ソードアート・アライブ   作:wasu

4 / 12
「いいかみんな、この扉の向こうにイルファング・ザ・コボルド・ロードがいる。心してかかれ。そしてもうひとつ・・・・・勝とうぜ!」

その言葉が言われた瞬間に全員の士気が上がった。
俺はこんな指揮官になりたいと思った。
それと同時にみんなを死なせたくないと思った。

あのハプニングが起きるまでは・・・・・・・・・・・・・・・

分かりづらい方は前話をご覧ください。
それでは楽しんで 第三章俺と十香 をご覧ください。



第三章 俺と十香

2022年12月10日現在、第一層のボス攻略が始まろうとしていた・・・・・・・・・・・・・・・

 

俺の隣いる指揮官アランさんの指示に従って隊列を組みなおし、アランさんが扉を開けた。

錆びたドアが久しぶりに開くような『ギギギッ』と音をたたせながら開いた。

扉の向こうには血に染まった紅のような色と金色の装飾品が付けられている椅子に全身に鎧を纏った赤色の第一層ボス 通称イルファング・ザ・コボルド・ロードがこちらを威嚇するように座っている。

 

俺たちはそれに戸惑うがすぐに冷静になり扉がすべて開くまで待った。

扉がすべて開くとイルファング・ザ・コボルド・ロードの目が赤くひかり、まるでスイッチが入ったような感じがした。

 

「全員ただちに隊列を広げて一人ひとりが攻撃しやすいように展開しろ!」

 

その合図が言われたとたんに俺とアスナを含む、アランさんのほか全員が動き出した。

するとイルファング・ザ・コボルド・ロードは椅子から立ち上がり勢いよく飛んできた。

そして俺らの前に仁王立ちするように勇ましく立った。

俺らがビビるとイルファング・ザ・コボルド・ロードはそれを利用したかのように

『グオオオオオォォォーーー!!!』と威嚇してきた。

 

その時、後ろからルイン・コボルド・センチネルが出てきた。

情報どおり数は3体。

俺とアスナを含むC班は他の班の邪魔にならないように3体を誘い出し、俺とアスナで一体、他の人たちで2体倒す事になった。

 

激しい戦闘の音が鳴り響く。

俺はスイッチをするため相手の攻撃をはじき、アスナに続けた。

 

「アスナ、スイッチ!」

 

「ははああああぁぁ!」

 

アスナの剣は相手の体を切り裂きいとも簡単に戦闘は終了した。

他の人たちもちょうど終わった。

俺たちは今から最前線へ出なければならない。

 

「君たち、終わったかい?終わったならこちらに加勢してくれ」

 

「は、はい!」

 

最前線ではB班とC班が攻撃を受け止めて、A班がスイッチをしていた。

気付けば相手のゲージは4本から1本と半分になっていた。

そしてみんなのゲージも半分ほどになっていた。

これはアランさんの指示と防御組の回復支援のおかげだと思う。

 

「体力のない奴は一旦下がれ!俺も出るぞ」

 

アランさんが出てきて攻撃組に加わった。

そして3分も経たずに相手のゲージは半分になっていた。

するとなにやらイルファング・ザ・コボルド・ロードの動きがおかしい。

 

『グオオオオォォォーー!!!』

 

と怒ったように叫び、斧とバックラーを投げ捨て腰についていた ”野太刀” を手に取った。

しかも2刀流。

俺は情報が違う!と思い攻撃していた人たちに注意しようとすると・・・・・・・・

 

「俺が決める!みんなはさがって」

 

と言ってみんなの後ろから指揮官のアランさんが勢いよく出てきて攻撃の構えをとった。

イルファング・ザ・コボルド・ロードは上に飛びアランさんめがけて降ってきた。

アランさんは攻撃を受け止める姿勢をとった。

後ろから回復していた黒ずくめの男が

 

「情報とは違う!全力で後ろに飛べ!」

 

と叫んだ。

その言葉をアランさんの後ろにいた久蔵が反応していた。

アランさんはこの攻撃には耐えられないと思ったのか、後ろに飛ぼうと体勢を傾けたがその時にはもう遅かった・・・・・・・・・・

 

「うわあああああぁぁぁー!!!」

 

アランさんは数メートル横に飛ばされその場に倒れた。

その傷は左肩から右の脇腹までにかけて野太刀の切り傷が深く刻まれていた。

俺とアスナでかけつけようとしたが黒ずくめの男が先にアランさんに近づいて何か話している。

でもアランさんのゲージは減りつつもあるが、まだ3分の1はあった。

アランさんは生きると信じて俺とアスナ、他全員がイルファング・ザ・コボルド・ロードの攻撃を防御していた。

 

それはアランさんがいないとこいつは倒せないとみんなが思っていたから。

 

 否―――――――――――

 

なにやら後ろで『パァン』というモンスターが倒されたときのような音がした。

見るとアランさんはそこにいなかった。

いたのは嘆き悲しむ黒ずくめの男だけ。

 

――――――――そうアランさんが死んだ

 

俺たちみんなが防御をやめ、黒ずくめの男をみた。

男は一人で走っていき攻撃と回避を繰り返していた。

 

「そこのC班の二人こっちに来い!」

 

俺は脚が前に出なかった。

それはあいつに攻撃されると ”死ぬ” と思ったから。

でもアスナはその男に加勢した。

 

「今よ、スイッチ!!」

 

「うおおおおおおぉぉぉーーーー!!!!」

 

その光景は実にすごいものであった。

それはイルファング・ザ・コボルド・ロードの右脇腹から左肩にかけて大きな切り傷が刻み込まれていた。

ゲージがゼロになった。

ボスが『パァン』と消えた。

おれはこの瞬間勝ったという言葉しか頭になかった。

 

「か、勝った」

「お、おい勝ったぞ」

 

少し間が空き全員がこの状況を理解すると・・・・・・・

 

『よっしゃー!勝ったぞー!』

 

全員が感極まりない笑顔で喜んだが、一人だけ後ろで座り込んでいる奴がいた。

そいつは久蔵だった。

 

「何でだよ! 何であいつが武器を持ち替えたときにその情報を言わなかったんだ! 言っていればアランさんは死ななかったんだぞ! それをお前はアランさんを見殺しにしたのか!」

 

その言葉が言われたとたんにみんな静まり返った。

そして所々から罵声が飛ぶ。

 

「た、確かにそうだな」

「お前のせいだ」

「お前のせいでアランさんは死んだんだ!」

 

などの言葉が聞こえた。

中でも一番場を騒がせたのは 「こ、こいつもしかして元ベータテスターか!」 という一言だった。

俺もそれならあのイルファング・ザ・コボルド・ロードに大傷を与えたのも納得がつく。

でも一番の決定的証拠は ”情報” だった。

 

あの武器に切り替えたときに気づいたのは少なくても俺とあの男ぐらいだった。

しかし、あの男はなぜ後ろに飛べば避けれることがわかったのかが一番の理由だった。

そしてその男はゆっくりと立ち上がり、不気味な笑い方をした。

 

「ハ、ハハハ、アハハハハハハハ!!!!!」

 

「俺は元ベータテスター、この上の層にいるモンスターがかたなをつかっていたから俺はあいつがあの武器にかえることを知っていたんだ、他にもいろいろ知っているぜ、「情報が情報が」 が言えないくらいにな!」

 

黒ずくめの男は黒のマントを脱ぎ、ボスのレアアイテム(ボーナスアイテム)を身に纏った。

そのマントを纏った姿は先ほどよりも色が濃く、襟が首元から顎までたっている。

久蔵はこの男が元ベータテスターとわかるとなにかしゃべり始めた。

 

「そ、そんなんチートを使うチーターや!」

 

そして久蔵のまわりにいた連中が言い始める。

 

「元ベータテスターがチーターだから・・・・・・ビーターだ!」

 

男はその呼び名が気に入ったのかまた笑い、

 

「ビーターか、いいね悪くない呼び名を付ける・・・・・・俺は今からビーターとして生きる」

 

と言ってその男は第二層につながる扉に歩いていった。

あいつの名前はまだ知らないが知る必要もないだろう。

アスナはあの男を追いかけていった。

なにやら話している・・・・・・・・

アスナも元ベータテスターなのか・・・・・・いやそんなことはないだろう。

だけどなぜあの時アランさんはなぜにひとりでボスに立ち向かったんだろう。

 

(もしかしてあの人も元ベータテスターなのか!)

 

それがわかるとあの人はボスのレアアイテム(ボーナスアイテム)狙いでボスに一人で立ち向かったことにも納得がつく。

 

あの人のレベルは・・・・・・遠くにいるので見えづらいが13か?

でもって俺のレベルは・・・・・11

少しあの人のほうが強いのか?

まぁ、あのイルファング・ザ・コボルド・ロードにあとが残るくらいの大傷を与えたもんな。

 

 

「おーい、そこの者よ!」

 

 

後ろから俺を呼ぶ声が聞こえた。

俺が振り向くとそこには俺の目を惹きつける少女が走ってきた。

長い闇色の髪、女神さえ嫉妬してしまいそうな貌を、大きく唇を開いて俺に走ってくるその様は。

 

視線を、心をも、

 

―――――一瞬にして、奪い去った。

 

それくらい、あまりにも、尋常ではなく、

 

暴力的なまでに、美しい。

 

「君は・・・・・・」

 

俺はおもわず声を発した。

 

少女は考えながらも、

 

「うむ、名前か・・・・・」

 

心地いい声が、空気を震わせた。

しかし。

 

「―――――実は名前はまだないのだ・・・・・・」

 

「・・・・・え・・・・・」

 

俺は最初、この子が何を言っているのかがわからなかった。

名前が無いのはこのゲーム内のことなのか、それとも・・・・・。

 

「えっと・・・・・名前が無いというのはどういうことなんだ」

 

「うむ、それがあまり記憶がないのだが・・・・・昔、小さい頃に両親に捨てられて、その後とある貴族に拾われ育てられた・・・・・」

 

少し気まずいことを聞いてしまった。捨てられたのか・・・・・。

『かわいそう』俺は最初にそう思った。

 

「で、でも拾われたのなら名前ぐらいあるんじゃないか?・・・・・」

 

「それがいつも、『お嬢様』といわれていてな・・・・・何を言っているのか見当もつかんのだ」

 

も、もしかしてこの子勉強どころか読むことも書くことも多少の言葉の意味も理解できないんじゃ・・・・・

 

「だからこうして少し分かり合えそうな貴様と話をしようと思って”エディン”からずっと尾行してきたのだ、その、あれだな、お互いのことを呼び合うなら名前が必要だな、貴様の名は何だ」

 

「お、俺は五河士道、天宮市に住んでいる高校2年生」

 

簡単な自己紹介をする。

 

「そうかシドーというか、シドーは私のことをなんと呼びたい?」

 

うっわヘビーなもんきたな・・・・・うーんなにがいいのか・・・・・まるで父親みたいな感じだな・・・・・

えっと・・・・・「トメ」なんていいか?

 

「君の名前は『トメ』だ」

 

その瞬間俺の首元に少女のレイピアの先が少し触れ鉄の冷たさがよくわかった。

 

「なんだか馬鹿にされた気がした、冗談はいらない」

 

確かに全国のトメさんには悪いがいまどきの女の子に付ける名前ではない。m(_ _;)m

えっと他にいい名前はないか・・・・・・・・・・

ん?でも名前を入力しないとこのゲームにインできないんじゃ・・・・・・・・・・

もしかして・・・・・・・「空白(スペース)」で入力したのか・・・・・・・・まぁそっれなら名前がないのにインができていることに説明がつくよな。

 

そういえば今日は2022年の12月10日だったっけ?

うーん10日・・・・・十か・・・・・十香・・・・・『十香』だ!!

 

「君の名前は『十香』だ!どうかな?」

 

「うむ、『とおか』か、いい名だがどう書くのだ、教えてくれ」

 

この世界でどうやって説明しろと・・・・・あ、そうだ俺の剣で床に傷を付けてそれを十香の名前設定で入力してもらえればいけるか?!

俺は床に『十香』と傷を入れた。

 

「これと同じ形の漢字をメニューの名前設定画面で入力してくれ」

 

「お、おうわかったぞ」

 

探すのに時間がかかるなこれは・・・・・・・

 

「こ、これでいいのか」

 

探すのにかかった時間はわずか10秒・・・・・・・!?案外早いな。

 

「シドー、『十香』私の名だ素敵だろう」

 

「ああ、そうだな」

 

俺と十香は一緒に笑い、一緒に話しながら第2層へ続く扉を越えた。

 




お久しぶりです、wasuです。
そろそろはじめましての方がおられないと思いますのでご挨拶はこの辺で。

ソード・アート・ア・ライブ 『第三章 俺と十香』 どうでしたでしょうか?
お楽しみいただけたでしょうか。

今回の話は前回の話の『まとめをして次につなげる』という感じです。
上手くいっていたら嬉しいです。
もちろん感想やアドバイスなど是非ともお願いします

ここでひとつお知らせをご報告させていただきます。
来年の1月ほどから 『バカとテストと召喚機』 という小説も書いていきたいと思っております。

説明は要らないと思いますが「 バカとテストと召喚獣」と「IS インフィニット・ストラトス」を混ぜてみたものです。

おっと時間が来てしまいました。

それでは次回! 『第四章 勇気』 です!お楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。