ダンジョンに人形遣いがいるのは間違っているだろうか   作:粉プリン

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第4話

オッタルとお茶会のような情報交換をした翌日、いよいよ本格的に加入するファミリアを探すことにした。と言っても誰彼構わずにやたらめったらと訊きまわるようなことはしない。それほどアリスは馬鹿ではなかった。この街でのLv.8がどのような立場かを理解しているからこそ、慎重に選ぶつもりであった。下手をすれば一瞬で神々の間に噂が広がるだろう。そして何より娯楽に飢えている神々がそんな噂を聞いて落ち着いてるとは思えない。皆こぞってアリスの勧誘に来るだろう。それこそ此方のことなど考えずに。

 

「だからこそ慎重になんだけど……選択肢間違えたかしら?」

 

目の前では白髪の少年が深々といっそ清々しいくらいの土下座をしていた。あまりの迫力に道行く冒険者たちも視線を向けているくらいだ。

 

「……ごめんなさい、頭を上げてくれるかしら?」

 

「は!?す、すいません!」

 

声を掛けると慌てて立ち上がる少年。まだ若く駆け出しといった感じのする冒険者だった。それに一度見たことのある顔だ。上海が一人迷子になっているときに教会であった少年がこの子である。

 

「はぁ……取り敢えず落ち着ける場所に移動しましょう」

 

「は、はい!」

 

そのままガチガチに固まっている少年と一緒にギルドまで向かう。本当、どこで選択肢を間違えたのだろう。

 

 

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きっかけは街の中央付近にある噴水前だった。加入するファミリアを選ぶために何かいい方法はないかと上海達に相談しながら噴水で考え事をしていると影が掛かった。視線を向けると何処かで見たことのある少年がいた。

 

「あの、確かアリスさん……ですよね?」

 

「えぇ……あ、もしかして教会の地下であった」

 

「はいそうです!ベル=クラネルって言います」

 

「改めて、アリス=マーガトロイドよ」

 

「じゃあえっと、アリスさんはここで何を?」

 

「そうね……しいて言うなら悩み、かしらね」

 

「悩み?」

 

「久しぶりにここに戻ってきたからもう元のファミリア所属じゃないのよ。だから次はどこに入ろうかなーって「な、ならうちはどうです!?」思って……いきなりね」

 

「あ、いやその!僕のファミリアって実はまだ僕だけなので、だからアリスさんが入ってくれれば嬉しいかなって……いきなりでしたね」

 

「……まぁ行く当てもなかったし、別にどこじゃなきゃ嫌だっていうのもないんだけれどね」

 

「ほ、ほんとですか!?」

 

「でも、ファミリアの詳しいことも言わずにいきなり誘うのはちょっとね。もう少し説明してくれないと、今の状態じゃ貴方のファミリアの主神のことすら私は分からないわ」

 

「あ……すいません。僕、少し焦ってました」

 

「謝って、反省ができるなら十分よ。それじゃあもう少し詳しく自己紹介でもお願いしようかしら。入るならまず貴方のことを知っておきたいし」

 

「分かりました!えっと、ベル=クラネルです。まだLv.1で未熟者ですけど神様のために頑張ってます!」

 

「ありがとう。アリス=マーガトロイドよ、Lv.8だけどブランクが何年かあるからそんなに先輩風を吹かす気はないわ。よろしくね」

 

「………………えっ?」

 

ベルが目を瞬かせた。今明らかに一部、おかしな単語が聞こえてきたからだ。

 

「……えと、すいません。僕の聞き間違えかもしれませんけど」

 

「何かしら?」

 

「Lvって……幾つですか?」

 

「Lv.8よ…………あ」

 

その瞬間アリスも気付いた。それと同時にどうしてさっきまでのことが頭から抜けたのか本気で悩んだ。まさかLvのことについては慎重に進めるはずが、一発目から暴露してしまった。これは本格的に口止めを行使するべきか迷っていると、突然ベルが頭を地面に叩きつける勢いで土下座した。

 

「す、すいませんでしたぁぁああああああ!!」

 

天よ割れろとばかりの大声で謝るベルにギョッとするアリス。突然の謝罪に何かあったのかと足を止める冒険者。事件の匂いを嗅ぎつけたのか一部には神まで覗きに来ていた。

 

「何も知らずに、勝手にファミリアに誘っちゃってすいませんでした!」

 

「いや、私も迂闊に喋ることじゃなかったわ。ゴメンなさい、でも今のことは内緒にね」

 

「は、はいっ!!」

 

そのままさらに深々と頭を下げるベル。ここまで来るともうどちらが悪いのかわからなくなってきた。困るアリス、謝るベル、群がる冒険者に面白そうな雰囲気を察し集まる神、事態は一向に進まなかった。

 

 

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ーー

 

 

そんなような事があり、どうにか無理矢理にベルをギルドに運ぶ事で謝罪地獄から逃げてきたのだが、今度は別の問題に直結していた。

 

「何やどチビ、お前うちのアリスたんに粉かけよったんか?」

 

「なんだい貧乳、あの子はベル君が選んできたんだよ?それにもうアリスとやらは君のとこから出てったんだから僕のところに参入する資格はあるはずだ」

 

「うるっさいわボケェ!それにまだ脱退の儀式はしてへんわ!残念やったなどチビ、うちに勝とうなんて十年「ロキ、今すぐ脱退の儀式よろしく」ちょちょ、アリスたんせっかくうちが綺麗に決めようとしたんに話切るのやめてくれへん!?」

 

「うるさいわよロキ(ゴブリン)?また鬼ごっこしたいの?」

 

途中で会話を邪魔されたロキだがアリスの微笑を見てすぐさま隣の部屋に駆け込んで行った。誰もがみてわかった、あれは笑ってるけど笑ってない(静かにキレてる)と。

 

「ふんっ!覚えとけどチビ!うちのアリスたんに傷つけたらギッタギタにしてやんからな、分かったか!?」

 

「さっさと行きなよ貧乳!君に心配されるほど僕も神様落ちぶれてないさ!」

 

クッソォォォォォ!!と血涙を流しながら部屋に閉じこもってしまったロキ。憐れである。

 

「まったくロキめ……それで、君がベル君の見つけてきた子だね」

 

「ええ、アリス=マーガトロイド。好きに呼んで頂戴」

 

「僕はヘスティア、小さいながらもヘスティア=ファミリアの主神さ。入団なら誰でも歓迎だよアリス君」

 

そうこうしている間に脱退の儀式の準備が終わり速やかに脱退を済ますと、泣く泣く掴んでくるロキの手を振り払いヘスティアの入団の儀式を済ませた。

 

「ふふん!これでアリス君は僕の家族さ!ロキ、変なちょっかいをかけるのはやめてくれよ?」

 

「うっさいわボケェ!うちにはアイズたんがいるんや、いつか取り返しに行ってやっから首洗って待っとけ!」

 

その後、折角だからとヘスティア達と親睦でも深めようと思ったが、いつまでも終わらない主神同士の口争いにも飽きてきたためアリスはベルを誘ってダンジョンに行くことにした。




興が乗って書いたけどモンハン新作出るからまた停滞するよ、仕方ないね
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