恋にはライバルが付き物だと。
タグが増えました。
苦手な方は慣れて下さい。
大丈夫………二分もすれば慣れる。
なお、オリジナルの設定が含まれます。
ご注意下さい。(今更)
―――仙人とは
修行を積み、映画やアニメ等のヒーローの様に超人的な能力を得た人間の事だ。
俗世間を完璧に捨てた天界の天人とは、違い完全に欲を捨てる事は無い。
また、天人とは違い数多の妖怪や獣に襲われ安い。
此は、人里の人間よりも極上な肉だからだ。
不謹慎な例えだが、普通の人間がスーパーのひき肉だとするならば、仙人は高級レストランの霜降りステーキだろう。
獣が喰らえば妖獣に、妖怪が喰らえば格が上がるのだ。(ド〇クエでメタルキング倒すようなもんだと思ってくれれば良い)
だが、死神のあたいにとっては此処からが本題だ。
仙人は生きるだけで罪であり死ねば、地獄へと堕ちる。
其は、長寿であればあるほど、本来行うはずの輪廻転生に逆らう事になるからだ。
長生きすればするほど、罪は重くなるが、その分徳を積めば罪は軽くなると言う。
―――さて、何故あたいが此のような事を突然語りだしたかと言うと、話は少し前に遡る。
「へ?あたいがですか?」
其は、何時ものように岸でサボ……休憩していた時の事だ。
「そうです」
ピシッと背筋を伸ばし此方を真剣な顔見る四季様は、あたいの疑問に即答する。
「でも……なんであたいが?」
「一番暇そうにしているからです」
なんて事だい。
いや、暇じゃないんだ。
此は、昼食を食べた後に直ぐ動くのは体に良くないと言うから、寝て休憩していただけなのだ。
勿論こんな事を言えば、何時間もの説教が待っているため、黙って聞く。
暫く考え混んでいた四季様は、コホンとわざとらしく咳払いをし
「今日は、もう仕事しなくて良いです」
「ええ!?」
とんでもないことを言い出した。
まさか
「あたい………クビ!?」
「違います!」
そう大きな声で否定してくれた。
良かった。
てっきり、「君明日からもう来なくて良いよ」みたいな事だと思ったよ。
普段みたいに、「小町!」って怒鳴って来なかったから。
って、此じゃ怒られたいみたいに聞こえるじゃないか。
まぁ、先程の話を聞く限り、クビは無いだろうとは思っていたけど。
「私が小町にそんなことするわけ無いじゃないですか」
俯いて何か小声で言っているが、聞こえなかった。
気にはなるが、聞いたら聞いたで、怒られそうだから止めておこう。
取り合えず、話を反らすのも含めて、本題を聞くとしよう。
「其で四季様。何故あたいが、魂のお迎えに?」
死神は、寿命を迎えた人間の所に赴きその魂を刈り取り死後の世界へと連れていく。
此は、あたい達死神が、広めた嘘である。
正確には、さ迷う浮遊霊を三途の河へと案内する役目の事なのだ。
通常人の形を撮らない亡霊は自我が存在しない。
本能みたいな物でこの三途の川へと辿り着く。
だが、稀に迷子になり此処まで辿り着く事の出来ない魂がある。
多くは、お墓とか、妖怪桜、そして、縁者のいない亡霊である。
最も厄介なのがこの縁者のいない亡霊だ。
縁者のいない亡霊と言うのは、この幻想郷結界を超えて来た外の世界の魂だったり、此方へと迷い混んで妖怪や妖獣に喰われた者の魂の事と言うのが一般的な考えだ。
だが、この役目は基本、人の寿命を管理する管理科の受け持つ仕事だ。
渡し専門のあたいにそんな話が来ると言うことは、真っ先に移動を疑う。
何様だと言われるかも知れないが、渡しの仕事を辞める気は無いし、辞めたく無い。
決してサボり安いからでは無く、やりがいのある仕事だからだ。
前世の仕事と似ているからと言うのもあるかもしれない。
其以前にあたいは、事務職とか、デスクワークは肌に合わない。
机と言うのは、お弁当を食べるか、伏せて寝る為にあるのだ。
「いえ、正確にはお迎えではありません」
「え?」
心の中の力説が無駄に終わった瞬間だった。
聞こえていないとはいえ決行恥ずかしい。
「お迎えに行くんじゃ無いんですか?」
「そうです」
四季様は、言いづらいのかスーと深く深呼吸をしてから、再び此方を見て
「正確には、仙人の所に行って欲しいのです」
とんでもないことを言い出した。
暫く理解出来ずに唖然としていたが、直ぐに我を取り戻して
「いやいやいやいや!無理に決まってるじゃないですか!あたいに死ねって言うんですか!」
「大丈夫です。死神は余程の事がない限り死にません」
「そう言うことじゃないですよ!」
「そんなに危険はありません。少し仙人に会いに行って来てほしいだけです」
「それこそ管理科の仕事じゃないですか!?………何故此方に?」
そう、
仙人は、ハッキリ言って強い。
妖怪に狙われやすいが、その分妖怪と渡り合える程の力を持っている。
その為、妖怪退治を生業とするものが、そのまま仙人となる者が多いことでも有名だ。
だが、多くの仙人は所詮その程度。
余程名のある仙人でもなければ、わざわざ上の方々の力を借りずとも管理科の死神達だけで此方へと連れてこられる。
あたいは、無理だけどね。
そもそも、あたいは、『極々普通の死神』だ。
渡しの専門の非戦闘員だ。
ショ〇カーより弱い。
「その管理科の死神達が先程の返り討ちに合って逃げ帰って来たのです」
「じゃあ、尚更あたいじゃ無理じゃないですか!」
そんなの軍人に一般人が戦いを挑むような、そんな無謀な物である。
もしくは、レベル1に固定された『覚悟を決める程度の能力』しか持たない勇者が女の子も連れずに魔王に挑むような物である。
四季様は、何言ってるか理解出来ないと言わんばかりに首を可愛らしく傾げながら
「小町………私は、評価しています。貴女が前の
「おだてても嫌な物は嫌です!」
あれは、勝ったとは言わない遊ばれただけだよ!
あたいの必死な命乞いでも伝わったのか、四季様はあぁと、納得したようにポンと手を叩いて
「言い方が悪かったですね。何も戦えと言っているのではありません。少し話をしてきてほしいだけです」
「は、話ぃ?」
はいそうですと、頷く四季様が言うには、なんでも近頃、そのさ迷う魂達を退治し輪廻転生の輪から意図的に外している仙人がいると言う。
特に怨霊を。
怨霊は、罪人の魂。
地獄に堕ちる事の確定している魂だ。
だからと言って輪廻転生の輪から外して良い訳では決して無い。
輪廻の輪から外す事は本人の悟りによる物だけでなければならないからだ。
此なら、上の方々が出向いてくれそうな話なのだが、そう上手くも行かないらしい。
なんでもその仙人の経歴が特殊過ぎるのだと言う。
前代未聞、扱いに困る。
普通の仙人に当てはまらない。
今回管理科が動いたのだって、異例中の異例だ。
―――つまり、あたいは、交渉人として『逝って』来いと言われたのだ。
あたいは、冗談抜きでか弱いよ?
止めよう四季様。
勝てる訳が無いよ。
あたいなんか特に。
三秒で捻り潰されるよ。
「因みに、此がその仙人の似顔絵です」
スッと懐から出した、江戸時代のお尋ね者書の様に墨で書かれた仙人の似顔絵の紙をあたいの前に差し出す。
「だからあたいは行くなんて一言も言っ………てな…い……です……よ」
「こ、小町?どうかしたのですか?」
一応受け取ったその仙人の似顔絵を見てあたいは、驚きを隠せなかった。
もしもで、例えるなら出勤前に何となく付けたテレビに知り合いが指名手配されてるくらい驚いていた。
そんなのはドラマだけの展開で良いのだ。
まさか、“かせんちゃん”あんたが、仙人だったなんて、初めて知ったよ。
其処に描かれていたのは、数少ないあたいの友達の顔だった。
先に言って置きましょう。
絶対にシリアスには、なりません。
悲しい展開にもなりません。
ヒントはタグ。
四季様うかうかしてられませんぞ?