2人の物語の始まりの話
ナルトは今告白されていた。
アカデミーの校舎の裏にある木下に呼び出されていたのだ。
私は校舎の窓からその様子を見守る。
ナルトは私の幼馴染であり4代目火影の子供である。
成績は中の中だが、忍術や体術のテストではいつもサスケ君と競い合いいつもどちらかが1位と2位だった。
そんな2人はかなりもてる。私達が隣にいないときはいつも誰かしら女の子がよっていく。私はナルトが好きでそんなところを見たくないからできるだけ離れないようにしているのだが甘かった。
教室のロッカーの中に手紙が入っていたとサスケクンに聞いた。
そして昼休みにナルトが出て行った先を見守っていたのだった。
「いの、早く食わないと昼休み終わっちゃうよ?」
チョウジが私を見ながら言う。
「だってナルトが告白されてるんだよ?ご飯なんて食べてる場合じゃないわ!」
そういう私の目線の先にはナルトが女の子に抱きつかれていた。
ぐしゃぁ
持っていた紙パックのジュースを握りつぶしていた。そのジュースは噴水のように飛び出しまわりに飛び散っていたがまったく気にしている場合ではなかった。
「あんのアマ私のナルトに抱きついたわねぇ!ぶっ飛ばしてやる!」
教室を飛び出そうとしたとき誰かに腕を掴まれて振り返るとサクラが顔にしわを寄せて私をにらみつける。
これは怒っているときの顔だ。まずい。
「サ、サクラ?どうしたのおでこにそんなしわ寄せちゃって?かわいい顔が台無しよ?」
私はできるだけサクラのご機嫌を伺おうとするがまったくの無駄であった。
「い~の~。私のお弁当にジュースがかかって食べられなくなっちゃったのよねぇ。どうしてくれるわけ?}
怒っている理由を聞いたいのはすぐ返事をした。
「わかった!私のお弁当がかばんに入ってるからそれ食べてて!私は今急いでナルトのところに行かないといけないのよぉ!」
恋する乙女の力はすさまじいものであった。
サクラの手を腕から引き剥がすと猛然とダッシュし下駄箱のところまでたどり着く。
下駄箱の所まであとは曲がるだけと思いそのまま走ると曲がったところで誰かとぶつかった。
「いたたた、ごめんなさい、急いでてみてなかったわ」
顔を上げながら謝り固まる。その時間およそ5秒。
「いの大丈夫か?そんなに急いでどうしたんだ?」
ナルトの問い私は何もいえない。
「まぁいいや、今日俺ってばかぁちゃんが任務に出てるから弁当ないんだ。だから購買行くんだけどいのもいく?」
その言葉に私は強くうなずきナルトの腕に手を回す。
「いく、行くわ!さぁいきましょう」
「お、おう。いの?歩きにくくないか?それにちょっと恥ずかしいってばよ」
ナルトは顔を赤らめて私に言う。その瞬間少し意識してしまい顔が厚くなるのを感じたが、ここで話すのはもったいないからそのまま購買に向かった。
ナルトはそれ以上何も言わなかった。
そして購買でパンと飲み物を買い教室に戻ると何事もなかったかのように腕からはなれナルトの隣に座り一緒に食べ始める。
そこにクラスの男子がナルトに近づいてくる。
「なぁナルト、さっき告って来てた子って確か隣のクラスの子だよな?で、付き合うのか?」
私が一番聞きたかったことを聞いてくれる男子に感謝しながら耳を澄ます。
「いや。付き合わねぇってばよ。第一俺あの子今日初めてしゃべったんだぜ?付き合おうにも付き合えねぇからさ、一応友達になってきたけど」
その言葉にほっと一息ついた私だったが少し甘かった。
次の日からその子が私達と一緒に登校し始めたのだった。
「波風くん、おはよう」「おう、おはよう」
その次の日
「おはよう、波風くん」「おう、おはよう」
そのまた次の日
「あ、おはよう波風くん!3日連続偶然会うなんてすごいね!うれしいな!」
という風になってしまっていた。
さらに憎いのが私にはまったく挨拶をしないこと。
それにず~っと話し続けるから私がナルトと話せないこと。
ナルトは私を気遣い話を振るがすぐにあの子が会話に入ってくるのだ。
もういらいらも絶頂に来ていた。
そんなこともあり今日は1人で先に登校した。
そしてその日一日不機嫌そうにすごし、ナルトが話しかけてこようとしてもほかの子に話しかけたりトイレに行ったりとナルトに八つ当たりしてしまった。
ナルトが悪いわけではないのはわかっていた。
だがナルトがあのこと楽しそうに話すのが耐えられなかった。
そして私はその日は結局ナルトと話すことなく1日を終えた。
その次の日
「いってきます」
また昨日と同じくらいの時間に家を出る。
この時間に出ればナルトに会わなくてすむからだ。
と思っていたはずなのに玄関の前にナルトが立っていた。
「おう、おはよういの。一緒に学校行こうぜ」
私は逃げることもできず、うなずきナルトの隣を歩く。
「なぁ、俺いのに何かしたか?昨日まったく話してくれねぇし」
その言葉に体を少しびくっとしてしまった。
「それなら俺謝るからさ。だから仲直りしようぜ?いのと話せないと寂しいってばよ」
ナルトが私の前に出て右手を差し出してくる。
いつもナルトは喧嘩をすると仲直りの握手をするのだ。
でもその日の私はそれを掴むことができず泣き出してしまう。
「ちょ、いの?何で泣いてるんだってばよ!?とりあえずあそこの公園いくぞ、ベンチもあるし」
そう言うとナルトは泣きじゃくる私の手を握り歩き出す。
私はそれに引かれて一緒に歩き出した。
ナルトは私が泣き止むまで静かにそばにいてくれた。
「なぁいの?何で泣いたんだってばよ?」
泣き止んだ私に濡らしたハンカチを手渡しながら聞いてくるナルトに私は目を冷やしながら答えた。
「4日くらい前からあの子が一緒に登校するようになったのがいやだったの。ナルトがとられたみたいでいやだったの!」
私の言葉にナルトは少し顔が赤くなる。
「ナルトと一緒に登校するのが毎日の楽しみなのにあの子がずっとナルトと話してるから寂しくて八つ当たりしちゃったの!ごめんなさい!」
私は素直に謝った。もうナルトと喧嘩してるみたいなのがいやだったから。
「いの…ごめんな。俺がはっきりしないのがいけなかったってばよ」
そう言うとナルトは私に手を差し伸べる。私はそれを掴んだ。
その瞬間ナルトに引き上げられその勢いで立ち上がらせられた。
「アカデミーに行くってばよ。で、あの子にしっかり言ってくるってばよ」
そう言うと私の手を引き走り出す。私もそれに合わせて駆け出した。
「で、その子を泣かせてしまったと?」
サスケ君はナルトに目を向けため息をつく。
「まぁしょうがないんじゃねぇか?ナルトが決めたことなんだろ?」
その言葉にナルトはうなずいた。
「まぁ隣のクラスの女子が敵に回ったって今年で卒業だ。気にすることはないさ」
いたって楽天的な考えをサスケに植えつけられたナルト。
教室の後ろの方で私はサクラとご飯を食べていた。
「ねぇサクラ、私決めた」
「なにを?」
私の言葉にサクラがすぐに疑問を返す。
「ナルトに告白するわ。もうナルトに変な虫がつかないように」
そう言うといのは出納からお茶を飲む。
「へぇ~、頑張ってって今なんて言った!?」
サクラは驚きを隠せないようだ。
「声が大きいナルトにばれたらあんた一生恨むわよ?だからナルトに告白するって言ったのよ」
いのはフォークを持ちサクラに先端をむけながら言う。
「わ、わかったわよ。まぁ頑張りなさいよ。骨は拾ってあげるわ」
サクラの言葉にいのは返す。
「まぁそのときはよろしく。帰りに木の葉川のところによっていくから先に帰ってて?」
そう言うと最後のイチゴを食べて弁当を片付ける私。サクラも弁当を片付け席を立つ。
「じゃぁ応援してるわ。私今から職員室に行くから」
サクラが立ち去り私は席に戻り考える。なんていえばいいのかまったく頭になかった。
○○○○○○○○○○○○○○○
「ナルト、よりたいところがあるんだけど一緒に来てくれる?」
私はHRが終わるとすぐにナルトの席にナルトを誘いに行く。
「おう、いいってばよ!」
2人で歩いていく道は帰り道から少し外れた道だった。
「どこに行くんだってばよ?いの」
私の横を歩きながら質問してくるナルトに私は答えをはぐらかす。
「ついてからのお楽しみよ」
そして到着したのは木の葉川の橋の下。
「こんなところで何するんだ?」
かばんを欄干の下に置きナルトは私に声を駆ける。
「ナルト、私ナルトに話があるの。聞いてくれる?」
「おう、何だってばよ?」
ナルトに向き合い見つめあう。
ドキドキ、ドキドキ
心臓の音がうるさい。顔も熱く感じる。頑張れ私。
「私はナルトが好き。あの子がナルトを好きになるよりもずっと前からナルトが好き、大好きなの!だから私と付き合ってください!」
私はナルトを見つめたまま告白した。
ナルトは黙ったままだった。だめかな?どうかな?
私はこの沈黙がとても長い時間に感じていた。
そしてナルトの顔が急に赤くなった。
「お、おう。ありがとな。いの」
ナルトの話に耳を傾けるが、これはオッケーなのかダメなのかわからなかった。
「俺もいののこと好きだってばよ。1人の女の子として。ホントは俺が言わないとダメなのにな。いのに先に言われちゃって少し理解が遅れたってばよ」
そういいながら頭をかくナルト。
私は状況が飲み込めるまで少し時間がかかった。
「え、じゃぁ」
口から出た言葉にナルトが言葉をつむぐ。
「俺もいのとつきあいたい。俺もいのが大好きだってばよ」
そして2人は少しの間そこでじっとたったままだった。
「私も!私もナルトが大好きだよ!」
いのはようやく動き出しナルトに抱きつくとナルトも抱きしめ返してくれた。
うれしくてうれしくて、長い時間抱きついていた気がする。
「そろそろ帰ろうか、送っていくってばよ」
ナルトが私からはなれ、私の手を握る。私もその手を握り返す。
そして家に着くまでいろんな話をした。2人でいるとそれだけで幸せになれた。
そして家の前まで送ってもらい名残惜しそうに手を離すナルトの頬に私は軽くキスをした。
「ナルトまた明日ね…待ってるんだから!」
そういい残し私は家に入っていった。
そしてその夜家ではなぜかお赤飯が炊かれ、ママにはキスをしたところをみられていたらしくかなりからかわれた。
パパは少し寂しそうに微笑んでいた。
そしてその次の日ナルトと一緒に手をつないでアカデミーに行くところを皆に見られその日のうちにアカデミー中で公認となる2人だった。