遊輝と神様の東方放浪記   作:DICHI

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第十七ノ巻 紅霧異変解決の大宴会

遊輝 side

 

 

「宴会?」

 

「そっ。よく考えたら異変解決の宴会をしてなかったぜ!!だから幻想郷の住民を集めて宴会を開こうぜ!!」

 

「ちょっと待ちなさいよ。何処でやるのよ?」

 

「KO☆KO」

 

「ふざけないでよ!!!何でまた神社で「皆は夜に来るから!!じゃあ私は戻るぜ!!」ちょ、待ちなさい魔理沙!!!」

 

神社の境内を掃除しながら霊夢と魔理沙の会話を耳にしていた。要約すると「今夜宴会するから準備よろしく!!」的な事だ。

 

「別に霊夢だって宴会好きなんだろ?だったら場所の提供くらい良いんじゃねぇのか?」

 

「宴会は好きだよ。でも毎回毎回会場をここにして私が大変なのよ!!宴会までの準備やその後の後片付けを私一人でしなくちゃいけないのよ!!」

 

「今回は俺もいるじゃぇか」

 

「・・・・・・それもそうね。そういえばあの神様は?」

 

「さぁ?今朝から見当たらねぇんだよ。何処ほっつき歩いてるんだが・・・・・・」

 

「とにかく掃除終わったら食材の買い出しお願いね。私は裏の倉庫で必要な物を取ってくるから」

 

「OKOK」

 

そう言って霊夢は裏の倉庫へと回る。俺もあとは廊下の雑巾掛けぐらいだから早く終われるかな?さっさと食材の買い出しに行かないと持って帰るのがしんどいからな・・・・・・・

 

 

〜〜〜少年掃除中〜〜〜

 

 

 

「ふぅ〜・・・・・こんなものか」

 

廊下掃除を終わらせ額の汗を拭う。廊下はピカピカに光っては・・・・・・・いないが綺麗になっている。

 

「さ〜て、今度は買い出しだな」

 

「たっだいま〜〜〜☆」

 

縁側から持っていく荷物を背負って飛ぼうとした時、神様が次元の歪みから現れて帰ってきた。

 

「ただいまじゃねぇよ。何処行ってたんだよ?」

 

「まぁまぁそう言わずに♪それより、約束の物持ってきたよ♪」

 

「約束・・・・・・・?何かあったか?」

 

「忘れたの?幻想郷に来る前に約束してたでしょ?」

 

はて・・・・・・・・・幻想郷に来る前・・・・・・・・あ!!

 

「も、もしかして・・・・・・・」

 

「そう!!今日やっと着いたよ!!ほら!!」

 

次元の歪みが再び開き、そこから大きな発泡スチロールの箱や木の箱などが数個落ちてくる。俺は胸を躍らせながらその中身を開ける。

 

「いやっほうううう!!!!!!!!!宮崎牛の塊だ!!!!サーロイン、Tボーン、ヒレにランプ、いちぼもあるぜ!!!!!こっちは関アジに関サバ!!!淡路島産の鱧に干しアワビ!!!!大間のマグロだ!!!!!」

 

箱を開けたら出るわ出るわ高級食材のオンパレード!!!!!こんな食材一生でも数回扱えるかどうかだからマジ嬉しい!!!!!!!これは宴会で使えって言わんばかりの量だな!!!これだけあればかなりの種類の料理が見込めるぞ!!!

 

「よっしゃ!!食材はあとは野菜だな!!直ぐに行って来てくる!!!」

 

「いってら〜〜☆」

 

 

〜〜(同日 夕方 博麗神社)〜〜

 

 

「・・・・・・・・・・・・(ジュルッ)」

 

「どう?結構な量作ったけど」

 

「み、見たことない料理ばかり・・・・・・お、美味しそう・・・・・(ジュルジュル)」

 

霊夢の目が輝いて涎が垂れている。作ったのは寿司やら唐揚げやらトンカツやらカレーやらとにかく思いついたものをたくさん作っていった。既に料理は神社の横に並べられてスタンバイOK。もちろん、幻想郷の住民が大好きなお酒も大量にある。主に日本酒だけど。

 

「・・・・・・・(ジュル)た、食べてもいい?」

 

「もうちょっと待てよ、誰も来てねぇだろうが。まぁ・・・・・・・先客が来たみたいだけど」

 

「あら、美味しそうな料理ね。一つ摘もうかしら?」

 

先に神社に来たのは紫さん。相変わらず君が悪いスキマから突如として現れた。さらに紫さんの後ろから狐みたいな妖怪らしき者と猫が追いかけて来るようにやってくる。

 

「ダメよ紫!!!これは巫女の私が先に食べるんだから!!」

 

「あら?いつからそんな決め事をきめたのかしら?」

 

「紫様。ここは全員が揃うまで待ちましょう」

「あの・・・・・・・・どちら様?」

 

「貴方が遊輝さんですね。私は紫様の式神である八雲藍(やくも らん)と言います。そして隣が私の式神の橙です。橙、挨拶して」

 

「はい藍しゃま!!私は藍しゃまの式神の橙(ちぇん)です!よろしくお願いします!」

 

「式神?」

 

「式神とは主人の霊術により妖獣などを自分の家臣や家来のようにすることです。私は紫様の式神で」

 

「私は藍しゃまの式神です!!」

 

「へぇ〜〜・・・・・・でも何で式神は式神を持つことが出来るんだ?」

 

「それは私の能力が【式神を操る程度の能力】だからです」

 

なるほどね。それなら橙を式神にすることができるね。にしてもこの人、しっかりしてそうだな。式神の親があんな性格とはとても思えない。

 

「そうそう遊輝。ちょっとこっちに来てくれるかしら?」

 

「?何すか?」

 

「とにかく来てちょうだい。藍、貴方は来なくていいから。彼と二人で話したいから」

 

「分かりました」

 

紫さんに手招きされて神社の裏側へと回る。

 

「して、話って何すか?」

 

「別に大した事ではないわよ。ただ、お礼が言いたいだけだから」

 

「お礼?」

 

「ええ、霊夢の件でお礼がしたくて。ありがとうね、あの子がちょっとでも修行をしてくれるようにしてくれて」

 

「なんだ、そんな事ですか。別に大した事してませんよ」

 

「それでも貴方のお陰であの子自身も少しは変わったわ。今回の異変では良い分岐点になってくれたみたいらしいし」

 

あの夜の後、霊夢は少しだけだが修行をやり始めた。相変わらず「努力は報わない」とか言ってるが、それでも週に1日ぐらいは修行をして自分自身の実力を上げている。流石天性の才能を持っているだけあって、成長のスピードは凄く早い。これなら本当に究極のオールラウンダーを目指せるんじゃないかな?

 

「何にしてもあの子が修行をしてくれるお陰でこっちの荷も少し降りるわ」

 

「降りるも何も紫さん異変の時何もしないじゃないですか」

 

「そんな事したら霊夢の為にならないでしょ?あの子は博麗の巫女、本当ならどんな異変でも1人で解決しなければいけない。博麗の巫女は幻想郷にとって重要な人物なのよ」

 

「どうかな〜〜。外来人の俺から見れば、潰れかけの神社に取り残された貧乏神に取り憑かれて変なコスプレをした脇巫女何だけど」

 

「ふふふ・・・・・・貴方と霊夢は仲が良いみたいね」

 

「それは嫌だな。貧乏神に取り憑かれている奴と仲が良かったらこっちも貧乏になってしまう」

 

「その割には1ヶ月近くもこの神社に住んでいるじゃない」

 

「俺にとって幻想郷での居場所はここしかないんでね」

 

「ふふふ・・・・・さて、戻りましょう。そろそろ皆来る頃だわ」

「そうですね」

 

紫さんと共に神社の裏側から宴会の会場となる神社の前に行く。霊夢は俺がいなくなったと隙を見て既に皿にてんこ盛りに盛られた料理の山が・・・・・・・

 

「美味しい!!!どれもこれも美味しい!!!!あんた料理の才能があるなら先に言ってよね!!」

 

「言ったらお前にこき使われるだけだろうが。て言うか何先に食ってんだよ、誰も来てねぇだろうが」

 

「こんな美味しい料理逃したら一生食べれないわ!!」

 

「食べ過ぎたら太るぞ」

「あやや、先客がいましたか」

 

「着いたぜアリス!!」

 

「大ちゃん!!早く早く!!」

 

「ま、待ってチルノちゃん!!」

 

「宴会なのだ〜」

 

空から飛んできた射命丸に魔理沙・アリス、さらには妖精組のチルノと大妖精、ルーミアもやってきた。

 

「お久しぶりです遊輝さん、今回は貴方も【紅霧異変】の異変解決に参加したそうですね」

 

「紅霧異変?」

 

「紅魔館の人達が起こした空が赤い霧で覆われた異変の事ですよ。あれは【紅霧異変】って呼ばれているのです」

 

「へぇ〜」

 

「というわけで早速取材の方を」

 

「却下。俺は霊夢の手伝いをしただけ、異変を解決したのは霊夢だから霊夢に取材しろ」

 

「それは残念ですね。いずれは貴方の特集も組みたいと思っていますのに、これまで一度も取材許可を頂けないなんて貴方が初めてですよ」

 

「なんなら私でも良いぜ!!」

 

「魔理沙さんに聞いても正しい情報が得られないので止めておきます。異変解決の情報はやはり博麗神社の関係者に聞くのが一番です」

 

「どういうことだぜ文!!!」

 

そう言って射命丸は霊夢の方へと行った。魔理沙は地団駄を踏み悔しがる。

 

「大ちゃんこれ美味しいよ!!!」

 

「チルノちゃん、まだ集まっても無いのに食べたらダメだよ」

 

「おいおいチルノ、お前今回の異変に関係無いんだろ?」

 

その霊夢のいるところには同じく宴会用の料理を既に食べているチルノとそれを止めようとしている大妖精がいた。呆れかえって俺はチルノを止めようと言葉を投げた。

「あっ、お前!!!今度こそアタイが勝つ!!勝負!!!」

 

「ち、チルノちゃん!!!宴会で弾幕ごっこはやめようよ!!!」

 

「折角の宴会なんだからそんな物騒な事しないで楽しもうぜ。弾幕ごっこは神社に来てくればいつでも相手してやるぜ」

 

「言ったな!!アタイから逃げるなよ!!」

 

相変わらず気が強い事。それでいて弱いからね。大妖精が戦っているとこ見たことがないけど、もしかして大妖精の方がつよいんじゃね?大妖精自身、あんまり戦おうという仕草が全く見られないから区別のつきようがないけど。

 

「お姉様!こっちだよ〜〜!!」

 

「慌てなくても良いわよフラン、魔理沙が私達は最後でも大丈夫って言ってたでしょ」

 

「お嬢様もなんだかんだ言って楽しみにして「早く宴会が始まらないかな?」とか言ってソワソワしていたではありませんか」

 

「さ、咲夜!!」

 

「レミィも楽しみにしていたんじゃない」

紅魔館組・・・・・・・パチュリーに小悪魔、咲夜さんにレミリア、そしてフランも神社に来た。・・・・・・あれ美鈴がいない?

 

「お久しぶりね遊輝。あの時以来ね」

 

「久しぶり、レミリア。あれからフランは?」

 

「心配しなくても大丈夫よ。ちゃんと普段通りの生活をしているわ。狂気に囚われる事はもうなくなったわ」

 

「そうか・・・・・・・本当に良かったな。ところで美鈴は?」

 

「中国なら門番の仕事をサボった罰で紅魔館でお留守番を頼んでます」

 

「?サボった?あいつ何したんだ?」

 

「私が見回りをしていたら昼寝をしていたので、説教をして罰を与えました」

 

・・・・・・・・あいつ、普段から寝ているのか?もしかして異変の時も本当に寝ていたんじゃねえのか?

 

「ところで霊夢は何処にいるのかしら?色々とお話をしたいのだけど」

 

「霊夢ならそこで料理を 「お兄様!!!!!!!」ゴウフ!!!!!」

 

「い、妹様!?」

 

レミリアに霊夢の居場所を教えようとしたら、フランが俺にめがけて突進をしてきた。突然のことで耐えられずまともに食らってしまい少し飛ばされてしまった。

 

「い、いてててて・・・・・」

 

「お兄様大丈夫?」

 

「な、何とか・・・・・・フラン、俺に抱きつく時はもうちょっと優しくして」

 

「何で?」

 

「怪我するから・・・・・・」

 

「分かったお兄様!!」

 

「・・・・・・あと、何で俺の事お兄様っていうの?」

 

「だって会って間もないフランの事を理解してくれたんだもん!!私から見たらお兄様的な存在なのよ!!」

 

「いや、でも「遊輝〜〜〜!!!そろそろ乾杯の音頭頼むぜ!!」はぁ!?俺!?」

 

「いつもは私か霊夢が乾杯の音頭をとってるけど偶には違う人がやってもいいんじゃないか?遊輝は博麗神社の関係者だし」

 

「遊輝さん遊輝さん!期待してますよ!」

 

乾杯の音頭って言われても・・・・・・・何喋ったら良いんだよ?魔理沙から盃を渡されて文にお酒を入れられて皆の前に立たされる。なんか抱きつかれていたフランも巻き添えみたいな感じで前に立たされるし・・・・・・

 

「えっと・・・・・・・とりあえず、この前起きた紅霧異変・・・・・だっけ?は霊夢のおかげで見事に解決されました」

 

「えぇ、お兄様が解決したのじゃないの?」

 

「異変の首謀者は霊夢が倒したの」

 

「でも本当の意味での解決は遊輝のおかげだぜ」

 

「言わんでいい魔理沙!!!えぇ・・・・・・・とにかく今日は皆さんパァ〜〜と呑んでパァ〜〜と食べて派手に夜を過ごしましょう!!!乾杯!!!!」

 

「「「「「乾杯!!!!!!」」」」

 

そう言って盃に盛られた日本酒を飲む。今回は前回のことを反省してチビチビと飲もう・・・・・・・幻想郷に来てお酒を美味しく飲めるってのもいいな。

 

(*注意・・・・・・遊輝の年齢は13歳ですが、お酒は20歳からです!!良い子の皆はお酒を未成年の時から呑んではダメよ!!!)

 

皆、呑んでは食ってまた呑むという・・・・・・・もうほんと、どんちゃん騒ぎもいいところ。派手に酒を呑んで色んな芸をしたり談笑をしたりとやりたい放題にやっている。なんかこう・・・・・・・・凄く良いな。

 

「えっと・・・・・・まずはレミリアかな?あいつどこだ?」

 

あの時の事を思い出して最初にレミリアの所へと行こうとしてレミリアの場所を探す。

 

「えっと・・・・・いたいた」

 

木の陰で椅子に座っているレミリアを見つけそっちの方へと行く。隣には咲夜さんがワインボトルを持って立っている。

 

「あら、ちょうど良かったわ。一緒にこのワインを飲みましょう。咲夜」

 

「かしこまりました」

 

咲夜さんからワイングラスを貰って、そのままワインを注がれる。ふむ・・・・・赤ワインか。吸血鬼だけあって、赤ワインの方が好きなのかな?注がれたワインを俺は軽く揺すって一口飲む。口の中で赤ワイン特有のブドウの香りが広がっていき、それなのに口当たりが優しい。

 

「へぇ〜・・・・・この赤ワイン凄く優しい味わいだね。結構貴重なんじゃないの?」

 

「あら、貴方ワインに詳しいのね」

 

「いやいや、ワインを飲んだのはこれが初めて。外の世界だと俺はまだ飲めない年齢だから」

 

「あらそう、それは残念ね」

 

「ところで異変の時の話の続きなんだけど・・・・・・・」

 

「そうね。貴方の能力で何とかなるかもしれないって。どういうことかしら?」

 

「簡単に言ったらレミリアの神経の一部を人間の神経に変えるんだよ」

 

「神経を変える?そんな事が出来るのですか?」

 

「出来るから言ってんだよ咲夜さん。詳しい話をするとだね・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・へぇ、貴方の能力って凄いわね」

 

「ただし神経を変えたって言ってもあくまで一部だけだからな。太陽に当たれるのはせいぜい・・・・・・2時間が限界だ」

 

「十分よ。それじゃ早速お願いしようかしら」

 

「お兄様!!何してるの!?」

 

隣にフランがこっちに来てまた飛び込もうとしてきた。今度は分かっていたのでしっかりと構えてフランを受け止める。

 

「あぁフラン、ちょうど良かった。ついでだからフランもやってやろうと思っていたから」

 

「やる?お兄様何をやるの?」

 

「えっとな・・・・・・・・・」

 

 

〜〜少年説明中〜〜

 

 

「凄い凄い!!!それって私も太陽が昇っている時間でも外であそべるのでしょ!?私にもやって!!!」

 

「もちろんだって。二人とも、そこから動くなよ。咲夜さんは念のために俺の後ろにいて」

 

「分かりました、遊輝さん」

 

咲夜さんが俺の後ろにいる事を確認して俺は二人の目の前で指を操る動作をする。集中して二人の生命を司る神経を探し、変えても大丈夫そうな所を探す。

 

「(こいつはダメ・・・・・こっちもダメ・・・・・こいつだな)」

 

ギュッ!!ピキーン・・・・・

 

「うっ・・・・・・」

 

「い、痛い・・・・・・」

 

「一応終わったがとりあえず5分くらいは安静にしておいて。神経がちゃんと接合するのに少し時間がかかるから」

 

「分かったわ。ありがとね、フランの事からこんな事まで」

 

「気にしなくていいさ」

 

「でもこのままにしておくのも悪いわね・・・・・・今度、紅魔館にいらっしゃい。一緒にお茶をしましょう」

 

「それはどうも。じゃあ俺はあっちに行くから」

 

「またねお兄様!!」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「ふぅ〜〜・・・・・・」

 

宴会が始まって30分くらい経った・・・・・・・

少し酔ってきたので少し森に入って風に当たって酔い止めをしている。

 

『パパ、あっちに行っていい?』

 

『行っていい?』

 

「あぁいいぞ。その代わり神社から出るなよ」

 

『『分かった』』

 

ブラックとホワイトも影に隠れていたけど、宴会の楽しい雰囲気には耐えられないようでそのまま宴会の方へと行った。うん?何で最初から出さなかったって?そりゃ・・・・・・・

 

「何この可愛い人形!?」

 

「誰の!?誰の物でも無いなら私が欲しい!!」

 

「ダメよ!!!この人形は私のもの!!!!」

 

・・・・・・・こうなるからだ。俺はもう知らないけど。

「な〜にしてるの♪」

 

不意に神様がヒョコッと木の裏側から顔を出してこっちに歩いてきた。

 

「ちょっと酔いつぶれたから風に当たってるんだよ」

 

「へぇ〜、最初来た時は一升瓶呑んでヘロヘロで倒れたのに」

 

「あれは一升瓶を無理矢理一気飲みされたからだ。今はチビチビと呑んでるわ」

 

「それでも酒に弱い事にはかわりないね☆でさ・・・・・・・どうこの世界?」

 

「・・・・・・・良いよ。最初は本当に何もない本当に唯の田舎町かなと思ってたけど、こんなにも沢山の人や妖怪、妖精が仲良く過ごせるなんて・・・・・夢にも思わないな」

 

「幻想郷は全てを受け入れる・・・・・・・紫さんはこんな世界を目指して来たんだよ♪」

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

紫さんも紫さんで苦労したんだろうな。妖怪と人間は元々は対立関係。妖怪は人間を襲い、人間はそれに怯えて生活をしてきて、やがて文明が発達して妖怪という存在が薄れていった。その中でもこの幻想郷は時間がゆっくりと進んで、妖怪と人間、妖精の共存を目指して今でも発展していっている。

 

「ところで〜〜」

 

なんかニヤニヤしている神様の手元には俺には見慣れた物が・・・・・・・

 

「・・・・・・・・・・・何これ?」

 

「イヤだな〜〜〜、エレキギターに決まってるじゃん☆」

 

「・・・・・・どうしろと?」

 

「またまた〜〜〜分かってるでしょ?何か弾いて♪」

 

「・・・・・・ここで?」

 

「そうだよ♪」

 

「いやちょっと待て。アンプねぇし、第一、電源が」

 

「大丈夫♪このアンプに繋いだらちゃんと出るから。ほらほら」

 

♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜♪♪♪♪

 

何処からか取り出したアンプにギターのコードを繋ぎ弾き始める神様。チューニングも無しにアンプから鳴り響くエレキギターの音が重低音の重いロック系ではなくどちらかというと軽い感じでのりやすい音色だった。

 

「ねっ?だから弾いてよ〜〜。一回君のギター聴いてみたかったから。ついでだから歌って♪」

 

「・・・・・まぁいいか。ちょっと待ってろ。チューニングする」

 

ポケットに入れてあるスマートフォンを取り出し、ギターのチューニング用のアプリを起動してギターのチューニングを始める。音が合うように少しずつペグを回して弦を張る。

 

「・・・・・・・これでいいか。何かリクエストある?」

 

「う〜ん・・・・・・・BUMP OF CHICKENの天体観測☆あれ好きなんだよね♪」

 

「・・・・・・コード覚えていたかな?確か・・・・・・・」

 

♪♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜♪♪♪♪

 

もう数ヶ月前に弾いた曲のコードを巡らせ、さらにギターで適当に弦を弾いていたら、それっぽいメロディーが出てきて、コードを思い出しそのまま弾き始める。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

♪♪♪♪♪♪♪♪〜〜♪♪♪

 

「・・・・・・こんな感じ?」

 

・・・・・・パチパチ

 

「うん?」

 

「凄い凄い!!!お兄様上手!!」

 

「遊輝!!お前歌歌うの上手いな!!」

 

「聞いていて感慨深い物があったわ」

 

後ろ振り向いたら何か皆こっちの方を向いて拍手していた・・・・・・・・・もしかして聴こえてた?

 

「遊輝さんはこんな才能もあるのですね!!これはネタにしなくちゃ!!」

 

「なかなか綺麗な歌声ね。貴方、歌手活動でもしてるの?」

 

「いや、ちょっと、こっちの質問を・・・・・・・何で皆ここにいるの?」

 

「ブラックとホワイトが逃げるから皆付いてきたのよ。そうしたら何か音色が鳴っているから何事かと思って近づいたらあんたが歌っていたわけ」

 

そして霊夢は「はいこれ」みたいな感じでブラックとホワイトをこっちに渡してきた。二人とも、目が回って気を失っている。・・・・・・・・・何があったんだ?

 

「ねぇお兄様!!せっかくだからもう一曲歌って!!」

 

「えぇ・・・・・・・でもな・・・・・・」

 

「良いじゃねぇか遊輝!!!ここは景気付けに盛り上がる曲を頼むぜ!!」

 

「簡単に言ってくれるけど・・・・・・盛り上がる曲を弾きながら歌うって難しいんだぞ・・・・・・」

「僕歌う☆」

 

・・・・・・えぇ、何となくそんな気がしてましたよコンチクショウ。こいつ絶対これを狙ってただろう。

 

「それじゃ皆☆盛り上がっていこう!!」

 

「「「「イエエエェェェ!!!!!!!」」」」

 

「遊輝♪ORANGE RANGEのイケナイ太陽♪」

 

「また無茶難題・・・・・・・・行くぞ」

 

♪♪♪♪♪〜〜〜♪♪♪♪〜〜♪♪♪♪〜〜♪♪♪♪

 

 

 

 

 

こうして、幻想郷の夜は更けていく・・・・・・・・




遊輝「おえ・・・・・・飲みすぎた・・・・・・」

霊夢「ほんっとお酒に弱いわね。生きていけないわよ」

遊輝「(何で幻想郷の奴らは子供でもあんなに酒に強いんだ?)」

霊夢「それにしてもあんたがあんな特技があるとは思わなかった」

遊輝「特技というか・・・・・無理矢理というか・・・・・・」

霊夢「腹が立ったのはあのバカ神の歌が上手かった事。地味に腹が立つわ」

遊輝「あいつ本当に暇人じゃね?何で何もかもが上手にやれるんだ?」

霊夢「次は2回目のデュエル講義みたいね。今度はレミリア達も一緒に私たちがデッキを借りてデュエルするわ」

遊輝「【幻想郷デュエル講義。皆でデュエル!!】次回もよろしくね」
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