たちは悪魔となったことを叔母さんに包み隠さず話した。勿論、怖れられ出て行けと言われることも覚悟したが、叔母さんは『それがどうしたの?竜弥くんとミッテルトちゃんは2人のままなんでしょう?だったら居てもいいわよ~。あ、でも孫が見れないかもしれないのは残念ねぇ~』なんて全く動じずにいつもの調子で話していたのだった。
まぁ、そんなわけで俺とミッテルトは今では一緒に暮らしている……毎朝、何故かミッテルトが潜り込んでいるが。
「ふぅ……とりあえず、無事に終わったな」
「使い魔がいたら楽なんすけどねー」
今さっきまで俺たちがやっていたのは俺が駅前で貰ったチラシを配っていたのだ。本来なら自身の使い魔がそれを行うのだが、悪魔になって間もない俺たちにはそんなモノはいない。(俺にはそれに近い奴がいるが、まぁ言ってないし、別にいいかと思っている。あと、トモにそれができるのかが不安で仕方なかったのもあるのだが)
で、俺たちが悪魔家業をしていくためにもチラシ配りは必須らしく、それをやらされていたのだった。
「しっかし、部長もうちの王様ものんきっすねー」
「確かにな。堕天使がいるのはわかってるのに手を出さないなんてな」
まぁ、ミッテルトが知ってた隠れ家はもぬけの空になってたしな。どうやらミッテルトは初めから切られることが決まっていたと考えるほうがいいのだろう。まったく、胸糞悪いことこのうえない。
「でもでもうちは竜弥さんと一緒にいられるからいいっすよー♪」
「抱き付くなっての。漕ぎにくい」
んでもって、ウチの部長様の権限でミッテルトはめでたく駒王学園2年となり俺と一誠と同じクラスと相成った。その時のことがこれだ……。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「はじめまして、うちはミッテルト・古閑っす!」
「うちは竜弥さんの………愛の奴隷っすー!!ほかの男にはキョーミないんで、そこんところよろしくっす!!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
だったのである。幼い見た目ではあるが十分高校生でも通じる彼女、当然見目麗しい彼女は男どもを奮い立たせ、そしてすぐさま絶望のふちに叩き落したのだった。しかも俺のことまでしっかりと明言してしまったがために俺にまで視線は突き刺さってくるのだ。とくにハゲとメガネの視線が多かった。というかアイツらいつもか。
それを見た一誠は珍しく俺に対して噛みつかず、むしろ気の毒そうな目を向けてきていたのだった。
それ以降、ミッテルトは学校で俺にべったりとひっついているのだ。そのせいで女子連中からは既にカップル認識で通ってしまっているのだった……なんでこうなった?
「ふふふ……桐生っちには感謝っすー」
「あいつが原因かい!?」
桐生……
「なんで桐生が出てくる?」
「なんでって……噂の流布に桐生っちが手伝ってくれたからっすよ?」
「意図的に流したんかい!?」
「当たり前っす!せっかく近くにいられるんだから虫がつくのを防がないと!」
「つきあってねぇだろ、俺ら」
「今はね」
「意味深に言っても意味ないからな?」
「もう、うちと竜弥さんのなかじゃないっすか~」
「はいはい……さて、チラシ配りもそろそろ終わりか?」
「なんでそう思うんすか?」
「結構な家に配ったからな。そろそろ契約取りになるだろうさ」
さて、それでは帰るとしますか。
「今日は一緒にお風呂に入るっすよー」
「入らねぇからな」
「えー……」
「えー、じゃない」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
さてさて、あれから更に数日。俺とミッテルト、一誠は契約取りにいくようになったのだが、一誠は魔力が足りず、自転車で向かうという無様極まりないことになっていた。(俺とミッテルトは普通に飛べた。またその様子を見てうちの王様は超☆笑っていた)
ミッテルトはその容姿からロリコンの方に多く呼ばれ、俺は何故かボディガードやら彼氏役なんかが多かった。そこら辺は木場とか黒崎とかが向いてるだろうに。
んで一誠は何故か変人に呼ばれることが多かったらしい。なんだよ、魔法少女を目指す
んでもって、俺とミッテルトはなんだかんだで契約を取ってくるが、一誠は取れず、しかしアンケートは最高であるというアンバランスという結果が出ていた。
そんな感じの数日を過ごしていたのだが、今日は一誠が怒られていた。
なんでも迷子になっていたシスターを教会に送っていったのだそうだ。今までなら問題なかったが、悪魔となった今ではそうもいかない。俺たちは敵対者となってしまったのだから。今後は俺も注意が必要になるのだろうな。
さて、そんなお説教もそこそこに、大公(貴族の位のことだろう)よりはぐれの討伐依頼がやってきたのだった。しかも二件も。俺たちはそれぞれのチームに分かれて、そこに向かったのだった。
「さて、それでは悪魔の駒について説明するよ」
んで、町はずれの山の中に今俺たちは居り、はぐれ悪魔を探している最中だったりするなか、我らが女王、フェネクスより講義が入った。
「まずは、私のもつ女王の駒から。女王の駒は僧侶・騎士・戦車・兵士の特性を兼ね備えているよ」
「想魔と魅魔の持つ僧侶の駒は魔力の底上げだよ。続いて竜弥の持つ騎士の駒。これは速度の向上だね」
ふむ……どちらかというとパワータイプなんだけどなぁ。
「それで兵士の駒だよ。これは王以外の駒への昇格が可能なんだよ。あくまで王が敵地と認めた場所のみだけれどね」
つまり可能性が高い、ということか、ミッテルトの駒は。
「それで今は誰も使っていない戦車の駒は攻撃力・防御力の向上。王と場所を交換できるキャスリングという能力を使えるよ」
「まぁ、最後はまだ仲間になっていないから関係はないけどね~」
「だから君は好き嫌いせずに下僕を集めるべきだと言ったんだよ」
「だって、仲間にしたいと思った相手のほうがいいじゃんー」
「それがいけないんだよ。君だって貴族なんだ。ちゃんと上を目指さないと」
「ぶぅー」
「ぶぅー、じゃないよ」
なんだか仲いいな。
「2人は幼馴染なんだそうだ。で、位としては上だったメリザの許に来たんだそうだ」
「そうなのか」
さて、それでやっこさんはどこだ?
「なかなか出てこないな……もうここにはいないのか?」
「えー……せっかく森の中まで探しに来たのに?」
「魅魔、探知は?」
「少なくともこの辺にはいないよー」
「……そりゃ、そうみたいっすよ?」
「え?」
「上っすもん、ソイツがいるの」
「上?」
と、ミッテルトが言うや否や、俺たちの真上から突然プレッシャーが襲い掛かってきた!
「散開!」
俺は近くにいたミッテルトとフェネクスを抱え、飛びのく!
そして俺たちの居た所に、羽根をはやした巨体が降り立ったのだった……!
「ありがとう、竜弥」
「竜弥さん、できれば、もっとロマンチックな助け方の方が良かったんすけど」
「言ってろ。今はアレの相手だろう」
それは、腹部に顔のある、ガンメンのような見た目をしていた。なお顔はドラゴンのようであった。
「なんでもコイツは力を求めた結果、暴走したらしいね」
「冷静だな、フェネクス」
「これでも君たちの女王だからね。それじゃあ、竜弥、下ろしてくれないかな?ここからは私たちの戦い方を見せていくよ」
「了解。みんなの闘い方を見させてもらうさ」
「流石に何も知らないのは問題っすしねー」
「任せろ、この程度なら何度も狩ってきた」
「まぁ、ここまで知性のないタイプも珍しいんですけどね」
「それじゃあ、皆いっくよー!」
『GuRuuuaaaaaaaaaaaaAAAAAAAAAAAAAAAA!!』
怪物の咆哮が開戦の合図であったのだった!!
そういえばこのキャラがヒロインならいいなぁっての皆さんには居ますかね?
出来ればイッセーハーレム要員以外で。