遊輝 side
「・・・・・・・・私には及ばないけど、凄い霊力ね」
「霊夢や魔理沙、アリス達のお陰だよ。おかげで空も自由に飛べるし」
「あんた、本当に人間?実は妖怪?妖怪だったら今すぐ退治」
「人間です。俺以上の霊力を持ってる奴がいるのに何で信じないんだよ」
ここに来て2週間・・・・・・・・
歓迎会が終わった次の日から魔理沙と神様を中心に稽古付の生活をして、ただひたすら霊力を上げに上げた。おかげで、霊夢までとは言わないがかなりの霊力を付けることに成功した。今では自由に空も飛べるし、太陽と交互に弾幕を作ることが出来る。
「あっ・・・・・もうこんな時間ね」
「昼飯か・・・・何作ろうかな・・・・・」
「ラーメン作って♪」
「よし、うどんにしよう」
「僕の意見を無視しないで!!」
「幻想郷でラーメンなんか作れるか!!!!」
「・・・・・・・ラーメンって何?」
幻想郷に来て分かったこと・・・・・・・簡単に言えば外の世界よりも文化の発展が遅い。まず、電化製品等の類がほとんどない。ほとんどというのは、全くというわけではなくごく一部だが電化製品があるのだ。霊夢の家には電化製品と言えるものがコタツだけ。これも幻想郷ではかなり珍しいらしい。
そしてもう一つ・・・・・・まぁ、当たり前と言えば当たり前だが、この幻想郷は2つの結界に囲まれている。つまり外とは鎖国状態だ。この前あった紫さんという人がたまに外の世界から品物を持って来るくらいだ。つまり、ここの世界は和食の文化しかない。よって、ラーメンを作るにも麺がないわ〜、スープがないわ〜で作れないのだ。
そして、幻想郷には海がない。川魚しか見かけないから「海は無いのか?」って霊夢に聞いたら、「海って何?」という返答がきた。
「え〜と・・・・あっちゃ〜、食材が切れちゃったよ・・・・」
「えっ?」
台所の下にある収納スペースがいわゆる保存庫みたいな役割をしているところなんだが、そこを覗いてみたら食材がほとんどなかった。
「どうする?本当に今日の昼の分しかないぞ」
「仕方ないわね・・・・・遊輝、買い出し頼むわ」
「・・・・・・・何故俺?」
「居候の貴方をここに止めてあげてるのは誰のおかげ?」
「・・・・・買い出しに行ってきます」
「待ちなさい!!昼ごはんを作ってから行きなさい!!」
言い分がないため食材の補充に行こうとしたら、霊夢に止められた。あっ、そうだ。
「食材手に入れる所って何処?」
「だから昼ごはんを作ってから行きなさい!!」
パシン!!
「いてっ!!!」
霊夢がお祓い棒みたいなもので俺の頭を叩く。
ちなみにこのお祓い棒、霊夢の武器でもあり、霊力を溜めて叩いたら結構大きめの木でさえも折れる。
「いててて・・・・・・別に昼飯なんか1時間抜いても平気だろ?」
「あんたと違って私は規則正しい生活を送っているのよ!!」
「神社の掃除が終わったら、居間でゴロゴロしているのが規則正しいのかよ」
「・・・・・・・・・・・」
「すみません俺が悪かったですだからそんな物騒な目でお札をこちらに向けないでください」
全力で土下座して謝る俺。
この人、めちゃくちゃ強いです。俺のスペルカードが数枚程度しかないのに、霊夢は50を超えるスペルカードを持っている。しかも攻撃パターンが無限大といっても過言ではないくらい豊富であり、基本的な攻撃の後に色々と仕掛けてくるので負けてしまう。3回弾幕ごっこして3連敗・・・・・・・
そうそう、ついでだから霊夢の【空を飛ぶ程度の能力】。あれについても話しておこう。あの能力、実は表面上は【空を飛ぶ程度の能力】となっていて、俺の解釈で言えば本当は【あらゆるものから宙を浮く程度の能力】。つまり、空だけではなく概念的な事も浮く事が出来る。
簡単に言えば、何も囚われず、縛られずに浮く事が出来る。一見何処が強いんだ?と思った。俺も最初はそう思った。確かに概念に縛られず、自由奔放に暮らせるのは羨ましいと思った。だけど、これ使い勝手良いのか、と・・・・・・・・・・・・・・この能力、チートです。
どんな事にも左右されずにいる・・・・・・つまり、戦いにおいて自分だけ攻撃が当たらないような空間に浮く事が出来る。実際、こいつのスペルカードに【夢想天生】というのがあって・・・・・・・・・恐ろしいくらいに反則です。こっちの攻撃は全く当たらないわ、弾幕は勝手に飛んでくるわ・・・・・・・使ったら勝ちと、言わんばかりのスペルカードです・・・・・
「分かったら直ぐに作る」
「・・・・・・あい・・・・・」
この子・・・・・・色んな意味で怖いです・・・・・・・
「・・・・・・神社の階段長すぎるんだよ。だから参拝客が来ないんだよ」
昼飯食い終わって食材調達のために、霊夢から聞いた「人里」ってところに行こうとして神社の階段を降りたんだが凄く長い。これ、ガチで1000段あるんじゃね?しかも降りたら周りはかなり不気味な森みたいなところだし・・・・・
「えっと・・・・これを左で後は真っ直ぐと・・・・・・ん?あれか?」
遠目で何かしら丸太で出来た門みたいな物が見えてきた。
あれとなると・・・・・・遠いな・・・・・・あっ、飛んでいきゃよかった。
「帰りはあの階段登るのしんどいし、飛んで「た、助けてえええええええ!!!!!!!」!?な、なんだ!?」
突然、聞こえてくる子供の悲鳴に俺は辺りを見渡す。だが、子供らしき姿が見当たらず、森が広がるばかりだ。
「(こうなったら・・・・・・・未完成だけどあれをやるか・・・・・)」
全神経を集中させて、俺の周りに気を発する。30秒した所で、俺の西側に幼い男の子と人間ではない、妖力をもった奴の生体反応が見られた。
距離は・・・・・300m!
「近くか!!!龍虎!!」
直ぐに足にブーストのエネルギーを溜めて、子供がいると思われる場所に走る。森を少し抜けたら、男の子が立ち上がれないでいた。で、その子供を襲っていた奴が・・・・・・
「(か、カマキリ!?!?しかもでけぇ!!!!)」
体長ゆうに3mはあるであろうカマキリ・・・・・・
何この化け物?幻想郷ってかカマキリの標準サイズがこれ?とても虫取りして観賞用に取っておくタイプじゃないぞ?
とと、そんな事より・・・・・
「グヘヘへ・・・・久しぶりに人間を食べれるぜ」
「あ、あ、・・・・・・」
「ガアアアア!!!!!!「サン・フレア!!!!」ギャアアアアアアア!!!!!!」
「おい!!今の内に逃げるぞ!!!」
「う、うん!!」
特大サイズの太陽を作り、そいつをカマキリに当てる。今回は容赦なく太陽と同じ温度。つまりカマキリは・・・・・・・・
「ギャアアアアアアア!!!!!!!!!」
全身火だるまで野垂れ幕回っている。その間に俺は近くにいた男の子を引っ張り、直ぐに森から抜ける。
あっ、そうそう。あのカマキリが原因で火事にならないように・・・・・・・1枚のスペルカードを取り出して目をつぶりこう宣言する。
氷符「絶対零度の術」
1枚のスペルカードを宣言して天に上げる。そのスペルカードの中心に強烈な吹雪が巻き起こり、一気に火だるま状態のカマキリを包み込む。そして目を開けると、美しい氷の像となったカマキリがいた。
「(霊夢や魔理沙、アリスのスペルカードを見て良かったぜ。太陽や炎にこだわらなくてもいいというのがスペルカードの利点だな・・・・・・)」
スペルカードを作るルールは自分がその技をイメージしてスペルカードに名前を書くこと。だからわざわざ炎系の技にこだわらなくても良いという事が弾幕ごっこの練習で分かった。なら後は早かった。俺の仲間達の技をイメージして、それをスペルカードにした。
さてと・・・・・・・・
「さてと・・・・・・・凍らせたから大丈夫だと思うし、ここまで来たら平気だな」
「あ、あの・・・・お兄さん」
「うん?」
「あ、ありがとうございます!!」
「気にするなって。後はお前を送り返すだけだな・・・・・・君、お家何処?」
「人里!!」
あっ、俺が丁度行く所だった・・・・・
「よし、分かった。ならちょっとこっちに捕まって」
「うん!」
その男の子はしっかりと俺の腰を掴む。
「じゃあ飛ばすぜ!離すなよ!!龍虎!!」
俺はその子が掴んでいるのを確認して、足にブーストを付けて一気に人里へと走る。
「・・・・・あややや。あの人、一体何者なんでしょうか?これは調べる必要がありますね」
「へぇ〜・・・・ここが人里か」
門まで一気に走り抜けて、人里の中を確認する。
人里は簡単に行ったら昔の江戸みたいな街並みだ。歴史の教科書でみたような家や建物が建ってあり、そこにいる人たちも現代風とは言えない衣装を着て和気藹々としていた。
「さて、先に君を送るか」
「あ、あのお兄さん・・・・僕、寺小屋に・・・・」
「寺子屋?」
寺子屋とは・・・・・・・・こんな所でも勉強出来る所はあるんだな・・・・。
「で、寺子屋で何だ?」
「ぼ、僕・・・・寺子屋を抜け出して・・・・」
「はあ?抜け出した?何で?」
「だ、だって・・・・その先生の授業、あまりにも難しくて退屈で・・・・・・」
「ハァ・・・あのな、勉強だけは大事にしないと将来痛い目にあうぞ?計算もできない大人なんかになりたくないだろ?」
「は、はい・・・・」
「先生が悪いとかそれも問題あるかもしれないけど、やっぱ勉強だけはしとけよ。先生の授業が悪いんなら自分で勉強するんだな」
「はい」
「で、その寺子!!!!あ、危なっ!?誰だ!!」
突然前方から弾幕が飛んできたので、俺は子供を引っ張り空へと飛ぶ。弾幕が飛んできた方向を見ると、腰まで届きそうな長い白髪に青いハットをかぶり、青色のワンピースみたいな物を着た人間のような・・・・・狼みたいな・・・・・雰囲気を出す女の人だった。
「せ、先生・・・・・」
「先生?あいつが?」
「お前、私の生徒に手を出してどうなるか分かっているのか!!」
「はっ!?いや違うから!!俺、何もしてないから!!」
「問答無用!!覚悟「せ、先生!!!違います!!この人は僕の命の恩人です!!」えっ?」
〜〜〜少年説明中〜〜〜
「・・・・先ほどはすまなかった。この子の命の恩人とは知らずに」
「いえいえ。分かって貰えば良いですよ」
あの後、あの子と一緒に下まで降りて先生という人物にさっきの事を話していた。
「そういえば、貴方の名前は?」
「私は上白沢慧音〈かみしらさわけいね〉。先ほども言った通り、この人里の寺子屋で教師をしている」
「俺は遠藤遊輝。よろしくね」
「遊輝か。しかしこの辺りでは見ない顔だな・・・・・・」
「外来人でね、今は博麗神社に居候中の身です」
「なるほど外来人か。では・・・・・・・おい」
「は、はい・・・・・」
「勝手に寺子屋を抜け出したんだ。ちゃんとバツを受けないとな」
バツ?一体何をするんだ?
慧音は子供の肩を掴み、構える。そして頭を大きく振り上げて・・・・・・・
ガツン!!!!!!!!
「いったああああああああ!!!!!!!!!!!!」
・・・・・・・・うん、あれは痛いだろうな・・・・・
何をしたかって?頭突きだよ。しかも音がおかしかった。あの子、良く頭割れなかったな・・・・・・・
あっ!!俺、買い出しの途中だ!!!!
「す、すみません慧音さん。俺、買い出しでここに来たのでそろそろ・・・・」
「むっ、分かった。今回は本当にありがとう」
「では・・・・・」
慧音さんに別れの挨拶を済ませて、人里を回る。
ふむふむ・・・・・・やっぱり海の食材は無いか・・・・・・川魚ぐらいしか魚類みないし・・・・・これはこれで一種の料理修行として考えるか。
「あっ、この南瓜いいな。でも予算オーバーだな。霊夢の奴、ケチりやがったて・・・・・」
〜〜〜少年買物中〜〜〜
「・・・・これで全部だな。というかあの予算で本当に目的の物全部買えたよ」
霊夢の奴、金の事になると煩いしな・・・・・しかし何でこんだけ買ってあの値段何だ?ここの物価、確実に俺たちの世界の1/10以下だぞ?それでいて、食材一個一個の質も悪くないし・・・・・・・
「さて・・・・・後は帰るだけだが・・・・・」
人里から出て神社へと戻る道の途中で止まり、後ろに背を向けて近くにある大木に向かって叫ぶ。
「おい、そこに隠れている奴出てこい。別に攻撃なんかしないから」
「あややや、バレていましたか」
木の後ろから出てきたのは、カラスみたいな漆黒な羽・同じく漆黒の髪に、なんか白い毛玉を両端に伸ばした赤いハットみたいな物・白い制服・黒のスカートを履いた奴だった。
「で、名前は?」
「私、清く正しい射命丸文〈しゃめいまるあや〉です。幻想郷でブン屋をしています」
「ブン屋?て言うことは新聞を作ってるのか?」
「その通りです!私、文々。新聞という新聞を書いているんです!」
そう言って射命丸が懐から新聞を取り出して、俺に渡した。
ふ〜ん・・・・・・こっちにも新聞は一応あるのか・・・・
「で、そのブン屋が俺に何のようだ?」
「遊輝さんの取材を「却下」即答!?」
「新聞の取材なんか興味ない。第一、俺早く帰らなくちゃ行けないし」
「そんな事言わず「あっ!UFO!!」えっ!?あっ!?」
毎度おなじみ、逃げる時の決まり、「あっ!UFO!」と言って即刻逃げる俺。あんなのに付き合っていたら時間がかかって大変だよ。
「グヌヌヌ・・・・・・・(しかし、彼が博麗神社で居候の身なのは既にキャッチしてます。ここは焦らず取材します!)」
遊輝「あ〜・・・・・なんか疲れた」
霊夢「えらい遅い買い物ね。何してたのよ?」
遊輝「なんかカマキリみたいな奴倒して、寺子屋の先生に会って、カラスみたいな奴に新聞の取材を頼まれたけど断った」
霊夢「・・・・カラス・・・取材・・・・・」
遊輝「ん?射命丸の事知ってるのか?」
霊夢「知ってるも何もそいつの新聞、9割は誇張してかくデタラメな新聞よ」
遊輝「うわっ・・・・取材受けなくてよかった・・・・・」
霊夢「でもあんた、よく振り切れたわね」
遊輝「何が?」
霊夢「(・・・・もしかして追いかけなかった?いつもなら追いかけるはずなのに・・・・)」
遊輝「えっと次回が・・・・・・【幻想郷のデュエル講義。遊輝VS神様】・・・・・はぁ!?」
霊夢「???デュエルって何よ?」
遊輝「ちょっと待てよ!?こっちに来てまでデュエルするのか!?」
霊夢「?まぁいいわ。じゃあまたね」