Emotoin monster ~感情の舞い~   作:夢見る座禅組

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またしばらく空いてしまいましたね…申し訳ないです…


第5話「霊夢先生と魔理沙先生による楽しい弾幕レッスン」

 昨日はしゃぎまくった悠は良く眠っている。昨日は一睡もしていなかったからだろう。

 

 夢を見ている。

「ん…」

 豊かな自然、青い空。

「うぅ…」

 どこまでも高く高く飛んでいく…自分。

「うぅ…」

 重力にしたがって落下していく。等加速度運動によってみるみる加速する。地べたが目前に迫ってきて、ついに―――

 

「うわおおぁぁぁぁっ!…あぁ…?」

 ついに目が覚める。

そうだ。ここは幻想郷。何もかもが刺激的な毎日の幻想郷だ。

 

「ゆ、夢…夢か…もう一眠り―――」

「起きなさいこのねぼすけ睡眠大魔王が!」

「ゴハァッ!」

 刺激(物理)は、いつだって唐突にやって来るものだ。

 その後すぐに居間まで行き朝食をとることにした。

「いってぇ…もう少し優しく起こしてくれないのか?」

「6回も呼び掛けてあげた優しさたっぷりの私に文句でも言うつもり?」

「あ、そうでしたか……」

 ぐうの音もでない。

 

「いや、もうこれ一種の才能じゃね?」

「起きてくれればどんな才能でもいいわよ。起きてくれればね。」

「悪かったって…」

 今日の朝食も霊夢の美味しい手作りご飯だ。

……

………

 今日も心地よい秋晴れに神社が照らされる。境内には心地よい風が通り抜けていく。

 

「昨日も言ったけど、今日は幻想郷を生き抜く上で必要になる身の守りかたを伝授します。」

 

「先生、早速その身の守りかたをお願いします。」

 

この前にも言った…というか、悠は経験済みよね?

妖怪…この世界にはそこら辺にウヨウヨいるの。

「あぁ…確かに経験したな。途中からの記憶がはっきりしないけどな。」

ま、その「妖怪」から身を守るってことよ。

――って、あら、魔理沙じゃない。

「よう霊夢!また遊びに来たぜ!」

ちょうどいいところに来たわね魔理沙。今から私にやられ…じゃなくて。「弾幕」の練習相手になってもらうわよ。

「やられることが前提なのが大変気に食わないけど…悠に見せるとか言うんだろ?任せろだぜ!」

 

「だ、弾幕?」

そうよ。とりあえず見ればわかるわよ。

 

「そうだ、悠。あれから飛べるようになったか?」

 

「…跳躍なら…出来るようになったんだけどな。」

 

「ちょっと見せてほしいんだぜ」

 

「あぁ…。」

悠大丈夫?またこの前みたいに力を込めすぎたりとかやめてちょうだいよね。

「ど、どうにかなるだろ?」

今度は助けないからね…

「だ…大丈夫…だと思う…」

「悠の命なんかより早く私の好奇心を静めてくれだぜー!」

 

そうね…とりあえず、神社の屋根の上に行ってみたら?

 

「よし…イメージだ…イメージ…イメージ…行くぞ!」

 

掛け声と共に悠が一気に跳躍する。でも前回みたいにがむしゃらに高く跳んだワケではなさそう。上達が早いのね。

「おお!いいカンジじゃないか!きれいに神社の上まで行ったな!なー霊夢?」

 

ええ、そうね。おそらくあなたには滑空は無理でしょうから、「跳躍」を極めたほうがいいかもしれないわね。

それに、これから私たちのする事…そこからの方が見やすいと思うわ。

 

「なぁ霊夢、そろそろ答えを教えてくれよ。」

ええ。悠にこれから教えることは…弾幕の出し方よ。

 

「弾幕の…出し方?」

「ま、見ればわかるぜ!」

 

じゃあ魔理沙、一回でも被弾したら負けってことで、模擬戦を始めるわよ。

「おう!いくぜっ…!」

 

「おう!いくぜっ…!」

 両者が一定の距離をとってから、お互いの準備を確認しあった後…。

 

「…!」

 悠は、驚いた。ただその一言につきる。何が驚いたかというと、

「マジで…弾幕じゃん…」

そう。本当に「弾幕」を出していた。

 現世でいう「弾幕」とは、敵の攻撃を防ぐため、たくさんの弾丸を飛ばすのを幕にたとえて、弾の幕、「弾幕」という。彼女らはまさにその名の通りに"弾幕"を張っていた。

 

 霊夢がお札らしきものをただひたすら魔理沙に投げつけているのだが、ふところからお札を出しては投げつけ、また出しては投げつけ…どこにそんな大量にしまっているのか気になるほどの数だ。

 3枚ずつを指で挟んで計9枚を投げる。指から離れた3組の札の束は、規則正しく扇状に展開して魔理沙に向かって行く。右手のあとには左手で投げ、すぐ右手でお札を掴んで投げつけ、その後左手でも同じことをする。それを繰り返して魔理沙を決して近づけさせない。まさに弾幕だ。

 

 一方で魔理沙は、初めて会ったときと同じく箒にまたがり、空中を飛び回りただひたすら霊夢の弾をかわす。ものすごいスピードだ。札の弾幕も相当なのに、それを回避しつつ、霊夢を中心に、円を描くようにぐるぐると回りながら攻撃の機会をうかがっているようだ。

 

「そんなもんか霊夢。まだまだワタシはイケるぜっ!」

 魔理沙が挑発に出る。まだ出せるのかよ。

「当然じゃない。私だって回避の練習とかしたいもの。こんなところで本気なんて出さないわ。」

「言ってくれるぜ…!ならお望み通りこっちからも行くのぜ!」

 

 防戦一方だった魔理沙が動く。

「す、すげぇ…!」

ガトリング・お札の次は魔方陣と来るものだから悠はまたしても驚かされる。

 トップスピードで霊夢の周囲を滑空する魔理沙の前と後ろに、1つずつ黄色の魔方陣が展開される。それらは両方とも霊夢の方を向いている。

「いくぜ霊夢!」

 魔理沙がそう言い放つと同時に魔方陣が淡く発光し、やがて魔理沙は「弾幕攻撃」を開始する。

 魔理沙の弾幕は霊夢のものと違って「球体」だ。その球体がどのような物質から構成されているかは判らないが、魔方陣と同様に淡く発光している。

その球形の弾は霊夢に向かって、かつ拡散して被弾の確率を上げながら飛んでいく。弾は連射されており、魔理沙の弾幕も濃さを増している。

 

「面白くなってきたじゃない!」

霊夢は向かってくる魔理沙の弾幕を時には回避、時にはお札を投げつけて相殺させながら飛んでいる。

 

「っし!みてろよ…!」

魔理沙がニヤリと不適な笑みを浮かべる。なにやらポケットをガサゴソ…

 取り出した手には、正八角形の立体が握られていた。

 

「いくぜっ…マスター…スパアァァァァーーーク!」

 

「ッ!」

 

「なんだよあれ…!」

 魔理沙の手に握られている正八角形の立体から極太レーザーが霊夢に向かって照射された。当たったらひとたまりもなさそうだ。

「…ッ!」

霊夢は回避が間に合わなかったようで、極太レーザーに飲まれたようだ。

 

「っし!手応えありだぜ!」

「油断大敵よ。」

 極太レーザーことマスタースパークに飲まれたはずの霊夢は、いつの間にか魔理沙の背中側に回り込んでいた。

「なッ!いつの間に!」

「私の勝ちは最初から決まっていたのよ。」

 そう言うと、霊夢はありったけのお札を魔理沙に投げつける。

「もうワタシの負けは決まったんだから終わりに…あばばばばばば!」

 霊夢の手から離れたお札は、魔理沙に『突き刺さった』。魔理沙は箒とともに地面に落下する。

「ぶへっ」

「やっぱり魔理沙はゴリ押しが好きなのね。」

「チクショー…また負けちまったぜ…」

 魔理沙は目を回して倒れた。

 

「それより霊夢、さっきの極太レーザーはかわしたのか?」

 悠が霊夢に尋ねる。

「それはあっちを見てみればわかるわよ。」

 霊夢が指差した方向に顔をむける。先程霊夢が極太レーザーに飲み込まれた場所の丁度真下だ。

「…たくさんのお札が落ちてるな。」

「さっきのはかわしたんじゃなくてね、囮よ。」

「囮?」

「そう。お札に私の霊力を押し込んで、そのお札の集合体を『私』だと認識させていたの。お札の囮を作ったあと私はすぐに魔理沙の後ろを取りに向かっているから、マスタースパークに飲み込まれたのは私ではなくお札の方よ。」

「それで、魔理沙の攻撃をくらったお札の囮は力を失ってバラバラになって落ちていったと。」

「そういうことよ。」

「じゃあ魔理沙のあの極太レーザーは何なんだ?マスター…なんだっけ」

「マスタースパークよ。あれはね、霖之助さんが作ったマジックアイテムの八卦炉が出す攻撃よ。」

「マジックアイテム?」

「そう、マジックアイテム。私達人間でもあんなことを可能にする力を持っている道具よ。」

「っつつ~…」

 目を回して倒れていた魔理沙が意識を取り戻す。

「魔理沙、大丈夫か?」

「ああ…体は霊力の防壁を張ってあるから、多少は大丈夫なんだぜ。まあ精神的なダメージは来るから休憩はしなくちゃなんだぜ。」

「そっか。」

「ちなみにワタシのさっきのは『マスタースパーク』っていう技だ。」

 今ほど聞きました。

 

「この八卦炉に魔力を充填して、満タンになったら念じる。すると極太レーザーが出るワケだ!」

「もしや最初の方で攻撃を中々しなかったのは魔力を充填してたり?」

「ズバリそういうことなんだぜ。」

「ということは、弾幕にも力を消費するから、それを押さえるために逃げ回っていたんだな?」

「そうなんだぜ。ちなみに霊夢のお札も同じように、お札に霊力を溜めて、溜めた霊力を使ってお札が弾幕として飛んでいくんだぜ。」

「これは模擬弾だからただの弾幕みたいなものだけれど、実戦では妖怪を封印する効果のあるお札を使うのよ。」

「そうなんだな。」

 

 一通り、先ほどの戦いの説明を受ける。

「さ、次はあなたの番よ、悠?」

「おう。指導頼むぜ。」

「早速始めましょう。」

 早速、二人が悠に「弾幕」について教える。

 最初に口を開いたのは魔理沙。

「よし悠、まずは手のひらを前に突き出すんだ。」

「こうか?」

 右手を前に突き出す。

 続いて霊夢が口を開く。

「そうよ。そして手のひらに触れている大気を感じとるの。」

 目を閉じて手のひらに全神経を集中させる。秋らしく冷えきった空気が手のひらに触れているのがわかる。

「そう…そのまま、手先に巡り回ってくる血の1滴にまで意識を集中させて…。」

 言われた通りのことを試す。

「……」

「そこで手のひらから力が溢れるような感覚をイメージするんだぜ!」

「…ッ!」

 手のひらに意識を向けたまま力をいれると、魔理沙と同じような球形の弾が飛び出す。

「おぉ…出来た!」

「流石だぜ悠!」

 魔理沙たちに比べると小さく、ヒョロヒョロと飛んで行った。

「このまま練習していけばきっとさらによくなるわよ!」

「おう!」

 

……

………

「ゼェッ…ハァッ…!」

「どうして…こうも上手くいかないのかしらね?」

「謎だぜ…」

 弾幕を張る練習を始めてからずいぶん経ったが、弾は依然として最初の頃のままだ。

「ゼェッ…ゼェッ…こ、このままだと、ただ俺の霊力を消費し続けるだけだぞ…うぇっぷ」

「キャッ…ちょ、ちょっと悠!こんなところで吐いたりしないでよ!?」

「ちょっと休憩にしようなのぜ?」

「そ、そうだな…」

「それがいいわね。」

……

………

辺りが暗くなり始める。

「もうこんな時間なのか…」

「休憩しすぎたようね。」

「何でそうなるんだぜ…」

「結局できなかったなー。もっと簡単にできねぇかなー?こう、助走をつけたらできるとか!」

 そうぼやくと、悠はボールを投げるときのステップで拳を前に突き出し、空気を殴る。

 

――ドンッ!

「「「!」」」

 空を殴った悠の拳から弾幕が放たれ、5メートル程度先の林の中の木に当たる。それもさっきまでとはうってかわって「速く、大きい弾」だ。

 

「「「…」」」

 この場にいる全員が唖然としている。

「…」

 悠は、今度は右手を左から右に振り払ってみる。

「うおっ」

 重い描いた通り、振り払った方向に弾が拡散して飛んでいった。

「や、やったな悠!これでお前も弾幕で戦えるぜ!」

「おう!」

「あれだけ練習してたのにまさか変な動きひとつでこうも簡単に出来るとはね。」

「やっぱりイメージって大切なんだな。源が『力』というだけはあるな」

 

 

「最後に何か技を覚えさせなくちゃね。」

「技?」

「ワタシのマスタースパークや霊夢のさっきの囮とかのことだぜ。」

「フム。」

「そうね…さっき見せたみたいに弾幕を目一杯に張って、そしたら弾幕に紛れて一気に近づく、それで跳躍の時と同じ要領で腕に霊力を溜め込んで、そのまま殴る、なんてどう?弾幕よりは確実に高火力よ。簡単に大打撃を与えられそうね。こっちの世界での攻撃と言えば弾幕なわけだからきっと裏をかけるわ。」

「殴る…物騒な気もするが、

それは使えそうだな。そうなると小さい弾幕も使えるようにならないとなわけだな」

 悠の跳躍は、脚に霊力を溜め込んで、ジャンプの瞬間に力を下に放出、その反力で跳んでいる。

 その技を応用し、腕に霊力を溜め込む、というのが霊夢が思い描いたものだ。

 悠の新しい技について話していると――

 

「――新聞ー、新聞でーす!ブンブンハローユーチューブ!いつもあなたのお側に!毎度お馴染みの文々。(ぶんぶんまる)新聞でーす!」

 こんな夕暮れ時に新聞を持ってきたのは、背中から黒色の翼を生やす、エルフ耳の短髪の少女だ。

「何よ、文(あや)。こんな時間に。」

「号外ですよ!これを見てください!」

 魔理沙は、「文」と呼ばれるその人から新聞を受けとる。

「えっと、なになに…『霧の湖の側に謎の洋館出現!』だって?なんだこりゃ?」

「そう!妖怪の山の麓にある湖に突然現れたのですよ!取材に行ってみたのですが、取材拒否されまして…私は強行突入を試みたのですが、飛んでも飛んでも柵の辺りから進まなかったり、ついたと思ったら、いつの間にか門の前にいたり…これは異変ですよ!」

 

「異変?」

 悠は「異変」というものについてイマイチ理解が追い付かない。

「なんと!これまた特ダネ!」

 突然右手を握られ、握手される。

「初めまして鬼怒刈悠さん!噂は度々耳にしてましたよ!」

「はぁ…」

「おっと申し遅れました。ワタシは『文文。(ぶんぶんまる)新聞』の記者兼編集者その他もろもろの射命丸 文(しゃめいまる あや)と申します。これから時々お目にかかることがあるかとは思いますが以後お見知りおきを!」

「は、はぁ…」

 ガンガン話を進める文。

「ところで霊夢さんと悠さんはどういったご関係で?」

「俺が少しの間いそう…」

「主人と下僕です。」

「えっ」

「悠…お前ってそういう趣味だったのか…?」

「いや違う」

「特ダネ特ダネ!題名は『あの博麗巫女に変態彼氏が出来た!?』で決まりですねぇ~!」

「変な記事を流すな!」

「まぁ、冗談はこのぐらいにして…悠さんは外界からお越しになったと聞きましたが、ということは『異変』についても?」

「ああ。全くの無知だ。」

 文が悠の情報を持っているのは、村に行ったからなのだろうか。

「文に頼むと変なことまで吹き込まれそうだから私が説明するわ。」

「おっと、こりゃ手厳しいですね。」

 そう言うと、霊夢が説明を始める。

「異変っていうのはね、とりあえず一大事よ。今回みたいに羊羮が出てきたりして何か異常事態が起こるのよ。」

「さすがにこいつは食べられそうにないぜ?」

「まあ、そういうことです。妖怪が何か企んでたりするんですよ。」

「そして、その妖怪を退治するのが、この私――」

 自身の胸に手のひらをあてて、霊夢が言う。

「博麗神社の巫女、博麗霊夢の本職よ。」

「私も行くのぜ!」

「あなたってばいっつも足を引っ張ってるじゃない。」

「た、たまたまなんだぜ!次こそは上手く行くのぜ!」

「どうかしらね。」

「なんだとー!」

 

日はもう沈みかけている。辺りが夕日の優しい赤に照らされる。

「では、私はそろそろ帰ります。またどこかで。」

「私もそろそろ帰るぜ。じゃあな悠、霊夢、文」

「さようならー」

「おう。じゃあなー。」

手を振って各々別れる。

 

「さてと、悠。私達も戻るわよ。」

「そうだな。今日の夕飯は何だ?」

「そうね、今日は―――」

今日も、賑やかな博麗神社――。

 

……

………

 昨日は弾幕の練習で疲れた。慣れないことをするのは大変だ。悠はこれ以上ないほどに心地のよい快眠をとっていた。

「悠、起きて。」

 快眠の真っ最中に起こされた悠の機嫌は少し悪い。まったく、快眠を邪魔するおバカさんはどこのどいつだ。

「んー…なんだよ…まだ暗いじゃんかよ…」

「いいから、外に来てほしいの。」

「んだよー…」

 言われるがままに、悠が借りてる部屋から外に足を運ぶ。

 

 ふすまを開けると…。

「…ったくよーこんな夜中に……え…な、なんだこれ…!」

 そこには、一瞬にして目覚めるような衝撃的光景が広がっていた。

「空が…真っ赤…!」

「いっておくけど、今は朝よ。やっぱり、昨日文が言っていた洋館の連中かしらね…!」

「なぁ…霊夢…?」

「悠、覚えておきなさい。これが…異変よ!」

 昨日の夕陽ほど、その赤は優しいとは思えなかった。




アドバイスや感想などがございましたらどしどし書き込み下さいませ。

…この話の第1話が違和感しかないのは分かっているんだけども…どうやって直せばいいのやら。。。
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