遊輝と神様の東方放浪記   作:DICHI

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第九ノ巻 闇の妖精と⑨な氷の妖精

遊輝 side

 

 

幻想郷に突如現れた不気味な紅い霧・・・・・・俺たちはこの紅い霧を起こした異変の首謀者を倒すために出かけたのだが・・・・・・

 

「なぁ霊夢」

 

「何よ」

 

「異変の首謀者が何処にいるのか分かるのか?」

 

「そんなの、分かるわけないじゃない」

 

「ですよね〜」

 

霊夢を先頭に魔理沙、俺、神様と続いて飛んでいるんだがさっきから何処に向かっているのか検討もつかない。

 

「何処行くか検討もつかないのに進んで大丈夫なの?」

 

「大丈夫。こっちに何かあるって私の勘が言っているわ」

 

「勘って・・・・・」

 

「心配しなくても霊夢の勘は9割で当たるぜ」

 

「それチートや。勘ってレベルじゃない」

 

9割当たるってのは最早勘じゃなくて、何かの能力だろ。【運命に導かれる程度の能力】的な。

 

「いや〜♪気持ちいい」

 

「何でお前はそんなに呑気なんだよ」

 

「マイペースって言ってよ♪何事も自分のペースを保つ事が大切なんだから♪」

 

「ペースを保つ大切さは分かるが、マイペースはダメだろ」

 

「?あれは何だぜ?」

 

後ろに下がって神様のペースを上げるように催促しようとしたその時、魔理沙が前方から来る何かに気が付いた。

そいつは暗闇みたいなものを周りに発しているかのようで、中心部がまるっきり見えない。

 

「何よあれ?」

 

「・・・・・・空飛ぶG?」

 

「そんな物騒な物を言わないでよ」

 

「それ以前にGは元々飛べるよ♪」

 

「あっ、そう言えばそうだ」

 

「遊輝ってボケとツッコミの両方が出来るのか?」

 

「そんな事よりもこっちに来たわよ」

 

俺と神様のコントに魔理沙は付き合ってくれたけど、霊夢は何事もなかったようにこっちに来る黒い物体に目を向けたままである。

ちょっとずつ、フラフラと近づいたそいつは俺たちの目の前でようやく姿を現した。

そいつの背丈は俺たちよりも小さく、黄色の髪に霊夢ほどではないが、特徴のある赤いリボン、白のシャツの上に黒のタンクトップみたいな物を着てさらに赤いネクタイがある。下は黒のスカートだ。さらにそいつは両手を広げて十字のような姿勢で空を飛んでいた。

 

「ねぇ、あなたたち人間?」

 

「そうだけど・・・・・お前は誰だ?」

 

「ルーミアなのだ〜」

 

「ふ〜ん・・・・・ルーミアね」

 

「それで、貴方たちは・・・・・・食べられる人間?」

 

そう言った瞬間、ルーミアが弾幕で俺たちに攻撃をしてきた。少し慌てたが、間が少しあったので何とか避けることはできた。

「ととと・・・・・」

 

「いきなり攻撃とか危ないぜ!!」

 

「そーなのかー」

 

「第一、人間は食べたらダメだろ?」

 

「そーなのかー」

 

「・・・・・・人の話を聞いてる?」

 

「そーなのかー」

 

「こりゃ聞いてないな」

 

「聞いてないのかー」

 

「お前に言ってるんだよ!!!!」

 

「そーなのかー」

 

ルーミアの曖昧な反応に切れる俺だが、ルーミアの応答に変化は無し。これは・・・・・・疲れる・・・(汗)

 

「私たち、そこを通りたいのだけど」

 

「お腹空いたのだー。何か食べ物くれたら通して上げる」

「食べ物・・・・誰か持ってるか?」

「食べ物食べ物・・・・あっ、ちょっと待てよ・・・・・・あった。飴で良いんならあるけど」

 

「飴?」

 

ズボン代わりのポケットを探って、飴玉を2.3個取り出してルーミアに渡す。ルーミアは手に渡された飴玉を興味ぶかそうに見る。

 

「何なのだー?」

 

「こいつは飴といって、甘いお菓子なんだ。こうやって袋から取り出して口の中で舐めるんだよ」

 

ポケットに入れている別の飴玉を出して、袋から取る動作をして口に飴玉を入れる。それを見ていたルーミアも同じような仕草で飴玉を口に入れる。飴玉を口に入れたルーミアの頬は少し溶けたような感じで落ちて凄い笑顔になる。

 

「美味しいか?」

 

「美味しいのだー」

 

「そうかそうか。じゃあこれで通してくれる?」

 

「嫌なのだー」

 

「(ズゴッ!)何で!?」

 

「美味しいけどお腹は膨れないのだー」

 

「そりゃそうだぜ。飴玉数個でお腹が膨れるわけないぜ」

 

「じゃあ・・・・弾幕ごっこね」

 

そう言って霊夢が俺の前に出る。弾幕ごっこと聞いたルーミアも後ろに下がって構える。

ふむふむ、今回は霊夢ね・・・・・・まぁ、霊夢なら余裕かな?

 

「残機は2、スペルカードも2枚でどう?」

 

「良いのだー」

 

「じゃあ始めましょう」

 

霊夢がお祓い棒を左手に持ち、ルーミアとの弾幕ごっこを開始する。開始して速攻、ルーミアの黒い弾幕が霊夢に向かって攻撃される。霊夢は慌てる様子も無く難なく避けていく。さらに霊夢はルーミアが放った弾幕の2倍はあるであろう数の弾幕をルーミアにお返しと言わんばかりに反撃する。

 

「流石、博麗の巫女だな。無駄な動きが一つもない」

 

「霊夢は弾幕ごっこでは負け無しだからな。この程度の妖精相手に苦戦なんかしないぜ」

 

「さぁどうしたの?」

 

霊夢は挑発するかのようなポーズでルーミアの方を見る。ルーミアの残機を確認すると一つ減っていた。どうやらさっきの弾幕の時に避けきれずに一つ当たったみたいだ。

 

「じゃあスペルカードを使うのだー」

 

 

月符「ムーンライトレイ」

 

 

ルーミアが宣言したスペルカードは、弾幕のような白い球が霊夢を取り囲み、さらに左右から別の物体が出てきてレーザーを発射するというものだった。しかし、こんなスペルカードごときで霊夢が慌てる筈もなく・・・・・・

 

「これくらいどうってことないよ!!スペルカードはこうやって使うのよ!!」

 

 

夢符「封魔陣」

 

 

霊夢の周りに大量のお札が現れてそれが鎖のように繋がり、ルーミアに向かって一直線に攻撃する奴もあれば、上から不規則な動き、左右からの同時攻撃など1枚のスペルカードから多数の攻撃パターンでルーミアに攻撃する。最初の方は避けていたルーミアも段々と疲労の色を隠せなくなってきて、ちょっと休憩をした隙に攻撃が当たってしまう。

 

「これで私の勝ちね」

 

「負けたのだー」

 

「・・・・・・・さっきから何一つ口調が変わってないんだけど」

 

「そーなのかー」

 

「・・・・・・こりゃこれ以上相手しないほうがいいな」

 

「遊輝!!何してるんだぜ!?先に行くぜ!!」

 

「ちょ!?ま、待って!!!!」

 

勝手に出発する霊夢達を追いかけるために俺も急いで飛んでいく。

 

「それにしても遊輝、あんた度胸あるわね?」

 

「はっ?」

 

「ルーミアは人食い妖怪よ」

 

「・・・・・・そういう事は先に言ってください」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

ルーミアと霊夢の戦いの後、再び俺たちは紅い霧を出した異変の首謀者を探すため、あちこちに飛んで今は湖の近くにいるんだが、何一つ手がかりが見つからない。

 

「う〜ん・・・・見つからないわね」

 

「本当にこっちで合ってるのか?」

 

「私の勘だとこの辺な感じがするんだけど・・・・・この辺霧がかかって見えないんだよね」

 

霊夢の言う通り、この辺には薄っすらと霧がかかっていて遠くにあるものは良く分からない。この霧はあの紅い霧と違って自然現象で出来たものなのかそれとも・・・・・・・

 

「なあ、この辺りだけ妙に寒くないか?」

 

「そうか?俺は普通に思うけど」

 

「魔理沙の言う通りね。紅い霧がかかっているとは言え、ここだけ異常に気温が低いわ」

 

「そうかな〜。別に普通だと」

 

「君は能力で自動的に体温が上がってるんだよ。だから気温の変化に疎いんだよ」

 

「そう言えばそうだ」

 

「・・・・・・あんた天然?」

 

「違います」

 

断じて天然ではない。天然だったら本人でも分からない事言うんだから。にしても、霧が少しウザいな・・・・・・・・あっ、そうだ。擬似太陽作ったら良いんだ。

 

「そ「コラァ!!人間がアタイの縄張りに入るなあぁ!!!!!!」うん?」

 

太陽を作ろうとした時、正面から2人の妖精・・・・・なのか?が出てきた。一人は凄い顔でこっちに大声で叫ぶがもう一人は対照的にその妖精の後ろでおどおどとしている。

 

「ち、チルノちゃん、あ、あれ、博麗の巫女だよ」

 

「平気平気!!アタイは最強だから!!」

 

「(ごめん霊夢、魔理沙。あいつら誰?)」

 

「(あの自信満々に突っ立ているのがチルノって言うんだぜ。ああは言っているが筋金入りのバカだぜ)」

 

「(その後ろにいるのが大妖精って本人が言ってるわ。正式名称は知らないけど)」

 

霊夢と魔理沙から教えて貰った情報・・・・・

前にいる青いワンピースを着て赤い胸リボン、さらに霊夢と同じような特徴的な青いリボンを付けて青髪がチルノって奴。そして、そのチルノの後ろで必死になだめているのが大妖精って奴か。大妖精は緑の髪を黄色の紐で結んだポニーテール、全体は青だが袖が白のワンピース、背中には羽は白で翼の骨みたいな奴が黄色だ。

 

「とにかくアタイの縄張りから出て行け!!それとも、最強のアタイに挑むのか!?」

 

「こんな奴、ほっといて何処かに行こうぜ」

 

「まあちょっと待てよ魔理沙。なぁお前ら、この辺で怪しい建物とか物とか無かったか?」

 

「アタイの話を無視するな!!!!!!」

 

「ま、待ってチルノちゃん。は、はい・・・あっちに赤い館が・・・・」

 

「赤い館?」

 

「す、数日ぐらい前に突如赤い館が出来て・・・・・この紅い霧もあの辺が何だが濃いように・・・」

 

「それは本当?」

 

「え、えぇ。すぐ近くなので何時でも見てました」

 

「そう・・・・・どうやらその赤い館が何か関わってそうね」

 

「そうとなれば行くところは決まったな。その赤い館って所に行ってみようぜ」

 

「ダメ!!ここを通りたかったらアタイを倒してからだ!!」

 

大妖精が教えて貰った方向に行こうとすると、チルノが直ぐに移動してきて俺たちの前に立ちふさがる。

ちょ〜面倒くせぇな・・・・・

 

「よっしゃ。俺が相手してやる」

 

「別にチルノの相手なんかしなくて良いわよ」

 

「あいつバカなんだろ?多分3分あれば終わる」

 

「3分か〜。じゃあ3分以上たったら今度何か奢ってくれだぜ!」

 

「奢るか!!」

 

魔理沙の提案を拒否して、俺はチルノと向き合う。

 

「残機は2、スペルカードも2枚だ」

 

「分かったわよ!!先手必勝!!」

 

 

氷符「アイシクルフォール」

 

 

チルノが速攻としてスペルカードを使ってきた。チルノの前に吹雪が吹いてそれが俺に向かって攻撃される・・・・・はずだった。

 

「あれ?全く攻撃当たらない・・・・・・てか、ここ安全圏じゃん」

 

何故かチルノの真正面だけ攻撃が当たらなかった。これどういうこと?

 

「どうだ!!最強のアタイのスペルカードに参ったか!!」

 

チルノが高々に笑う。

うん・・・・・違う意味で参ったよ。何この攻撃?真正面当たらないって基礎よりも酷いぞ?兎に角、これで攻撃するか・・・・・・・

 

「ち、チルノちゃん!相手に全然聞いてないよ!!」

 

「なっ!?あ、アタイの技を避けただと!?」

 

「・・・・うん、とりあえずこっちの番ね」

 

 

幻符「オーロラの術」

 

 

1枚のスペルカードを手に持ってあげると、チルノの周りにオーロラが包み込まれる。そのオーロラにチルノ、いや、皆が見惚れてしまう。

 

「き、綺麗だぜ・・・・・」

 

「う、美しすぎる・・・・・・」

 

「な、何よこれ・・・・・綺麗すぎる・・・・・」

 

「おいおい・・・・見惚れてて良いのか・・・・」

 

俺の注意でハッと我に戻るチルノだが時既に遅し。オーロラの中から光や氷、炎など多種多様な弾幕がチルノを一斉に襲う。

 

「ちょ、ちょっと!?な、何この弾幕の量!!」

 

チルノが驚くのも無理はないか・・・・

こいつは幻想郷ではまずないオーロラで相手の動きを止めてから、多種多様な弾幕をこれでもかという量で相手に攻撃をするスペルカード。美しさという言葉で最近思いついた技だ。

どうやらさっきの攻撃で1発は当たったようだ。

 

「いたた・・・・さ、最強のアタイに攻撃を当てるとかあんたやるね!!」

 

「そりゃどうも」

 

「でも、これであんたはアタイに負けるんだ!!」

 

 

凍符「パーフェクトフリーズ」

 

 

チルノが宣言したスペルカードは、チルノの周りにカラフルな弾幕が出来てかなりの速さで俺に向かって放たれる。また、所々に一度停止する弾幕もあり中々に厄介だ。この点で見ればかなり優秀なスペルカードに見えるが・・・・・・

 

「(直線的な弾幕だから非常に避けやすいな。いいスペルカードだけど、ツメが甘いな)」

 

「どうだ!!!アタイのスペルカードに手も足も出ないだ「トドメ行くぞ」えっ!?」

 

自慢そうにしているチルノの後ろへと移動して、俺は1枚のスペルカードを切る。

 

炎武「流星群」

 

 

チルノよりさらに高い所へと飛び、1枚のスペルカードを上に放り投げると、上空の紅い霧が一瞬だが光る。

 

「・・・・・・あれ?」

 

「何も起きないわね・・・・・」

 

「な、何だ!!最強のアタイに《ヒューーー・・・・・・・》?な、何の音?」

 

「ち、チルノちゃん!!上!!」

 

「う、上?」

 

大妖精が最初に理解したらしく、チルノ、そして霊夢達も上を見る。上には・・・・・・・・・・

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「な、何これ・・・・・・・・・」

 

「う、嘘だろ・・・・・・・・・・・・」

 

絶句するメンバー。

大量の隕石が炎に纏われながらチルノや周りにめがけて落ちてくる。

 

「これでラストだな」

 

チルノに背中を向けて指をパチンと鳴らす。それを合図に流星群はさらに加速していき、周りにドンドンと落ちていく。チルノの必至そうな声が聞こえるが、一発当たってしまい、そのまま流星群がチルノ目掛けて落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「えっと・・・・・すみませんでした」

 

「次から私たちが危険に合わないスペルカードを使ってね」

 

「・・・・・はい」

 

何してるかって?湖の近くで土下座して霊夢に謝ってます。原因はさっきのスペルカード。あれ、実は無作為に攻撃するスペルカードで、近くにいた魔理沙や霊夢、あと・・・・・・・忘れた「忘れないでよ!!」兎も角3人も必死に避けていたらしいです。

 

「何だよあの威力・・・・・・・」

 

「森の一部が焼け落ちちゃったもんね♪」

 

「ち、チルノちゃん、大丈夫!?」

 

「い、いてててて・・・・・・・・・」

 

大妖精はあの攻撃を連発して食らったチルノを介抱している。チルノは所々に怪我をしている。てか、怪我だけで済んだんだ・・・・・・・・

 

「遊輝が勝ったし、私たちは赤い館に行くわよ」

 

「分かったぜ」

 

「行くよ〜☆」

 

霊夢や魔理沙達は先に空へと飛ぶ。俺はチルノと大妖精の所へと歩く。

 

「えっと・・・・大丈夫か?」

 

「こ、これくらい!!アタイは大丈夫だよ!!」

 

「そ、そうか・・・・ちょっとやり過ぎたからな・・・・じゃあまたな」

 

「ま、待って!!」

 

「うん?」

 

「・・・・・今度はアタイが勝つからな!!」

 

「・・・・おう!楽しみにしてるぜ!」

 

俺はチルノに向かって拳を突き出し、空へと飛んで急いで霊夢達の所へと向かう。




霊夢「あんた、性格がブレてない?」

遊輝「ブレてないブレてない」

魔理沙「ちょっと天然になったり、容赦なかったり、からかってる時もあるぜ」

遊輝「ないない。そう言えば時間は?」

神様「ジャスト3分♪」

魔理沙「驕りはなしか・・・・残念だぜ」

遊輝「いやタイムオーバーでも奢らなかったからな!!!」

霊夢「・・・・・・残念」

遊輝「お前もか霊夢!!!!」

霊夢「次回は【紅魔館の門番vs神様】」

神様「やっと僕の出番♪久々に身体を動かせるよ☆」

魔理沙「次もよろしくだぜ!!」
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