有職転生 - 異世界に来たから謝罪する -   作:妥当な猫の手

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第一話「もしかして:無職転生の世界!?」

 目覚めると、露出度の高い服で頭に角を生やした女性が覗きこんでいた。

 女性と目があった。

 紫と黒のオッドアイだった。

 

「―――・・――・・・・!」

 

(誰だよ…えっ角?コスプレ?カラコン?)

 

 

 

 隣には巨大といってもいいような筋骨隆々な漆黒の肌に六本の腕の大男が満面の笑みを浮かべながら俺を見ていた。

 

(6本!!??ちょっなに!?天〇飯!?)

 

 

「――――・・・・・―――・・・!」

 

 女性は俺を見てなんか言ってるんだけど何を言ってるのか理解できない。

 外国語か?俺がならった言語の中では聴いた事が無い。

 しかもその腕とか角、ハロウィンでもしてるのか?

 

 

 

「――――・・・・・―――・・・」

 

「――・・・・・」

 

 女性が俺を持ち上げて大男に手渡し、大男は部屋の外まで俺を連れて行き真上に放り投げた。

 

 

「オギャァァァァァァァァァァァァ」

 

 俺は浮遊感と死に瀕する高さにより叫び声を上げた。

 しかもこの二人はそれを見ながら大笑いをしている。

 

 

 

 落下により死を悟ったが、ある程度落ちた際に……すっとすくい上げられるように体が持ちあがった。

 

 俺を見ながら女性と大男は二人とも大笑いをしている。

 

 

「うぁあー、ぁうぁあ、あぁぁぁぁー」

 

 何しやがる、あんたら! ふざけんな! と言おうとしたが口からでた言葉は呂律が回ってないうめき声だった。

 

 体がまともに動かせない……。

 えっ?そういえばここはどこなんだ?

 

 上空からおぼろげに見た感じだと壁に挟まれた町?って感じだった。

 到底日本にあるとは思えないような雰囲気だったがいまいち視界が悪く視認できない。

 

(えっとたしか……)

 

 あぁ思い出した…俺は確かトラックで突っ込んで…突っ込んで?

 それからどうなったんだ?

 

 俺がころ……ころし……た……。

 

「ヴッ……ヴォエエ」

 

 事故の瞬間の映像が頭の中をフラッシュバックして、嘔吐物を吐こうとしたが白い粘ついたものを吐きその後は、目の前が真っ白になった。

 

 

 

 

 

 目が覚めたその日は、それ以降ぷっつりと記憶が途切れている事から気を失ったのだろう。

 

 

 

---

 

 

 

 それから一週間ぐらい経った。

 

 

 

 どうやら俺は生まれ変わったらしい。

 理解するのにそれほど時間はかからなかった。

 

 

 しかも俺は異世界に転生しているようだ。

 

 

 周りの人物が皆が皆、奇形? というか両親? がモンスターのような人物であることからも恐らく……いや…地球上ではないとはっきりと断言できる。

 まぁ俺の体は奇形と言っても母親の角だけみたいで安心した。

 だって父親の腕とか肌色が遺伝してたら少しショックを受けていたかもしれない。

 

 

 

 まぁとにかく、無職転生のみたいに転生してしまったっぽい。

 

 

 てか、恐らくこの世界は無職転生の世界であると予想している。

 いまだ言語が分からない上、言葉を喋る事すら出来ない為確認のしようがないが、この馬鹿みたいに笑いまくる両親については見覚えと言うか文章でみた特徴だけど恐らくバーディガーディとキシリカ・キシリスだと思っている。

 

 母さん……いや……キシリカに関しては幼女ではなくナイスバディなプルンプルンとした体系であることから考えて原作開始前の……。

 んー……今って?いつぐらいなんだろうか?

 第二次人魔大戦?

 ラプラス戦役?

 いやラプラス戦役は確かキシリカは活動してないんだったっけ?

 

 

 とりあえず時代背景とかは言語が分かるようになってからでもいいか……。

 第二次人魔大戦って下手すると俺死んじゃう気がするんだけど。

 

 

 あぁぁぁ……しかし参った……。

 もし仮にここが無職転生の世界だとして……。

 ルーデウスやナナホシを殺したのって俺ってことじゃん……。

 後二人……一人?いまいち覚えてねぇ……。

 ナナホシが彼氏の事を……ヒロ?タカ?なんか取り合えず二文字の奴だったと思うけど。

 

 まぁとにかく……はぁ……。

 なんであの時居眠り運転なんかしたんだよ。

 人を殺しちまったんだよな。

 

 

「あぅ…」

 

 

 って感じで『ここが無職転生の世界かな?』と思い始めてからはため息ばかりついている。

 

 

 そんな事を考えていたら急にキシリカ(母)が俺のズボンを下ろしてくる。

 

 

「あぅぅ……あー……うううー」

(やめてぇ……お婿にいけなぃい)

 

 

 キシリカ(母)は俺の恥ずかしがってる事を知ってか知らずか、いつのまにが漏らしていた俺のオシメを不器用ながらも変えてくれている。

 

 まったく赤子という身分で意識があるのも困り物だなと心の中で苦笑していた時。

 

 

 

 

 尻を持ち上げられた時見えてしまったのだ……。

 いや…正確にはみえてないと言ったほうがいいだろう。

 

 

「あ……あ……うぁぁぁ……」

 

 ない……ないのである。

 

 

 そう……長年28年間ほど生きてきた中で今まで苦楽を共にしてきた奴がいなくなっていたのである。

 

 

「オギャぅあああー、オギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」

(おれのぉぉぉ、息子がいねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ)

 

 

 

 

 

---

 

 

 

 

 

 息子の事は記憶の片隅に追いやり、それから半年の月日が流れた。

 

 

 

 半年もキシリカ(母)、バーディ陛下や部隊の人達の会話を聞いていると、言語を理解できるようになった。

 元の時代では外国に留学していたことも有り、英語はそれなりに日常会話や読み書きとマスターしていたと言っても過言ではないがそこまで理解するのに1年程度は掛かったが、赤子の頭?で毎日言葉の勉強だけしているとほぼ言語が理解できるようになっていた。

 年齢が若いせいか、物覚えが異常にいい。

 

 

 

 ここ最近やっとハイハイできるようになってきてようやく回りを探索できるようになった。

 やはり動けるというのは素晴らしいな、ルーデウスもこんな気持ちだったんだろうか?

「カァーカカカカ!」

 そうおもうと口から笑い声が漏れてくる。

 

 

「妾の子供の癖にあまり笑わぬのぅ」

「うむ、確かにな。ほれっ笑え。フハハハハハ!」

「そうじゃぞぉ!どんな時にもとにかく笑うのじゃ!

 ファーハハハハハ!」

 

 

 キシリカ(母)とバーディ陛下がそんな風に毎回笑う為か俺にも笑い癖がうつってしまったようだ。

 

 

 会話を聞いている中で分かったことだがバーディ陛下はどうやら俺の父親ってわけでは無いみたいで父親はほかにいるみたいだが、一度も姿を見たことも無い事からもしかすると戦争で死んでしまったのかもしれない。

 まぁ、父親のことは一先ず喋れるようになってから聞くとしよう。

 

 

 今は移動できるようになり、今自分が置かれている状況が多少なりとも把握できるようになってきた為ここがどういった場所なのか確認した。

 

 

 家と思っていた場所はどうやら兵舎小屋の二階らしい。

 あとどうやらココは山脈と山脈を隔てる谷にある砦みたいだ。

 

 

 よくキシリカ(母)が砦の上まで抱っこして連れていってくれる。まぁさすがにハイハイでそんなところまで移動できないからな。

 

 でも移動しようと思えば出来るかもしれない、なぜならキシリカ(母)は基本的にどこに行こうが構いやしないって感じの放任主義のようだ。

 

 

 まぁ、昼ぐらいからは20代ぐらいの若い子守りさん?

 がいるからそれまでに探索しなくちゃならない。

 

 

 (ある程度動けるようになったし、この前見かけた書斎っぽいところにいってみるかな)

 

 

 

 そう思っていたある日。

 早朝にその事件は起こった。

 

 

 

 

 文章を読むために本でも探そうと思い、早朝のキシリカがまだ眠っている薄暗い中、以前だっこして移動していた時に見つけた書斎っぽいところにハイハイで向かっていた。

 

 

 

 扉の前につくと、中から

 

「―――・・――・・・・」

「――――・・・・・―――・・・」

 

 

 明らかに魔神語ではない言葉で会話している声が聞こえた。

 

(部隊の人が中にいるのかな)

 

 と、思いながら扉にもたれ掛りながらドアノブを回そうとした瞬間、勢いよくドアが開いた為に俺は前のめりに倒れこんだ。

 

 

 

 倒れこみながら目の前に忍び装束のようなものを纏って立っている人が居た。

 

(アッ…アイエエエエ! ニンジャ!? ニンジャナンデ!?)

 

 

 

 ダンッ

 

 と、言う音と共に目の前にいた忍者の首が体とおさらば。

 

 

 首を失った体は崩れるように倒れ、薄暗い部屋の奥にもう一人忍者らしき人影を見つけた。

 

 

「―――・・――・・・・!!」

 

 

 奥に居た忍者は驚いたような、焦ったような顔をしながら腰に差していた剣を抜き俺を睨みつけてきた。

 

 いや、正確には俺の頭上を睨みつけていた訳だけど。

 

 

 

「ミズリカ様、こんな早朝にどこにゆかれるのですか?

 あまりうろうろなさると危のう御座います。」

 

 

 

 俺のうしろに立っていたのは子守りさん……。

 いや、元キシリカ親衛隊隊長補佐イスリュ・ラルスウージリタス。

 キシリカの子供(俺)が生まれた事でお付として俺に仕える事になったと。

 赤子の。

 本来ならば言葉も分からないような。

 そんな俺に向かって享受とかこれからは私があなたの腕となってなんたらかんたらとか、色々形式張った物言いをしてくる天然さんだ。

 

 

 その彼女が今は俺のうしろに立って、装飾が施されたナイフを片手に忍者を睨みかえしていた。

 

 

 一言、二言、忍者とイスリュが会話をした後に先に動いたのはイスリュである。

 

 

 イスリュは持っていたナイフを二、三回忍者に向けて振るった。

 イスリュがナイフを振るうたび弧を描くような風の斬撃が忍者に降り注ぐが、忍者は斬撃を姿勢を深く前のめりに風の斬撃をかわしながら俺のほうに突撃してきて。

 

 そのまま剣を俺に振りぬいた。

 

 

 

 

 俺は動くことが出来ず。

 迫りくる剣戟をスローモーションのような再生で俺が切り裂かれる瞬間を見た。

 

 

 

 そう思った瞬間、うしろから引っ張られるような感覚と共に俺の体は空を舞った。

 

 

 

 

 

 

 空を舞いながら見た光景はイスリュが人間の剣を踏みつけつつ、そのまま片手に持っていたナイフを相手の心臓めがけて突き刺している瞬間だった。

 

 

 

 ゴッ

 

 と言う音と共に俺の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

---

 

 

 

「………………健やかなる体に流れる………」

 

 

 

 

(ん?なんかきもちえぇ……)

 

 

 俺は柔らかな物体に包まれているような感覚で意識を取り戻した。

 

 

 

「はぁ……はぁ……。

 母なる慈愛の女神よ、彼の者の傷を塞ぎ、

 健やかなる体を取り戻さん『エクスヒーリング』」

 

 

 

 目を空けると血が頬に付いた子守りさんが泣きながら呪文を唱えている。

 

 無職転生で唱えられていた魔術って奴だろうか?とか。

 便利だし俺も魔術覚えたいなぁとか。

 キシリカ(母)よりはおっぱい小さいなぁとか。

 

 考えながら目線が子守りさんと絡む。

 

 

「もっ……もうしわげごじゃいませんんんぉ嬢さまぁぁぁ」

 

 と、いつもは形式ばった口調の彼女が顔を涙でぐちゃぐちゃにしながら謝ってくる。

 何度も何度も「おげがはもう……ず゛みま゛ぜぇんん」

 と、繰り返しながら抱え上げられたままキシリカが寝ているであろう部屋にふら付く足で向かっていた。

 

 

 

 

 

---

 

 

 その後分かった事であるが、あの忍者は人間族が送り込んできた密偵であり、今後の魔族の動きを調べるために潜り込んでいたらしい。

 

 ちなみにキシリカに泣きながらことの顛末を説明するイスリュに対して、「よくぞ、賊を撃退したのう!ファーハハハハ!」」

 と、キシリカ(母)は気楽に笑っていた。

 

 俺の心配とか一切していないようで、俺って愛されて無いのかもっと少し思ってしまったが、

 キシリカの性格上仕方ない事なのかもしれない。

 

 とりあえず回りを探索するのは喋れるようになって、イスリュを連れまわしながらにしようと心に誓った。

 

 

 

 

 

 

 




p|柱|q・д・)女の子になっちゃった…
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