「じゃぁ今日の授業はここまで!みんな寄り道せずにまっすぐ家に帰るようにな!」
イルカ先生の言葉の後、サスケの号令でみんなが挨拶する。
「起立!礼!さよーなら!」「「「さよーなら」」」
挨拶が終わると教室の中は友達同士が一緒に帰ったり少し話をしたりと様々だった。
ナルトは窓の外を眺めていた。
「あーぁ、雨降ってきちまってるってばよー」
肘をつき外を見ると雨が結構降っている。
雨の音でたくさんの音がかき消されるほどに。
「母ちゃんの言う通り傘持って来ればよかったってばよ」
ため息をつきながら1人呟く。
それを後ろで聞いていたサスケが声をかける。
「ナルト、傘持ってきてないのか?じゃぁ職員室で借りてこればいいじゃん」
提案に対しナルトはめんどくさそうに答える。
「だって借りたら晴れてる日に傘持ってこないとダメだってばよ?めんどくさいじゃん」
ナルトは机に体を投げ出している。
「じゃぁ誰かに入れて帰ってもらえよ。俺はごめんだけどなー」
サスケは椅子から立ち上がり鞄を担ぐ。
「じゃぁな、ナルト!また明日な」
鞄を担いだ手と逆の手で手を振りながら歩いていくサスケ。ナルトも後ろから挨拶をし窓の外を見つめる。
「あー、メンドクセェ。今日はいのは家の用事で休みだしシカマル達は方向逆だし、サクラちゃんはいつの間にか帰ってるし。しょうがないから濡れて帰るかー」
ナルトは鞄を肩にかけるとそのまま歩き出す。
階段を下り下駄箱に向かう。その間も口に出しはしないがめんどくさそうにしているのを友人達は感じたかもしれない。
下駄箱で靴を履き替え玄関のほうに向かうと人だかりがある。
その中心には忙しくて朝以外はほとんど会えない人物がいた。
「ナルト!待ってたよ!一緒に帰ろうか」
4代目火影であり父でもあるミナトが傘を持ち待っていた。
父は人気者であり、里の長である。そんな父が迎えに来ることはあまりなく、ナルトは嬉しくなり駆け寄る。
「父ちゃん!迎えに来てくれたのか??」
ナルトは父に詰め寄り聞く。その顔は良い笑顔だった。
「まぁね、仕事もひと段落ついたし、今日はナルトとクシナを連れて近くの家族風呂でも行こうかと思ってね」
ミナトはナルトに傘を差し出す。自分のよりも小さめの傘だった。
「お母さんがさっき届けてくれたよ。朝持って行ってないからってさ、あとでお礼言っておきなよ?」
ミナトは優しく微笑む。その顔を見てナルトも笑顔で頷き返事をする。
「わかったってばよ!じゃぁ早く帰ろうぜ!母ちゃん今日は非番だろ?たぶん家で待ってるってばよ!」
ナルトは傘を広げて走り出す。
「ナルト、走ったらダメだよ。他の人にぶつかったら危ないからね」
ミナトの言葉にナルトは止まり振り返る。
「そうだってばね!服ドロドロにしたら母ちゃんに叱られるしやめとくってばよ!」
笑いながらミナトが追いついてくるのを待ち、隣を歩いていく。
「父ちゃん、俺次の卒業試験受かって絶対忍びになる。そんでもって父ちゃんや母ちゃんみたいな立派な忍びになるってばよ!」
ミナトの顔を見上げながら語るナルト。ミナトはほほえみ答える、
「なれるよ、ナルトならね。俺たちの息子だからね!」
そう言って微笑む。
2人は家までの帰り道、たくさん話をした。
普段は忙しくてなかなか遊んだり話したりはできない。
それでもナルトは父であり火影であるミナトのことを尊敬していたし、大好きだった。
そのことをゆっくりゆっくり伝えるかのようにナルトの話は続いたのだった。