『作戦エリアに二体目のコンゴウが侵入しました』
「ん、了解。あぁヒバリさん、大至急、救護班呼んでください」
『わかりました。救護班、出動お願いします』
ユウは襟の通信機でオペレーターのヒバリと会話をしながら、ロングブレードを横に構え、建物の陰を移動していく。救護班を呼んだのでアリサの心配はないだろう。
ユウは建物の陰に身を潜め、完全に気配を消す。息を殺し、コンゴウの出現を待つ。しかし、コンゴウは一切現れる気配がしない。何故か足音だけは聞こえる。
「しっかし、足音だけ聞こえて姿が見えないのは少し恐怖だね……」
建物の影からユウの漆黒のロングブレードの剣先が陽の下に煌めいたと同時に、ユウの背後に建つ巨大なコンクリート片が吹っ飛び、砕け散った。ユウは咄嗟のことに戸惑いながらも冷静に後ろへ跳び、事態を確認する。そこにはパンチ一撃でコンクリート片を砕いたコンゴウがいた。粉塵が晴れ、コンゴウの姿があらわになる。
「人の恐怖心を煽ってそんなに楽しいか……?」
「ゴァアァァアアア!!!」
ユウはひきつった笑顔でコンゴウを睨む。コンゴウはユウを敵視するやいなや身体に力を込める。直後、周りに不自然な風が巻き起こり、砂埃が立ちこめる。ユウは事態を把握し、思い切り後ろへ飛び退く。ユウが着地した瞬間、ユウが居た場所に高気圧が発生し、周辺にあった岩や鉄柱が砕け散った。岩の破片は風に乗り、押し出されてユウの方へ飛んでくる。
「チィッ!! そんなのアリかね!!?」
「ガァァアアァアア!!」
前方から飛んでくる大量の岩の破片がユウを襲う。ユウはロングブレードを次々と薙いでいき、岩を更なる破片に変えていく。通り過ぎた岩はユウの後ろで爆発じみた音を立てて、着弾していく。ロングブレードで切り裂いた岩は細かな破片は全てユウの足元で溜まっていく。
ユウはコンゴウを目くらましするために足元の岩で粉塵を撒き散らす。コンゴウがユウを発見できないでいる瞬間にユウはコンゴウの後ろへ回り、背中を一薙ぎ……いや、銃形態でアサルトの銃口を背中につけ、ゼロ距離発射でバレットを放つ。
「ゴガァアァァァアアアア!!!」
背中と銃口の間では凄まじい爆音と閃光が立ち上がる。コンゴウのパイプが結合崩壊を発していく。ユウはここぞとばかりにアサルトで巨大な一発を放ち、剣形態へと神機を転換する。そして、ユウの神機の結合部分からオラクル細胞が湧き上がり、獣の顎へと姿を変える。獣の顎はコンゴウを一噛みし、しなるように動き、コンゴウをビルへと叩きつける。ユウはオラクル細胞で強化された跳躍力にものを言わせ、ビルに突っ込んでいったコンゴウへ肉薄する。
「ぬぉぉおおぉおおお!!」
ユウは宙で一回転し、遠心力で神機を振るう。ユウの漆黒のロングブレードはコンゴウの身体を腰辺りで真っ二つに切れる。血飛沫さながらにオラクル細胞が飛び散る。コンゴウの活動停止を見届けてビルから飛び降り、アリサの下へ向かう。
☆★☆
コンクリートの瓦礫と咳き込むような粉塵の中を神機片手に奥へと進んでいく。そこに待つのはアリサだ。未だにアリサの傷は完治していなかった。特に足の傷が酷く、立てそうにない。顔や腹の損傷はそうでもなく、擦り傷程度だった。
「なんだ。ちゃんと待ってたんだね」
「当たり前です……こうしてないと治りませんから……」
「そうか……でも、君には説教しなければならないね」
ユウは座り込んでいるアリサの前に屈みこみ、アリサと同じ視点にする。そして、真剣な面持ちで口を開き、アリサに話しかける。
「だから言っただろ。慢心が君の問題点だって」
「そんなのあなたに関係ありません」
「いいや、あるね。君の単独行動のおかげで呼ぶ必要のない救護班を呼んだんだ。それに僕一人でコンゴウ二体撃破する羽目になったしね」
ユウはやや皮肉交じりに注意をしつつも顔は真剣そのものだった。アリサはユウの言葉を聞き、少し俯く。ユウからはアリサの顔は前髪で隠れていて見えはしないが、相当反省していると思われる。ユウは慰めるように注意するように言い放つ。
「すみません……でした……」
「わかればいいんだ。忘れないでおくれよ、”二人”のミッションだからさ」
☆★☆
その後、救護班が到着し、アリサは医務室へと連れて行かれた。幸いそこまで傷は深くなく、一週間ほどで完治した。ユウがアリサのお見舞いに行った時にアリサから反省と謝罪の言葉を聞き、アリサはユウに赦しをもらった。しかし、アリサの慢心が無くなることはあるのだろうか
コンゴウだけで2話……一体、ウロヴォロス戦は何話かかるんでしょうか?
ちなみに作者はロングブレード、アサルト、シールド(orバックラー)のベタパターンが好きです。
ではでは皆さんダ ズヴィダーニャ~♪