本当は日曜日に各予定でしたが友人が間に合わなかったので今日の投稿になりました。
「続いて次のニュースです。昨夜未明、河川敷で男性が行方不明になった事件で・・・」
まだ幼さも残る黒髪の少年がテレビを食い入るように見つめている。
「警察は特別捜査本部を設置し、500人体制で消えた男性の捜索を開始しました。1ヶ月ほど前から続いているこの怪事件ですが・・・」
そこまで見ると少年はテレビを消した。
アラシ「だあ~、くそっ、またかよ!どんどん消えていくぞ!」
カエン「これだけ俺たちが探してるのに手がかりすら掴めねぇ・・・!!どうなってんだ・・・!」
AMPとの激闘から3ヶ月・・・世界にはひょんなことから〈能力〉を使えるようになる者が次々と現れる。もちろん、その〈能力〉を使い悪事を働く者も中に入る。
アラシとカエンは、そんな〈能力〉に目覚めたものをAMPに贈る活動を現在行っている。あぁ、それと言い忘れていたがアラシとカエンによって壊滅状態になっていたAMPは現在、魔神リュウジ改め風神ヒュウガの指示によりアラシとカエンの活動に協力している。〈能力〉を持った者は民間人に被害を与える恐れがあるためAMPが最近開発した“〈能力〉を無効化する薬”を投与して対処している、のだが1ヶ月ほど前に現れた“人を消す”〈能力〉に目覚めた者は捕まえるどころか居場所の手がかりすら見つけることができないでいるのだ。
アラシ「こんな所でウジウジ言ってても何もならねぇ!!事件があったところに行ってみようぜ!」
そう言うと黒髪の少年は勢いよく立ち上がり扉に向かって歩いていく。
カエン「・・・そうだな。もしかしたら何か手がかりがあるかもしれねぇからな」
もう1人の凛とした鋭い目の少年もあとに続く。
30分後 河川敷
地面を埋め尽くすほどの警察官が操作をしている。
アラシ「うわー・・・これじゃあ、ちょっと無理だな・・・」
カエン「しょうがない、また夜に出直そう」
河川敷に背を向けて帰っていくアラシとカエンが背後の気配に気がつくことはなかった。
?「・・・」
AM1:00 河川敷
アラシ「・・・うん、流石に警察官はいないな!よし、ちゃっちゃと調べて帰ろうぜ」
カエン「じゃあ、俺はあっちを探すからアラシはここら辺を・・・」
?「そんなことをしなくても僕はずっとここに居るよ」
カエン「誰だ!」
アラシ「どこにいるんだ・・・!?」
2人が辺りを見渡すが人らしき影はどこにも見当たらない。
シュンッ
白い玉に乗った白髪の少年がアラシとカエンの前に現れる。
カエン「なっ・・・!?・・・いつの間に・・・!」
アラシ「さっきまで誰もいなかったのに・・・!!」
?「アラシとカエンが驚くのは無理もないよ。だって僕は〈瞬間移動〉を使ったんだから」
カエン「〈瞬間移動〉・・・!?」
アラシ「それに・・・なんで俺たちの名前を知っているんだ・・・?」
?「僕にはなんでも“お見通し”なのさ」
白髪の少年はニコニコと笑っている。よく見ると不思議なことに白髪の少年の乗った白い玉は空中をフワフワと浮いていた。
カエン「もしかして、お前が“人が消える事件”の犯人か?」
?「うん、そうだよ」
カエン「・・・てことは、何らかの〈能力〉が使えるってことだな」
?「〈能力〉?違うね」
カエン「よし、いつもどおり捕まえるぞ!!」
ボボウッ
火炎の手から円の形をした炎が出る。
カエン「〈火輪〉!」
ズワアッ
アラシの手から渦を巻いた風が発生する。
アラシ「〈風輪〉!」
?「もう、乱暴はよくないよ」
白髪の少年が手をアラシとカエンの方に向けると2人は凍ったように動きを止め、2人の手から出る炎と風も静止した。
アラシ「・・・え?・・・!!体が・・・!?」
?「〈金縛り〉」
カエン「!?・・・〈金・・・縛り〉・・・?」
白髪の少年が手を右にサッと払うと2人の手から出ていた炎と風が消えた。
アラシ「!!消え・・・た?」
?「〈神隠し〉」
白髪の少年が2人をキッと睨みつけると頭が割れるような激痛が2人を襲った。
カエン「ぐっ・・・うああ・・・!!」
?「〈神通力〉」
2人は激痛に悶え苦しむが体は動かない。
?「力の差が分かったかい?」
カエン「ぐっ・・・!」
白髪の少年が手を下ろす
?「〈金縛り〉解除」
アラシ「・・・」
?「ちなみに僕のは〈能力〉じゃない。〈神の能力〉だ」
アラシ「〈神の・・・能力〉・・・!?」
?「そう、神だけが使える〈能力〉だ。君たちの〈真の能力〉とは格が違うよ」
カエン「力の差は分かった・・・が、お前は一体誰なんだ?なんで俺たちの名前を知ってた?なぜ人を消した?」
?「聞きたいことはたくさんあると思うけど、とりあえず僕の話を聞いて欲しい」
カエン「僕の名前はテン。この世界の創造主だ」
アラシ「・・・!!」
テン「〈能力〉は三千年ぐらい前に人類の発展のために僕が付けた」
カエン「お前が・・・?」
テン「僕は人を“消した”んじゃない。“還した”んだ、ものとあるべき世界に」
アラシ「“還した”・・・?」
テン「不思議そうな顔をしているね。ここからは、少し話が難しくなるからよく聞いて欲しい」
カエン「・・・」
テン「実は〈能力〉を人類につけた時に“〈能力〉のある世界”と“〈能力〉のない世界”ができたんだ」
アラシ「・・・ていうことは、ここは“〈能力〉のある世界”・・・!?」
テン「そう。だけど、君たちが〈能力〉を悪用しようとしていたAMPを倒し、AMPが〈能力〉を倒し、AMPが“〈能力〉を無効化する薬”を発明したことによって、ここは“〈能力〉のある世界”ではなくなってきている」
カエン「!!・・・確かに・・・」
テン「僕は人類の発展のために、と思って〈能力〉をつけたけど、その〈能力〉を悪用する人があまりにも増えてしまった。そんな時に君たちが現れた」
カエン「・・・」
テン「君たちはこの世界を救ったヒーローだ!君たちも彼らと戦っていた分かっただろ?〈能力〉は人を歪ませ、争いを生む・・・!!」
テンと2人の間に重い空気が流れる
テン「そう、ヒュウガ君のように・・・!!」
アラシ「・・・!!」
テン「だから、これを機に僕はこの世界を“消す”ことにした」
カエン「“消す”・・・だと・・・!?」
テン「僕の三千年前の判断は間違っていた。〈能力〉なんてのは元々いらなかったんだ」
アラシ「だからって、丸ごと消すのは・・・!」
テン「もちろん、このままじゃあやらない。だから、人類を全員“〈能力〉のない世界”に転送するんだ」
カエン「!・・・じゃあ、今までの“消えた人”ってのは・・・」
テン「そう、あっちの世界に送ったんだ」
アラシ「なるほど・・・納得!」
カエン「で、俺たちも“送り”に来たのか・・・」
テン「そういうこと」
アラシ「・・・ん?」
テンの乗っている白い玉が鈍い光を放っている。
テン「ああ、言い忘れていたけどあっちの世界に行ったら、こっちの世界での記憶はなくなっちゃうから」
アラシ「えっ!マジでか!?」
テン「大丈夫、心配しないで」
グニャア
2人の周りの景色がねじ曲がっていく
カエン「な・・・何だ・・・!?」
テン「さあ、“還る”んだ。元の在るべき日常に」
フッ
アラシとカエンが消える
テン「2人は特別にすぐに会えるようにしておいたよ」
ジリリリリリ
けたたましい目覚ましの音で少年は朝を迎えた
アラシ「ふあ~あ・・・」
自分の部屋から出ていつものように居間で朝食を食べ少年は学校に行く。〈能力〉なんていうのは存在しない普通の普通の当たり前の世界。
キーンコーンカーンコーン
先生「席付けー。HR始めるぞー」
俺は、風神アラシ。どこにでもいる普通の高校生。
先生「えー、今日から新しい仲間がこのクラスに増えるぞー!」
アラシ「転校生か」
先生「中、入ってもいいぞー」
教室中の視線が扉に集まる。
ガラララ
凛とした鋭い目の少年が入ってきて黒板の前に立つ。
カエン「俺の名前は火神カエン!!これから宜しくな!!」
今日も外の天気は快晴で心地よい“風”が吹いている
約2年の時を得て書いたカミカゼ。結構成長している・・・だと・・・。
「地の文が増えた」「三点リーダーが減った」「全体的に長くなった」など周りの人からいろいろ褒められてました。友人Y、Tにはカミカゼと同時期に書いた作品がもう一つと現在執筆予定の作品が一つあります。さらにもう1人作者が増えるかもしれませんがよろしくお願いします。
カミカゼを読んでいただきありがとうございました。