遊輝 side
「さて、あとは首謀者を探すだけね」
「・・・・・お願いですから離れて痛い目で見ないでください」
凄く・・・・・・・虚しいです・・・・・・
何故だ!?俺、さっきそこそこの中ボスを圧勝したのに何故こんな虚しい思いをしなくちゃいけないのだ!?
「君が馬鹿だから」
「テメェに言われたくねぇ!!!そして心を読むな!!」
「そこ煩いわよ!!さて・・・・どうやって首謀者を探そうかしら?」
「あいつに聞いたら?メイド長ってことはこの館の構造を把握してるだろ」
「でも君のせいでorw状態だけど?」
「知らねぇよ。あいつの精神力が低いだけだ。まぁ足が動けないのは事実だしな・・・・・・とりあえず」
さっきまで戦闘していた咲夜のところまで歩み寄る。咲夜は、足こそ動けないがこっちへの警戒心をまだ解いていない。
「・・・・・・殺すなら殺したら?」
「ば〜か、誰がそんな物騒なことをするか。とりあえずそこから動くなよ」
動けない咲夜の足の近くに両手を添えて、能力を使う。緑色の波長みたいなものが咲夜の足を中心に広がっていく。
「・・・・・と、こんなものか。もう立てるぞ」
「・・・・どうして、敵の私にこんな事を?」
「うん?う〜ん・・・・なんでだろうな・・・・・考えたこともなかったわ。案内役を買ってほしいってのもあるけど、俺なんかこう・・・・困っている奴とかあんまり見逃せなくてな。全て助けるってのは無理があるけど、可能な範囲なら助けてやりたいんだよ。そうしないとなんか嫌な気分になっちゃうから」
「・・・・・・・そう、貴方お人好しなのね。私は困ってなんかいなかったのに」
「そう言われたのはお前が初めてだわ。というか立てなかったら日常生活で困るだろ」
「それもそうね」
足が回復している事を理解した咲夜が立ち上がる。
「でも私は敵なのよ?敵がわざわざ主人の居場所を案内すると思うのかしら?」
「そん時はそん時でまた考えるさ。お前がまた殺るっていうなら、こっちも付き合ってやるしよ・・・・・」
「話は終わったかしら?そろそろ案内して貰うわよ。こっちだってこの君悪い霧を早く無くして欲しいのだから」
「・・・・・分かりました。案内します」
俺と咲夜の会話に割り込んだ霊夢が痺れを切らしたかのように言うと、咲夜が返事をして、俺たちの前に歩み寄る。霊夢や神様に敵対心を剥き出しにはせず、完全に従うつもりのような態度を取っている。
「あら、素直に教えてくれるのね。てっきり教えてくれないのかとおもったわ」
「私は敗者の身です。敗者が勝者に従うのは当たり前ですからね。それに、勝手に屋敷をうろついたりなんかしたら後の掃除が大変だし・・・・」
「なかなかメタい事をいうな」
「では、お嬢様の所へお連れします」
俺たちは咲夜の案内で異変の首謀者がいる部屋に案内して貰う。
遊輝 side out
No side
一方その頃、紅魔館の地下の図書館・・・・・・・
「ふぅ〜、とりあえずこれだけ借りていくぜ」
麻で出来た大きな袋に大量に入れられた本を担ぎ、部屋から出る魔理沙。
「よっと。少し入れすぎたかな?運ぶのが辛いぜ。・・・・・・ん?」
1人ブツブツも呟く魔理沙が部屋から出て上に続く階段を登ろうとした時、ふと下に続く階段に目がいってしまう。
「何だろう・・・ここだけ変な感じがするぜ・・・・」
好奇心旺盛な魔理沙は何も考えずにその階段を降りてしまう。暫く降りていくと一つの扉の前に着く。
その部屋は真ん中に大きなシングルベッドがあり、周りにはタンスなどがある。部屋の電気は薄暗く、物で散らかっている。
「(部屋・・・・・なのか?こんな地下深くにあるし、電気も薄暗い。けど、誰かしらが住んでいる雰囲気はあるぜ)「貴方誰?」!!」
突然聞こえてきた声に魔理沙は驚く。後ろを振り向くとクマのぬいぐるみを抱え込んだ幼女みたいな女の子がいた。背中には虹の七色をしたモチーフにした宝石みたいな物がついた羽、赤い紐で巻いたような白い帽子、片袖にフリルが付いて、赤と白を基調にした服に黄色の胸リボンがある。下は白のフリルみたいなものに赤いスカートだ。
「お、お前は・・・・・」
「私の質問に答えてよ。貴方誰?」
「お、おう・・・・・わ、悪かったぜ。私は霧雨魔理沙。普通の魔法使いだぜ」
「私はフランドール・スカーレット。フランって呼んでね」
人形を抱えたままフランは笑顔になる。その笑顔をみた魔理沙は警戒心を解き始める。
「ところで魔理沙はどうしてここにいるの?」
「あ、い、いや、少し道に迷ってな。気づいたらここに着いてしまったんだぜ」
「そう・・・・じゃあフランと遊ぼう。フラン、いつも一人で遊んでつまらないんだ」
「そ、そうか・・・・(多少時間はあるだろう、それに霊夢や遊輝がいるし)分かったぜ。何をして遊ぶんだ?」
「そうね・・・・・オニゴッコトカドウ?」
遊輝 side
「ここがお嬢様の部屋でございます」
咲夜に案内され着いたのはこの屋敷の一番奥の方にある大きな扉。咲夜はこの迷路みたいな屋敷を間違えることなく最短ルートでここまで着いてしまった。まぁ、ここのメイド長なら当たり前か。
「やっと着いたわね」
「全くだな。しかし・・・・・・その主人とやらはなかなか強そうだな。生命力が他の奴らよりも尋常じゃないほど強いぞ」
「この異変を起こしたんだから、それくらい強くないと意味ないでしょ☆」
「どんな相手だろうと、負けないわ」
「あの、扉を開けてもよろしいでしょうか?」
「いいわよ。こっちはさっさと異変を解決したいんだから」
霊夢の言葉を聞いた咲夜は重い扉を廊下側に開く。霊夢を先頭に部屋の中へと入っていき、最後に咲夜が入って扉を閉める。中には金持ちの家によくあるような木で作られた大きな書斎用のテーブル。その一番奥に、少し暗めの赤色のコウモリのような翼を広げた幼い少女がティーカップをゆっくりと回しながら、何かを飲んで机の上にある受け皿に載せる。
「随分遅かったわね・・・・・紅茶を飲みきったじゃない」
「あんたがこの異変の首謀者?」
「そうよ・・・・・・私の名前はレミリア・スカーレット。この吸血鬼の住む館、紅魔館の主人よ」
そう言って、レミリアは椅子から立ち上がり机の前へと出て、スカートを掴みいわゆるお姫様のような仕草で挨拶をする。
ふ〜ん、吸血鬼なんか・・・・・・俺は改めてレミリアの服装とか身長とかみる。レミリアは威圧を見せるためか翼を大きく広げている。・・・・・・・うん、初見で見て、思った通りだ。
「「意外とちっちゃいな(小さいわね)。幼稚園児(寺子屋に通う子供)みたいだな(だね)」」
「な、なんですって!!!!!どういう「あっ、霊夢も俺と同じ考えなんだな」
「ちょ、ちょっと「まさかあんたと同じことを思っていたなんて・・・・・」
「あ、あなた「あいつ、めっちゃ小ちゃいよな?」
「だ、だか「そうね。低身長のあんたよりもさらに低いわね」
「さらっと俺の悪口を言いやがったな、この脇巫女」
「誰が脇巫女ですって」
「私の話を聞きなさああい!!!!!」
俺と霊夢の会話で無視されたと思った(実際に無視してたけど)レミリアは堪忍袋が切れたらしく、机をバンと叩く。
「お、お嬢様、落ち着いてください」
「ハァ・・・・ハァ・・・・そ、そうね」
咲夜に落ち着かされて、少し深呼吸をしてもう一度椅子の所へと戻り座るレミリア。若干肩で息をしている。
「それにしても咲夜、博麗の巫女たちが来たってことは・・・・」
「はい、そちらの少年に負けてしまいました」
「あら、てっきり博麗の巫女に倒されたと思っていたけど、あの何の変哲もない少年にね」
「申し訳ございません。その上、お嬢様の敵対関係となるこの方たちをここまで連れて来てしまいました。何なりと罰を命じてください」
「別に気にしなくていいわよ。私も退屈だったし。それより・・・・・・・・ご用件は何かしらね、博麗の巫女さん」
「好い加減、博麗の巫女って言うのはやめてくれないかしら?」
散々名前で呼ばれず、肩書きみたいなもので呼ばれている霊夢はうんざり顔だ。
「だったら名前を教えてちょうだい。後ろにいる2人もね」
「私は博麗霊夢よ」
「俺は遠藤遊輝」
「僕、神「で、要件は何かしら?」僕の自己紹介終わってないよ!?」
「わざわざ聞かなくても分かるでしょ。さっさと嫌な気分になる紅い霧を戻して」
「嫌だね。消すくらいなら最初から出さないわよ」
「当然の反応だな。理由はなんだ?」
「吸血鬼って太陽に当たると消えてしまうでしょ?だからこうやって霧を発生させたら1日中外に出られるでしょ?」
ふ〜ん・・・・・・太陽ね・・・・・・
「こんな奴に当たりたくないって訳か」
俺は右手で小さめの太陽を作り、レミリアに投げる。レミリアは俺の攻撃を呼んでいたかの如く、自らの身体を当たる直前で霧にする。そして、咲夜の前で霧が再び集まりレミリアが姿を現す。
「随分危ないことをしてくれるわね」
「その割には余裕そうだったけど?」
「私の能力は【運命を操る程度の能力】多少ともなら運命を見ることが出来るし、作り出すことも出来るわ。あなたが私に攻撃する運命も、咲夜が負けてしまってここにくる運命も、そして博麗の巫女が私に負ける運命も・・・・・」
「勝手なことを言ってくれるじゃない。そんなくだらない運命なんか無いわよ」
「分からないわよフフフ・・・・・・ここで弾幕ごっこをやるには狭すぎるわね・・・・外でやりましょう」
レミリアがパチンと指を鳴らす。その動作で感づいた咲夜は部屋右側にあるベランダにつながる大きな窓を開ける。レミリアはそこに移動して、霊夢を呼ぶかのように挑発して外にへと出る。
「だそうだよ、霊夢」
「良いじゃない。どうせあの吸血鬼を倒さないといけないんだから・・・・・」
闘争本能むき出しの霊夢は懐からお祓い棒を取り出し、レミリアの後を追うように窓から飛び出る。俺と咲夜・神様は部屋から出て、2人の弾幕ごっこを見物する。既に外は暗く、満月が紅い霧の影響で少し赤く見える。そして、二人はその満月の下で対峙する。
「そうね・・・・今夜はこんなに月も紅いから・・・・・・本気で殺るわよ」
レミリアのその言葉を合図に二人は更に上へと上がり、お互いの武器をガキンッ!!と鳴らす。
遊輝 side out
咲夜 side
「おぉ、始まった始まった。初っ端からスペルカードで武器出すとはねぇ」
「あの吸血鬼も本気でやってるみたいだし見応えがありそうな弾幕ごっこになりそうだね☆」
私はベランダでお嬢様と博麗の巫女の戦いをこの二人と共に見ています。この二人はこうは言ってますがかなり呑気そうな態度です。正直、こんな態度の人に負けたとは思いたくもない・・・・・・
「・・・・・今なんか、誰かが俺を馬鹿にしたような感じがするんだが」
「気のせいじゃない☆」
「そこの人の通りです。しかし、私は博麗の巫女の実力を存じ上げないですがお嬢様に勝てますかね?」
「勝てるさ。あいつなら」
「なぜそう言い切れるのですか?お嬢様は吸血鬼ですよ?人間風上が勝てるとは思えません」
「・・・・・お前も人間たろうが」
「はい、私も人間です。だから私もお嬢様に挑み、負けてしまいました」
「・・・・・それで負けたからここで働いているってわけね」
「さしづめ、そういうところです」
「ふ〜ん・・・・・過去に何があったのかは凄く気になるが今は後にして・・・・・・・何で吸血鬼の方が強いって言えるんだ?」
「貴方は何も知らないのですね。吸血鬼は人間よりも遥かに身体能力が高いのですよ?その上で、人間では考えられないような能力をお持ちです」
「無知で悪かったな。でもな・・・・・・それでも俺は霊夢が勝つって信じてるぜ」
「・・・・・・どうしてそこまで信じるのですか?」
「・・・・・・はっ?」
私の質問に対して、彼はすっぽけた表情でこちらを見る。
「お前、何でそんな事を聞くんだ?」
「何故って・・・貴方は彼女を心配しないのですか?」
「心配するか。霊夢は博麗の巫女だぞ?そんじょそこらの奴らとは格が違うんだよ。あいつは強い、俺よりもな。だから俺はあいつが勝つのを信じる。それが今、俺に出来ることだ」
「・・・・・・・・・・」
「逆に聞くけど、咲夜はあのお嬢様って奴を信用していないのか?」
「何を言っているのですか。私は生涯、お嬢様に尽くすと心に決めた従者です。お嬢様を信用しないはずがありません」
「だろ?お前の考えと俺の考えは一緒なんだよ。お前とレミリアの関係が従事の関係なら、俺と霊夢は・・・・・仲間かな」
「・・・・仲間・・・・ですか」
「そう。仲間を信じない奴が誰がいるんだよ・・・・・・・まぁ世の中、仲間だと思った奴が裏切るなんてこともあって良くわからないんだけどな。さてと、続きはどうなったかな?」
「結構良い勝負しているよ☆流石博麗の巫女とこの館を納める主人って感じだね♪」
「ほぅ〜。俺もやりたかったな〜」
相変わらず呑気な人にあの人はペースを合わせる。私もお嬢様と博麗の巫女の方へと向く。
「なぁ、咲夜」
「何でしょうか?」
「いつかでいいからさ、お前とあいつのその戦った時の話を聞かせてや。俺はオカルトとかそういう類は苦手だけど、ここに来てからそういう事がバカバカしく思ってきてさ。少しずつでいいから、お化けとか克服したいんだ」
「・・・・・・それが私とお嬢様のお話に何か関係があるのかしら?」
「何でも興味を持つことは良いだろ?吸血鬼もオカルトの部類だし」
「・・・・・つくづく可笑しな方ですね。分かりました、この戦いが終わった後、話しましょう」
「サンキュー。おっ、霊夢もスペルカードを使い出したな」
あの人の言う通り、博麗の巫女とお嬢様、双方共にスペルカードを使って攻撃を始める。頑張ってください・・・・・お嬢様。
咲夜 side out
霊夢 side
「ハアア!!!!!!」
霊符「夢想妙珠」
「ハアア!!!!!」
天罰「スターオブダビデ」
私とレミリアのスペルカードがそれぞれぶつかり合い、愛塗れて弾幕が消えていく。さっきからお互いに弾幕の潰しあいでなかなか最初の決め手となる攻撃が当たらない。
「なかなかやるわね、あんた」
「そっちこそ。ここまで骨がある人間は500年間生きてきて、指で数えるくらいよ」
レミリアが少し笑顔になっている。そう見ている私も多分笑顔になっているでしょうね・・・・・ここまでの弾幕ごっこを経験するのは本当に久しぶりなんだから!!
「次は私からいくわよ!!」
紅符「スカーレット・シュート」
レミリアの周りに大小様々な赤い弾幕が現れて私に向かってくる。その弾幕は不規則な動き、スピードも速いのと遅いのを交互に来るのでなかなか避けるのが難しい。だけど、これくらいの弾幕で根をあげていたら博麗の巫女なんて務められないわ!!
「フッ!!ハッ!!」
「なかなか綺麗な舞を見せてくれるわね。でも・・・・・」
レミリアがまた笑う。今度はさっきと違い、不気味な笑顔に。その時・・・・・・
「ハウッ!!!」
私が一瞬だけ瞬きをしている間に何かが私の脇腹に攻撃してきた。攻撃を食らったところを手で押さえながらレミリアを睨む。
「ふふふ・・・・・さっきのスペルカードと一緒に2枚目を発動しといたのよ。「レッドマジック」をね・・・・」
「ハァ・・・・ハァ・・・・・ま、まさか、最初に食らうとは思ってなかったよ。でも・・・・・・これでおあいこね」
「何を言って!!!!!!ガハッ・・・・・」
ようやく当たったわね・・・・・・
カッコつけているレミリアの後ろから私が仕掛けていた弾幕が当たる。突然の不意打ちでレミリアさ少し高さを落としてしまうけど、すぐに体制を立て直す。
「ただの弾幕よ。時間差攻撃をしただけでね・・・・」
「ハァ・・・私が攻撃を食らうとはね・・・・油断しちゃったわ・・・・」
「(さて・・・・・同じ手は通用しないだろうから今度はどうやって攻めようかしら)」
ぶっちゃけるとこいつはやっぱり強い。吸血鬼だけあって、身体能力だけ見てみれば人間の私なんかよりも遥かに上。いくら私が博麗の巫女だからって、肉弾戦になれば部が悪すぎる。弾幕ごっこの概念がなかった先代の時代だったら負けていたかもしれない。だけど・・・・・・
「(弾幕ごっこ負けなしの私にもプライドはあるんだからね!!)次行くわよ!!ホーミングアミュレット!!」
袖にいれてあるお札を取り出して、レミリアに攻撃する。最初の数秒だけ逃げるように避けたけど、これがホーミング性能だと分かると動きを止めて、私のお札に目掛けて弾幕で相打ちしようとする。それを見逃さず、すかさず次の弾幕をレミリアに向かって放つ。レミリアも2段階目の攻撃には気付いたようだけど、避けきれずに幾つかの弾幕に当たってしまう。
「くっ!!なかなか小癪な事をしてくるわね!!」
「身体能力で勝てないなら、こういう頭脳戦で勝たないとダメでしょ!!」
「成る程ね・・・・・じゃあこっちはその身体能力で勝たせてもらうわよ!!紅色の幻想郷!!」
攻撃を流したレミリアはそのまま上空へと飛び、一時止まった後、密度の濃い大量の弾幕を作りこっちに攻撃を始める。当然のように私は弾幕にあるほぼ唯一となる隙間を見つけてそこへと逃げ込むけど・・・・
「ハッ!!!」
「!!!グワッ!!!!」
ドカーーーン!!!!!!!
レミリアは私が逃げる場所を読んでいたかの如く、直ぐに私の近くへと来て回し蹴りを入れられる。突然のことで何も出来ずにいた私はその蹴りをまともに食らってしまい、屋敷の壁へと飛ばされてしまって、身体がめり込んでしまう。
「ハァ・・・・ハァ・・・・・・」
何とか身体を起こしたものの、さっきの回し蹴りで口から血を少し吐き出してしまうし、痛みで身体が重くなってなかなか言うことを聞いてくれない。そのままレミリアが私の胸ぐらを掴み、高くあげる。
「言ったでしょ。私は【運命を操る程度の能力】だって。こういう風に貴方が逃げてくる場所を私が決めることも出来るのよ」
「ハァ・・・ハァ・・・・ほんと、めちゃくちゃな能力よね」
「フフフ・・・・・貴方のその血、凄く美味しそう。貴方を倒したら暫くはご馳走になりそうね」
「悪いけど私だって博麗の巫女としての意地とかプライドがあるのよ。そう簡単に負けたら先代に顔向け出来ないわ」
「顔向けなんかしなくて良いわよ。貴方の血は私が一滴残さず美味しく頂くわ。・・・・・・これで終わりにしましょう」
神槍「スピア・ザ・グングニル」
レミリアの右手に巨大な紅い槍が現れる。その大きな槍の矛先が私の心臓にへと向けられる。
「さようなら・・・・・博麗の巫女」
「・・・・・・・(ニヤリ)」
大きく振りかぶった槍は私の心臓を突き刺す・・・・・・・・・・・・ことはなかった。
スカッ
「なっ!?」
何が起こったのかレミリアは分からず、酷く取り乱している。槍が私の身体をすり抜けてしまったからだ。
「どうして!?確かに今、心臓を突き刺したはずなのに!?」
「さあね?でもこれで本当に終わりよ」
「・・・・!!!!け、結界!?」
既にレミリアの周りには私お手製の結界が貼られている。たとえ強力な妖力も持った妖怪でもこの結界を破ることは絶対にできない。既に結界用として役割を果たしているお札の一部がレミリアの動きを止めに入った。
「どう?その結界は?夢符「二重結界」って言うのよ。その中に入った者は絶対に逃げられないわ」
「くっ!!この!!」
「そして、この攻撃も絶対に逃げられないわ・・・・・・」
目をつぶり、左手に隠し持っていたスペルカードを宣言する。
「夢想転生」
周りに結界として貼られていたお札の中から、今までで一番の密度の弾幕が一斉にレミリアに向かって放たれる。拘束されていて身動きが取れないレミリアはそのまま弾幕を全て受けてしまう。
「キャアアアアアアア!!!!!!!!!」
レミリアの悲鳴を聞こえた後に目を開けると、攻撃を受けたレミリアが煙の中から落下して地面に叩きつけられる。
「・・・・・・私の勝ちね」
「お嬢様!!」
「う、うぅ〜・・・・・・」
「終わり・・・・・・・かな?」
「そうっぽい気がするよ☆」
地上にいるレミリアを抱えた咲夜の近くにいる遊輝と神様の所へと私も行く。
「にしてもお前、いつ「二重結界」と「夢想転生」を使ったんだ?」
「相手が最後のスペルカードを発動するギリギリの所よ。正直、かなり不味かったわ」
「ようそんなギリギリで出したな。俺だったら間に合わなかったわ」
「そんな態度だからいつまでも霊夢にまけつづけるんだよ♪」
「うるせぇ。余計な事を言うな」
「大丈夫ですかお嬢様?」
こっちの会話とは別に、咲夜がレミリアを抱えて話し掛ける。
「痛たた・・・・・だ、大丈夫よ咲夜」
「申し訳ございません。私がお嬢様の所へ巫女を連れてきたばっかりに・・・・」
「良いのよ。咲夜は私が勝つと信じて連れて来たのでしょ?だったら悪いのは期待に応えられなかった私だわ」
「でも!!「咲夜」は、はい・・・・」
「そんなに自分を攻めないで・・・・・・ありがとうね、信じてくれて」
「・・・・・当たり前です。私はお嬢様の従者ですから」
「フフフ・・・・・私は幸せよ。貴方みたいな素敵な従者がいて・・・・」
「お嬢様・・・・・・・」
「・・・・・あの〜、そろそろよろしいでしょうか?」
レミリアと咲夜のなんか・・・・・・・近寄れない雰囲気に遊輝が水を差す。
「え、ええ、悪かったわね待たせて」
「本当に・・・・・早くこの紅い霧を消してよ」
「分かってるわよ。負けてしまったんだから仕方ないわね」
そう言ってレミリアは上空へと飛び、両手を空に広げる。すると、幻想郷の空を覆っていた紅い霧がどんどんと薄くなっていき、最終的には綺麗な満月が見える美しい夜空になっていた。
「・・・・・やっば空はこうでなくちゃな」
「今日は綺麗な満月ね・・・・・・」
「そうね・・・・しかし、これで私はまた太陽とにらめっこしながら生活しなくちゃいけない訳ね」
「・・・・なぁレミリア。俺が何とかしてやろうか?」
「?どういう事よ?」
「俺ならその、吸血鬼の太陽に弱いって弱点を何とか出来るかもしれないぜ」
「!!!それ本《ドカーーーーーーーーン!!!!!!!!》!!!!!」
「な、何今の音は!?」
突然、屋敷かな大きな爆発音が聞こえてきたので振り向くとさっきまで立派に建っていた赤い屋敷の壁の一部が爆発により吹っ飛ばされていた。煙が出る中誰か2人が中から飛び出してきた。
「アハハ、逃げてばっかじゃつまらないわよ魔理沙」
「くっ・・・・クソ、魔力が枯渇してきたぜ・・・・・」
「ま、魔理沙!!!」
煙の中から出てきた2人のうち、1人は服がボロボロになっている魔理沙だった。もう一人は・・・・・・もう一人は・・・・・・
「(なんだ?こいつのこのドス黒く、こっちも不愉快になる生命は?)」
「ふ、フラン・・・・・・・・」
遊輝「後書き初登場、レミリアと咲夜さんだよ〜」
レミリア「どうも、紅魔館の主、レミリア・スカーレットよ」
咲夜「紅魔館のメイド長でレミリアお嬢様の従者である十六夜咲夜でございます」
霊夢「なんで敵キャラがいきなり後書きに来ているのよ!!」
遊輝「霊夢さん、細かいことを気にしちゃダメだよ」
レミリア「貴方、性格変わっているって言われない?」
遊輝「全く言われません。常識人です」
霊夢「(明らかに最初会った頃から性格変わっているわよ・・・・・)」
咲夜「お嬢様も前線したのですが、霊夢はやっぱり博麗の巫女だけあって強いですね」
レミリア「最後、何をしたの?」
遊輝「夢想転生というチート技を使ってました」
レミリア「夢想転生?」
霊夢「ざっくり言ったら私の存在自体を無くして、相手の攻撃を当たらなくして、こっちからの攻撃は全て当てる技よ」
咲夜「・・・・・・・・・・」
遊輝「なっ、チートだろ?」
レミリア「そりゃ勝てないわね・・・・・」
遊輝「さてと・・・・紅霧異変自体は終了だけど、まだ紅魔館での戦いは終わっちゃいないぜ」
咲夜「次回、【狂気に囚われた悪魔の妹 前編】」
レミリア「次回もよろしくね」