坂井悠二と夢幻のダンジョン   作:いいな博霊

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補足

――『永遠の恋人』ヨーハンについて

 

殺し屋に追われていたヨーハンは、宝具『零時迷子』の中へ緊急避難を行った。

宝具の効果によって失った力を取り戻し、傷を治して恋人と再会するはずだった。

しかし、『零時迷子』の中と思えない環境である湿った土の上で、ヨーハンは目覚める。

おまけにパジャマを着た見知らぬトーチが、ヨーハンの側で同じように眠っていた。

ユージと名乗ったトーチと共に、ヨーハンは探索を始める。

 

ユージは人間ではなく、存在の力を喰われた残りカスだった。

見ての通りに紅世と関わりのない様子で、自身がトーチである事に気付いていない。

存在の力を温存したいヨーハンは、探索中に発見した槍という武器をユージに譲る。

もしもユージが殺意を見せても、存在の力を扱えるヨーハンならば容易い事だった。

2人は出口を探して再探索を行ったものの、長時間1つの階に留まった事によって強制転送される。

 

次に目覚めるとユージは居らず、ヨーハンは1人だった。

ヨーハンの体感に基づけば、黒い渦に飲み込まれてから間もない。

ヨーハンは1人で探索を続け、いくつかの薬品を拾得する。

探索を終えれば縱穴を降りて、次の階へ進んだ。

そうして探索を続けていると、強制転送で異なる道を歩む事になったユージと再会する。

 

普段着から伸びた腕を傷だらけにしているユージは、存在の力が見えるようになっていた。

ヨーハンがトーチである事に気付き、存在の力を消費する治療行為を断る。

そこでヨーハンは"青い薬品"を飲むことで、存在の力を回復できる事を説明した。

すると他のトーチを救うために、ユージは"青い薬品"を欲する。

その理由を"大切な人のため"とユージは語った。

 

ユージの"大切な人"は恋人であると、交わした言葉からヨーハンは察する。

「その"大切な人"も、この場所で迷っているのだろう」と思った。

その仲を応援するつもりで、余計な指導と共に"青い薬品"を譲る。

別の場所へ飛ばされないように2人は、次の階へ向かう際に手を繋いだ。

そうして次の階へ降り立つと、なぜか学生服を着たユージは重傷を負っている。

 

ここでヨーハンは時間が飛んでいる事に気付いた。

ユージの言う"大切な人"も、外の存在である事に気付く。

回復したユージから話を聞くと、「夢」という単語が飛び出した。

「パジャマ、普段着、学生服」と服装を変えていた理由も判明する。

外で時間が経過していた事に構わず、ユージに宿る存在の力は変化していなかった。

 

この事からヨーハンは、ユージが宝具『零時迷子』のミステスである事を察する。

今も『零時迷子』の中にいる可能性が高くなったものの、

土に囲まれ、影が這いずり、薬品が出土する理由は分からなかった。

優先するべき事は、ユージのように夢から覚めて『零時迷子』から脱出する事だ。

しかし『炎髪灼眼の討ち手』に痛め付けられて自失している様子のユージは、今にも壊れそうに見えた。

 

これまでと異なる空間の様子を探るために、ヨーハンは1人で先へ進む。

しかし大きな扉を打ち破って飛び出したのは、紅蓮の騎士団だった。

"紅蓮の炎"で形作られたプレートアーマーは『炎髪灼眼の討ち手』と関係しているように思える。

ヨーハンは巧みに戦って数を減らしたものの、回復する隙もないまま力尽きる。

その後「"赤い薬品"を口に突っ込まれる」という荒い方法で、ユージに起こされた。

 

存在の力を減らしていたヨーハンは、ユージに宿る存在の力を貰おうとする。

ユージに宿る存在の力は人並みで、少しヨーハンが貰っても問題なかった。

しかし、「喰われる」と勘違いしたユージは、ヨーハンの殺害を試みる。

ユージの勘違いに気付いたものの、それを訂正する時間はヨーハンに残されていなかった。

恋人に詫びる言葉を残してヨーハンは消滅したため、ユージに備わっていた優れた感知能力も失われる。

 

 

 

――『炎髪灼眼の討ち手』について

 

封絶のドームへ侵入した炎髪灼眼は、燐子に抗うトーチを見つける。

ミステスらしきトーチは、体内より武器を引き出して戦い始めた。

封絶の内部で動き回れる事と、宝具らしき槍を扱っている事から、紅世の徒の関与を疑う。

燐子に抗うトーチは戦闘用に調整されたミステスの可能性があった。

三つ巴となる面倒を省くために炎髪灼眼は、ミステスらしきトーチが負けた所で燐子を急襲する。

 

ミステスを割いてみたものの、その中に紅世の徒が潜んでいる様子はなかった。

フレイムヘイズを魔法使いと呼んで、ミステスは紅世と関わりのない様子だ。

しかし、やたら頑丈な肉体をしているという不審な点があるため、炎髪灼眼は尾行を行った。

その結果、「怪しげな薬品で存在の力を回復させる」という行為を目撃する。

そこで封絶を張って追い詰めると、ミステスは炎を黒色へ変化させて正体を現した。

 

ミステスは夢の中で、宝具や薬品を手に入れたと言う。

炎髪灼眼は炎の色から、燐子の主と関わりのない事を察する。

派手な人喰いで問題となっているのは"薄白い炎の徒"だ。

そのため、ミステスと通じている"黒い炎の徒"に対しては警告に留められた。

炎髪灼眼は自在法を不得意とするために、"薄白い炎の徒"の捜索は難しい物となる。

 

 

 

――『狩人』フリアグネについて

 

燐子であるマリアンヌは炎髪灼眼と戦い、主であるフリアグネの下へ逃げ帰った。

主の所有物である燐子を失った失敗を補うために、マリアンヌは再戦を希望する。

平井ゆかりの家へ坂井悠二が向かった日に、マリアンヌは炎髪灼眼へ挑んだ。

しかし力が及ばず、そんなマリアンヌを救うためにフリアグネは姿を見せる。

 

フリアグネは炎髪灼眼が自在法を使えない上に、

宝具である刀を介さなければ炎すら扱えない未熟者である事を見抜く。

マリアンヌと共に姿を隠したフリアグネを探す術を、炎髪灼眼は持っていなかった。

1つの町を消し去る秘法『都喰らい』の準備は、炎髪灼眼に気付かれる事もなく密かに進む。

「マリアンヌを他者に依存しない存在へ変える」というフリアグネの目的は達成されようとしていた。

 

 

 

――『屍拾い』ラミーについて

 

ラミーは人を喰わない無害な徒として知られている。

それでも存在の力は必要なため、消滅するまで間のないトーチから取っていた。

トーチならば人間ではなく、消滅する寸前であれば世界に与える影響も少ない。

とあるマンションの下を通りかかったラミーは、並んで歩く2つのトーチを摘み取った。

平井ゆかりの両親は跡形もなくなって、これまでの歴史から存在は消滅する。

 

 

 

――まとめ

 

燐子と交戦した事から、坂井悠二は戦闘用ミステスと疑われる。

炎髪灼眼は不審に思い、坂井悠二に悟らせないまま尾行を行った。

そのため『都喰らい』のヒントであるトーチの鼓動について知る事はない。

ヨーハンの消滅によって優れた感知能力も失われ、鼓動を感じ取れなくなる。

炎髪灼眼は探索の自在法を使えないため、フリアグネの位置を知る事は不可能となった。

これによってフリアグネは生存し、『都喰らい』の発動に手をかける。

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