ユウ×アリは正義であるッ!   作:ぼっちめがね

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極東支部防衛戦 終戦

「……くっ!!」

 

 ノコギリ状のバスターブレードを振りかぶり、ソーマはコンゴウの硬い肌を引き裂いた。直後、背後からバレットが撃ちだされ、サリエルを墜落させる。彼は地上に落とされたサリエルを神機で粉砕する。血飛沫が他のアラガミに降り注ぎ、アラガミは激昂して突撃してくるも飛んできたバレットで吹き飛ばされた。

 

「コウタか……リンドウの命令といったところか」

「まぁね、ソーマ一人でもいけそうだったけどやっぱ心配だからさ」

「……そうか」

 

 二人は神機を構え、アラガミの群れへ突っ込んでいく。バスターブレードで吹き飛ばされたコンゴウは宙を舞い、コウタのアサルトによって殲滅される。彼のアサルトから吹き出されたバレットはコンゴウの身体に無数の銃痕を残したのだった。

 

「ッ!? あれはっ!!」

「ソーマどうしたn……ッ!? 防壁がっ!!」

 

 二人は吹き飛ばされたアラガミを目で追っていたのだが、その過程でアラガミ防壁に異変があることに気づいた。防壁はオレンジ色の光の檻のような物なのだが、それが思い切り破損しているのだ。

 普通、防壁はアラガミが近寄りがたい偏食因子を埋め込んでおり、アラガミから住民を遠ざけているのだ。しかし、その偏食因子が全てのアラガミを退けられるわけもなく、むしろ好物になりかねない。そんなアラガミに食われることも間々ある。

 

「ソーマ!! あれどうするのさ!!!?」

「確か支部の中に新種アラガミのコアがあるはずだ。それを使えば復元できる!」

「リンドウさんに連絡しないと!」

 

 ソーマはすぐさま、ジャケットの内ポケットにしまった携帯端末を取り出し、リンドウに連絡を入れた。

 

 

 

     ☆★☆

 

 

 

「俺は千七百体……ンッ? ソーマから入電だ。ちょっとアラガミを頼む」

「僕は千六百七体ですよ……防壁のことでしょうか?」

「あなたがただけでこの戦い終わりますよ……」

「私たちの出番あるかしら?」

 

 リンドウはユウにアラガミの気を引くようにと指示を出し、後ろに下がり、携帯端末を取り出す。通話ボタンを押すとソーマの真に迫った声が聞こえてきた。

 

「どうしたぁ~!? 防壁かっ!?」

『ああ、酷い損害だ。支部の中にあるコアを使えば復元できるはずだ』

 

 リンドウが彼の声に相槌打っていると、携帯端末とは別の電子音が鳴った。それは各員の服の襟に取り付けられた通信機のものだった。聞こえてきたのはソーマと同じように緊迫した声を張り上げるヒバリだった。何事かと、二人は携帯端末でのやり取りを中断し、通信機を口元に持っていく。

 

「何があった!?」

『緊急事態ですッ!! 大型アラガミの大群がこちらに向かってきています!!』

「嘘だろッ!? ソーマが言うにはコアを使って直せるそうだが、どのくらい時間がかかるんだ!!?」

『技術班全員を動員して……二時間と三十分といったところでしょうか』

「大型の侵入予想時間はッ!!?」

『あと三時間ですッ!!」

 

 同じ無線を聞いているだろうソーマが携帯端末の向こうでリンドウと全く同じ言葉を発し、見事に二人はハモった。

 

『「クソッタレ!!!」』

 

 その後、通信の向こうでは急に慌ただしくなり、ドタバタと足音が響き渡る。これから技術班全員がここに来るとなればそれなりの時間がかかる。しかも、今ここはアラガミの海と化している。技術班は全員で五百人をゆうに超える人数だ。もちろん、技術班が神機を持って戦うわけにもいかない……となれば……

 

「ユウ、アリサ、サクヤ!! ここに技術班が直、到着する!! それを護衛して防壁まで誘導するぞ!!!」

「了解!!」

「わかったわ」

「了解です」

 

 技術班……総勢七百五十二人が到着したのは二十分後だった。

 

 

 

     ☆★☆

 

 

 

「ゴメン! 人集めるのに時間かかっちゃってさ!!」

「リッカさん、これから僕たちで護衛します!!」

「皆さんは早く防壁へ行ってください!!」

「リンドウとユウくんがいれば問題はなさそうね」

 

 復元に二時間半かかると仮定して、技術班が到着するのにかかった時間は二十分、ここから防壁まで護衛しながら進むとなると最速で十分はかかる。つまり、大型の大群が外部居住区に入るまでに間に合う確率はあまりに低い。

 

「お前らぁ~!! ボサッとするな、行くぞッ!!!!」

「全員、僕たちについてきてください!!!」

 

 リンドウとユウの二人は片手で神機を振るい、勝負のことなど忘れたようにアラガミを宙に吹き飛ばしていく。その速さたるや凄まじく、リンドウは装甲車を遥かに凌駕する速度で駆け抜け、敵を吹き飛ばしてくる。ユウは彼に負けず劣らずの速度で駆け抜け、二人は一度に何十体というアラガミの活動を停止させていった。

 アリサとサクヤを含めた技術班の全員が前に行った二人に追いつけるわけがなく、彼らが作り出した道を駆け抜けていく。

 

「あの二人の身体ってどういう構造してるんでしょうか?」

「さぁ? リンドウはともかくユウくんもすごいわね」

 

 技術班の全員は目を丸くしながらも走っていく。無理は無い。もう二人の背中は見えないのだから。

 

 

 

     ☆★☆

 

 

 

 ソーマとコウタが防壁の外から入ってくるアラガミを次々と倒している中に突如、爆音じみた音と共に凄まじい粉塵が撒き起こった。その光景に二人は新手のアラガミか、とそちらを見やる。晴れた粉塵の中からあらわれたのは平然な顔をしたリンドウと肩で息をしているユウだった。

 

「ふぅー六分か……」

「ハァ……あそこから……ハァハァ……ここまで一km以上あるのに……ハァ」

「二人とも何で来たのさ!?」

「足だな」

 

 何を当たり前のことを、とソーマがコウタの質問に答える。その後、彼らが状況の確認をしているといつの間にか技術班が到着していた。そして、技術班は到着するやいなや復旧作業を始めた。しかし、ここをあと二時間半守らなければいけないと思うと全員がため息をついた。

 

「まぁいい。二時間くらいどうってことないだろ……全員生きて帰れよ」

「僕がそんなヘマするとでも?」

「ヘマしてツバキさんに呼び出されるのはどこの誰でしょう?」

「んなっ!?」

 

 軽口を叩きあいながら、円陣を作り出し、全員が外側を向くように立ち、神機を構える。全員は心で決意を新たにし、大きく頷きあう。そして、六人は敵陣に向かって高く跳躍した。

 

 

 

    ☆★☆

 

 

 

 技術班の護衛を開始してから二時間と十五分。粗方、防壁は復旧されており、あと少しで作業終了となっていた。その時だった。全員の通信機に通信が入った。

 

『第一部隊ッ! 防壁にいますね!!?』

「ヒバリさん、はい。僕ら現在、護衛中ですけど……」

『緊急事態ですッ!! 大型の進行が予想よりも早いですッ!! そこから目視で確認できるほどに近づいてきています!!』

「「「「「「ッ!!!?」」」」」」

 

 六人は全員、息を呑んだ。そして、一斉に防壁の方へ目を向ける。防壁は光の檻のようなものなので外側がやや透けて見える。そして外には巨大な影の大群が見える。今、防壁は復旧中だ。そんなときに攻撃されればまたしても防壁が崩れ去り、今度は大型アラガミが入ってくる。そうとなれば外部居住区A区はおしまいだ。

 

「リンドウ!! まずいぞ!! まだ技術班から完了の報告はきていない!!」

「チィッ!! なんとしてでも護衛しきって……」

「この防壁を完成させて……」

「民間人を、皆を……」

「守ってみせる!!!」

「僕たちでッ!!!」

 

 上から順にソーマ、リンドウ、アリサ、サクヤ、コウタ、ユウの順番である。そんな掛け声とともに真っ先に飛び出していったのはユウだった。彼が振るう神機は最早、ショートブレードなのではないか、という速度で動いている。あまりにも速すぎるため、霞んで見える。次はリンドウだった。蹴りや拳打などの体術を用いて、敵を吹き飛ばし、切りつける。ソーマは敵が密集している所に跳躍し、着地と同時に回転切りを繰り出す。アリサは神機を捕食形態へと移行させ、アラガミを文字通り喰らい尽くしていた。最後にサクヤとコウタはこれでもかとバレットを放ち、日が沈んだ外部居住区を明るく照らした。

 

『大型種、防壁まであと十m!!』

「「「「「「ッ!!!!!?」」」」」」

 

 六人は思い思いに神機を振るい、もしも大型種が入ってきたときのために小型種や中型種を潰しに潰しまくっていた。

 

『あと八m!!』

 

『六m……』

 

『四m……』

 

『二m……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こちら技術班、たった今、作業を終えた!! 防壁の偏食因子、最高まで引き上げますッッ!!!」

 

『大型種、防壁に到達ッ!!!!』

 

 




初、3000字超えだ……(驚愕
にしても長い……長くても化け物は相も変わらずだった……
巨大イベ終わったので次回から通常運行で……

ではでは皆さんダ ズヴィダーニャ~♪
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