小野塚小町は、休みたい。――其だけ。   作:クリティカル

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意味:小町の上司と親友が修羅場すぎる!

後、今回色々と注意ね。
残酷な描写タグ=修羅場ですので。

多分この作品で今後こんなバトルは無いんじゃないかな?
(て言うか、頻繁に有って堪るか!此れはアクション小説じゃ無いもん!本当は、ほのぼのイチャイチャだもの!)ケドタマニハバトルモホシイ


こましゅら

ルールと言うのは破る為にある。

この言葉を最初に言ったのは、はたして誰だったのか。

其は置いとくとして、通常弾幕ごっこと言うのは簡潔に纏めると殺し合いを遊びに変えて、お互いに適度に加減しあって技を見せ合い競う事で、お互いをより良く知ることの出来る遊戯なのだ。

遊びであるが故に、各人の能力、記憶、その者の価値観が色濃く反映されその弾幕は、一つの芸術的作品となる。

だが、時にその斜め上を行く強者がいる。

何時だったか、幻想郷の事を『地獄』と記した外来人がいた。

その言葉を見た者達は、皆頷く事だろう。

今も昔も弱肉強食。

其は、変わらない。

幻想郷についての印象を私ならこう記そう。

幻想郷はある一定の決まりは有れど、『無法地帯』日本に有れど、一人の賢者によって作られた『独立国(箱庭)』――――賢者にとっての作品だ。

そんな中ルールとは、誰が作るか――強者である。

そして、そのルールの抜け道を見つけ出すのもまた、強者である。

ルールを律儀に守る者など極僅かである。

そのルールに満足するもの、穴を見つける事の出来ぬ者、または、優等生(変わり者の中の変わり者)だけである。

ある者は、船で突っ込み、ある者は刀で斬り、ナイフで刺し、巨人になったり、殴り蹴り、地面を揺らし岩を降らせる。

此れは、はっきり言えば、弾幕ではない。

だが、此に正面切って文句を言う勇者(バカ)はいない。

『各人の能力を~』と、言われている以上反則でも何でも無い。

本人が『此れは弾幕だ!』と言い切って仕舞えば、其までである。

ようは言った者勝ちである。

弱者は其に頷き。従うのみ。

安全と言えども、危険が消えた訳では無い。。

そもそも、このルールを作った者もまた、完璧な安全等微塵も望んで、などいないのだから。

 

最も、この考えが正しいのか、間違っているのか。

其の答えを知っているのは、先程から、スキマでこの『明らかなルール違反の光景』をちびちびと酒を飲みながら高みの見物をしていた所を、式神の九尾に見つかり耳を捕まれて引きずられて退場した賢者にしか分からない。

 

え?何故こんな話を長々としたのかって?

其は、直に分かる事だろう。

焦る事じゃないさ。

さて、そろそろ見せても大丈夫な光景になって来たね。

 

 

――所で、目の前で起きてるこの惨劇を見せられても、『此れは遊びだ』そう言い切れるか?

 

「逃れなれない猿の手!」

 

「クッ!しつこい女は嫌われるって知らないんですか!罪符『彷徨える大罪』!」

 

「部下の後ろをコッソリ後をつける閻魔もどうかと思うけどね!」

 

答えは、否である。

 

木々は薙ぎ倒され、地面は抉れ屋敷はただの木片と化する。

先程の夜空は消え変わりに、墨のように黒く厚い雲が空を覆い隠し、風が強く吹き荒れ閻魔目掛けて螺旋状の稲妻が放たれ視界を覆い隠すほどの雨のカーテンが出来上がり、外の世界の重力嵐が発生したかのように、屋敷の木片や岩、根っこごと抉られた木々―――更には、張り込んでいた一人の新聞記者まで巻き込み天高く舞い上げて、閻魔へと矢のように勢いよく弾幕として飛ばされる。

それらを、視界が悪く殆ど何も見えない状況の中、持ち前の身体能力、勘、音、光、神経を集中させて五感を限界まで鋭くして交わし自身も攻撃に転ずる。

お互いの白い肌は、所々傷つき、雨によってその鮮血は地面へと流れ落ちていく。

端から見れば子供の言い争いに見えなくも無いが、その規模は計り知れない。

頭に血が登った者ほど容赦してはくれない。

両者共に、五体満足でいることが奇跡である。

もう服もボロボロで、ほぼ全裸に近く着ていると言うより羽織っていると言った方が正解だろう。

もう、お互いに息も絶え絶えだろう。

だが、二人とも、譲れない者がいる。

仮にも閻魔と仙人敵同士。

会話をしているだけ奇跡に近い。

 

この戦いには命を賭ける価値がある。

白旗をあげることは許されなかった。

 

だが、この戦いは仙人―――茨木華仙の方が僅かに有利であった。

 

「この程度?地獄の閻魔も大した事無いわね!修行の手合わせにもならないわ!」

 

「何勘違いしてるんですか!貴女が余りにも弱いから手を抜いているんです!そんなことも理解できないだなんて余程頭がおめでたいのですね!」

 

お互いにシャワーのように、激しい雷雨の中で声を張り上げ怒鳴るように会話する。

だが、お互いに相手を葬る事だけに集中している事に変わりはない。

一瞬の油断が死を招く。

どちらに軍配が上がるかは、まだ誰にも分からないのだ。

 

「そこまで自身満々に言うなら良いわ!私弱いから引っ込んで上げる!でも、変わりに」

 

先程のから、一歩も動かず宙に浮く華仙は、目に見えずとも其処にいる四季様に向けて笑みを絶やすことなく言う

 

「この子達が貴女で、遊びたいそうよ?」

 

「な!」

 

瞬間四季様は、目を大きく見開き、言葉は失った。

驚くのも無理は、無い。

だが、四季様が驚いているのは、目の前に突然この嵐を物ともせず現れたその鋭く尖った嘴で啄もうとして来た大鷲と浮かんだ岩を足場に跳び、その鋭い爪で引き裂きその牙で喉元を噛み千切ろうと跳び掛かって来た虎にでは無い。

 

「……こんなのも従えていたのですか。馬師皇のようですね」

 

その二匹を交わしながら、四季様は、目の前の光景に唖然とした。

 

「その者を喰らい尽くし新たな力の糧としなさい!」

 

―――ゴガアァアアアアアアアアアアアッ!!

 

華仙の言葉に、喜びを表すような鳴き声が、ビリビリと空気を振動させ四季様の肌に伝わる。

 

(こんなに離れているのに凄まじい威力ですね)

 

後、数メートル近づいていたらこの声は、空気の塊となり四季様に衝撃波として襲って来たことだろう。

四季様が、感心している間にも、華仙の後ろだけが厚い雲を退かし、星の瞬く夜空を映し出している。

勿論注目するべきは其処では無い。

その晴れた夜空の中から現れた、蛇のように体をくねらせ、鹿のような角を持ちワニのような鋭い牙と、鷲のような爪を持つ合成獣―――そして、この嵐を呼んだ主犯、龍。

その龍が、此方へと、向けて口を大きく開けその口から渦を巻いた水の塊を此方へと放とうとしていた。

――ただの水と思うことなかれ。

水は、太古の昔からあらゆる者を長い年月を掛けて削り神秘的な風景を作り出して来た。

水圧を高めれば其を一瞬で削り取る。

科学でも証明され、様々な事に使われている。

この龍の放つ水圧の塊は、人体所か岩山もを、一瞬で削り取る事だろう。

 

(だけど当たらなければ、なんとも有りません!)

 

「そう言えば、閻魔……貴女に言い忘れた事があるの!」

 

「今更の命乞いなど受け付けません!」

 

「そうじゃなくて―――ずっと前に、こんな雨の日に」

 

大方、挑発か何かだろうと、四季様はその手には乗らないと、無視を決め込み目の前の水球を交わすことに集中

 

「こまっちゃんと、二人でお風呂に入ったの!」

 

「な、こここここま、小町と!」

 

――したかった。

 

だが、その言葉は無視を決め込むのには余りにも衝撃が強かった。

――自分ですら、そんなうらやまけしからん事をしたこと無いのにと

だが、それが、大きなミスとなる。

 

「余所見厳禁だよ!」

 

ガシィと、四季様の体を何者かが掴む。

 

(しまった………此れはさっきの!?)

 

四季様を掴む者其は大きな手である。

そう、先程交わした、華仙の猿の手其が背後から掴んで来たのだ。

 

(早く抜け出さないと!)

 

こうしている間にも、龍の口からは、水球が放たれようとしている。

 

「ねぇ、ちょうど良い機械だし少し話でもしない?」

 

「貴女との最期の会話と言うことですか」

 

「えぇ、そうよ」

 

勝利を確信した者の余裕と言うことだろうか。

仮にも閻魔と仙人長年の積もる互いの恨み辛みと言うものがある。

華仙からしてみれば此れから討ち取る将への敬意を現し同時に恋敵の事を知りたいと言う好奇心から来るものだった。

 

「前に、聞いたんだけど、こまっちゃんって元々、人間何ですってね?」

 

「其が、なんだって言うのですか?」

 

四季様は、明らかにばつが悪そうに近づいて来た華仙から視線を剃らす。

 

「こまっちゃんを死神にしたのは、他でもない貴女でしょ?転生の権利を持つのは閻魔ですもの」

 

「……何が言いたいのです?」

 

図星。

そう顔に書いてある程に、分かりやすく肩をビクリと跳ねさせる。

 

其に気を良くしたのか、一層笑みを深くして口を開く。

 

「別種族への転生は、そちらじゃ大きな違反だと前に攻め込んできた死神から力付くで聞き出した事があるんだけど……どういうこと?」

 

本来転生と言うのは、同種族のみとなる。

虫なら虫に、魚なら魚、獣なら獣、人なら人へ。

 

別種族への転生等有り得ない事なのだ。

ましてや、人間から死神になんて言うのは、本来あってはならない事を四季様は、実行したのだ。

 

「質問を質問で返すようですけど、何故仙人である貴女が死神に『色目』を使うのですか?その方がよっぽど滑稽ですよ」

 

その質問には、答えず、その幼い顔にらしくない睨みを加えて殺意を消さずに寧ろ『色目』の所でより殺意が増したのは、気のせいでは無いだろう。

 

 

「そうね。そろそろあの子も限界だろうし、長くは語れないけど、一言で言うなら―――“放っておけない”って所かしら」

 

クスッと笑い放浪癖の強い恋人の事を話すようにウットリ乙女の顔をし何処か勝ち誇った顔をする。

 

「そうですか―――あ、私も言い忘れていました」

 

「何?命乞い?」

 

「違います!―――私、小町から(ほっぺに)キスしてもらった事も有りますので」

 

四季様は、ドヤ顔をでそう言った、

まるで、小町が自ら四季様にキスをしたみたいに言われたが、この話の真相としては、小町の自室で酔った四季様が水を持って来た小町の腕を引き、其によってバランスを崩した小町がぶっかって起きた事故チューに過ぎないのだが。

 

「なっ!き、キス!?」

 

そんなことを知るよしも無い華仙は、赤面を通り越してカチン!と石のように固まり見事な石像と化する。

 

ちょっとした、好奇心が此のようなカウンターを喰らわせてくるとは夢にも思わなかっただろう。

だが、こんな言葉がある。

 

「審判『ラスト・ジャッジメント』!」

 

好奇心猫を殺すと。

 

「しまった!放て!」

 

直ぐ様、華仙が斜め下に距離を取り四季様が、左右に赤と青の其々三本計六本のレーザーを放ち手を撃ち抜き零距離射撃を喰らった猿の手は、堪らず霧となって華仙の右手に収まりその上から包帯に包まれ手の形として収まる。

其と同時に龍が限界まで溜めた水球が、勢いよく四季様へと向かう。

だが、其を交わすことなくその場に止まりスッと、尺を剣のように前に突き其処から紫色のレーザーを放つ。

 

バシャアアアアアアアッ!

 

「なっ!」

 

其は、水球を貫きそのまま、剣を振るうかのようにようにして華仙へと向かう。

華仙は、一瞬だけ驚くと直ぐに落ち着きを強引に取り戻し、四季様に向けて背を向け、両足を開いて右腕は背面腰辺にしそのまま振り返りと同時にその腕を突きだす、事を僅か数秒でやりその右腕の包帯が拡大し、龍の口を思わせる大きな砲台となり

 

「龍符『ドラゴンズグロウル』!」

 

其処から、清んだ青色のレーザーが迸る。

其が、目の前の四季様のレーザーと衝突しそのまま、押し合いとなる。

 

一言、言わせて欲しい。

お前ら子供か!と。

だが、同時に子供程に血も涙も無い程に残酷で容赦無く、悪意も無いのだ。

最も、この二人は、人間よりも遥かに長生きなのだが、事恋愛に関してはまだ、子供なのだ。

 

 

―――さて、こんな事になっていると言うのに元凶の死神は一体何処で何やってんだと言うと

 

「う、ううん………うん?」

 

たった今目を覚ました所だ。

 

元々屋敷だった残骸の下敷きとなって。

と言うのも、先程の嵐により飛んできた岩を諸に後頭部に被弾しそのまま意識を失っていたと言うことなのだ。

良く生きていたものである。

 

ガラリと訳もわからずに、布団からのそりと起き上がるように軽々しく起き上がる。

少なくとも、この瓦礫は色々と積み重なった事により重さは数トンに及ぶと思うのだが、何も言うまい。

 

そして、音のする上空を見上げて、全てを理解するにはそう時間は掛からなかった。

 

 

◆ ◇

 

 

(えぇ、何でこんな事になってるの!)

 

今あたい目の前では、SF映画さながらの激闘が繰り広げられていた。

この二人が戦う事がどういう理由なのかは、理解している。

一刻も早く止めないと、どちらかが死ぬ。

 

(ど、どうしよう)

 

少なくとも此れはあたい一人の力では止めることが出来ない。

でも状況は、幸いした。

今の状況は、この山を囲むようにして起きた雷雨。

他の所の空は晴れて綺麗な夜空を映し出している。

 

(此処になら集まりやすいはず)

 

そう思って、あたいは風呂敷を広げる。

中から出てきたのは、お土産として買った団子だった。

別に此れから食べる訳ではない。

風呂敷を広げると同時に団子の甘ダレが流れ落ちる。

勿体ないと思いつつも、次の作業に急いで取り掛かる。

事態は一刻を争った(もう、八割方手遅れだけど)。

団子に刺さった串を次々と抜き豪雨でその串に付いた餅米を洗い流す。

この串が重要だった。

中有の道名物――良く墓地などで見かける墓の後ろに立てられる卒塔婆――その、レプリカである。

 

それら数十本を束にして持ちその内の一本を地面に刺す。

 

(此だけ有れば足りるかな?)

 

そのまま、何処かの重力使いのように上空まで飛び龍の空けた雲の穴を通り抜け其処で残りの卒塔婆を地面に向けて投げる。

まだ、卒塔婆が地面に落ちる前に右手を袋に入れて次の準備をするがその前にその、残した一本の卒塔婆をマイクのように口許に寄せて

 

「霊よ!死を認めず、さ迷い漂う霊よ!黄泉の国へと送られたくなければ、あたいの言葉に頷き此処へと集え!」

 

瞬間、地面に刺した卒塔婆を基準に勝手に卒塔婆が動き数十メートル置きに間を取って規則正しく並び一本の棒のようになる。

此で目印は完成だ。

 

きっと此ではまだ、集まり難い

万が一の為に保険を掛けて置こう。

 

「欲に抗う事を知らぬ悪霊よ!あたいの元へと集うのならば、褒美を授ける事を約束しよう!死価『プライス・オブ・ライフ』!」

 

ジャラリと、袋に収まっていたのが不思議な程の有り得ない量の銭を地面に向けて降らす。

それらは、そのまま地面に落ちる訳ではなく、一番の上の小さな卒塔婆その少し上に集まり龍のの空けた穴を埋め尽くす。

卒塔婆は、余りにも小さく、目を凝らしてやっと確認出来る程かも知れない。

だが、霊には此で充分。

あたいは、狼煙を上げただけで、後は、霊頼みである。

 

 

 

 

――なお、此れは小野塚小町にとっては、お願いで有り、霊達に取ってみれば、拒否権の無い『命令』詰まり、脅しである。

卒塔婆は、司令塔となり、小町の言葉を言霊にし霊にのみ聞こえるようになる。

其は、幻想郷中の浮遊霊達に届き、その声の場所まで本能に従って集まろうとする。

 

彼女には、三つの能力がある。

 

一つは、初めから持っていた、『距離を操る程度の能力』

 

死神が共通で持っている『人の寿命を見る目』

 

そして、彼女が、異質であるからこそ、生と死をさ迷った存在だからこそ、人から死神と言う禁忌(タブー)を犯したからこそ(やったのは四季様だが)手に入れた霊を指揮下に置くことの出来る能力

 

軈て、様々な所から集まった霊がこの騒ぎによって緩んだ結界を超えて小町の声を聞いた霊達が卒塔婆と、月の光で輝く銭へと悪霊、怨霊が群がる。

その数は、数匹、数十、数百、数千―――そして、数万に及んだ。

 

其を、小町は、願いに応じてくれたと、胸を撫で下ろし(実際は本能に呼び掛ける脅しなのだが)辺りをぐるりと見渡して、下の最早豆粒のように見える二人に鎌を向けて、霊へと命ずる。

 

この争いを止めろと。

 

 

 

「纏わり付け!―――恨符『未練がましい緊縛霊』!」

 

その号令と同時に数万にも及ぶ霊が、二人に突撃していったのだった。

 

『霊を操る能力』を惜しみ無く使って。




この戦いの一番の犠牲者は名も明かされぬ新聞記者です。
仕方無いよね。
ホイホイついてきたんだもの。

あ、程度とは記されてはいませんが、小町の寿命云々の能力は有るみたいです。
誰かに上げるとかは、出来ないみたいですけど。
其処を多少勝手ながら、アレンジさせてもらいました。
次回の後半からまた、ほのぼのになると思うよ?
新キャラと共に。


死神云々の能力は程度とは付けない事にしました。
混乱させてしまい申し訳ありません。
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