キャラクター視点だと書きやすい印象です。
「……それで?」
「続きをやろうとしたけど姉貴に止められた」
IS学園学生寮1019号室、一夏とアタシの愛の巣にボーデヴィッヒと一戦交えたことを聞いた箒が事の顛末を聞きに来ていた。
『私闘決闘、大いに結構。だが他の人間に迷惑となる以上は見過ごすことはできん。勝負は私が預かる。ケリは今度のトーナメントで着けろ』
アリーナに到着した千冬(義姉)さんは一夏とボーデヴィッヒの戦闘を止めると、凛とした声と態度でそう言い渡した。
「情けない……軍属の候補生だろうが何か知らんが何処の馬の骨ともわからん奴を倒せずに終わるなど弛んでいる証拠だ!」
「それはないわね」
激昂しているとは言え、一夏を乏すような言葉は聞き捨てならない。アタシは箒に待ったをかけた。
「認めたくはないけど、あのボーデヴィッヒの実力は本物よ。しかも千冬さんの師事を受けている相手、それに押し負けなかった一夏が弛んでいるなんてことは絶対にないわ」
ドイツから来たボーデヴィッヒは千冬義姉さんのことを『教官』と呼んでいた。そのことから義姉さんに師事を受けていたことは容易に察することができる。
そんな相手の実力を同じ代表候補生として公平な目線で述べた。ただ、
『もしかしたらアタシやイギリスの代表候補生、セシ……なんとかよりも実力は上かもしれない。』
頭の片隅に浮かんだその考え、それだけは声にしない。くやしいから。
その時、学生寮内の一室で誰かが自分の名前を叫んだらしいけど、何かあったのかしら?
「確かにボーデヴィッヒを過小評価したことについては私が間違っていたかもしれん……」
そう答える箒だけど、その表情からは未だに納得できないことがあるのが伺えた。
「……時に一夏、オマエは今何をしている?」
「あ? フツーに寝てンだよ」
ボーデヴィッヒの言動に一日中イラつき、さらにはISでの戦闘。一夏でなくても疲労困憊となるのは当然で、消灯時間にも近い今の時間帯に自室で横になっていることに何の問題があるのかしら?
「フツーに寝ているだけ、だと?」
「あぁ、見りゃ解ンだろ」
「何処の世界に女子の膝を枕に寝ている奴があるか、バカ者ォッ!」
どうやら箒は一夏がアタシに膝枕されていることに怒っているらしい。いつもやってることなのにね?
まぁ、前に『男女ナントカにしてナントカせず』とか言ってたから仕方ないわね。
「男女七歳にして同衾せず、だ!」
思考を読まれた?
「箒」
「なんだ!?」
「うるせぇ、時間考えろ」
箒は激怒した。
なお、叫んだ生徒二名は寮監にめちゃくちゃ指導された模様です。