地導師と花妖怪   作:ちゅーに菌

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今回もアルトリアさんの格下のサーヴァントにすら確実に手間取る苦戦EXのスキルが発動しますぜ。


妖怪と人間

 

 

 

「旦那は今日は何もしないんですか?」

 

「んー?」

 

ゆっかさんが消えた直後、りゅーくんはそんなことを言ってきた。

 

「だって旦那と、姐さんの夫婦喧嘩はこれより激しいっすよね」

 

「……ふむ」

 

たまにゆっかさんと俺が庭でやっているのは夫婦喧嘩ではなく、時々身体を動かさないと色々と溜まってしまうゆっかさんのガス抜きのようなものなのだがな。

 

それは兎も角、どうやらりゅーくんはゆっかさんだけでなく、俺もサーヴァントと同格かそれ以上だと思っているらしい。

 

ゆっかさん曰く、英霊とは単に戦没者の霊ではなく、死後、人間というカテゴリーから除外され、精霊の域にまで昇格したものを言い、 そもそもが人間とは次元の違う存在らしい。無駄に歳を……長生きしているだけあって博学である。

 

それが気になり、夕方にバーサーカーに対して何がサーヴァントに効くのかという実験をしてみたのだ。無論、実戦を兼ねて。

 

「えー!? 旦那と、バーサーカーの旦那が戦ったんですか! 見たかったなぁ…」

 

そういや、その時りゅーくんはふーちゃんを連れて公園で遊んでくれていたのでいなかったんだったな。

 

まあ、その結果、そもそもサーヴァントは神性の無い物理攻撃がほぼ通らない。霊体化されてしまえば俺には最早どうしようもない等と言うことがわかった。

 

更に家のバーサーカーに関して言えば、戦闘に特化した宝具とスキルが極めて凶悪……いや、反則レベルだろう。

 

俺のいつもならあったであろう戦闘意欲はすっかり萎えてしまったのである。あんなのが後、六騎もこの街にいると思うと顔が引き釣るような思いだ。

 

『□□□…』

 

バーサーカーが俺には啓蒙が足りなくて認識できない言葉を発すると、俺に顔を向けて来た。恐らくは気ままなマスターが、狙撃手を潰しに行ってしまったため、指示を仰ぐためだろう。ゆっかさんの片割れの俺はバーサーカーにとって、準マスターぐらいの存在らしい。

 

「とりあえずゆっかさんが戻るまで待機で良いんじゃねぇか…?」

 

「■■□…」

 

そう言うとバーサーカーは、徒歩で俺の後ろまで移動し、動きを止めた。見た目からは想像できない程に従順な奴である。

 

みえない武器を構えたままのセイバーが放置されたため、場に妙な空気が流れる。白けるとはこう言う事だろう。まあ、白けているのはこちらだけで向こうは已然として警戒を続けているようだが。

 

セイバーは抜き身の刀のような視線でバーサーカーを射抜き続けるが、俺の背後に立つバーサーカーは石像のように反応ひとつ無い。

 

人を見た目で判断するなとは言われるが、敵意を持って対峙すれば、容姿や挙動から実力を推し測る事は必須の戦闘技能だ。そして、顔も挙動も無いこのバーサーカーは判断材料が少な過ぎてそれが困難なのである。ここまで来ると恐怖すら覚えるレベルだ。コイツを警戒するなと言う方が無理だな。

 

どうでもいいが、その観点から見て、セイバーのマスターとして立っている幼さ子のようにすら感じるあの女性は赤点も良いところだろう。

 

恐らくは集団で参加しているか、そもそもマスターですら無いのが打倒なところか。少なくとも銃撃に対して一切動揺の色がなく、次は彼女が標的にされないとも限らないにも関わらず、未だに道路に立っている辺り、狙撃手らは彼女の仲間なのだな。

 

「…………ん?」

 

待てよ。仮にそう考えるなら彼女、銃撃手、狙撃手の3人の内、誰がマスターなのが一番安全か?

 

真っ先にセイバーのマスターのように立っている彼女は除外される。銃撃手と狙撃手は有効射程を考えると狙撃手の方が遥かに遠くに配置することは容易だろう。

 

……ゆっかさんが行ったであろう狙撃手がセイバーのマスターである可能性かあるな。

 

それに気付いた瞬間、頬を汗が蔦るのを感じる。不味いな……誰よりもゆっかさんはこんなつまらない幕引きを望まないだろう。あくまでもゆっかさんは聖杯戦争、ひいてはサーヴァント同士の戦いを楽しむために来ているのだ。

 

………………鎌を掛けてみるか。

 

「ところでセイバーと、そのマスターさん方」

 

二人の視線がバーサーカーから俺に向く。

 

その瞬間、バーサーカーへ向けられていたセイバーの視線から感じる殺気が俺に直接当り、ぞわりと背に鳥肌が立つ。思わず斬り掛かってしまいたい衝動に駆られるが、サーヴァントを普通に攻めても暖簾に腕押しなのを思い出し、急激にその感覚は萎えて行った。

 

「狙撃手の心配をした方が良いですよ。今までここに居た俺の妻は比喩でなく、サーヴァントよりも強い。狙撃手に大妖怪を退けるだけの力がありますか?」

 

「妖怪だと…?」

 

俺の問い掛けに言葉を返してきたセイバーは武器を構えたままで、細かな反応は見え無い。だが、セイバーの後ろにいる彼女の方は一瞬だけ、見回すように眼球が動いたのが確認出来た。

 

反応から見て、少なくとも狙撃手は彼女が金で雇っただけの人間ではないことは確定か…家族、仲間、セイバーのマスターのどれかなのだろう。

 

俺は天を仰ぎ深い溜め息を吐く。

「なにを……ッ!?……これは!?」

 

側のコンテナ群の周辺で、淡い光の渦が巻き上がった事でセイバーと、そのマスターは動揺を隠せないと言った様子だ。

 

やはりゆっかさんの妖力はサーヴァントから見ても異常らしい。

 

「…………まあ、もう手遅れか」

 

次の瞬間、激しい光と重低音を響かせながら極太の光線が駆け抜けた。

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

月下の元、夏の草原のような髪をした人の領域を越えた美貌を持つ女性が、片腕だけで衛宮切嗣の首を掴みながらコンテナに押し付けている。

 

切嗣は腕から脱出しようと試みるが、到底人間では及ばない程の力で押さえ付けられ、指の1本すら己の力で逸らす事は叶わない。

 

彼が腕から抜けよう手する度にコンテナに押さえ付ける力が強まり、次の瞬間には異音と共に人型の凹みが出来上がる程だ。

 

男は脱出を諦め、懐に入れていた巨大なハンドガンを取り出し、女性の片目に突き付ける。それは一発毎に弾を込めなくてはならないが、並の魔術師や死徒では防ぐことさえ難しいような代物だ。一撃の威力は絶大な信用の持てる銃器であった。

 

マズルフラッシュの直後、乾いた音が響き渡る。

 

発砲後、空へ向いた銃口からは硝煙が昇り、彼女の頭は大きく後ろに後退した。

 

それを見届けた男は仕留めた手応えを感じ、僅かにほくそ笑む。

 

だが、撃たれた方の目を押さえながら彼女の頭が元あった位置に戻った事で男の表情は苦悶の混じった驚愕の表情に変わる。

 

「な……に…?」

 

彼女がゆっくりと押さえていた手を放すと、そこには上下の目蓋に止められた銃弾があった。

 

彼女は銃弾を弾くと、その口が開かれ、祝詞を読み上げるかのような緩やかで弾むような口調で言葉が紡がれる。

 

「地上に咲く花はその鮮やかさから生の象徴であり」

 

女性はもう片方の手には夜にも関わらず日傘が握られている日傘を、なす術も無くただ絶句している切嗣へと向けた。

 

「同時に花の儚さより死の象徴でもある」

 

龍脈が破裂したのかと錯覚するような魔力の濁流が女性から発生する。

 

それは噴き出される魔力のみで周囲の空間そのものを抉り取り、大気を裂き、人工物は悲鳴を上げて次々とひしゃげて行った。

 

「不思議よね」

 

最後の呟きの後、それまでの魔力の放出が嘘のように静まり、日傘の先に輝かしい球体が留まっている。

 

「貴方の墓前にはどんな花が映えるかしら?」

 

その刹那、夜空に一筋の閃光が走った。

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

魔砲は進行方向の倉庫を貫き、作業クレーンを容易く飲み込みながら海上へと抜け、接触してすら無いにも関わらず、モーセの奇跡のように海を割りながら突き進む。

 

数秒の後に地平線の向こうで緑の閃光が起こり、一瞬だけ夜空を昼間のように染め上げる。

 

その後、海は静かに元の姿へと戻り、陸地には不自然に基礎と柱の一部だけが残る人工物が佇むばかりだった。

 

「直撃したのなら塵ひとつ残らないな……」

 

ゆっかさんには慣れている身としてもアレは寒気がする。

 

「き、切嗣……切嗣! 切嗣!?」

 

その呟きから数秒後、放心していた セイバーのマスターらしい女性が、叫び声を上げながらフラフラと一歩二歩進む。

 

「アイリスフィール! 気を確かに!」

 

セイバーは武器を消し、彼女の元へと戻ると膝を折って倒れ込んだ彼女を支えた。

 

だが、彼女の目は焦点が合っておらず、しゃがんだまま全身を震わせている。どうやらかなり身近な人物だったらしいな。

 

「私とまだパスが繋がっています! まだ、彼は生きて…」

 

その直後、黒いコート姿の成人男性が俺の目の前のアスファルトで無造作に叩き付けられ、俺の足元に転がって来た。

 

男に意識はあるようだが全身の骨や、筋組織をズタズタにされているらしく、顔を歪めたまま僅かに逃げようと蠢くばかりのようだ。

 

まあ、歩く理不尽(ゆっかさん)にあれだけの事をして命があっただけマシと言ったところか。

 

それはそうと頬を膨らませたゆっかさんが男の隣に出現し、私怒ってますと言った風に腰に手を当てていた。

 

「全く……マスターなら早くそう言いなさいよ。殺しちゃうところだったじゃない」

 

「やっぱり令呪を持ってまし…」

 

ゆっかさんが頬を膨らませているので指先でつんつんしていると、ゆっかさんが俺の喉元に日傘の先端を突き付け、ギロリと擬音の付きそうな程の眼光で俺を睨む。

 

「知ってたの…?」

 

その言葉に頬をつついていた手も凍り付いたように止まる。

 

「………まさか、ゆっかさんが撃たれてから可能性として思い付いただけですよ」

 

「そう……バーサーカー」

 

その呟きにより、俺の背後にいたバーサーカーが動き出し、ゆっかさんの次の指示を待った。

 

「迷惑料に令呪を奪い取るからその男を動けなくしなさい」

 

『■■■…』

 

バーサーカーは小さく叫ぶと両手の五指が、針のように伸び、只でさえボロボロな男の衣服を地面に縫い付けて拘束する。

 

令呪を奪い取るという言葉は聞こえたのか男の身体が震えるが、無意味だろう。

 

「……キュア」

 

あまりにも可哀想なので男に手を翳すと、緑の光が男を覆い、少しだけ男のもがきが活発になった。

 

「何してるのよ?」

 

「骨折などの重症ヶ所だけは治しました。流石にねぇ…」

 

「ぶー、私は被害者よ! 折角、サーヴァント同士を戦わせようとしてたら2回も顔を撃たれたの! 酷いでしょう!?」

 

「勿論、わかってますよ」

 

詰め寄ってくるゆっかさんの頭を撫でて宥める。ゆっかさんは撫でられると表情は不満げだが、目を細めて気持ち良さそうにしているようだ。

 

満足したのかゆっかさんは男の隣でしゃがみ込む。

 

「んー……なら私とバーサーカーは令呪を剥がしてるからその間…」

 

次の言葉が吐かれる前に俺は地面を蹴ってバーサーカーの前に立ち、片手でそれの刃先を掴み取った。

 

「なに!?……貴様も妖怪だったのか!?」

 

そこには不可視の武器を構えながら驚愕の表情を浮かべているセイバーのサーヴァントがいる。

 

ゴツい鎧を纏っている割には力はそこまで強くないらしい。片手で彼女の得物を押さえれているのがその証拠だ…………ん? おい、待てや誰が妖怪だ。

 

「5分ぐらいその可愛い騎士さんの相手をお願いね」

 

「はいはい…」

 

厚みと触り心地から武器種は大剣、剣の周りを何層も重なるモノの属性は風、剣身に帯びた力は光り、そして微かな星の匂いから神造兵装と言ったところか。

 

これらに該当する剣は世界にひと振りしかないな……………女性だったのか。

 

まあ、ゆっかさんの自宅が建っているあるあの世界の住人の事を考えると今更驚くこともないか。

 

「はぁ!」

 

剣の風の層が爆発し、微かに俺の手が放れる。その隙にセイバーは再び、男を拘束するバーサーカーへと向かおうとする。

 

「無視をするな」

 

「……!?」

 

直後、眼中から外していたらしい俺から繰り出された拳がセイバーの腹を撃ち抜き、衝撃が大気を震わせる。

 

次に遅れてトラックとトラックが正面衝突したような爆音が鳴り響き、最後にセイバーがマスター代理だった女性の元まで足で地面を削りながら後退して行った。

 

しかし、それだけであり、セイバーに目立った外傷どころか鎧への傷すら見られない。

 

それに引き換え、俺の拳は多少だが、擦りむけている。少し長い目で見ればどちらが圧倒的に有利かなど考えるまでもないだろう。

 

「…………やっぱりあれで無傷か」

 

正直、ダメージの通らない相手と戦うのは気が進まないのだがな…じり貧にしかならない戦いはやっていてつまらない。まあ、5分程度ならゆっかさんと殺り合うのと比べれば100倍はマシか。

 

霊体化してくれれば俺の魔術っぽい何かぐらいはある程度通じるかも知れないが、相手がこちらを得体の知れない物体だと思っている限りそれは考えるだけ無駄というものか。

 

願わくば家のバーサーカーのような対人戦で圧倒的に優位に立てるスキルや、宝具を持っていない事を祈るばかりだ。

 

全く…戦う気が無かったから家から神性のある武器を持ってこなかったというのに……これでは本末転倒だな。聖杯期間中は何かしら常備しておくか。

 

「いっけー! 旦那ー!」

 

「お前は程々にゆっかさんの手伝いでもしてろ」

 

「へへっ、わかってますって」

 

俺は拳を握り直すと、左足を1歩前に出し、膝を軽く曲げてから両手を構えた。セイバーの射抜くような眼光からは突き刺さるような殺気とは別に明からな焦燥が伝わってくる。

 

まあ、恐らくは自分の令呪が奪われようとしているのだ。焦らない方が無理というところだろう。

 

「アーススパイク」

 

地面を拳で打ち付けると、地中を進む大量の石柱が召喚され、進んだ地面を不格好な針山のようにしながらセイバーの足元に迫る。

 

だが、セイバーは地面で生える寸前で地面に剣を突き立てる事で石柱の進行を妨げ、石柱を避けた。

 

「貴様はいったい…?」

 

「そんなもの決まってる」

 

元からボロボロのアスファルトを脚で更に抉り、距離を詰めてゆっかさんとは圧倒的にボリュームの足りないセイバーの胸部へ向けて拳を叩き込む。

 

が、今度は剣を斜めに構え、盾のように使う事で防がれる。

 

「スクリューロック」

 

「ぐッ…!?」

 

が、剣に打ち付けた状態の拳から人間数人分程の長さの鋭利な岩が生え、受けの姿勢に強力な衝撃を与えることでセイバーを更に十数m後退させた。

 

「世界一可愛くてワガママな妖怪の夫だ」

 

あ、ヤバい……これ無茶苦茶手痛い…。

 

 

 





ルーンファクトリー4で言えばこの主人公の強さはうちのレスト君と同じぐらいの30000レベルぐらいですね。

ちなみにこの主人公のルーンファクトリー的に言えば魔法は、アースマイトの力で自然界にあるマナを自然が存在する限り、無制限かつ100%の純度で繰り出させるモノのため、ガス欠などを引き起こす事が絶対にありません。青子さん何かとビームの応戦しても何れ勝てます。本人は気付いていませんが、地味に無限機関という魔法使いだったりします。

この作品の主人公の基本性能
:肉体スペックがルーンファクトリー主人公(ダメージさえ通れば拳で英霊をミンチに出来、逆に並大抵の英霊からのダメージはほぼ通らない程の耐久とHPがある)
:料理レベルや武器レベルなどが天限突破(全能版無窮の武練EX)
:マナ無限(からの無限キュア)
:ルーンファクトリー主人公のようにナチュラルで明く一々相手を襲うことに躊躇などしない戦闘狂(精神異常EX)

という超人仕様になっております。これを当たり前のようにぶっ飛ばすゆうかりんとはいったい……? うごごごご……。まあ、ルーンファクトリー主人公ってマジでこんな性能なので困りますね。挙げ句に神殺しもしますし。

そう言えば、フレイとキャス狐は中のひとがおな(なかのひとなどいない)。

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