遊輝と神様の東方放浪記   作:DICHI

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第十九ノ巻 紅魔館でのお茶会

遊輝 side

 

 

「空を飛ぶって気持ちいいな〜〜」

 

現在人里の上空を飛んでいる俺、遊輝です。あっ、空を飛んでるって言っても人間やめてないからね、寧ろ人間でも空を飛ぶのが当たり前みたいだから。

 

《※・・・・遊輝の常識が狂っているだけです》

 

今なんか誰かに馬鹿にされた気がするけど・・・・・・・まあいいいか。

今日はレミリアにお茶会をしようとお呼ばれされたので、紅魔館に向かってこうして飛んでいるって訳。霊夢も呼ばれたけど、「私はちょっと用事があるから今日は無理」とか言って来なかった。神様?まず呼ばれてすらないので論外。

 

「えぇと・・・・・たしかこの森にある湖から北西の方向に「遊輝!!今日こそアタイが最強だってことを証明してやる!!」・・・・・はぁ」

 

湖の上を通ろうとしたところで右から大声で俺を呼ぶ叫び声のような声が響くので呆れてそっちの方に向く。案の定、闘争心剥き出しのチルノとその後ろに大妖精がいた。

 

「覚悟しろ遊輝!!!」

 

「ち、チルノちゃん。大丈夫?」

 

「平気平気!!!さぁ覚悟「じゃあね〜〜」あ、に、逃げるな!!!」

 

あんまりチルノと関わっている時間もないので適当に素通りして紅魔館に行く「逃がさない!!凍符「パーフェクトフリーズ」!!」・・・・・・事は出来なかった。

 

「ハァ・・・・・・・サン・フレア」

 

あんまりにもしつこいので、適当に太陽を数十個作りチルノの方に目掛けて放った。

 

「えっ!?ちょっ!?」

 

「やあああ!!!!熱い熱い熱い!!!!!」

 

「じゃあね〜〜」

 

必死に避けるチルノとその流れ弾に当たってしまっている大妖精を背に俺は紅魔館へと向かう。何でも妖精は自然が無くならない限り死なないとか。不死身の身体ってこういう時便利だね。

 

 

〜〜〜少年移動中〜〜〜

 

 

「着いた着いた。よっ」

 

紅魔館が目の前に出てきたので門のあるところで着地して門番している美鈴に話しかけようとした・・・・・・・・うん、しようとしたんだ。

 

「・・・・・・・zzzzzz」

 

「・・・・・本気で寝てやがる」

 

目の前で着地したっていうのに、美鈴はグゥスカ寝てやがる。これが咲夜の言っていたサボりか・・・・・こいつ、本当にあの異変の時起きていたのだろうか?いや、それだったらあの攻撃受けていたし・・・・・・・

 

「・・・考えてもしゃあないか。とりあえず美鈴、起きてくれ」

 

「・・・・・zzzz」

 

「美鈴、美鈴さ〜ん・・・・・」

 

「・・・・・・・・・zzzzzz」

 

「・・・・・・・・あっ、咲夜さん、こんにちは」

 

「えっ!?わ、わわわ!?!?!?ち、違いますよ咲夜さん!!!わ、私は寝てなんか!?」

 

「いないって・・・・・・・」

 

「えっ・・・・・・な、何だ遊輝さんですか〜。驚かないでくださいよ」

 

咲夜さんがいないことにホッと胸をなでおろす美鈴。

 

「そんなに咲夜さんに見られたらマズイのか?」

 

「マズイですよ!!咲夜さんに見つかってしまったら説教どころの騒ぎじゃなくなってしまいますよ!!」

 

「へぇ〜・・・・・・で、さっきは寝ていたのか?」

 

「えぇ・・・・・門番の仕事は退屈でして、こうやって陽気な太陽にポカポカと当たっていると眠たくなるんですよ。だからついつい・・・・・」

 

「へぇ〜・・・・ですって咲夜さん」

 

「えっ?」

 

美鈴が後ろを振り向く。そこにはナイフを数本構えたドス黒い雰囲気を醸し出しながら笑顔でいる咲夜さんが立っていた。

 

「・・・・・中国?貴方いつもそんな態度で門番を勤めているのですか?」

 

「い、いえいえいえいえいえ咲夜さん!!!!!!!わ、私はそんな不謹慎な態度を!!!!!」

 

「貴方・・・・・つい先日も同じような事を言ってなかったかしら?」

 

「(・・・・・・これ時間かかりそうかな?)咲夜さん、俺レミリアに呼ばれたんだけど・・・・」

 

「・・・・そうね、お嬢様を待たせるのは良くないわ。では遊輝さん、行きましょう」

 

「た、助k「中国!!後で説教よ!!」あ、アハハハハ・・・・・・・」

 

「では遊輝さん、行きましょう」

 

「は〜い(悪い美鈴、今の咲夜さんには勝てんわ)」

 

 

〜〜少年移動中〜〜

 

 

「失礼しますお嬢様。遊輝さんがいらっしゃいました」

 

「いいわよ。入ってちょうだい」

 

扉の奥からレミリアの声が聞こえて、その返事を聞いた咲夜さんが扉を開ける。

 

「どうぞ」

 

「サンキュー咲夜さん」

 

「ようこそ、紅魔「お兄様ーー!!!!!!!!」フラン!!!」

 

ドコーーーーン!!!!!

 

「お兄様!!!大丈夫!?」

 

「・・・・・・大丈夫って聞くなら飛びつきながら抱きつくのをやめて欲しいな」

 

扉を潜った瞬間にフランがまた俺の胸に飛び込んできて、それを中途半端に受け止めてしまった俺はそのまま壁に飛ばされてしまった。

 

「ゆ、遊輝さん!?大丈夫ですか!?」

 

「あ、ああ何とか・・・・・・」

 

「フラン!あんな危ないことはしないでちょうだい!!」

 

「だって〜、お兄様とこうして話し合う機会ってこれが初めてなんだもん!フラン嬉しいんだよ!」

 

そう言えば前回紅魔館に来たのは異変解決で、それ以降は来てなかったな・・・・・・基本、博麗神社で一日を過ごしてしまってるし・・・・・

 

「それで霊夢は?一緒に呼んだけど見当たらないわね」

 

「なんか今日は用事があるらしくて来れないんだって」

 

「それは残念ね。仕方ない、咲夜、お茶の準備をして」

「はいお嬢様」

 

パチン!

 

「どうぞ」

 

咲夜さんが右手で指をパチン!と鳴らすとあら不思議。俺とレミリアの間に円形の机と3人分の椅子、そしてティーセットが置いてあった。

へぇ〜・・・・・時間止めるのってこんな使い方あるんだ。あいつ使うのって大体影に何かする時だけだもんな。

 

「遊輝さんはこちらへ。今お茶を入れますので」

 

「どうも」

 

咲夜さんに指定された席に座り、横から紅茶の入ったティーカップを渡された。それを二・三回回して一口飲む。

 

「・・・・うん、美味しいね」

 

「当然よ。咲夜の入れた紅茶は絶対に美味しいのだから」

 

「ありがとうございます。こちらにお菓子も用意してあります」

 

「ありがとう」

 

『パパ!!』

 

『僕たちも!!』

 

「はいはい、咲夜さん、すまないけどお茶を二つ入れてくれない?」

 

「分かりました」

 

「遊輝、その人形みたいなものは?」

 

「ブラックとホワイト・・・・・・フランと戦った時に出したあの龍だよ」

 

「えっ?でもお兄様と戦った時の龍にしてはかなり小さい」

 

「こいつらはまだ精霊の赤ちゃんなんだよ。しかも双子」

 

「精霊?妖精と一緒なのかしら?」

 

「まぁそんなところかな。あれは普段戦う時であって、普段はこの姿で生活しているんだよ」

 

『よろしく♪』 『フランちゃん♪』

 

「よろしくねブラック、ホワイト」

 

咲夜さんにティーカップに入れてもらったお茶を二人は貰って、テーブルの上に置いて顔を付けるように飲む。

 

「こらこら、行儀が悪い。こうやって持って飲むんだよ」

 

「貴方、この子達の親なの?」

 

「一応ね。こら!ケーキの取り合いをするな!」

 

「フフフ・・・・・随分仲が良い双子ね」

 

「それなりにね・・・・・・そうそう咲夜さん」

 

「はい、何でしょうか?」

 

「あの時の約束、今聞かせてもらってもいいかな?」

 

「約束?お兄様、咲夜と何て約束したの?」

 

「何でここで働き始めたか・・・・・という昔話の掴みの話を異変の時に聞いてね。レミリアが霊夢と弾幕ごっこしてる時に聞いたんだよ」

 

「あら、私が博麗の巫女と幻想郷を掛けた戦いをしている時に二人で何世間話をしていたのよ」

 

「すみませんお嬢様・・・・・つい口が滑ってしまいまして」

 

「まぁいいわ。咲夜、あの時の事を話しても良いわよ」

 

「フランも聴きたい!!」

 

「分かりました」

 

コホンと軽く整えて、咲夜さんが昔話のように語り始めた。

 

遊輝 side out

 

 

咲夜 side

 

 

「あれは数年前のこと、まだ紅魔館が幻想郷ではなく外の世界にあった頃・・・・・・・・・・当時、私は『咲夜』という名の元、ヴァンパイアハンターとして駆け回っていたわ」

 

「ヴァンパイアハンター?」

 

「手短に言うと吸血鬼を倒す事を目的とした人達の事よ。自慢じゃないけど私はかなりの腕だったわ。主にこの能力のお陰でね。でも・・・・・・・・この能力のお陰で私は同僚からも嫌われていた。多人数で行動する時もあったけど、私と共に行動する仲間なんて誰一人もいなかったわ。そんな時・・・・・・・・」

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「・・・・・・・ここが今回の目的地ね」

 

スカートの裾を捲り、太もも辺りに付けた簡易性のナイフ用収納袋から銀製のナイフを2・3本取り出し、目的の建物を見つめる。

私の今回の仕事の内容は、この紅い館にいる吸血鬼を殺す事。情報によるとここに住んでいる吸血鬼はかなり強く、今まで多くのヴァンパイアハンターが挑んだが、誰一人生きて帰った試しがない。この辺りの同業者だと嫌がる内容だが私は快く引き受けた。

 

「(どうせ、私が死んでもだれも悲しまない・・・・・・)」

 

私には時間を止めるという能力がある。いつこの能力が私に宿ったのか、また誰が私に宿らせたのか全く分からない。だが、この能力のお陰で私は数々の難解な内容をこなしてきた。今回の依頼も直ぐに終わるだろう。

 

「(まずはあの門番ね)」

 

木の陰に隠れて前にいる門番を見つめる。無敵と言っても良い吸血鬼が雇っている門番だ。それなりの実力があるんだろう。幸いにも敵は一人、私の能力から考えればこちらが有利に戦いを進めそうだ。ここは正面突破していこうかしら・・・・・・・

 

「ハッ!」

 

私は門番に目掛けてナイフを一本飛ばす。門番は私の攻撃に気づいてそのナイフを蹴り落とす。だけど遅い!

 

「ハッ!ハッ!」

 

能力を使って移動した私はすぐさま相手の後ろに回りナイフをさらに2本飛ばす。

 

「!!ホッ!」

 

相手はそれに気付き、ジャンプして交わす。そして空中で一回転して私と対峙する。

 

「誰ですか貴方は?」

 

「通りすがりのヴァンパイアハンターよ。貴方に名乗るほどの名ではないわ」

「やれやれ・・・・・またヴァンパイアハンターですか。毎回毎回ご苦労ですね」

 

「労いの言葉を掛けている場合かしら?」

 

「なっ!?」

 

能力を使って再び門番の後ろに回り背中から心臓に向けてブスッと刺す。しかし、少しだけ反応が相手の反応が早く横に避けられてしまう。それでも右腕をえぐることは出来た。攻撃された相手は右腕を持って苦痛の表情を浮かべる。

 

「ぐっ・・・・・・」

 

「心臓はダメでも右腕の傷は深いようね」

 

「確かにね・・・・・・貴方、手品が出来るのかしら?あの一瞬で瞬間移動を行うなんて只者ではないわね」

 

「確かに手品は得意ね。でも、今のは手品でも何でもないわよ」

 

「そう・・・・・それを見抜けなかった私の負けね。でも、貴方ほどの実力者でもお嬢様には勝てないわ」

 

「言ってくれるわね・・・・・・じゃあ中に入らせてもらうわよ」

 

門番の横を通り、私は紅い館に続く門を開き、中へと侵入する。

 

「(あの人は・・・・・・・・運命を破るのかしら?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(・・・・・・・・何もないわね)」

 

紅い屋敷に入って、目の前の階段を登り一つ一つ部屋を見ていったが敵は愚か、罠すらもない。あの門番ぐらいしか見張りを付けていないようで、中は閑散としている。今まで、誰一人として成功していない仕事だから中は罠が多かったり敵が多いのかと予測していたが期待外れだった。

 

「(・・・・・・・つまり今までの同業者はあの門番、もしくは吸血鬼に殺られたということかしら?吸血鬼はともかく、あの門番はさほど強くない・・・・・・まさか、手を抜いた?何のために・・・・・・・)」

 

色々と頭の中で考えるが何一つ答えらしい物は見つからない。そして、この屋敷の一番奥の扉を見つけその前に立つ。

「(恐らくこの扉の奥ね・・・・・・・・)スゥ〜ハァ〜〜・・・・・よし」

 

考えても仕方ない。一度大きく深呼吸をして覚悟を決める。扉を開け部屋へと入る。その部屋には大きな階段があり、その一番上にある大きな椅子に私の今回の獲物、レミリア・スカーレットが座っていた。

 

「いらっしゃい、よく来たわね」

 

「ハッ!」

 

私はレミリアの話を聞かずに既に持っていたナイフを数本投げる。レミリアは分かっていたように自身の翼で私のナイフを弾く。

 

「人の話は黙って聞くものじゃないかしら?ヴァンパイアハンターさん」

 

「貴方は人ではないでしょう。それに私は貴方と話す時間なんてないわ」

 

「ハァ・・・・・今度はかなりせっかちなヴァンパイアハンターね。今まで来たヴァンパイアハンターなら私の吸血鬼としての話を少なからず聴いてくれたのにね」

 

「もう終わりかしら?時間も惜しいからさっさと始めるわよ」

 

「良いわ・・・・・・掛かって来なさい」

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜数時間後〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・ゴホッ!」

 

口から多量の血を出してしまう。意識が朦朧とし始めて俯せの状態から起き上がることが出来ない。

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・・わ、私が・・・・負けた?」

 

「そうよ。今までのヴァンパイアハンターと違ってかなりの実力者だったのは認めてあげるわ。でも貴方は私に勝てないわよ」

 

完敗だった・・・・・・私の能力を使ってもまるで全てを見据えているように攻撃を避けられて相手の光景をモロに受け続けてしまった。

 

「フフフ・・・・・何で私に能力が通じなかったのか・・・・そんな事を考えているのかしら?」

 

「ハァ・・・・ハァ・・・」

 

「それは私の能力によって運命を決めたからよ」

 

「ハァ・・・うん・・・・・めい?」

 

「そう、私は運命を操る事が出来るのよ。貴方が能力を使う事は運命で見えていたわ。だから私はその運命を見て貴方の攻撃を全て交わしたの。貴方は私には叶わないわ」

 

レミリアは大きく翼を広げて私に高らかに言い放つ。まるで自分の貫禄を見せ付けるかのように・・・・・・・・・

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・そう・・・ね、私の負けね・・・・・早く・・・殺しなさい・・・・」

 

「あら、命乞いをしないの?今までのヴァンパイアハンターは散々命乞いをしてきたのに」

 

「ハァ・・・・どうせ命乞いしても無駄だから・・・・吸血鬼に負けたら死ぬ・・・・・私なりのヴァンパイアハンターとしてのプライドよ」

 

「フフフ・・・・・貴方面白いわね」

 

「ハァ・・・ハァ・・・・さっさと・・・・殺し・・・・・なさい・・・・・」

 

その言葉を最後に私は意識を手放してしまった。

 

「・・・・・・・・・・殺るなら最初から殺ってるわ」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「・・・・・・・う、うう・・・・ここは?」

 

重い瞼を開けるとあの紅い屋敷の天井が見えた。私は・・・・・・・生きている?何故?

 

「あら、起きたのね。貴方1日中寝ていたわよ」

 

隣には紫のネグリジェのような物を着た私より少し小さな女性がロッキングチェアに腰を掛けて本を読んでいた。

 

「あ、貴方は?」

 

「私はパチュリー・ノーレッジ、レミィの友達でこの屋敷に住まわして貰ってるの。貴方の治療も私がしたわ。暫く横になっていれば治るわ」

 

「・・・・・・・・・・・・そう。ありがとう」

 

一言お礼を言って私は上半身を身体から起こそうとするけど、金縛りみたいなものに掛かっているのか身体を起こす事が出来ない。

「ごめんなさいね。貴方に魔法を掛けているの、怪我が治るまでベットの上で過ごしてもらうわ。自決もしないようにしているわ」

 

「・・・・・・・何故私を助けたの?」

 

「レミィは貴方に興味があるみたい。聞いた話だと貴方をここのメイドとして働かせるつもりよ」

 

「・・・・・・冗談もいい加減にして。私はヴァンパイアハンターよ。何で吸血鬼の下で働く訳?いつでもあの吸血鬼を殺せるような状況じゃない」

 

「さあね?詳しい事はレミィに聞いてちょうだい。もうすぐ来るはずだから」

 

「パチェ、あのヴァンパイアハンターの意識は回復した?」

 

「したわよ」

 

扉が開いて先ほどまで私と戦った吸血鬼、レミリアが部屋の中に入ってきた。

 

「ところで何で私に治療させた訳?この子の怪我の原因は貴方でしょう?」

 

「貴方の方がこういう知識はあるでしょ?」

 

「おかげで良い迷惑よ。私は退席するからね」

 

本をパタンと閉じて、ロッキングチェアーから立ち部屋を出る。代わりにあの吸血鬼がロッキングチェアに座る。

 

「気分はどうかしら?」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「だんまり?面白くないわね。せめて一言ぐらい返事の言葉を言ってはどうかしら?」

 

「・・・・・何故私をメイドとして雇うの?」

 

「パチェから聞いたのね。一つはこの屋敷の手入れをしてくれる人が居なくてね。一応妖精メイドを雇ってはいるけれどもあんまり役に立たないことが多いから、人間を一人雇おうかなと思っていたからよ。もう一つは至極単純、私が貴方に興味を持ったからよ」

 

「興味・・・・・・・?」

 

「今までの口だけのヴァンパイアハンターとは違い、ちゃんとした実力もあるしプライドもある。私は結構、貴方みたいなタイプは好きなのよ。貴方はヴァンパイアハンターとして生きていたから処世術としてもかなり良さそうだし」

 

「・・・・・・・・・・私が貴方を殺るという不安はないの?」

 

「それは無いわね。『敗者は勝者の言うことを聞く』・・・・・・・・この辺りだとそうでしょ?それに、貴方はもう私に楯突く事は出来ない・・・・・・そういう運命よ」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「でも、明らかなこっちの我が儘だからね、返事を待つわ。治療中の間は見守るし、返事はいつでも良いわ」

 

「・・・・・・・いえ、今その答えを言います」

 

「・・・・・へぇ〜」

 

「私は敗者の身、勝者の言い分は聞く・・・・・・・私をこの屋敷のメイドとして雇ってください」

 

「フフフ・・・・・もちろんOKよ。これからよろしくね」

 

「・・・・・よろしくお願いします」

 

レミリア・・・・・・いや、お嬢様が手を差し出したので私はその手を掴んで握手する。私はもう・・・・・・この吸血鬼には勝てないわね。

 

「ところで貴方、名前は何て言うのかしら?流石にメイドって呼ぶのは失礼があるわね」

 

「・・・・・・『咲夜』と言います。苗字はありません」

 

「あらそう・・・・・それじゃあ私が付けてあげるわ。今宵は十六夜の月・・・・・・・貴方は今日から十六夜咲夜ね」

 

「十六夜・・・・・・咲夜・・・・・」

 

 

 

咲夜 side out

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

遊輝 side out

 

 

「・・・・・これが私がお嬢様の従者になった話よ」

 

「へぇ〜・・・・・・・お前も変わってるな。殺るチャンスなら幾らでもあっただろうに本当に楯突いてないんだら」

 

「敗者の身ですからね。私はお嬢様と契約した時からもうお嬢様に尽くすと心から決めたので」

 

「咲夜は優秀だったわ。掃除・炊事とかあっという間に覚えていったわ。メイド長になったのもあれから直ぐだったわね」

 

「違うでしょお姉様。お姉様自身が自分で片付けとか掃除とか出来ないから咲夜を雇いたかったのでしょ?」

 

「フ、フラン!!!!」

 

「確かに良くお嬢様の部屋を掃除しますね」

 

「さ、咲夜まで!!!」

 

顔を赤くしたレミリアが手で顔を覆う。フランはニヤニヤで笑い、咲夜もクスクスと笑っている。

良かったな・・・・・・こんな風に楽しく過ごせるようになって。

 

「そ、それより遊輝は何で幻想入りしたの!?」

 

顔を赤くしたレミリアが話題を変えようと俺に振ってきた。う〜ん・・・・・・そうだな・・・・・・

 

「俺はまぁ・・・・・・神様の暇つぶしに付き合わされた感じがするな」

「あの神様?」

 

「確かに・・・・・・・あの人はやり兼ねない・・・・・・」

 

「ねぇねぇ、お兄様が外の世界にいた頃はどんな生活をしていたの?」

 

「そうだな・・・・・・・ついでだから俺の世界の事も話すか」

 

「じゃあフラン、ここで聞く!!」

 

俺の話を聞き逃さなまいとフランは俺の膝に座り、レミリアと咲夜もそんな光景をクスクスと笑っていた。

 




神様「あのさ〜・・・・・・・」

作者「何だよ?」

神様「僕、今回の話で一度も出てないんだけど〜〜?」

作者「良いじゃないか別に。本編で遊輝が出ない話もあるんだし」

神様「だけど僕、このスピンオフだとレギュラーだよ!!一言くらい言葉があっても良かったじゃ〜ん」

作者「文句言うな!!」

神様「ケチだな・・・・・・」

作者「さて、次回は【紅魔館でのお仕・・・・・・事?】です」

神様「まったね〜〜☆」
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