アイドルマスターハードライン   作:MP5

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 今回のハードライン。日本に着いたニックの初勤務は、グラビア撮影現場への送迎。しかし、そこに殺意が襲ってきた。


2話 日常勤務

「みんな聞いて、彼は今日からプロデューサーになったニックよ。絵理と愛、両方のプロデュースを担当してもらうわ。もっとも、絵理については尾崎さんのサポートにまわってもらうけど」

 簡潔な自己紹介を済ませる。今回の捜査の件は社長以外の人間は知らないため、彼を日本語を話せる外国人としか見ていない。

「よかったわ社長、私、立つ瀬がないかと・・・」

 そう言っていたのは、ニックに妄想を見られて困っていた女性だ。彼女は尾崎玲子といい、アイドルである水谷絵理をスカウトしBランクアイドルまで育て上げた、言わば育ての親ともいえる人物である。

「まぁ確かにニタニタしながら部屋に籠っていたら、誰だって引くだろうがな」

「尾崎さんの変質癖?」

「やめて二人とも!!」

 高校で着ていそうな制服調のブラウスを着たショートカットの少女、水谷絵理。気弱で大人しい性格だ。ニックと初対面であっても礼儀正しく接してくれたため、彼は好印象を抱いている。

「みなさん仲がいいですね!!」

「愛。頼むからボリュームを減らしてくれないか?」

 元気のいい小柄な少女、日高愛。その大きな声でいつものように挨拶し、初対面のニックを驚かせ、悪い意味で覚醒させた。

「そろそろ送迎の時間だ。愛達を連れて駐車場で待っててくれないか?」

「・・・わかったわ、急いで準備してね」

 社長を除いた全員が部屋を出たのを確認すると、ニックは部屋にある大きな箱を開ける。中にはハンドガンやアサルトライフル等の銃器、T62スタンガン、顔写真付の国際運転免許証、以前使っていたスキャナーが入っていた。確かに物騒なものが入っていたら鍵を閉めざる得ない。

「これを持って行こう。広い場所と聞いているからな」

 手にしたのはG17とM416、T62。予備のマガジンも持ち忘れずに携帯したが、M416を持って行く方法を考えていなかった。

「これ使いなさい。バレないわよ」

 人工革製の釣竿ケースを渡す。ライフルを隠し持つにはうってつけだ。

「ありがとう、行ってくる」

 

 

 

 駐車場で待たせていた面子に合流し、グラビア撮影の現場に向かった。今日は屋内プールでの撮影であり、普段なら大勢の人間が遊んでいるのだが貸切のため撮影クルーとニック達しかいなかった。

「玲子。カメラマンの視線が気になるんだが、俺だけか?」

「あらなんでそう思うの?」

「中年オヤジが中学高校の女の子相手に鼻の下を伸ばしていたら、誰だって気にならんか?」

「絵理と愛の魅力にメロメロなのよ」

「明らかに犯罪臭しかしない」

 懐に隠しているG17に手を忍ばせる。いざ彼女達が攻撃を受けてもすぐ護れるようにするためだ。

「ニック、あなたって意外に過保護なのね。趣味全開だし」

 彼女は銃に気づいていない。彼の発言と肩に掛けている釣竿ケースに突っ込んでいるだけだ。

「前職の関係でな」

 

 

 

 休憩時間に入り、二人に飲み物とタオルを渡す。

「プロデューサー。怖い顔してる?」

 絵理がニックに近づく。さっきまで撮影中だったにも関わらず彼を気にかけていたようだ。

「時差ボケで慣れてないだけだ、気にするな」

「何か警戒してる?」

「大丈夫だから休憩室に戻りな」

「はい・・・」

 戻って行く様子を見届けると、入れ違うように玲子が駆け寄る。

「言い忘れてたけど今日のカメラマン、実はいつもの人じゃないの」

「そうなのか?」

「風邪で休養中なのよ。でも心配しなくて・・・」

 その時だった、入口の方から爆発音が響く。けたたましいアラームが鳴り響き、場に緊張が走る。

「行くぞ玲子!」

 休憩室にいるはずの二人を保護しに走った。幸い襲撃者に気づかれることなく避難させることができた。しかし

「いけない、予定の書いてある手帳置いてきちゃった!」

「尾崎さんそれは後回し?」

「でも、あれには私の趣味もあ・・・」

「待て玲子。ここは俺に任せろ、どこに置いてあった?」

「休憩室だけど・・・って危ないわよ!?」

「なぁに慣れてる」

 そう言うと一人、襲撃者達のいるプールに戻っていった。

 

 

 裏の勝手口から忍び込んだ彼はG17にサプレッサーを取り付け、M416を取り出した。子供を誘拐する事件もある上に今回の件がドーズの知り合いの仲間かもしれないため、万が一を考えての準備だ。

「確かプールサイド通んないといけなかったはずだ。気づかれずにいけるか?」

 予想通りだった。スキャナーで見てみるとAKMにUZI、M10と犯罪者が使う装備だった。しかもここは日本、銃器なんて普通に見られるわけがない。

「さすがに警察が来たか。好都合だ」

 サイレンの音と拡声器の声が大きく、敵はこちらの存在に気づいていない。だがここで計算外な事態が起こった。襲撃者達が警官に向かって発砲し銃撃戦を始めたのだ。

「的外れてる・・・まさか素人か?まぁいい、さっさと行くか」

 目的の手帳を手に取ると、一枚の写真が落ちる。見てみると絵理の登校シーンが写っていた。

「玲子、まさか盗撮癖があるのか?いつか犯罪起こしそうな奴だな」

 背後に殺気が漂う。振り向くと武装した男がこちらに銃を向けて立っていた。

「動くな!手を上げ」

 ニックのM416が火を噴く。辺りに銃声が響いているので今さらどうってことない。

「さっさとトンズラしようか」

 その後、銃撃戦になったもののなんとか脱出に成功した。M416をしまい、平然と戻って来る。

「あなたはいったい・・・何者?」

「ただのプロデューサーだ」




もしこんな日本になったら、自分は暮らせるかな・・・
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