ユウ×アリは正義であるッ!   作:ぼっちめがね

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珍しきかな休日

「だっはぁぁぁああぁあああ!!」

 

 ユウは謎の雄たけびを上げて、自室のベッドへとダイブした。暖かな匂いと柔らかな感触がユウを癒しの一時へと誘う。先刻の極東支部防衛戦に参加した神機使いには休日が与えられていた。それもなんと二日間という大盤振る舞いである。おかげでユウはこうして、ベッドにダイブすることができるのだ。

 

「いっやぁ~しっかし本当に疲れたな~」

 

 ユウは飛び込んだうつ伏せの状態から仰向けになる。

 ちなみに、余談だが、アラガミ討伐勝負はどうなったのかというと、はっきり言えばリンドウが優勝を飾った。その数はなんと三千九百八体である。あと二体で四千体という脅威の数字をたたき出した。ユウは準優勝で、三千百八十五体であった。アリサはというと途中棄権となっている。あまりにも次元が違い、追いついていけないとのことだ。

 ユウはベッドの上でアラガミ討伐勝負の結果を何度も思い出した。正直言って悔しかった。そんな時だった。ユウの部屋のドアが控えめにノックされた。

 

「はいは~い、今でますよ……っと」

 

 ドアを開けた途端にユウの顔にはこれまでにないほどの困惑と驚愕の表情が浮かんだ。無理も無い。そこにいたのはアリサだったからだ。ユウは戸惑いながらも俯いて直立不動のアリサにおそるおそる声をかけようとする。

 

「えーと、アリサ。何の用かな……?」

「じ、実はですね……その……謝罪に来たんですッ!!」

 

 アリサは最後の言葉を振り絞るように口から出した。それと同時に顔を上げて、ユウを見る。しかし、ここでユウは後悔することとなった。彼女はユウを見て、頬を桜色に染め、何故か凝視している。ユウは彼女の異変に気づき、自分の身体を見る。

 

「あ……」

「へ、へへへへ変態ッ!!! ドン引きですッ!!!!」

 

 ユウの上半身は裸だった。しかし、上半身だけで変態呼ばわりされるのは、理不尽だと彼は思う。そして、彼はあることに思い至る。確か、休日をもらったので浮かれて、動きやすい服装にしようと思った結果、『F制式上衣』を脱いだっけ、と。つまり、ユウは現在、裸ズボン状態ということになる。おかげで彼の引き締まった筋肉質の身体がアリサの目と記憶に深く刻まれることとなったのだ。

 

「わぁぁあああぁぁあ!! ちょ、ちょっと待って!! 着替えてくるからッ!!」

 

 ユウは急いで部屋の中に戻り、F制式上衣のYシャツだけを着て、アリサの下に戻る。それでも彼女はユウをひたすらに睨んでいたのだが。それを気にしないように意識し、彼は会話を続ける。

 

「アリサが僕の部屋に来るなんて珍しいね」

「……いえ、謝罪をしに……」

「だからその謝罪って何なのさ? っと、まぁ立ち話もなんだし、中に入りなよ」

「で、では失礼して……お、お邪魔します」

 

 妙に緊張した面持ちのアリサはおそらく男性の部屋に入ったことがないのだろう。頬を赤く染め、おそるおそる中へと入っていく。ユウは彼女を「そこに腰掛けて」とソファを指差しながらコーヒーを淹れに行った

 戻って来た彼の両手には湯気の立ち上るマグカップが持たされていた。

 

「で、アリサの言う謝罪とは……?」

「…………」

 

 ユウが彼女の前にマグカップを置き、早速たずねた。しかし、アリサは急に黙ってしまい、俯いて何かボソボソと呟いている。ユウは少し変に感じて、彼女の顔を覗き込んだ時だった。アリサは顔を上げて、真剣な表情で彼に向き直る。そして、ゆっくりと頭を垂れた。

 

「ユウ……あなたのことを蔑んでいたことを謝ります……」

「……はい?」

「今回であなたの実力を目の当たりにしました。私はあなたを格下に思っていました。不愉快……でしたよね……?」

「へ? あ、いや! 別に僕は平気だよ。そんなことで砕ける心じゃないから」

 

 若干、上目遣いで謝罪してくるアリサを見て、ユウは無意識に可愛いと思ってしまった。何故だか急に熱くなり、彼は頬を赤く染めた。思わず口調が焦ってしまい、挙動不審にすら見えてしまう。それでも彼女は変わらず、上目遣いで彼の顔を覗き込んでくる。

 

「い、いや。本当に不愉快なんて思ってないから」

「そうですか。それなら良かったです。……戦っているユウは少し、かっこよかったですよ?」

「え? なんだって? 最後の方が聞こえなかったんだけど」

「なんでもないです」

 

 先程まで頬を桜色に染めていた彼女が急にいつもの無感動になってしまい、ユウの熱は一気に冷めてしまった。それでも彼はアリサに慈愛の眼差しで「本当に思ってないから」という旨を伝えた。

 

「では、私はこれで……」

「ん、そうかい。ああ、そうだ明日、暇かな?」

「はい、暇ですけど……」

「じゃあさ、明日どっか出かけない? て言っても外部居住区の見回りみたいなもんだけど」

「……別にかまいません」

 

 部屋を出て行くアリサが頬を赤く染め、恥ずかしがっていたことを彼は知らなかった。

 

 




軽いデレネタぶっこんでみました。これが最終的に二人がくっつくとどうなるかですよね。
んー今のアリサはツンですけどこれからヤンにもっていくべきなのか……もしくはそのままがいいのか……
作者、迷走……

ではでは皆さんダ ズヴィダーニャ~♪
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