一言だけ、言って良いですか?
なんで皆そんなに修羅場好きなの?←完全にブーメラン。
でも、その前に、そうなる前の、過程を書かないとイケナイのですが、お付き合い下さい。
幻想郷っぽい修羅場?をイメージしたら、どうしてこうなった?
三途の河から暫く歩き
この道は、本来死者が三途の河まで向かう為の者なのだが、所々に生者も多く見かける。
其は、周りに縁日のようにズラリと並んだ出店目当てだからだろう。
あたいもこの出店に用が有る為暫くフラフラと見て廻る。
決して寄り道ではない。
やはり、久し振りに友に会うのだ、手土産の一つでも持って行くのが礼儀と言うものだろう。
かせんちゃんに会うのは、何年振りか、こんな予想外の形で出会いに行くことになってはしまったが、久し振りに会うと思うと、同窓会で高校時代の同級生に会うような感覚で少しだけ胸が踊る。
さて、何故こんな死者の道に出店が開いているのかと、言えば、大変シビアな話となる。
地獄の経済状況は赤字とまで行かなくても苦しいと言うのは、否定出来ない(何故なのかは、四季様にはぐらかされた)。
其処でこの中有の道を一種の観光地のようにして死者や生者または、妖怪から僅かだが資金を得ようと言う考えに至ったとの事(因みに、死者もこの場所で生きる楽しさを思い出し引き返して息を吹き返す事も希にある。事故や病気やショック死の場合幽体離脱状態である為生き返るのは可能だ資金を得る以外にも役に立っているのである)。
そしてもうひとつは、今あたいの目の前で土産を包む角刈りの髭の整ったこの気前の良いおっちゃんの死者―――地獄の罪人である。
と言うのも、この出店、罪人が地獄から釈放され転生の権利を得る為の最終試験場でもあるのだ(流石に球体で喋れないでは、商売なんて出来ないので此処にいる間だけ自我と生前の体を保つ手続きがされている)。
言うなれば、此処にいるのは、地獄の罪人中でも優等生の位に属する。
まぁ、金をちょろまかしたり客とトラブル起こしたのが死神や四季様にバレれば、最初からやり直しなのだが。
―――て、コラ!お釣り誤魔化そうとするんじゃないよ!
次からしないでよ。このやり取り五回目だけど次から報告するからね。
さて、気を取り直して中有の道の出口此処から先は妖怪の山へと続いて、かせんちゃんに会うには此処を通る必要が―――あたいには無い。
道なんて有って無いような物だ。
静かに瞼を閉じる。
地図に目的地を記すように頭の中で場所を思い出す。
そうして、目をゆっくりと開ければ、其処はさっきの出店が立ち並ぶ中有の道では無く、大きな屋敷が目の前に建っていた。
その屋敷の周りには、虎や大鷲等の動物達が彷徨いて要るが、一匹として襲ってすら来ない。
それどころか、どの動物も目を細め懐かしそうに此方を見るばかりだ。
その動物達に囲まれるようにして屋敷の屋根の上にかせんちゃんは、いた。
頭に、お団子ヘアーを作るためのシニヨンキャップを何かを隠すように、頭に二つ付け鮮やかなピンクの色の髪を夜風に靡かせ、何処かの民族衣装を思わせる、白とワインレッドの服に、黄緑色のスカートが、夜風によって僅かに持ち上がり、白色の立ち入り禁止エリアを少しだけ覗かせる。
流石に其処は目を反らした。
……女だけど、何か恥ずかしいじゃん。
―――そして、右腕は、ミイラのように包帯で隙間無くグルグル巻きにされ、その左腕には、ジャラリと、小さく音を立てキラリと月の光が反射して、微かに確認出来る鉄製の腕輪。
その先から、枷のように鎖が取り付けられている。
その鎖は、何処に繋がっているわけでも無く、ただ装飾品としてブラリと、意味も無くぶら下がっている。
そして、何よりも目を引くのは、ワインレッドの前掛けの胸の中央に取り付けられた、ピンク色の薔薇。
昔と変わらないその姿に僅かに頬が緩む。
そんな、彼女は今、日本の寺などで行われる、座禅をしていた。
(修業中……かな?)
本来、仙人は天人になるために修業をし少しでも怠れば、その体は朽ち果て瞬く間に灰となって消える。
だが、彼女はそうなる心配が無い。
此は悪魔で、人間の仙人の話である。
人間から仙人になる以外にあるのか?と言われれば、無いと言うのが、常識である。
だが、その常識を超越した存在が、目の前のかせんちゃんなのだと言うと先程知った。
つまり、彼女は何の縁なのか、あたいと同じ特殊な存在だと言うことだ。
だから、彼女が仙人だと気付かなかった。
人間から仙人になる以外の事なんて無いと思っていたから。
だが、この話は後で良いだろう。
だって、今目の前の真剣なかせんちゃんを見たら久し振りに悪戯心が芽生えてしまった。
行きたい場所を思い浮かべ、屋根の上にかせんちゃんの後ろに音を出さずに立つ。
そして顔を近づると微かにかせんちゃんの髪から果実のような甘い香りが、鼻を擽る。
そのまま、彼女の耳元まで唇を寄せて
――フゥ
何処かの五歳児のように、息を耳に吹き掛けた。
「ひゃあ!」
ピョン!と蛙のように、跳び跳ねる。
凄い、流石かせんちゃん。
座禅の姿勢を崩さず、そのまま跳ねた。
其処に痺れる憧れない!
「曲者!」
「うわっ!ちょ!まっ!」
ガキン!と、彼女の鋭い左手の手刀が刃の無い大鎌とぶつかり合う。
その衝撃に両腕がビリビリと静電気が伝わったかのように、僅かに震える。
だが、此方の姿を見るなり、目を大きく見開き
「こまっ……ちゃん?」
震える声でそう言う。
「えと、久し振り………かせんちゃん」
そう答えると、かせんちゃんはみるみる顔をピンク色の髪よりも濃く赤くし、口をワナワナと震えさせる。
あ、ヤバイ。此絶対に怒らせた。
再会そうそう怒られるのを覚悟したが
「い、今まで、何処にいたのよ!こまっちゃん!」
そのまま、ギューーー!と背骨が折れるのでは無いだろうかと、思わせる程に力強くハグされた。
怒られる所か抱き付かれのだ。
一瞬此にはあたいも驚くが、ここ最近いろいろとトラブル続きで忙しく会えなかったのも事実。
まさか、ここまで心配されていたとは、連絡しなかった申し訳なさと罪悪感からあたいは
「全く、何処フラついてたのよ。………謝ってください!」
ですよねー。
此は完全に此方に非がある訳で
「……心配かけて御免ね。かせんちゃん」
ソッと後ろに手を回し抱きしめ返す事が、今出来るかせんちゃんに対する謝罪だろう。
此処に来た本来の目的は違うが、其はかせんちゃんが落ち着いてからで良いだろう。
―――そう思っていた時だった。
「審判『ギルティ・オワ・ノットギルティ』!」
………え?
何か、上空から、聞き慣れた声がした。
目を開けると、視界が鮮やかに染まった。
幾つもの、青と赤色の弾幕それらが、中心の小さな女の子の元に集まっていく。
てか、あれって………四季様!?
え?え?なんでこんな所に?てかあたいが此処にいるんですけど!?
「下劣な仙人!小町を離しなさい!」
それらの球体が集まり其が砲台の役目でもしているのか、薄紫色の光が徐々に中心に集まっていく。
(もう、いつ発射されてもおかしくない!)
何とか、かせんちゃんを人里まで跳ばないと
道なんて有って無いような物。
A地点からB地点までを高速で移動するものではなく、その間の過程を切り取って、一気に目的地まで跳ぶ事が出来る。
分かりやすく言うならば、ワープだ。
四季様には悪いけど、このまま逃亡させてもらおう。
仙人かも知れないけれど、あたいにとっては大切な友だ。
「かせんちゃん。此処は」
逃げよう。
そう言おうとした時だった。
「大丈夫。任せて」
被せるように言いスルッと腕を解くと、そのまま四季様の方に向き直り
「死神達の仇討ちって所かしらね?閻魔!」
スッと、その包帯の巻かれた右腕を四季様に向けて掲げ、手を開く
「猿の手よ!敵を握り潰せ!」
かせんちゃんがそう唱えるとシュルシュルと、独りでに包帯が解け中から腕では無く黒い霧が現れる。
其が、四季様の元へと広がるのとレーザーが放たれるのはほぼ同時だった。
このまま黒い霧を払いのけ、レーザーがあたい達を直撃するだろうと、思われたが
―――ガシィ!
そうはならなかった。
一旦広がった黒い霧が集まり形を作り一つの大きな手となる。
その手は、枝のように細く茶色く干からびていて、ミイラの手を思わせるが、あたいが、小さい頃に骨董品屋の祖母に見せてもらったような、都市伝説と言われる、猿の手――其をなん十倍にも大きくしたような物が紫色に光ながら、レーザーを真正面から固形物のように握り押さえそのまま、音も無く握り潰し、レーザーだった物がキラキラと光り周りに散っていく。
……この間に入って止めるなんて、無理だね。
弾丸飛び交う戦場に裸で突っ込んで行くようなものだ。
「相変わらず、衰えてはいないようですね!仙人!」
「そう言うあんたこそ、全く成長してないわね!閻魔!」
「してますし!こないだ一センチ伸びましから!」
「見ただけじゃ全然分からないわ!」
「長生きのし過ぎで、とうとう視力も衰えましたか!地獄で反省し、一からやり直すことをオススメします!」
「そうやって死の押し売りをするなんて本当に古いわね。……謝ってください!」
「其は、此方の台詞です!」
両者一歩も譲らず、鮮やかな弾幕を撃ち、払う。
だが此は決して、弾幕“ごっこ”等では無い。
放たれる弾幕は、一般人や下級妖怪当たれば、その体をたちまち粉砕するほどの、殺傷力を持つし、その大きな手は、本物では無く例え“影”であろうとも、その研ぎすされた剣を思わせる爪は、容易く相手を切り裂き、その大きな手の平は、容赦なく相手を叩き潰す事だろう。
仙人と閻魔。
地獄に堕ちる者と堕とす者。
狩られる側と狩る側。
外の世界の、神話から抜け出した神と神殺しのように、出会ってしまえば、理由はどうあれ、戦うのは必然である。
そして、お互いの目的は目の前の死神として一致。
少し前のぶつかり合いで、仙人は確信していたのだ。
―――恋敵だと。
そして、此は、一つの大きな異変とも言えるだろう。
だが、この異変を本当の意味で終わらせる事が出来るのは、巫女でも普通の魔法使いでも無ければ、上空から、酒を口に運びながらこっそりとスキマを通して、にやにやとおもしろい物を見るように怪しく微笑む妖怪の賢者でもない。
この戦いを終わらせる事の出来る者がいるとするならば、其は
(えっと、此どうなってるの?かせんちゃん、二時間位でほとぼり覚めるから逃げようよ)
心の中で、祈るように現実逃避しその場でオロオロすることしか今のところ出来てない一人の死神である。
――後にこの戦いは、閻魔様の後をこっそり尾行し今も草陰に隠れる一人の新聞記者の手によって、『三角関係発覚!女の譲れぬ戦い!』と、幻想郷中に広まるのは、また別の話。
そして仙人の名は、
彼女もまた、一人の死神に想いを寄せる女の一人で有ることを、忘れてはならない。
質問者『伝統の幻想ブン屋』
Q閻魔様なんでこんな所にいたのですか?
A(余りにも帰りが遅いので)心配で見守っていました。
Q何か閻魔云々よりも私念が強かった気がするんですけど?
Aそんな事はありません。ピンチになったら助けようと心配で見守っていたら、突然抱き合ってたからとか、無理矢理抱き締められてるのかと思えば、小町まで抱き締め始めて、何か良い雰囲気なのが気に入らないとか、そんな事はありません!
信じて送り出したのに……
【審議中】
ネェ、コマチハサ>(´・ω・)(´・ω・)(・ω・`)(・ω・`)<クロカナ?シロカナ?
因みに、かせんちゃんの白い立ち入り禁止エリア、死にたい奴だけ