『山中いのVS春野サクラ』
ナルトは掲示板に出た名前に少し驚いてしまった。
自分の最愛の彼女であるいのと、同じ班の仲間のサクラが戦うことになったのだから。
「サクラ、あんたには負けないわ!」
「こっちこそ!」
会場に降り立った2人のくのいちは視線をパチパチとぶつけ合い臨戦態勢に入っていた。
2階から見守るナルトはどちらを応援していいのか悩んでいた。それは大切な仲間であり、大切な存在であり、大切な女の子であるからだった。
悩み頭を抱えるナルトにサスケが肩を叩き言葉を向けた。
「ナルト、いのを応援してやれ。その方がいのが喜ぶ」
「でもよぉ、サクラちゃんは「サクラは俺が応援する」」
ナルトが言い終わる前にサスケは言葉をかぶせる。その目は真剣そのものだ。
「サクラは俺が応援する。お前は、サクラとも仲間だがいのはお前の大事な存在なんだろ?だったら応援してやるのが当たり前だろう」
その言葉にナルトは目を見開き驚いた表情を見せるがやがて納得したのか笑顔になり頷く。
「そうだな、そうさせてもらうってばよ。サクラちゃんには悪いけど勝つのはいのだってばよ」
「いや、サクラだ。あいつが頑張ってきたことを俺は知ってるからな。サクラ!負けるなよー!」
サスケはナルトの言葉に反論を返しそのまま手すりをつかみ叫ぶ。下でにらみ合うサクラは少しだけ目線をサスケに向けウィンクを返した。
「いのー!頑張れ!応援してるぞー!」
ナルトも負けじと大きな声で応援する。いのはそれに対して右手を上にあげ合図を返した。
「第2試合、開始!」
試験官月光ハヤテの声に2人は反応し接近する。サクラの少し大ぶりになった拳をいのがかわすと振り向き裏拳を繰り出す。
サクラの長い髪をかすめた瞬間指で髪の毛を掴み引き寄せる。
「きゃぁ」
サクラの声が響くと態勢を崩される。サクラが右膝をついたところにいのは回転し右足の後ろ回し蹴りを繰り出す。
その足がサクラの右肩に激突する。その勢いで後ろに飛ばされたサクラはなんとか受け身を取り立ち上がると駆け出した。
「流石はいのね、なかなかやるじゃない!でも私も負けてらんないのよ!」
その声のあとサクラがいのに向かい走る。必死の形相で。そしてサクラはクナイを投げいのはそれを右に避ける。その時すでにそこにはサクラの右拳が向かっていた。
「くっ!」
それをいのは腕をクロスさせガードし受けるもその勢いに態勢は完全に崩れる。その一瞬の隙をサクラは逃さず動き出す。左の拳、右の回し蹴りとコンビネーションでの攻撃を繰り出すといののガードの上からだが打撃が何度か入った。
「もう一回!」
その声とともにサクラの右足がいのの肩に直撃し少し体がぐらつく。
「ふふっ、サクラ、強くなったわねぇ。でもだからこそ、負けたくない!」
「私だってぇ!」
2人の意地のぶつかり合い。もはやお互いガードもせずに殴り合っていた。何度もお互いの拳を体に受けるが揺るがない。2人の体や顔には少しだけだがあざもできていた。
ぱっ
一旦お互いが距離を取り肩で息をする。そしてお互いが息が整ったところでいのが口を開く。
「あんたもそろそろきついんでしょう。次で終わりよ」
「そっちこそ。次で決めてやるわ」
2人は右手を握りしめ駆け出す。
「「うあぁぉぁぁぁ!!」」
サクラの右手が少しだけ早く動き出し、いのの顔めがけ向かっていくが次の瞬間いのは前方回転でかわしすぐに向き直り印を結ぶび術を行使した。
「心転身の術!」
フォン
いのの体が崩れ落ち少しの間のあとサクラは笑い出す。
「ははは、かかったわね、サクラ。これで決着よ。私、春のサクラは」
手を上げて月光ハヤテに宣言する。
「この試合棄権します」
この一言により月光ハヤテは宣言を下す。
「春野サクラ、棄権により勝者、山中いの」
その瞬間いのは術を解きいのの体で立ち上がる。
「いよっしゃぁ!ちょっと汚いけど私の勝ちよ、サクラ!」
「あんなのずるいわよ!いの!正々堂々戦いなさいよ!」
いのがニヤニヤしながら座り込むサクラに話しかけるとサクラは怒ったような表情で返事を返した。だが勝負の結果は変わらない。サクラは立ち上がりいのに手を出す。いのはその手を掴むと笑顔を作った。
「いの、今回はあんたの勝ちにしてあげる。でも次はあんなことさせないわよ!絶対負けないんだから!」
「次も私が勝つわ。サクラに負ける気はないからね!」
いのはサクラの言葉ににっこりとして返事をするとそのままサクラを引っぱり歩いて2階へと向かった。