ごめんなさい、アレは忘れて下さい(土下座)
バラバラと肉片が地面に堕ちる。
それは足の残骸、たった今、ダフが粉々にしたヒステリアの下半身の一部だった。
「ありがとうダフ、時間短縮になったわ」
それを少しだけ見つめた後、リフルがダフに微笑み、礼を言う。
「それで、あなたの方はどうなった?」
そのまま、リフルはダフに他の戦士を始末したか質問する。
しかし、ダフはそれに答えず、急いでリフルに駆け寄ると、ヒステリアの斬撃を受けた脇腹を撫で出した。
「……どうしたの?」
「り…りふる、けが!?」
「え? ああ、大丈夫よ、心配しないで大した怪我じゃないわ……というよりもそうやって触られると痛いから、ちょっとやめて」
「わ、わりぃ」
顔を顰めたリフルから慌ててダフが手を離した。
「ふふ、そんな謝らなくて良いわ、それで、あなたの方は終わったの?」
リフルはヒステリアから受けた傷を再生させながら、再び同じ質問をする。ダフはそんな彼女の言葉に目を泳がせた。
それだけでリフルはダフの答えが分かった。
「……そ、それが、すばしっこいのを、ひとりにがしちまった」
怒られるんじゃないかと、大きな身体を小さくするダフ。それを見てリフルは吹き出した。
「ぷっ……ふふ、大丈夫よ、逃げたなら良いわ、あくまで奴等は時間稼ぎ、ダフから逃げる奴が戦力になるとは思えない……そもそも戦力になりそうな奴は最初から一人も居なかった」
そこで言葉を切り、リフルは妖気を探る。
すると随分と遠くに今にも消えそうな妖気を感じる……ヒステリアのものだ。
「……はぁ、本当にしぶとい、まだ生きてるわね……虫の息だけど」
ヒステリアの生存にリフルが呆れと称賛、そして面倒臭さが入り混じった溜息を吐き出した。
そんなリフルに空かさずダフが口を開く。
「ころすか?」
至極当然の事を言うようにダフが棍棒を担いで聞いてくる。それにリフルは仕方ないとばかりに頷いた。
「ええ、面倒だけど、血迷って覚醒、なんてされたら困るわ、念の為、消しましょう」
そう言って、リフルはダフと共にヒステリアの下へと走り出した。
「「………つ!?」」
しかし、その直後、遠くのーーダフルとテレサが戦っている岩山の一部が丸ごとひっくり返り、次の瞬間に爆散、それからほんの数秒後、二人の妖気が膨れ上がり、すぐに大きく乱れた。
どうやら戦いは佳境に突入したらしい。ならば、ここで優先すべきはヒステリアの止めではない。
「……予定変更、すぐにダフルの援護に向かうわよ!」
「おう!……って、り、りふる?」
ダフが困惑したような顔をする。その理由はリフルが触手でダフの持ち上げたからだ。
「さあ、行くわよ」
「りふる、おれ、はしれるぞ?」
リフルのいきなりの行動にダフが抗議に近い声を上げる。しかし、その声をリフルは真っ向から否定した。
「いいのよ、あんた遅いから、私が運んだ方が遥かに速いわ」
そう言って、リフルは地を蹴り走り出す。その動きは
「が、がへ」
その事実に、ダフは少し落ち込むと、抵抗する事なくリフルに抱運ばれて行くのだった。
ーー手応えあり。
ダフルはテレサを殴った右手を満足気に撫でた後、身体を再生させながら空を見上げた。
ダフルの視線の先。空高く舞ったテレサが空中でくるりと反転。
彼女は体勢を立て直すと、両足で衝撃を吸収し、危なげなく地面に着地した。
「かはぁ、ごふ」
しかし、着地の直後、テレサが咳き込み、口から僅かに血が飛び散る。ギリギリ防御は間に合ったが、ダフルのアッパーが強過ぎて防御を超えた余剰分のダメージを受けてしまったのだ。
「ごほ、がほ……はぁ、はぁ、はぁ……やって、くれたね」
更に二、三度咳をすると、テレサは荒い息を吐き、怒りを顔に滲ませダフルを睨む。
「ふふ…あは…あはははははっ!」
そんなテレサに悪戯が成功した子供のような無邪気な笑みを見せたダフル。
既にテレサの斬撃で斬り落とされた両足と肩は再生を終えている。
ここまでの攻防で体力、妖力はかなり落ちたが、ダフルの身体に欠損はなく、その五体は万全だ。
対するテレサは絶大な妖気に翳りはないが、折れた左腕は治りきっておらず、先程殴り飛ばされた際に脇腹を痛めている。
テレサの傷はダフルが受けたものと比べればほんの些細なものだ。しかし、テレサとダフルでは身体の作りが違う。
覚醒者で四肢及び致命的な臓器を除いた身体の完全再生が可能なダフル。攻撃タイプの戦士で、指の欠損すらまともに再生出来ないテレサ。
二人の間には圧倒的な回復力の差が存在している。
そして、この差を利用し、ダフルは捨て身でテレサの戦闘力を削ったのだ。
「なおさないの?」
意地悪な顔でダフルはそう言うと、テレサの左腕と、脇腹を指差す。
「…………」
それにテレサは無言。治さないのではなく、治している。ただ完治させるには十分近く掛かってしまう。常人から考えればあり得ない回復速度だが、ダフルから見ればそれは亀の歩みに等しい。
ダフルは自分の選択が間違っていなかった事を確信しリフルそっくりの笑みを浮かべた。
「ふふ、なおさないなら……いくよ」
開幕、テレサが言ったセリフを呟き、ダフルが多数の触手をテレサに放つ。
「……ちっ」
テレサは自身に迫る触手をステップで躱し、回避先に放たれていた鉄柱の群れを大剣で弾いて後退する。
「ふふ、おそいよ!」
だが、テレサの後退速度よりも疾く、ダフルが接近、その豪腕を真っ直ぐテレサに突き出した。
大気を打ち抜き、とんでもない速度で迫る豪腕。
「……ハッ!」
この拳に対しテレサで大剣で迎え撃つ。直後、大剣と豪腕が衝突、轟音が響き、衝撃波が巻き起こり。
テレサが一方的に弾かれた。
脇腹の痛みで、満足に剣を振れなかったせいだ。
「ぐぅ…っ」
体勢が崩れたテレサに黒帯の触手が振るわれる。
蛇のよう蠢く触手は角度、速度がバラバラで対処が難しい。
テレサは触手の軌道を危ういタイミングで見切り、辛くもこれを躱す。だが、その直後、脇腹が痛みを発し、動きを鈍らせる。そこにダフルが巨大な鉄柱を発射した。
これはテレサも躱せない。
「ぐぅッ」
テレサは鉄柱を大剣で受け止める。
重い衝撃に、また鈍い痛みが脇腹を打ち、それを我慢し、彼女は鉄柱の弾き飛ばした。
その時、弾いた鉄柱の陰からダフルが現れる、鉄柱はただの目眩まし。それに気付いたテレサが即座に大剣を引き戻し……薙ぎ払った。
唸りをあげる大剣、それが虚空を走り抜ける。
ーーつまり、回避された。
地に身体を沈み込ませ、大剣を回避したダフルは、起き上がる動きと連動し左腕をテレサに振り上げる。
暴風を纏った凶悪な一撃が、テレサの顔面へ急接近。
テレサは仰け反るように身体を倒し、これを回避。躱しざまにダフルの左腕を蹴り上げた。
「む…?」
伸びきった腕に蹴りを受け、ダフルの身体が浮き上がる。その隙にテレサはバク転で体勢を整え、後退を続ける。
「にげるだけ?」
宙にいるダフルが下がるテレサを挑発しながら触手の刺突を雨と降らせる。それを彼女は華麗なステップで回避。
その間、着地したダフルが今度は大小様々な鉄柱の射出、テレサは自分に当たるものだけを選別し、弾き、逸らした。
「……むぅ」
ダフルは上手く当たらない事に苛立ちながらも、焦らず冷静な攻めを展開する。
触手を振るい回避コースを限定せるとテレサに巨大鉄柱を発射。
テレサはこれも躱すが、避けた瞬間。鉄柱が爆散、複数の細い鉄柱に分かれテレサ諸共、周囲の地面に降り注ぐ。初見でこれは躱せまい。
「ッ……!」
意表を突いた攻撃。土埃が舞い上がり二人の視界が遮られ、そこに無数の刃が振るわれる……ダフルの触手だ。
触手は煙の中を走り抜けると、その中心でクロスするように交差、範囲内のあらゆるものを細切れにした。
「ふふん」
致命傷、あるいは重症を負わせた確信があるのか? 触手に感じた確かな手応えに、得意気にダフルが息を吐く。
ーーその時。
「はぁ、はぁ、はぁ」
息を切らせテレサが粉塵の中から姿を現した。その全身にはいくつもの傷が出来ている。特に左肩の怪我は骨に達するほど深い。
だが、そんなテレサを見てダフルは首を傾げた。
ダフルはこの攻撃で確実に致命傷を与えたと思っていた。しかし、そんな彼女の予想よりもテレサのダメージは遥かに浅い。なにせ、命に関わるものが一つとしてなかったのだから。
「……あれ、それだけ?」
「はぁ、はぁ」
テレサはその言葉に答えない。
テレサは息を整えながら一歩後ろに下がる。次の瞬間、彼女が今まで立っていた地面から槍と化した触手が突き出て来た。
「…………」
攻撃を躱されたダフルが無言で妖気を爆発させる。
ダフルは大小多数の鉄柱が口と両手から発射、続けて黒帯の触手、それが
全方位に展開された千に届く黒槍と、数十の鉄柱。
この範囲攻撃に逃げ場などない。逃げ場などない筈なのだが。テレサは焦る様子もなく、一歩踏み出し、正面から来た鉄柱に大剣を振るった。
大剣によって弾かれた鉄柱が側面から来た触手に激突、その軌道を逸らす。更に、軌道が逸れた触手が更に別の触手に激突、またその軌道を逸らし、そして包囲網に小さな穴を開ける。そこにテレサが身を躍らせ、包囲網を潜り抜ける。
穴を潜る際に、黒帯の刃と鋭い鉄柱がテレサの身体を傷付けた。しかし、そのいずれも軽傷。そう、テレサは最小限のダメージでこの攻撃を凌いだのだ。
「…………っ」
この結果がダフルには理解出来なかった。今のは牽制でもなんでもなく、本気で必殺を狙って放った攻撃だった。万全テレサのにも対処困難な攻撃のだった。ましてや動きが鈍ったテレサを仕留めるのになんの問題もない攻撃の筈だった。
なのに、攻撃の結果、テレサは軽傷。これはどう考えてもおかしい。
驚き、テレサを凝視するダフル。
「………ふぅ」
その視線を知ってか知らずか、テレサは自身の脇腹を撫で、ダメージを確認すると目を瞑り静かに、その息は吐いた。
いつの間にか、荒かった息が整っている。
「……ようやく、見えるようになってきた」
目を瞑って何が見えると言うのか? ピンチの筈なのに落ち着き払ったテレサの姿にダフルが苛立つ。
それはまるでもう勝負が決したとでも思っているように見えたからだ。
「…っ、こっちをみろ!」
悪い予感を払うように、ダフルが怒りを滲ませ触手を振るう。千に増えた触手がテレサを包囲し、嵐のような攻撃を仕掛けた。
しかし、今度は剣すら振るわない。目を閉じたテレサが嵐のような連撃を踊るように躱していく、その動きに無駄はない、最小限の動きで回避している。
「ちっ……!」
その余裕すら感じられるテレサにダフルが舌打ち。テレサの余裕を砕く為、触手の嵐に加え、多数の鉄柱でテレサを狙い撃つ。
ーーしかし、これが悪手となった。
「っ…!?」
ビキビキと音を立てて腕が変形、巨大化する。その腕をダフルが胸の前でクロス。そこに大剣の鋒が激突したのは次の瞬間だった。
鉄柱を入れる為、触手の包囲網に隙間を作る
遅れて誰も居なくなった大地に鉄柱が殺到、間抜けな轟音を響かせ、大地を穿つ。
「…ぐ、このっ!」
ギリギリと腕に埋まっていく大剣。それを強引にテレサごと弾く、テレサはダフルの力に逆らわず一度彼女から離れる。ダフルが追撃しようと触手を動かし。
「!?」
その隙を突きテレサが再び接近、ダフルに大剣を閃かせた。
「…く…ぐっ」
次々と振るわれる大剣にダフルは応戦、しかし、次第と防戦一方に追い込まれていく、そんな馬鹿な。
「…こ、この!」
ダフルが右拳をテレサに振るう。しかし、テレサはそれを紙一重で回避、すれ違いざまカウンターでダフルの脇腹を斬りつけた。
「……がっ」
腹部の半分以上を斬られたダフルが痛みに呻く。だが、そんな彼女に構うことなく、テレサは返す刀で上段から大剣を振り下ろした。
「く……っ」
ダフルは大剣を防ぐ為に腕を上げる。その動きでガラ空きになった腹部、そこにテレサの足が埋まったのは次の瞬間だった。
「が…はっ」
先の傷口に減り込む右足。ミシミシと音を立てダフルの傷口が広がった。堪らずダフルは一旦距離を取ろうと後ろに飛び退く。
それに合わせてテレサも接近、ダフルの右足首を両断した。
「ぎぃ…」
なくなった右足の代わりに、触手を地に刺し身体を支えるダフル。しかし、触手に体重を乗せた瞬間、大剣が走り、その触手も斬り飛ばされる。
必然、重心が偏り体勢が崩れる。そこに連続で大剣が振るわれ、ダフルの身体を刻んでいった。
ーーこのままではいけない。
「……くっ、ちょうしに……ちょうしにのるなっ!!」
妖気を大量消費し、身体の損傷を一気に再生させるとダフルがありとあらゆる攻撃をテレサに繰り出した。
嵐の如く、振るわれる千の触手。
豪雨のように降り注ぐ大量の鉄柱。
山すら砕く、拳打、蹴撃。
それら全てを組み合わせたコンビネーション。
しかし、その尽くが空を切る。
「なんでっ!?」
ダフルはこの状況が理解出来なかった。
テレサの身体能力は落ちている。今はパワーもスピードもダフルの方が圧倒的に上だ。なのにダフルの攻撃はテレサに避けられ、テレサの攻撃をダフルは避けらない。
それがあまりにも理不尽な事にダフルは思えた。
「あなたの力と速度に驚いてね」
疑問を抱えるダフルにテレサが攻撃を加えながら話し掛けた。
「つい、こちらもそれを高めて対抗してしまった」
「それが、あたりまえ、でしょ!」
当然の事を言うテレサにダフルが苛立つ。しかし、そんなダフルにテレサは首を振った。
「いや、間違いだった。力で力に対抗するのはバカのする事。それに普通、戦士の身体能力は高位の覚醒者を超えない、私はなまじ超える事が出来たからそれを選択してしまったけどね」
そう言ってテレサが苦笑しながら斬撃を放つ。その表情とは裏腹に剣筋は鋭く、大剣が振るわれる度にダフルの身体が傷付いて行く。
「……く……がっ……」
「ここからは戦士の戦い方で行く。力も速度も劣る、戦士なりのやり方でね」
その言葉と同時にテレサが大きく一歩踏み込んだ。
「く…こ、このっ!」
ーーあまりにも速過ぎる。
テレサの動きにダフルが思った事がこれだ。あのダフルが全く攻撃に移れない。テレサの動きは最初と比べ圧倒的に速くなっていた。
ただ、この速いというのは攻撃速度ではない。斬撃の速度は最初と変わらない……どころかかなり落ちている。
ならば、何が速いかというと、攻撃と攻撃の繋ぎ……次にどこを攻撃するかの判断する時間。相手の隙を見つけるまでの時間が異常に早い。まるで考えるまでもなく分かっているように。
まるで、次にどこが隙になるか、予め知っているように。
ーーこのままでは負ける。
「ふ、ざけるなっ!!」
ダフルが吠えた。そんなものは認めない。勝つのはわたしだ。
起死回生、ダフルは左腕を犠牲に攻撃を弾き、後方へ退避、千の触手を十に纏め上げるとそれを地に刺し、両脚と共に力を溜め。
文字通り全力で地を蹴った。
反動で大地が陥没、大型のクレーターが発生する。そして、それほどの力で加速したダフルはやすやすと音の壁を越え、開幕のテレサの踏み込み、その倍程の速度を叩き出しすと一直線にテレサに接近、右拳を突き出した。
全ての運動エネルギーを収束、極限まで加速した拳はテレサですら知覚困難、掠っただけで万物を木っ端微塵にする威力を持った最強の拳打だった。
ーーしかし、そんな魔拳も当たらなければ意味はない。
ダフルが踏み込む直前、右斜めに一歩踏み出し斬撃姿勢を整えたテレサがダフルの拳を完璧に避け、その胸に折れた左手すら使い両腕で大剣を振るった。
恐ろしく重い手応え、それは巨石が高速で突っ込んで来たような衝撃だった。
「ぐっ……っ!」
あまりの重さに接触の瞬間、メキリ、という音を響かせ、テレサの右腕が折れた。元々折れていた左腕は完璧に砕け、肩口から千切れ飛んだ。
酷い怪我だ。
「……はぁあああああああっ!!」
しかし、それでも尚、テレサは裂帛の気合いを持って大剣を振り斬る。
それだけの犠牲を払う価値があったからだ。
「………っ」
驚愕に見開かれた黒い瞳と鋭い金眼が刹那の間、交差する。
そして、視線が離れた瞬間、ダフルは殆ど声もあげられず、自身の踏み込みの速度を維持したまま遥か彼方へとすっ飛んで行く。
一つは西に、そして、もう一つは南へと……そう、交差の瞬間、走った大剣がダフルの身体を真っ二つに両断したのだ。
「はぁ、はぁ、はぁ」
この一瞬の攻防に体力と集中力を一気に消費したテレサは、荒い呼吸を繰り返し、フラフラと千切れた左腕の元へと歩くと、それを拾い上げ傷口に押し当てた。
「いっ……っ」
強敵との勝負が終わり、集中力が切れたせいか、全身……特に左肩と脇腹が猛烈に痛い。テレサは涙で視界を滲ませながら傷の治癒の為、軽度の妖力解放を維持するとそのまま、地面に座り込んだ。
今回は本当に死ぬかと思った。
正直、全力を出してこんなに苦戦する相手が存在するとテレサは思ってもみなかった。ローズマリーやヒステリアを見てこの世の強さの上限をなんとなくだが理解していたからだ。
しかし、そんな予測とは裏腹に初任務でこの苦戦。
「……やってけるかな」
テレサは少し今後が不安になった。
ーーそして、なったからそこ。
「……不安の芽は絶たないとね」
危ないものは早急に排除しなければならない。
自分の為にも周りの為にも。
テレサは傷がある程度回復した事を確認すると立ち上がって猛スピードで駆け出した。彼女が目指す目標は当然、まだ息がある
ーーそして、そのダフルを抱えて必死に逃げるリフルだった。
リアル鬼ごっこ開幕!(リフル一家白目)
Q.なんでテレサが勝ってんの? ローズマリーはダフルの事をテレサ以上みたいって感じてたじゃん!?
A.ローズマリーはその時、妖気を感じる事が出来なかった、そして、イレーネさん同様テレサをまだ過小評価していたんだ(白目)