「こちらソーマ、現在交戦ポイントへ向かっている」
『そのまま北に真っ直ぐ進んでください。既にユウさん、アリサさん、リンドウさんの三人が交戦を開始しています』
「了解よ」
「あの三人で行ってるんだ……珍しい組み合わせだな」
ソーマを先頭とする、サクヤ、コウタの三人はユウたちの下へ向かうために外部居住区の大通りを疾走していた。今、入電した通りユウたちは既にアラガミとの交戦を開始してるようだ。ソーマはこの三人の中でも一番重い、バスターブレードを肩に担ぎながら、二人と変わらない速度で走っていた。
「何よ、アレ……」
「うわっ! うじゃうじゃいるね。戦えるのか……?」
「尋常じゃない量だな……」
そのアラガミの量たるや、外部居住区を埋め尽くしそうなほどだった。既に所々で爆発や火柱が立っていた。その規模の大きさからして戦っているのはユウたちだけではないようだ。どうやら防衛班まで出撃しているようだった。
「急ぐぞ……!!」
『皆さん、大変ですッ!! 中型種のアラガミが大量に流れ込んできています!!』
「何ですって!!? 種類と数はっ!?」
『サリエル、コンゴウが主といったようです。数はそれぞれ百を超えていますッ!』
「いよいよ、本当に尋常じゃない状況になってきたな……」
ソーマたちの襟に取り付けられた通信機からヒバリの真に迫った声が聞こえてきた。中型種がそれぞれ百体を超えているとなれば神機使いの出し惜しみをしている場合ではなくなってくる。ソーマたちが通信に対応するために立ち止まった時だった。手前の曲がり角の陰からアラガミが現れた。オウガテイル二体、ザイゴート三体である。
「チィッ……面倒だな」
「やるしかないっしょ!!!」
「いくわよっ!!」
ソーマは大きく股を開き、体に回転を加えるそのまま遠心力と慣性を利用し、手前のオウガテイル二体を一気に屠る。オウガテイルは血飛沫を振り撒きながら、バラックの家へ突っ込んでいく。
一方、サクヤとコウタはザイゴードの相手をしている。コウタの自作三弾バレットが火を噴き、三体のザイゴードに命中する。直後、サクヤが目にも留まらぬ速さで引き金を引く。スナイパーの銃口からは三発のバレットが発射されたのだが、それらはあまりにも早い連射速度で、最早同時に出ているように見える。
「終わったか……急ぐぞっ!!」
「おう、ソーマも終わったみたいだね」
「早く行きましょ!」
三人は音もなく崩れたザイゴートの死骸を後にして走り出した。
☆★☆
「てぁっ!!! ふぅありえないね、これで五十六体目だよ……」
「んなっ!? 五十六ッ!? 嘘でしょ、私まだ三十二体目だというのに……」
「おーいお前ら、喋ってないで戦え~。ちなみに俺は八十一だぞ~」
「リンドウさんも混ざってるじゃないですか……」
アリサは目の前の敵を屠りながら圧倒的光景を横目で目の当たりにしている。それは、リンドウとユウの二人が片手だけで神機を振るい、四方八方から飛びかかるオウガテイルやドレッドパイクを一撃の下に吹っ飛ばしていた。全てのアラガミが血の雨を降らせながら吹っ飛んでいくので、アリサは二人に少しの恐怖感と絶望感を持った。決して届かないと思われる壁が立ちはだかっていると改めて実感する。
「あの二人は化け物か何かなのでしょうか……?」
「リンドウさん、僕ら(ズチャ)化け物呼ばわり(グサッ)されてますけどー(ズブッ)」
「あー? いいから(ドチャ)黙って働けー(ドスッ)」
「その行いを見て、化け物と思わない方がおかしいです……」
二人は軽口を叩きながら、片手間でアラガミを惨殺していた。顔に一突きだの腹を切り裂くだの飛んできた岩片を蹴り飛ばし、敵を吹っ飛ばしただの銃を口に突っ込み、ぶっ放すだののなんともおぞましい光景を作り出していた。アリサはその光景にゾッとしながらも自分の持ち場で仕事を淡々とこなしている。
『皆さん、中型種のアラガミが侵入しました。大至急、向かってください』
「この辺りの敵はまだ終わってないんだけどな~」
「いいから行きますよリンドウさん。僕だって狩り足りませんから」
「あなたがた、一体どんな会話してるかわかってます?」
未だにアラガミを惨殺しながら通信に応答する二人はにこやかな笑顔と微笑みを浮かべながら、そこら中に死骸を転がしているのだが、アリサの一言で異常さに気づき、普通の会話に戻る。
三人は深く頷きあい、中型種の侵入ポイントへと疾駆していく。
「ちょっと……リンドウさん、早すぎ……」
「そんな……私でも追いつけない……なんて……」
「おーいお前ら、置いてくぞ~」
リンドウは平然とした顔で装甲車並みの速度で走っている。ユウでさえ、五m以上離れた所にいるだけで精一杯のようだ。アリサもユウの後ろをついていくのがやっとだ。さらに、凄まじい粉塵を撒き上げているのでおかげで二人からはリンドウの姿が見えづらいときたものだ。しかも、進路上にいるアラガミが彼を邪魔しようものなら、装甲車にはねられた如く、吹っ飛んでいく。
「リンドウさん、こわぁ~い……」
「ええ、本当に……」
その光景を見て、ユウとアリサはただただ引き攣った笑顔を見せるだけだった。
リンドウさん、マジぱねぇッス……ユウもなかなかですが、この人がやっぱり最強ですかね。。
こんな人を失う極東は痛手ですね……
ではでは皆さんダ ズヴィダーニャ~♪