ユウ×アリは正義であるッ!   作:ぼっちめがね

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極東支部防衛戦

「いやぁ悪かったって。あれはアリサの勝ちでいいってば」

「そういうことじゃありませんっ!!」

「え~、じゃあどういうことなんだ……?」

 

 エントランスではユウが歩きながら、そっぽを向いたアリサに全力の謝罪を繰り返していた。内容はもちろん、この間のシユウ戦のことだった。倒したと思ったシユウがアリサを襲おうとしたのをユウは不意打ちで倒したのだった。彼女はそれは不当な勝利であると言ってはばからないのだ。それに関して彼は謝罪を続けていた。

 

「全く……あなたは……」

「ひっどい言い草だなぁ。僕なんもしてないでしょ……」

「あのですねぇ……人が頼んでもないのに勝手に獲物を取るなんて」

「でもあーしないとアリサが死んでたよ?」

「そ、それはそうですけど……」

 

 ユウとアリサの立ち位置が逆転し、ユウが優位に着く。そのまま、彼は彼女を遠回りに優しく責める。相変わらずユウが笑顔で、アリサが顔を真っ赤にして怒り、エントランスをゆっくり歩いていく。と、その時だった。エントランス内に警告音が鳴り響いた。

 

「まぁアリサは僕のおかげで助かったってことで……ッ!!?」

「警報ですかっ!!?」

「うん。多分、アラガミ防壁でも破られたんだろうね」

「なんで落ち着き払ってるんですかッ!!?」

「え? 日常茶飯事だからだよ」

 

 ユウはその言葉を残してエントランス内のエレベーターへ走り出した。彼が着いた時にはもうエレベーターは到着しており、乗り込んだ。彼が向かう先は神機保管庫だ。極東支部の神機保管庫はそのまま外部居住区に通じており、神機を取ればすぐさま、防衛に向かえる形になっている。

 

「ちょっと……どこ行くんですか!?」

「アリサぁ~急げ~」

「リンドウさん……わかりました」

 

 ユウに取り残されたアリサはいきなり現れたリンドウの指示に従ってエレベーターに駆け寄り、ボタンをこれでもかというくらいに連打する。彼女は隣に気配を感じ、右を向く。そこには既に到着しているエレベーターに乗り込んでいたリンドウだった。彼はひたすらにボタンを連打しているアリサに向かって苦笑いをしながら「乗れ」と手招きをしている。彼女は少し恥ずかしがりながら乗り込んだ。

 

 

 

     ☆★☆

 

 

 

 

「リッカさんっ!! 僕の神機を!! 大至急でッ!!!」

「うん!! もう準備はしてあるよ!!!」

 

 ユウはエレベーターから降りるやいなや、保管庫にいた技術班の『楠リッカ』に神機の要請をする。しかし、既に神機の準備が済んでいるようで、神機の入ったケースが立ち上がり、扉がスライド。中からはユウの愛機の漆黒のロングブレードが姿を現した。彼は神機を握り締め、ストッパーから外しながら駆け出していった。

 保管庫の奥には外部居住区に通ずる二枚のスライドドアがある。ユウが近づく前にドアはスライドし、外の生暖かい空気が流れ込んでくる。

 

「ユウ君ッ!! 気をつけて!!!」

「有難う、リッカさんっ!! アリサが来たら、A区に行ったって伝えておいてください!!」

 

 ユウはリッカの「了解!!」という言葉を後にして外に走り出していった。

 まさに彼が飛び出していった後だった。リッカはこれから来るであろう神機使いの神機を準備していた。と、その時だった。エレベーターの到着を告げるチンという音が鳴り、中からアリサとリンドウが降りてきた。リッカは珍しい組み合わせだなと思いながら、二人を神機に誘導する。

 

「二人とも、ユウ君はもうA区に向かったよ!! 急いでッ!!!」

「ああ、わかってる。今回は相当な数らしいからな」

「リッカさん、私たちの神機をっ!!」

 

 保管庫はこれからも慌ただしくなりそうだとリンドウは心ひそかに思う。

 三人の会話の最中にはもう二人の神機は扉がスライドされた状態にあり、二人は神機をストッパーから外し、そのまま駆け出していった。向かうは、ユウの宣言通り、アラガミ防壁が破られたA区だ。

 

「二人とも気をつけてッ!!」

「帰ったらビールだなコリャ……」

「何、呑気なこと言ってるんですか!! 行きますよっ!!」

 

 二人が外部居住区に出る頃には戦火が拡がり、神機使いと大量のアラガミとの抗争が始まっていた。

 

 

 

     ☆★☆

 

 

 

 燃え盛るバラックのような家々を後にしてユウは走っていた。今回、被害にあったのはA区だ。先日、アラガミ防壁に強力なアラガミのコアを投与し、強化したはずだった。しかし、現に防壁は破られているわけで、更なる強化が必要であることが窺える。そんなことを思いながらユウが走っていると背後から凄まじい足音がする。彼は何事かと振り返る。

 

「お、来ましたね。随分早かったですね」

「ああ、最速だ。って俺が来るまででもないかもな」

「こんな人、当てになりませんよ。むしろ私だけで十分です」

 

 三人は危機的状況にありながら、疾駆しながら軽口を叩き合う。そうこうしている内に交戦ポイントに辿りつく。そこにはアラガミが大集合しており、まるで黒い(もや)のようになっていた。それを見て、リンドウとユウの二人はため息を漏らした。しかし、アリサだけは相も変わらず、仁王立ちで眺望するだけだった。

 

「さーて仕事の時間だ」

「ユウ、私と何体倒せるか勝負ですからね」

「おお、初めて名前で呼んでくれたね。若干嬉しいけどその誘いは断りたいなぁ」

「いいから勝負ですッ!!」

 

 三人が走り出した頃には神機保管庫にサクヤとソーマ、コウタが到着していたのだった。

 

 




お決まりの2話またぐパターンですね。ベタですが鉄板ネタのほうが良いでしょう?もちろん、ユウ無双が炸裂しますね。

ではでは皆さんダ ズヴィダーニャ~♪
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