第十ノ巻 紅魔館の門番VS神様
遊輝 side
大妖精とチルノから別れて数分・・・・・・
大妖精が指を指した方角を真っ直ぐ行くと、確かに真っ赤な館があった。赤い館にはこれまた赤い塀が囲まれておる。
「ひょ〜、本当に真っ赤だな」
「ああ、ここまで赤かったら目が痛くなるぜ」
「この建物を建てた主人の趣味が分からないわね」
俺たちは今、この館の唯一の門の近くの森で様子を見ている。この森はさっきチルノが縄張りにしていた湖がある森だ。いや〜、だって壁が見渡す限り赤一色だぜ。流石に気味が悪くて嫌だよ、こんな建物。にしてもこの辺は本当に霧が濃いな・・・・・・
「さ〜て・・・・どうやって突入するかだな・・・・」
「あの門番・・・・・・寝ているのかしら?」
「寝ているんなら余裕だぜ。さっさと突入しようぜ」
「待てよ魔理沙。もしかしたら寝ている振りかもしれないぞ」
あの門の横には門番がいる。遠目でしか見れないが、赤茶の髪に緑の帽子、緑のチャイナ服を着た人がつったたまま寝ているのだ。でもまぁ、本当に寝ていたら器用に寝ているよな。
「じゃあどうするんだぜ?」
「とりあえずこいつで様子見だな」
そう言って俺は、手のひらサイズの小さな太陽と弾幕を作る。こいつらをあの寝ている門番に向かって放つ。門番は弾幕や太陽に気づいたのか、直ぐに上にジャンプして回避、壁に当たった弾幕と太陽が爆発を起こす。
「(ほら、やっぱり起きていやがった。寝ている振りをして油断させるためだったんだろ)」
「(いや、あんたがあんな事しなかったら案外いけたかもしれないわよ)」
「そこに隠れているのは誰ですか?出てきてください」
「(バレてしまったようだぜ。どうするんだ?)」
「(素直に真正面からやるか?)」
「(僕が行くよ☆)」
「(はぁ〜?あんたが?)」
「(うん♪)」
神様の突然の戦闘宣言。正直言ってこの神様、戦っているところを見たことがない。
「(お前が言って大丈夫なのか?)」
「(だいじょ〜ぶ♪これでも神だよ☆)」
「(そこまで言うんならやらせてやろうぜ)」
「いい加減に出てきてください。こっちから攻撃しますよ」
「(敵さんが痺れてきたみたいだし、そろそろ乗り込むか)」
戦う相手が決まったので、俺たちは揃って森の中から出る。相手の門番の方は既に何かの武術の構えをとり、戦闘態勢だ。
「あんた達ですか。ご用は何ですか?」
「ご用?そうね、この紅い霧を出したのはあんた達?」
「そうですが何か?」
「だったら話が早いわ。さっさとこの不気味な霧を取り除きなさい」
「それは無理な話ですね。この霧は私ではなく、お嬢様が出しておられますから」
「お嬢様?」
「そいつが異変の首謀者か・・・・・・」
「じゃあ中に入って、とっととそのお嬢様って奴に会いに行こうぜ」
「そうはいきません。お嬢様に博麗の巫女とその他の人たちを通さないようにと言われてますからね」
「「「その他ってなんだよ(ぜ)!!」」」
酷い扱いだな!!そのお嬢様って奴は霊夢にしか興味がないのかよ!!!
「ここを通りたかったら、私を倒してから行ってください」
「んじゃ、僕が相手ね〜☆」
門番の言葉に神様がヘラヘラとしながら前に出る。大丈夫か本当に?速攻で潰される未来が見えるぞ。
「お前が私の相手ですか?見た感じそこまでですね(気を感じても対して凄い相手ではなさそうですね・・・)」
「それはやってみないと分からないよ〜☆」
「では・・・・・・」 「んじゃ・・・・・・」
「紅魔館の門番、紅美鈴(ホン・メーリン)!いざ、参ります!」
「トリックスターの子孫の力、見せてあげるよ☆」
〜〜〜数十分後〜〜〜
「ハァ・・・ハァ・・・・・」
「あれあれ〜?どうしたの?もう息切れ?妖怪のくせに〜。昼寝ばっかりしてサボっているから体力が落ちたのかな〜?」
「う、うるさい!それよりおちょくってるのか!?さっきから私の攻撃を避けてばっかりいて!!」
弾幕ごっこが始まって数十分・・・・(意外と長い)
一向に勝負が決まらない。理由は神様。こいつ、さっきから美鈴って奴の攻撃やスペルカードを交わしてばっかで何一つ、攻撃はおろかその動作らしい仕草もしていない。
「あいつさっきから何をしてるんだよ・・・・」
「避けてばっかいるぜ。見てるこっちもつまんないぜ」
「まぁ・・・一つ言えることは」
「あぁ・・・・あいつ・・・・・」
強い・・・・・・・
ヘラヘラしながら避けている様に見えるけど、その避ける動作に何一つ無駄な動きがない。その上、攻撃こそしてないが、的確に相手の隙に突き込み、一瞬・・・・ほんの一瞬だけ一撃で相手を仕留めるような目つきになる。つまり、「俺は手加減をしている。仕留めようと思えば何時でも仕留めれるぞ」って言っているようなものだ・・・・・
「ハァ・・・ハァ・・・・(な、何この気・・・・さっきまでとは別人、強者の気・・・・)」
「ほれほれどうしたの〜?休憩時間〜?」
「くっ!!」
華符「芳華絢爛」
美鈴が放ったスペルカード………相手の中心から花が開花するように色鮮やかな段幕が神様に襲うが・・・・・・
「アッハハハ〜〜☆綺麗な弾幕だね♪」
これまたこちらも10点満点って付きそうな身のこなしで避けていく。
こりゃ・・・・・・勝負アリだな。
「ハァ・・・ハァ・・・・・」
「ん〜ん、それじゃこれ以上待たせるのも悪いし、そろそろ終わりにしようかな?トリックスターらしく、幻術でいきたいけどここは一つ、力技で」
肩で息をしながらも何とか構えを取っている美鈴に神様はつまんなさそうな顔をして1枚のスペルカード手に取る。
轟符「ミョルニルの裁き」
神様が手に持ったスペルカードが光に包まれて変化していき、神様の数倍の大きさにもなるハンマーみたいな物が出てきた。
ミョルニル?あれって確かトールの武器だったよな?力自慢のトールが振るのは分かるけど、こいつが使うのはイメージが湧かないな〜。
「またデカい武器が出たわね」
「あんな大きな物振り回して疲れないのかだぜ」
「慣れている奴にとったら平気なんだろうな」
「それじゃ・・・・・・・終わりだよ」
そう言って神様がミョルニルを振り下ろす。相手の奴も逃げようとしているが、何故か動かない。
「(な、何で!!何で動けないの!!それにさっきから身体が重い!!)」
ドーーーーーン!!!!!!!!!
美鈴はミョルニルの攻撃をまともに食らってしまう。砂埃が晴れると、気絶した相手がいた。
「いや〜☆気分爽快☆」
「・・・・やっていることは酷いけどな」
「そんな事無いって♪普段はもっとトリック的な動きをしているよ♪」
「それにしても、何で相手の奴動けなかったのかしら?」
「簡単な理由だ。こいつが最初に使ったスペルカードだ」
そう言って俺はポケットの中から1枚のスペルカードを取り出す。
「?それってさっきこいつが使ってたスペルカードだぜ?何で遊輝がもってるんだ?」
「こいつがパクったんだよ。これは地符「重力の術」。最初に単純な弾幕が百連発ぐらい放っていただろ?」
「えぇ、でも密度が濃い代わりに随分単純な弾幕だなとは思ったけど」
「そりゃそうだよ♪あの弾幕は囮だもん☆」
「お、囮?」
「このスペルカードの本当の能力は、戦っている相手を中心に半径2kmの重力を20倍にするんだよ」
「に、20倍!?!?そ、そんな所で動き回っていたのか!?」
「うん♪」
「20倍は俺もギリギリ動ける範囲だ。普段のトレーニングからスタミナを付けようと思うとやっぱり身体を重くした方が一番だからな」
しかし20倍でギリギリなのは本当だ。30倍となるとまだ30分も持たなくなってしまうからな。これはもう少し改良する必要があるスペルカードなんだよな。
「20倍って・・・・・どれくらいなんだぜ?」
「自分の体重を20倍にして歩くようなもの。ようは200kg越えの体重になることだ」
「うげっ・・・・身体が重くて絶対に動けないぜ」
体重200越えと聞いた魔理沙は顔がorwの状態だ。
まぁ、最初にあの重力食らったら人間なんかひとたまりも無いだろうな。身体が重すぎてうつ伏せの状態で動けなくなるし。
「そんな慣れていない環境の中、ずっとあいつは動いていたんだからな、そりゃ身体がバテてしまうわな」
「ちなみにあんたはどれくらい持つの?」
「・・・・・・・せぇぜぇ2時間かな?」
「・・・・・・遊輝は本当に人間か?」
「人間です。能力が化け物という自覚はありますが」
「そんな事言ってないで早く入ろうよ。何のために僕、あの門番を倒したのよ」
「おっと忘れてた。でもどうやって門を潜るんだ?」
「ここは私の出番だぜ!!」
そう言って魔理沙がなんかの発火装置(後で聞いたらミニ八卦炉って言うらしい)を取り出して、門に向かってレーザーが一直線。ドカーーンと豪快な音とともに、鉄で出来た門が跡形も無く消えていた。
「弾幕はパワーだぜ!」
「・・・・・これ、後で弁償とか言われないだろうな?」
「こんな異変を起こす相手に弁償なんか必要ないわよ。さて・・・・・行くわよ」
霊夢を先頭に、俺たちはいよいよ怪しい紅い館へと潜入を始める。
神様「いや〜♪ほんと、気分爽快だよ☆」
遊輝「お前腕力あったんだな。凄い貧弱そうな腕なのに」
魔理沙「にしても戦闘シーンバッサリと切ったな」
霊夢「時間かかり過ぎなのよ。20分以上もかけて」
遊輝「俺はどっちかというと、そう言う持久戦の方が得意なんだけど」
魔理沙「回復して戦うとかセコイぜ」
遊輝「常識を持たないのが幻想郷だろ?」
霊夢「さすがに戦いながら回復するのはダメだと思うよ」
遊輝「・・・・・・・・・・・・・・・・」
神様「次回☆【潜入!紅魔館!動かない大図書館VS普通の魔法使い】」
魔理沙「やっと私の番が来たんだぜ!」
霊夢「次回もお楽しみにね」