霊夢 side
また・・・・・・見えなかった・・・・・・
「な、何!?今、何が起きたの!?」
「な、何ですかあの速さは!?さっきまでと明らかに違います!」
あの速さは・・・・・・遊輝が最初に魔理沙と弾幕ごっこしていた時に、魔理沙に実質的なトドメを刺した速さ・・・・・・
「・・・・あ〜あ、『あれ』を使っちゃうのか〜。危険な相手だけど、遊輝ももうちょい粘れなかったのかな〜?だからダメなんだよね〜。本人は弱いって自覚しているみたいだけど」
「あれ?あれってなんだぜ?」
「・・・・・・遊輝の【生命を操る程度の能力】の最終奥義、てところかな?」
いつもヘラヘラしている神様がつまんなさそうに話す「あれ」・・・・・・その「あれ」を魔理沙が、いや、ここにいる全員が聞こうとする。
「遊輝ってさ〜、神経を操ることが出来るでしょう?」
「あ、あ〜、あれか。確かに本人はそう言っていたぜ」
あれは・・・・・・・嫌な思い出ね。
「簡単に言えば、あれを使って自分の全ての能力的な神経を上げているんだよ」
「あ、上げるって・・・・・・・どのくらい?」
「・・・・・ヒトの限界を少し超えるところ・・・・・・・」
「ひ、ヒトの限界?」
「ヒトって生き物は高度な生き物だよね。脳を使って考えたり、何よりも相手と話せるんだから。動物は動物で良い所はあるけど、動物はコミュニケーションは取れるけど話せないでしょ?」
突然始まったこの神様の何とも会話・・・・・・だけど、全員が一言の言葉を聞き逃さないようにと全神経を耳に傾ける。
「でもヒトって元をたどればその動物と一緒なんだよね。だからヒトはチーターよりも足が遅いけど、本能で危険と感じれば、その速さは一瞬でも・・・・・・ほんの一瞬でもチーターと等しく、場合によっては速くなる。でも・・・・・・その一瞬をほぼ限りなく永遠に近づけたら・・・・・・ヒトって最強の動物だよね?」
「・・・・・・貴方は何が言いたいの?」
「やれやれ、ここまで言ってまだ分からないの?ヒトってさ、本能が危険になればなるほど、集中力・精神力が異常に高くなって、ほんの一瞬だけでもチーターよりも足が速くなったり、ゴリラよりも力強くなれたりする・・・・・そういう限界ギリギリの状態を限りなく永久に近付けたら、ヒトって最強の動物だよね」
「・・・・・・・・・・まさか」
「やっと気付いてくれたね。遊輝が左手でやった仕草・・・・・・あれは自分の全ての神経を極限まで上げて、ヒトとしての限界域まで能力を上げるんだよ。あの速さはヒトとしての限界ギリギリ・・・・・いや、本人が鍛えているから限界ギリギリを少し超えた所かな?」
ヒトとしての・・・・・限界域・・・・・・・
「・・・・と言ってもあれまだ30%ぐらいじゃなかったかな?」
「「「「えっ!?」」」」
神様が言ったとんでもない発言に私たちは驚く。
「あ、あれで30%!?」
「多分ね。さっき攻撃してた時、足技でやっていたからね。恐らくだけど足しか上げてないんだと思うよ?」
「じゃ、じゃあ100%になったらどうなるんだぜ?」
「そりゃもう、全てに於いてヒトとしての能力最大値だからね。ただ・・・・・・・・デメリットもあるけど」
「デメリット?」
「自分の神経を限界ギリギリの極限状態まで上げているんだよ?その後の副作用が何にも起こらないわけがないじゃない」
「副作用って、何が起きるの?」
「30%ぐらいなら生命力が落ちて回復力が落ちるくらいだけど、50%なんかになったら生命力自体が枯渇するから1日・2日は寝たきり、本人は寝ないように無茶してるけど。そして100%は・・・・・・・分からない」
「わ、分からない?」
「本人も使ったことないって言ってるし、使いたくないらしいからね。大きな力を得るってことはそれだけの代償を払わなくちゃいけないからね」
そんなデメリットがある訳ね・・・・・・・・でも・・・・・・
「・・・・じゃあ私と弾幕ごっこしていた時の遊輝は手を抜いていたということ?」
私は思っていたことを口にした。もし、あれが遊輝の本気ならば今まで私とやっていた弾幕ごっこは手を抜いていたということ・・・・・・
「それは違うよ。遊輝はこれを使うことはあまり好きじゃないからね」
「好きじゃない?どういうことよ」
「『こんな能力使ってまで他の奴に勝っても良い気分になれない。勝つんだったら自分の力だけで勝ちたい』って。あの能力は、こういう非常事態の時にしか使わないようにしているんだよ」
「それでも本人は使いたくないみたいだけどね」と最後に付け加えて神様の話は終わった。それでも・・・・・・それでも・・・・・・悔しかった・・・・・私は今まで、あいつの本気を見ずに弾幕ごっこで勝っていた。それで余裕をかましていた。そんな自分が腹立たしかった・・・・・・・・
「それにしてもあのフランって子、戦い方が上手だね。ゲーム関係が得意なのかな?自分の戦術を組み立てるのが得意そうだよ。能力も吸血鬼としては申し分ない、いや、それ以上かな?・・・・・・・ただ、一つ致命的な弱点があるけど・・・・・」
「弱点?」
「そう、たった一つ、今のあの子にとっては致命的な弱点が・・・・・・・・・・」
霊夢 side out
遊輝 side
「うっ・・・・・うう・・・・・・」
俺に蹴り飛ばされ、壁に激突したフランがようやく目を覚ました。全く・・・・・・この能力はまだ慣れてないんだからな。早く終わらしたいんだよ。
「やっと目が覚めたか・・・・・」
「・・・・・・あはは!!凄いね凄いね!!こんなにもパワーアップするなんて!!」
「そりゃ・・・・・・最終奥義だからな。こっちも本気で行かないと不味いって分かったから」
背中に入れてある3本の日本刀に手を掛けて、1本を上空に飛ばし2本を両手で持つ。クルクルと回って重力によって落ちてきた3本目の竹刀を右手の親指と人差し指の間に挟む。
「それじゃ・・・・・・・こっちの武術を見してやるぜ・・・・・もう一回あの大剣を出して来いよ」
「・・・・・へぇ〜、じゃあお望み通りに私のレーヴァテインで切ってあげるよ」
フランはもう一度あの炎の大剣・・・・・レーヴァテインを出現させて両手で持つ。
さっきは考えている隙にやられたが、今回はそうは行かねぇぞ・・・・・・・・・・三本目の剣を何処ぞの海賊アニメの剣士のように口で支えて、お互いに剣を構え、間を取りながら時計回りで回っていく。
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・ハァッ!!」
ガキン!!!!
最初に動いてきたのはフラン。その行動、剣の振り方に合わせて俺も防御の構えを2本の刀で取る。そう、2本だ・・・・・
「フン!!」
バシン!!!!
「アアアア!!!!!!」
残された右手の日本刀と右足を思いっきり横に振る。霊力も込めて放った一撃はフランを簡単に吹き飛ばし、もう一度壁に激突される。
「(・・・・・あいつが戦闘に慣れてなくて助かったぜ。目の前の日本刀にしか目にいってなかったな)」
そう・・・・・・・フランは戦闘に慣れていない。何でかは知らないが、かなり戦闘経験がない。恐らくこれが初めてと思えるくらい。理由があいつは目の前の行動しか見ていない。さっきの時は避けることで精一杯だったけど、あの時の行動、よく思い返したらあいつは正面や上からの攻撃しかしてこなかった。普通に考えたらおかしい。普段戦闘経験の無い俺でもそんな事はしない。
しかし、それを差し引いても身体能力の高さが凄い。吸血鬼と言っても、あれは俺が色んな人と会ってきた中で一・二を争える身体能力の高さだろう。それに、何だかんだいって自分の攻撃パターンを分かっている。恐らく本人は気づかないでやっているんだろうが・・・・・・・
「・・・・・うっ・・・・うっ・・・」
「さぁ来いや・・・・・・・こっちはまだまだ余裕だぜ」
「うっ・・・・・・・つ、次!!」
禁忌「フォーオブアカインド」
宣言したスペルカードによって、大剣レーヴァテインをもったフランが4人に分かれる。
「ほう・・・・・・分身か」
「「「「次はこれで遊ぶよ!!」」」」
「さすがにこの人数は一人でやるにはちとキツイな・・・・・・こっちも助っ人を呼ぶぞ」
炎武「双陽龍第二召喚術」
右腕を突き上げて宣言すると、スペルカードから強い光が放たれる。
『・・・・・・・ギャアアアアアアアア!!!!!!!!!!』
『・・・・・・・グオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!』
「「「「・・・・・・えっ?」」」」
「頼むぜブラック、ホワイト。相手はかなりの強敵だ」
俺が発動したスペルから出てきたのは、もちろんブラックとホワイト。しかし、《第二召喚術》と言ったのですこし容姿が違う。簡単に言うとブラックは/バスターの状態、ホワイトはカオスエクシーズ化した状態だ。
『ギャア!!ギャアアアア!!!』
『ガアアアア!!!!!』
「おっし・・・・やる気は十分だな」
「「「「・・・・・あはは!!!まさか龍を出すなんて!!いくよ!!」」」」
「ブラックは右!ホワイトは左からだ!!」
俺の合図でブラックとホワイトはそれぞれ左右に別れて突進する。フランの分身もブラックとホワイト・俺の行動に合わせるかの如く、剣を振り抜く。
「遅い!!!炎斬!!三刀流!!蝶の舞!!」
ブン!!!!!!!!
スピードに乗ってフランの攻撃を交わし、そのままフランに蝶が舞うような大きな仕草で斬りつける。しかし、攻撃の感触は軽く、気づいたらフランの姿がいなかった。何処に消えたのか直ぐに確認しようとしたが、少し離れたところにいたのでそんな必要はなかった。
『ギャアアアア!!!!!!!!』
『ガアアアア!!!!!!!!』
ブラックとホワイトも直ぐに終わったらしく、俺の隣に戻ってきた。
「あはは!!!まさか簡単に分身を破るなんて!!フランも負けてられないよ!!」
「・・・・・・・そうか。ブラック、ホワイト、下がれ。あとは俺一人でやる」
『ギャア・・・・・・』
『ガアア・・・・・・』
俺の考えが分かったのか二人ともただ一言、そういっただけで俺の後ろに引く。
「?何であの龍を下げたの?フランはあの龍たちともあそびたいんだよ」
「遊ぶだけならいくらでも遊んでやるさ・・・・・・・・いい加減素直になってその嘘の仮面をはずせよ」
「えっ?」
「俺はな、能力でお前の心が読めるんだよ・・・・・・・狂気に囚われている、いや・・・・・・・・1人寂しくて孤独なお前の心が・・・・・・・・」
ずっと抱いていた違和感・・・・・・・確証がないが恐らくこれだろう・・・・・・フランの心は狂気に囚われいるが、それ以上に覆っているのが孤独、寂しい感情。それを狂気が突き込んでさらに増幅させた、みたいなところかな?いや・・・・・・・少し違うか。
「さ、寂しい?そ、そんな訳ない!!」
「い〜や、寂しいはずだぜ。それとまだあるぞ。お前、本当は狂気に囚われている振りをしているだろ?」
「えっ・・・・・・・・」
「正確に言えば、『今は』だけどな。俺と霊夢が対峙していた時は確かに囚われていたからな」
こいつ、今は正気の状態だ・・・・・・・・今のこいつから狂気の「きょ」の文字すら感じられないほど、純粋な孤独に染まった心をしている。何で孤独なのかは原因を突き止められないけど・・・・・・・・
「そ、そんなこと・・・・・そんな事ない!!」
「何でそう言えるんだよ・・・・・・ていうかさ〜、狂気に染まる染まらない以前の問題で、お前は本当はこんな事したくないんだろ?」
「!!!!!そ、そんな訳ない!!!フランはこれが楽しくて「じゃあ何で泣いているんだよ?」えっ?」
「お前、泣いているんだぞ?今も?それにさっきから攻撃する時なんか少し暗い表情をしていたし」
「な、泣いている?私が・・・・・・・・・・」
信じられないようなおも付きで目の下を触る。そしてその触れた右手の人差し指を自分で見て、湿っていることを確認した。その瞬間に、フランの涙腺が少し緩んだのか大粒の涙がポタポタと数的落ちる。
「・・・・・・・・・・・わ、私・・・・・・」
「何があったんか分からないけどさ〜、とりあえず本音で言えよ。そんな嘘の仮面なんか付けずに」
「・・・・・・・・・ないもん」
「うん?」
「言えないもん!!!!!!!聞いてくれないもん!!!!!!!誰もフランの本音なんか聞いてくれないもん!!!!!!」
禁忌「恋の迷路」
フランの周りに弾幕が渦巻き状で高速回転を始めてこっちに飛ばしてきた。俺は所々にある隙間を見つけていきフランに近づこうとする。しかし弾幕の量が多すぎてなかなか近づくことができない。
「くっ!!はっ!!」
「お姉様も咲夜もパチュリーも美鈴も小悪魔も妖精メイドも!!!!!!みんなフランを495年も地下に閉じ込めて!!!!」
「よ、495年!?!?」
泣き狂い叫ぶフランの言葉、いや、本音を聞いて驚かずにいられなかった。
だって495年だよ!?495年も一人で部屋にずっといたんだよ!!!そりゃ心が寂しくなるわ!!!!
「フランだって外で遊びたい!!!!友達とか作ってお話ししたい!!!!!オシャレとかしたい!!!!!なのに誰もフランの話を聞いてくれない!!!!!」
「お、おい!?ちょ、ちょっと落ち着け」
「でもね・・・・・・フランも分かってたんだよ・・・・・・・・」
そう言って少し落ち着いたのか、スペルカードの攻撃もやめて、ボソッと話すような小声みたいな声量で話始める。
「フランだって分かっていたよ・・・・・・・私が狂気に囚われていることくらい・・・・・・・そのせいで皆が怖がって避けていることくらい・・・・・・・・でも、フランの話は聞いて欲しかった・・・・・・」
「・・・・・・・だったら今話したらどうなんだよ?」
「無理だよ・・・・・・もうお姉様はフランに聞く耳なんて持ってない」
「分からねえだろそんなの?今のお前の本音は確実にあいつにも聴こえているんだから」
下にいるレミリアに指を指す。さすがにあれだけの大声で叫んだんだ。これで何も聞いてないとかいったらぶん殴ってやるけど。
「あんなのちゃんと聞いてくれるはずがない・・・・・・・私がこの戦いに負けたらまた地下室に閉じ込められる。地下深く、薄暗い部屋にまた私は一人で・・・・・・・・・そんなのはもう嫌だ、だからフランは・・・・・・・・」
フランの目からまたしても涙が落ちる。そしてポケットから1枚のスペルカードを取り出した。
「貴方に勝って自由を手に入れる!!!!!!」
QED「495年の波紋」
フランの前後左右から白い弾幕が爆発するかのような音がして、円形状に広がる。一つ一つ見て躱すものの、次々と弾幕が飛んでくる。
QED・・・・・・・あれって確か証明終了って意味だったような?つまり・・・・・・・・これがラストスペルカードか?
「私は貴方に勝って!!!!!!!!お姉様も倒して自由を手に入れる!!!!!」
「そんな事してもお前ら姉妹には何の得もねぇだろ!!!!!お前もちゃんと姉と向き合って話せよ!!!!」
「そんな事・・・・・・そんな事出来ないからこうして戦うんでしょうが!!!!」
「だったら終わらせてやる!!!!!そして俺が一番の解決方法に手を差し出してやる!!!!俺のラストスペルカードだ!!!!!」
炎武「天かける不死鳥」
フランの弾幕の隙間を潜るように避けて空へと高く飛び、1枚のスペルカードを上空に投げる。そのスペルカードは沈みかけの満月に重なるタイミングと同時に光り輝く。強い閃光が数秒間放たれて出てきたのは、炎を纏った巨大な鳥・・・・・・・・・不死鳥ことフェニックスだ。
『コオオオオオオオオンンンンンン!!!!!!!!!!」
相手を威圧するかのように羽根を広げ、それを羽ばたかせる。一方、さっきのスペルカードを放って泣いていたフランは・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・(き、綺麗・・・・・・・)」
完全に見惚れていた。今まで泣きじゃくんでいたことを忘れて、身体を全く動かす気配もない。
「いけ・・・・・・・」
『コオオオオオオオオンンンンンン!!!!!!!!』
もう一度羽根を羽ばたかせ、不死鳥が雄叫びを上げる。幻想郷中に聴こえそうな叫び声に共鳴するように、不死鳥のの周りに赤い大きな塊が6つ浮かび上がり、後ろには巨大な太陽が現れる。その塊が赤く太陽のように光り、一つ一つの塊から数百発とも言える大量の赤い弾幕がフランに目掛けて放たれる。フランは弾幕に気づいたのは目の前に来た直後だった。
「み、見えない!!!何処!?」
太陽の色とほとんど似ていて、しかも光のように反射している弾幕は普通には見えない。当然、この攻撃を初めて受けるフランにも・・・・・・・・・
そのまま、全ての弾幕がフランに直撃する。そして、フランは地上へと落ちていった。
「フゥ〜・・・・・・・・・疲れた。こいつをこうっと(ボキッ)」
地上に降りて、ピンと張ったままの感じがする自分の神経を摘む振りをして、曲げるような感覚で無理矢理緩める。その瞬間に足から全身にかけて何かの力が抜けていく。
「(・・・・・・そこまで回復力は落ちてないのか。あまり使わなかったのが功を奏したな)」
「お疲れ〜☆あの不死鳥綺麗だったね☆」
「ゆ、遊輝!!!!大丈夫か!?」
「俺は大丈夫だ」
『ガアア・・・・・・・』
『ギャアア・・・・・・』
「お前達もありがとな。さてと、問題は・・・・・・・・・」
そう言って後ろを振り向く。さっきの弾幕を受けたフランが壁に寄り添うような形になって動かない。俺はそのフランに近づく。少し遠くて分からなかったが、近づいてみると目からは涙が溢れていた。
「ハァ・・・・・・・ハァ・・・・・・・」
「・・・・・・・一応、終わりだな。その様子だとスタミナが無さそうだし」
「・・・・そうね。私は・・・・・また・・・・・」
「・・・・・・・よいしょっと」
俺はフランの身体を起こし、顔を胸に当てた。
「!!!!!な、何するの!?」
慌ててフランが顔を上げる。そう言えばこいつもちっちゃかったな・・・・・って、そうじゃなくて、
「泣きたいんだろ?思いっきり泣けよ。泣きたい時は思いっきり泣けば良いんだよ」
「わ、私は・・・・別に泣きたいわけじゃ・・・・」
「良いんだよ。言っただろ、嘘の仮面を外せって」
「私は・・・・・・私は・・・・・・・ヒクッ・・・・」
「ほらっ。お前の姉ちゃんとの話し合いは俺が仲介役をしてやるから、今は思いっきり泣け」
「ヒクッ・・・・・・うう・・・・・・うわわあああああああああんんんんん!!!!!!」
最後の言葉が刺さったのか、その後は何も言わずに俺の胸で泣きじゃくんだ。今まで事を相当我慢していたのか、我を忘れて泣いていた。ちらっと後ろの方を見てみると、レミリアや咲夜達も何かを察したのか無言のまま、顔を下に向けている。そのままフランの泣き声だけが響き渡り続けること数分・・・・・・・・・・
「ヒクッ・・・・・・グスッ・・・・・・」
「ほら、落ち着いたか?」
「・・・・・・・うん」
「よし・・・・・・・・・姉ちゃんとの話し合う覚悟も出来たか?」
「うん・・・・・私、頑張ってくる」
「よし、行ってこい」
覚悟を決めたフランはそのままレミリアの所へとしっかりとした足取りで歩く。一方のレミリアはどうしたらいいのか分からないような困惑した顔をしている。
「・・・・・・・・・フラン」
「お姉様・・・・・私はもうあんな部屋で監禁みたいな生活をしたくない!!もっと外で遊びたい!!だから!!だから!!!私は自由になりたい!!!」
「・・・・・・・・・・・・・・フラン、気持ちは分かる。けど・・・・・」
「お前、まさかまた狂気に囚われたらとかくだらない事を言おうとしてないだろうな?」
「!!!!」
「そんな事言って、本当はこいつから目を背けてきたんだろ?『こいつが怖い、もしかしたら自分は殺されるかもしれない』とか思って会ってなかったんだろ?」
「違う・・・・・・・」
「何が違うんだよ。お前、495年も閉じ込めておいて何一つ姉らしい事をしてねぇんじゃねえか?」
「違う・・・・・・・」
「それともアレか?お前はこいつの事が嫌いなのか?」
「違う!!!!私にとってフランは大事な家族で妹よ!!!」
「じゃあ何でフランの顔を正面から見ないんだよ!!!」
「!!!そ、それは・・・・・・・」
「さっきから咲夜達を見たり下向いたり、一向にフランと真正面から話し合おうとしねぇじゃねぇか!!!!そんな態度取るからこいつが孤独になっていったんだろうが!!!!本当に家族として愛し合うんだったらちゃんと真正面から向き合えよ!!!!」
「・・・・・・・・・・・・フラン」
「お姉様・・・・・・・」
「・・・・・・ごめんなさい」
フランの顔を正面から見たレミリアはフランに対してその一言、その一言を言って頭を深く下げた。
「ごめんなさい・・・・・・ごめんなさい・・・・・・・私、貴方の事が怖くて・・・・・何もしてあげられなかった・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「ごめんなさい・・・・・ごめんなさい・・・・・・・」
「・・・・・・・お姉様。もう良いよ。フラン、こうやって外に出れて嬉しいし」
「・・・・・・・ありがとうフラン。今度からはちゃんと向き合って話し合おう」
「うん・・・・・・」
レミリアがフランを抱きしめてあげた。その時のフランの顔は温かい物に触れた事に喜んだ嬉しそうな顔だった。
「・・・・・・・・・・これで本当に終わりだな」
「そうね♪いや〜、良い刺激になった☆」
「良くねぇわ。こっちは死にそうになったんだからな」
「私も今日一日は疲れたぜ・・・・・・・・・」
「もうすぐ夜明けも近いしな。早く帰って寝ようぜ」
俺たちとフランの戦いは真夜中に行われたもの。こっちからしてみれば物の数分の感覚だけど、空を見てみれば太陽が登りかけていた。
「私は先に帰るぜ」
「おう、じゃあな魔理沙。さて・・・・・・俺たちも帰ろうぜ霊夢」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「?霊夢?お〜い、霊夢?」
「!!な、何!?」
「お前、何ボッとしていたんだ?」
「べ、別に、大したことじゃないから・・・・・・」
「ふ〜ん・・・・・・全部終わったから帰るぞ」
「わ、分かったわ」
ボ〜としていた霊夢を呼んで、俺たちは紅魔館から飛んで神社へと帰宅の途につく。にしてもあいつ、何ボゥ〜としていたんだ?
「(・・・・・・・・私は・・・・・・弱い)」
遊輝「後書き初登場、フランだよ〜」
フラン「フランドール・スカーレットです!フランって呼んでね」
遊輝「いや〜・・・・・・・・作者の野郎、やる気失くしたとかいって1ヶ月近くも活動を休みやがって・・・・・・・」
フラン「なんか色んなしていたんだけど・・・・・・あれ何だったの?」
遊輝「テスト・教習所・ゲーム・カード・・・・・・・・8:2で遊んでいたな・・・・・どこがやる気失くしただ・・・・・」
フラン「ゲーム?カード?」
遊輝「カードはまた今度・・・・・・まぁ簡単に言ったら、サボっていたに等しい事をしていたという」
フラン「じゃあきゅっとしてドカーン☆ってすれば良いんだね?」
遊輝「ダメダメダメ!!!!!!!」
フラン「え〜・・・・・・・・」
遊輝「制裁はまた別で・・・・・・・次回からは紅霧異変終了後の日常生活を3・4話くらいかな?」
フラン「タイトルは【究極のオールラウンダー】。次回もよろしく♪」