ユウ×アリは正義であるッ!   作:ぼっちめがね

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蠍の騎士

 ヒバリの緊迫した通信と共に、森のどこかかアラガミと思われる雄たけびが四人の耳に届いた。全員がその声の主がいるであろう方向を瞬時に察し、そちらを見やる。八本の視線が集まったのは森の北側だった。

 

「アリサ! 行くよ!!」

「言われなくともわかってます……!!」

「つれないなぁ……」

 

 アリサとユウの二人は軽口を叩きあいながら、走っていた。地面にごろごろと転がる巨大な鉄クズという障害物を跳躍や神機を振るって破壊するなどして、避けながら着実に前へ進んでいった。

 

「ヒバリさん。今回の侵入者ってボルグ・カムランなんですよね!?」

『はい。もうすでに作戦エリア内に侵入しています!』

「だって、アリサ。少しとばすよ?」

「了解です!」

 

 二人は走る速度を上げ、土煙と共に鉄塔の森の中を駆け抜けていった。

 

 

 

     ☆★☆

 

 

 

 疾駆すること五分。ほどなくしてサクヤとコウタと合流を果たした、アリサとユウら四人はボルグ・カムランと対峙していた。

 『ボルグ・カムラン』。巨大な尾針と盾を持つサソリ型のアラガミ。金属的な外皮を持ち、一見するとさながら騎士である。その外皮たるや非常に硬く、一介の神機使いでは太刀打ちできない……と思われた。

 

「てぃやぁぁぁああああ!!!」

「うお!? ユウの奴、マジかよ……」

「やるわね、新人クンも」

「んなっ!? 斬ってる!!?」

 

 新人ゴットイーターである神薙ユウは新人であっても一介の神機使いではない。その実力は一人で三千体の小型アラガミを一掃するほどだ。しかし、相手は大型アラガミだ。彼の実力も疑われたが、案の定、彼はその化け物っぷりを発揮していた。

 回し蹴りを構えた盾にくらわせ、体勢を崩し、開いた胸に向かって神機の剣先を突き出す。ボルグ・カムランの胸に吸い込まれていく一突きは、カムランの胸に開いた巨大な口によって止められてしまった。彼は神機の柄を握ったまま、カムランの体に足を押し当て、口から神機を無理やり引き剥がした。

 

「さすがに上手くいかないなぁ……」

「充分よ! 下がって!! コウタくん、支援するわよ!!」

「は、はい!!」

 

 ユウが下がると同時に彼の背後から色とりどりのオラクル弾が発射された。オラクルの色は属性を表しており、彼の目の前を通っていったオラクルの色は水色と黄色。つまり、氷属性と雷属性だ。この二つの属性はカムランの弱点属性であったために、カムランは数歩、後ろへ退いた。そして、間髪入れずにアリサとユウの二人が飛び出す。

 

「ッ!? アリサ! ダメだ、そっちは……!!!」

「……え?」

 

 バレットの爆煙でカムランの姿が見えなかったせいだろう。跳躍したアリサの頭上にはカムランの尾針があった。それはやや薄紫色に光っており、オラクル弾を放とうとしているのは明らかだった。

 

「嘘……でしょ……」

「アリサァァァアアアアア!!!」

「ちょっと!! 新人クン!!?」

「おい!! ユウ、待てって!!!」

 

 尾針の光が一瞬、強まったと思えば、円錐状のオラクル弾が雨のように撃ち放たれた。アリサはあまりの光の激しさに腕で目を覆った。その時だった。彼女の身体、腹の辺りに衝撃が走った。それは何度か組み手で経験したことのある、タックルに似たものだった。

 アリサのいた場所はカムランの尾針から発射されたオラクル弾によって巨大な穴を穿った。しかし、それでも彼女は生きていた。何故か。それは……

 

「キャァァアアアア!!! 離してくださいッ!! というか、離しなさいッ!!」

「うわぁぁああ! 暴れないで!! 落としちゃうからッ!!!」

「おいコラァァアア!!! ユウ!! お前何やってんだ!!!」

 

 ユウがアリサを肩担ぎしていたからだった。彼女の上半身が彼の背中に、下半身が胸にまわっている状況だ。つまり、ユウは彼女のお尻か太股上部に右手を添えて、左手に神機を握って、疾駆していることになる。

 ユウの右手に伝わる柔らかい感触は彼を狂わせていた。

 

「変態ッ!!! ドン引きですッッッッ!!!」

「し、仕方ないじゃないか!! こうでもしないと君が死んでたよ!!?」

「こ、ここ、こ、こんな恥辱を受けるくらいなら死んだほうがマシです!!!!」

 

 アリサを肩に担いでいるユウも、彼に担がれているアリサもお互いに顔を耳まで赤く染めて、口論している。さすがのユウもこれ以上は耐えられなくなったらしく、彼女を安全な場所に降ろすと、すぐさまその場から走り出し、カムランへと向かって行く。彼女の「変態!!!」という言葉を後にして。

 

「さ~てアリサへの謝罪はこれ倒してからだね」

「ユウ、お前覚えておけよ……」

「新人クンもいろんな意味でやるわねぇ♪」

 

 右からコウタの殺気を感じながら、左からサクヤの感心の意を感じながら、彼は神機を持ち直した。それと同時に走り出し、カムランに肉薄する。先程と同じように剣先を胸に突き出すのだが、カムランも口を開けて応戦してきた。しかし、彼は手前で神機を銃形態へと転換。わざとカムランに食いつかせた。

 

「これで……終わりだよっ!!!」

 

 神機をカムランの口に突っ込んだまま、引き金を引いた。直後、カムランの身体は四散し、肉塊へと姿を変えたのだった。

―――――さて、アリサにどう謝ったものかな……柔らかかった~(ボソッ)

 

 




色んなことが重なりまして……投稿が遅れましたすみません!!!定期的に感想のチェックはしていましたが、話を書いている時間がありませんでした!!

さて、今回はユウのラッキースケベが発動した回でした!
まぁ戦闘中といったら肩担ぎとお姫様抱っこですかね……(しみじみ

ではでは皆さんダ ズヴィダーニャ~♪
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