苦手な方は我慢してください。
好き嫌いはいけません。
そして、完璧に私の自己満足です。
後悔はしていない。
最後にもう一度言います。
百合注意です。
――四季様が寝ている。
もう少し詳しく言えば、あたいの『横』で、寝ている。
更に言えば、あたいの『部屋』で、あたいの『横』で寝ている。
右側の少し伸びた髪を畳の上に垂らし人間の子供の様にスゥスゥと寝息を立てて『裸』で寝ている。
―――そう。
あたいの部屋で、あたいの横で、布団一枚被った状態で裸で寝ている。
呼吸のたんびにチラリと見える二つのピンクの蕾、四季様には申し訳ないが、その手の男が見たら泣いて喜ぶだろう。
その隣であたいは自分を見る。
服がはだけているだけだった。
…
………
……………
…………………
……………………いや、いやいやいやいやいやいや!何で!?
ここで何が有った!
え?え?え?何で、四季様があたいの部屋に!?
てか、何で寝てるの?何で裸なの?
あたいが何をしたって言うんだい!?
目が覚めたら、上司が横で裸で寝てました。
ダメだ、ますます訳が解らない。
頭の中が尚更こんがらがって行く。
よし。
こう言う時は、一度落ち着こう。
さぁ、謎を解こうじゃないか。
何処かの骨愛好者みたいに落ち着けば、答えは直ぐに見つかる筈だ。
スーハースーハーと、深く深呼吸をする。
少しだけ落ち着いて来たところで、部屋の周りを見渡す。
この部屋は、四季様が働く死神達の為に用意された、寮みたいな物で一人一部屋与えられる。
その部屋は、女子らしさ等皆無で最初から付いていた卓袱台と上に大きな氷を入れて冷やす外の世界だとかなり昔のタイプの冷蔵庫(しかも入っているのは殆ど酒)があるくらい。
んで、その部屋の周りだが、酒の瓶が大量に転がっている。
「ん~こまち~サボるな~」
ごろんと寝返りをうちながら、夢の中であたいを説教しているらしい四季様と部屋中に転がる酒瓶とコップを見て、何となく記憶がはっきりしてきた。
そうだ、昨日あたいの船が少しうたた寝してるさいに氷山じゃなくて、岩にぶつかって沈んだんだ。
んで、所々ボロボロだったし変え時と、四季様に新しい船を申請しに行って、案の定夜まで怒られて―――そこからだった。
有り難いお説教が、9時間を越えた辺りだろうか。
グ~~!と四季様のお腹が其れはもう盛大に響いたのだ。
わなわなと口を震わせて顔を真っ赤にして此方を聞きましたね?と言わんばかりに涙をうっすらと浮かべて睨んで来るのだ。
此は、また更に長い説教が来るんのではと思い思わず。
『あの四季様……もし良かったら一緒に(屋台で)食べません?』
三途の川に続く道には、一年中屋台が並んでいる。
何でも予算の足しにと言う理由で。
其処で一杯やろうかと誘ったつもりだったのだが。
そう言った瞬間四季様がパァと漫画だったらそう背後に書かれている位嬉しそうに笑って、直ぐにまた顔を真っ赤にして『良いんですね!?本当に(部屋に)行って良いんですね!?』と、顔を近づけて言って来たのだ。
……其が、何がどうしてあたいの部屋になったのか。
其処は、説明がつかない。
四季様が『直ぐに行きます!』と言って何故かこの部屋。
……別に四季様がこの部屋に来るのが初めてと言う訳では無い。
良く休日になると、死神の生活を見て回っているらしくあたいの部屋にも大家の抜き打ちチェックみたいにやって来ては、お酒とお摘みだけで栄養が片寄っていると言って料理を作ってくれたり、仕事が終わって気が付いたらその場で寝ていて部屋に戻らないなんて良く有ることで部屋が少し汚くなってしまった時も、お説教とセットで綺麗に片付けて行った。
だが、だいたい夜までいるので、いつ他の死神の所に行ってるのかは謎だが。
つまり、あたいは何時もの動作で冷蔵庫前に行き四季様の機嫌を取るために摘まみと酒を用意したのだ。
………酒
「あ~そっか。そう言えばそうだよ」
思わず口から誰にも聞こえる事の無いため息にも似た己への呆れの言葉が出る。
思い出した。
そうだ。
酒だ。
今横で裸で寝ていてあたいの服の裾をギュと赤子の様に握りしめ寝ている原因となったものだ。
あの日の酒の中には、他の死神からのお裾分けが入っていたのだ。
其だけなら別に何の問題も無い。
ただ、恐ろしく度数の高く殆どアルコールのみと言っても良いくらいのお酒だ。
『クシナダ』と言うお酒で、度数が高くてもすっきり飲めてしまうお酒で何でも、かの有名な怪蛇『八岐大蛇』を眠らせた由緒あるお酒何だとか。
人間の里では、このお酒に一夜茸と言う毒キノコを入れて……『ツパイ』とか言う妖怪を二人の少女が退治したとかしないとか。
まぁ、あたいは、美味しいお酒なら何でも良いのだが。
――何が言いたいのかと言うと、此を飲む前から四季様はもう出来上がっていた。
其れはもう、突然、『小町は、あたしに頼らな過ぎる!』とか、『話し相手がいないなら亡霊じゃなくて私をどうたら』とか、『小町はそう!鈍感過ぎる!』とか、かなり理不尽なお説教をされた気がする。
更に、尺(本人が言うには、別の名前が有り罪人の魂を罪の数だけ叩くお仕置きグッツなんだとか)をマイク変わりに歌い出して、あたいも何故か、合いの手で『ふわふわ』とか『何でも出来るさ!四季ちゃん天才!』とか、『その日のその色、月の使者だぜ!』とか、すんごい恥ずかしい事を言ってた………他の死神達に見られなくて良かった。
でも、ここまで思い出したと言うのに、肝心の何故四季様が裸なのか?が、全く思い出せない。
「……こまち?」
「きゃん!」
う~んと、頭を抱えて考えていたら、突然後ろから声がした。
くしくしと、右手で目を擦りふぁ~と、大きく口を開けて欠伸をしたスッポンポンの四季様がいた。
「どうしたのです?」
まだ寝惚けているのか、半目でぼ~と此方を見てくる。
「あ~、えっと………おはようございます?」
ぼ~とした顔で、辺りをきょろきょろと、見回してキョトンと訳が解らないと小首を傾げて
「何故小町が、私の部屋にいるんですか?」
「あたいの部屋ですよ!四季様!」
「小町の………部屋?」
はいそうです。
「ここここま、こま、こまち、こまちの部屋?」
だからそうです。
「こまちの、こまちの、小町の部屋!?」
だからそうですって。
四季様は何回か、あたいの部屋で有ることを確認したとたんに、ぶわあああああああ!と一気に真っ赤になり、そこで裸なのに気付いて、サッと目にも見えぬ早さで頭だけを残して布団に包まり。
「こ、小町ーーーーーー!勝手に人の体になんて事するんですかーーーー!」
「誤解です!」
そもそも、其を聞きたいのはあたいの方です!
「言ってくれれば、いつでも……でしたが」
ぼそりと、何かを呟いたが、あたいの耳には小声過ぎて、良く聞こえなかった。
「何か、言いました?」
「何でも有りません!そ、其より小町、水を持って来なさい!」
聞き返したら何故か怒られてしまった。
此は、少し離れた方が身の為だね。
「その間に服を着てくださいね」
水を取りに、その場を離れて、五分位たった。
水の入ったコップを持って部屋に戻ると其処には
「んあ~、こまひ~おひょかったれすね~」
「なんてこったい」
酔った四季様が其処にいた。
その四季様の横には、まだ残っていた『クシナダ』すっきりと飲めてしまう―――なるほど、寝起きでまだ、そこまで嗅覚は機能してなかったか。
そして、その透明さから水と、なんて事だい。
「しかし、きゅうにあつくなってきましらね~」
呂律の回らない口調で、着てはくれたらしい服を再び脱ぎ捨てる。
その光景を見て合点が行った。
つまり、あたいの前世の上司と同じ脱ぎぐせがあるのだ。
懐かしいな、宴会のさいに良く大事な所にネクタイを結んで一見裸の様に見える「ご開帳」を目の前でやられたっけ。
立派なセクハラだ。
女性社員あたいだけだったから。
思い出したら腹立ってきた。
「こまひ~、なにをしれいるんれふか~」
ぺしぺしと、畳の床を叩き此方に来いと促す。
此は、もう完璧に酔っているね。
果たしてこの水だけで足りるのか。
……いや、無理だ。
「四季様、取り合えず水を飲んで下さい」
コトッと、目の前に水を置くも
「こまひ~、なにをしれいるんれすか~いっしょにのゆれるよ~」
「えっ!ちょ!?」
グイッと腕を掴まれて、そのまま、倒れる。
――が、その勢いが強くバランスを崩して四季様の方へと倒れ
―――チュ
ゴチンと額と額がぶつかり、そのまま、視界が暗くなってしまった。
そのさいに、唇に何か柔らかい感触がしたが、その感触は、意識を手離したと同時に消えた。
―――目が覚めると、裸の四季様が隣で寝ていた。
…………え?
どういう事?
↑最初にお戻り下さい。
因みに、他の死神達の抜き打ちチェックですが、死神達によると
『そんな事をされた覚えは無い』との事でした。
感想、評価等有りましたらお気軽にどうぞ。
私のやる気が上がります。