奇跡の玉も異世界から落ちてきた!   作:ロッキンスター

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はじめまして。
あまりにもデュエマのミラクルスターが不憫過ぎて、衝動的に書いてしまいました。

駄文ですが、お付き合いいただけたら幸いです。

(ここだけの話、ミラクルスターは革命の力に目覚める前の方が強いとロッキンスターは思いまry)


落下物その1-奇跡の玉

(ここまで、か…………)

 

ランド大陸にある、光の国。

そこを納めていた『聖霊龍王 ミラクルスター』は、ランド大陸全域を襲う侵略者達の襲撃に対し[革命]と呼ばれる力に目覚め、『革命天王 ミラクルスター』となることで、国の防衛を為していた。

 

しかし、侵略軍の頂点に君臨する存在『レッドゾーン』に為す術もなく一蹴され、今まさに死に瀕していた。

 

だが、ミラクルスターは諦めることができなかった。

国が、民が、ランド大陸が、侵略者達に侵されていくことを、許せるはずがなかった。

 

(死に蝕まれたこの身…………最早生き長らえることは望まない。だが…………だがしかし、この国の未来を諦めることはできない…………!!)

 

仮にも彼は、奇跡(ミラクル)の名を持つ龍の王。その命の最期に、奇跡を起こすことは、できた。

 

『己が…………己がどうなろうと構わない…………!!!』

 

身体が朽ち始める。しかし、ミラクルスターは力の行使を止めない。

 

『だが…………この国を護れなかった者として、このままでは死んでも死に切れない…………!!!』

 

既に、息があるということが奇跡とも言えようその様…………壊滅状態にある光の国のクリーチャー達は、彼らの王が行う最期の奇跡が潰えぬよう、自分達の力を王に送り始めた。

 

『世界の意思よ!!! 私に奇跡を…………侵略者共の魔の手を退けるための、最期の奇跡をッ!!!』

 

王が、民が、国が…………壊滅してなお光を失わなかった者たちが願った奇跡は…………時の門が開くという形で叶った。

 

上空に発生した時空の歪み…………そしてそこから現れるのは、どこかミラクルスターに似て、しかし彼よりも強大な力を有する、1匹のドラゴンだった。

 

『過去の王よ、礼を言う。この奇跡によって、この国と未来は護られるであろう。後のことは、今における未来の英雄たる、このミラダンテにお任せあれ』

 

奇跡が、成った。

 

そのことを認識した彼は、満足と言わんばかりに目を閉じる。

 

(国を護ることは叶わなかったが…………最期に、未来を繋げて良かった…………)

 

国の民、未来の英雄に看取られながら、彼は静かに息を引き取るのだった。

 

 

☆★☆★☆

 

 

ミラクルスターは、レッドゾーンに成すすべなく倒された。国の最大戦力且つ守護者である王としては、相手が悪かったとは言え、不甲斐ないと言わざるをえない。

 

だが、レッドゾーンという巨悪に立ち向かったその姿や、己が命を賭して未来を繋ぐ奇跡を起こした事実は、後の歴史にて『英雄』として祀り上げられるには充分だった。

 

その功績に対する報酬は、複雑怪奇に絡みついた奇跡の連続により、とある世界に招かれる形で払われることとなる。

 

 

☆★☆★☆

 

 

とある滝の近くに、一つの球の様な生物がポテリと落ちた。

 

元の名を『ミラクルスター』。しかし、かつての優美な龍のすがたとは打って変わり、その面影を残しつつも、とても可愛らしい球状生物に退化していた。

 

「…………キュー」

 

閉じていた目を、いくらかしぱしぱとさせて、ミラクルスターは目を覚ます。

 

目を覚ました彼が、最初にとった行動は、現状確認だった。

 

『ここはどこ?』→『分からない』

『私はだれ?』→『光の国の王:ミラクルスター』

『最後の記憶は?』→『一世一代の奇跡を起こし、国の民と未来の英雄に看取られながら死んだ』

 

本来のミラクルスターなら、まだ現状確認を続けていたであろう。

しかし残念なことに彼は今、(思考力も含め)自身の力のほとんどを失っていた。オマケに、その精神も姿とともに退化したのか、幼くなっていた。

故に今のミラクルスターの思考は、この時点で答えを弾き出した。

 

『あ、僕死んであの世に逝っちゃった』

 

完全に間違いではないのだが、いずれ恥をかきそうな勘違いをしてしまっていた。

 

そんなミラクルスターは、これからどうしようか…………と、頭をひねり始めると、頭上から降り注いでいた光が何者かに遮られた。

 

『ふむ…………見慣れぬ気配がしたために向かってみたが、龍の子供であったか』

「キュ?」

 

見上げると、蛇がいた。それもおっきな。

 

『純血の龍種…………では無いにしろ、限りなくソレに近い霊格だな。親が近くにいないところを見ると、無から産まれた様だな。それにしては、産まれながらにして強者である彼らとは似ても似つかぬ程弱々しいが』

「…………キュ」

 

何を言っているのかは彼にとってはさっぱりだが、弱々しいという点は否定できず、目尻に涙を溜めながら俯いた。

 

『あ、ああ済まん。別に貶そうと思ったわけではないのだ』

「……………………」

『だ、だからそうさめざめと泣かれると、こっちが困るというか…………』

 

巨大な蛇は、びっくりする程慌てた。

まあ、(一応気配は龍のそれとはいえ)ぬいぐるみにでもなってそうな可愛い球状生物が、自分のせいで泣き始めると…………誰が悪いか云々の話は置いておいて、居心地が悪い。

仕方がないので、その居心地の悪さを解消すべく、流れを断ち切ることにした。

 

『ゴホン! と、ところで龍の子よ、お前の名はなんと言う? ああ、話せるのであればだが』

「キュ、キュー……」

 

しかし、ここでもミラクルスターは困った。今の姿だと、上手く喋れないのである。

全く喋れないのなら諦めもついたのだろうが、変に喋れそう故のことである。

 

というわけで、意を決して彼は口を開く。

 

『m…、……クル、スタa………』

『…………? クルスタと言うのか?』

「…………キュー」

 

もう、それでいいや。という諦観が、ミラクルスター改めクルスタの顔に、ありありと浮かんでいたことは言うまでもないだろう。

 

 

☆★☆★☆

 

 

『ところであといくらか質問があるのだが』

「キュ?」

『お前、これからどうするのだ?』

「キュー…………」

 

クルスタは考え始めた。

そういえば国の後のことは考えてたけど、死んだ後どうするかなんてことは考えていなかった彼である。もっとも、死んだ後どうするかなんて普通は考えないものだが。

 

「キュ!」

 

しかし、思考の幼くなったクルスタ。すぐに『まぁ、どうにかなるでしょ!!』と、楽観思考を展開。

そして言葉は分からずとも察してしまった蛇は、ため息をつきながら口を開く。

 

『ハァ…………見つけたのが私だったから良かったものの、そんな楽観視できる状況ではないのだぞ?』

「キュ?」

『日々の食事は? 寝床は? 自衛手段は?』

「…………キュ♪」

 

痛いところをつかれたクルスタ。可愛く鳴いて誤魔化すことにした模様。

 

『全く…………ここで会ったのも何かの縁だ。お前の面倒は、この私が見てやろうではないか』

「キュ!?」

 

望外の提案に、クルスタ驚愕。

『え、本当にいいのっ!?』と言いたげに、蛇を見つめる。

 

『ああ、構わないぞ? これでもこの滝とその周辺を治める神だ。その位のこと、わけはない』

「キュ…………キューッ!!!」

 

クルスタは感極まり、蛇の体にへばり付く(彼としては抱き付いているつもりの様だが…………)。

 

『あ、ああもう…………反応に困る奴だな』

 

対して蛇の方は、口ではこう言いつつも、声は照れたような色を帯びていた。まぁ、可愛い物に懐かれて嫌な気はしないだろう。

 

「キュ!」

 

と、へばり付いていたクルスタ。何かを思い出したかのように短く鳴く。

 

「キュ、キュキュキュー、キュー」

『…………済まない、何を言わんとしていることが分からない』

「キュ〜……(ガクリ)」

 

『言葉って、偉大だったんだね…………』と、彼は項垂れる。

しかし諦めないクルスタ、今度は少し離れ、十字型のトゲを生み出す。

そしてそのトゲの切っ先を自分に向けて、

 

『クル……ス、タ』

 

自分の名前(仮)を口にする。

 

そして、今度はその切っ先を蛇の方に向けて、首を傾げながら短く鳴いた。

 

『ああ成る程。私の名前が知りたいのだな』

 

一連の流れでやっと理解できた蛇。クルスタも意思の疎通ができてご満悦の様。

 

『私の名は白雪。このトリトニスの滝の管理をしている水神だ。長い付き合いになるかは分からぬが、よろしくな』

「キュー!」

 

 

☆★☆★☆

 

 

この物語は、とある国を治めていた奇跡を司る精霊龍王の成れの果てと、とある滝を治めている蛇神の軌跡と奇跡について記すものである。

 

 

『奇跡の玉も異世界から落ちてきた!』

 

 




(匿名投稿ですが、仮に本当のユーザーネームが分かっても知らないふりでお願いします!)
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