この日も例年と同じく慰霊祭が行われていた。
忍になって初めての慰霊祭。
でも、ナルトはただ部屋から眺めているだけ。
それは自分に九尾の妖狐が眠っているから。
里の大人は皆ナルトを嫌う。
でもそれでも、ナルトを思う人達がいた。
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誕生日がどんな日なのか。
それは家族に祝われ、恋人に祝われ友達に祝われ、それはめでたい日なのだ。
でもナルトにとっての誕生日。それは辛くて、悲しい日でしかなかった。
「はぁ、今年もまたこの日が来たってばよ」
窓から里を眺めため息をつく。ため息をつくとその金色の髪をかきむしるナルト。
「俺、今年で13歳になったのか。父ちゃんや母ちゃんは天国で俺を見ててくれてんのかな?」
空を見上げ亡き父母を思う。
『はぁ…今日は一楽に行って飯食ってすぐ帰ってこよう。今日くらい里の人は俺のこと見たくないだろうし』
心の中でつぶやきいつものように忍靴を履いて外に出る。
外は明るく太陽はキラキラ輝いているが、ナルトの心は真っ黒な雲に覆われていた。
**************
サスケとサクラはナルトの誕生日とカカシから聞いていたのでプレゼントを買いに来ていた。
「ねぇ、サスケくん、サスケくんはナルトに何をあげるの?」
隣を歩くサスケを覗き見ながらサスケに問いかけるサクラ。
それにサスケはぶっきらぼうに答える。
「決めてない。でもあいつ何もらったら喜ぶんだかまったくわかんねぇ」
そう言いながらもサスケはあたりの店をチラチラ見ては考えにふけっているのをサクラは見逃していなかった。
「私はね、ナルト普段何もオシャレってしないでしょ?だから手袋にしようと思うんだ。これから冬になって寒くなるしね」
そう言うとサクラはご機嫌そうに歩く。
ナルトの誕生日。2人はそれだけで少しご機嫌だったのだ。
同じ班で頑張り屋で、おっちょこちょいなナルトを2人は本当に大切に思っていた。
「あ、あれなんて良さそう!」
暖かそうな紺色の手袋。真ん中に赤とオレンジの縞模様が入っていて、どことなくナルトらしい色合いに感じた。
「まぁ、悪くないんじゃないか?あいつも喜ぶと思うぜ」
そう言うとその手袋を持つサクラはそれに決めたようですぐにレジに持っていった。
そして綺麗にラッピングをしてもらったそれを持ってサクラは出てくる。
「あとはサスケくんね!私も一緒に考えてあげる」
サクラは自分のプレゼントを左手に抱え、サスケの隣をまた歩き出す。
するとサスケはある店の前で歩みを止めた。
「サスケくん?何か良さそうなものあった??」
サクラは少し戻ってきてサスケの見つめる先を見る。
「わぁ、これすごくナルトっぽいわ!」
「そうだろ?あいつなら似合うと思うんだが、まぁ誕生日プレゼントだしな。買ってくるから待ってろ」
そう言うすとサスケはその商品を店員さんから出してもらいお金を払いラッピングをしてもらった。
そしてそれを持って先ほどよりも少し笑顔になり店の外に出てくる。
「これであいつも喜んでくれるわね!」
「あぁ、そうだといいな。じゃぁサクラ、早く帰って準備の手伝いをするぞ。いのとテンテンはもう俺の家で料理を作ってくれている。それにシカマルやチョウジたちも後から来るそうだ。カカシがナルトを誘ってから来ることになっている。それよりも早く準備を終わらせないといけないからな」
「そうね、今日はナルトのために頑張ってやらなきゃ!」
そう言うと二人は少し早く歩いて家に戻る。
ナルトの誕生日を祝うために。
**************
「キバ、お前はプレゼント何にしたんだ?」
シノの問いかけにキバは笑顔で答える。
「俺はあいつが欲しがってた忍靴にしたぜ。少し値ははったがあいついままで誕生日を大勢の人に祝ってもらったことないって聞いたからな。かぁちゃんたちも少し手伝ってくれて買ってきた!そういうシノはなんにしたんだ?」
箱を持ち上げキバはニヤニヤとしている。
「俺はナルトの家に行った時に部屋が殺風景だったのが気になったからな。写真ボードと、そこにはみんなで撮った写真が貼ってある。俺たちが友達であるという証だ」
シノは右手に持った四角く大きなボードを掲げる。
「お、それすげーいいじゃん!あいつの部屋確かに寂しいからな。あいつ絶対喜ぶぜ!」
二人はナルトが喜んでくれる姿を想像しては少しにやけてしまっていた。
「だが、ヒナタは間に合うのか?もう少しで完成だとは聞いたが」
シノは不安そうにつぶやく。ヒナタは手編みのマフラーを送るために先月から頑張っていたのだが、なにぶん任務の傍やっていたためにギリギリなのだった。
「あぁ、なんか間に合うと思うって今朝言ってた。でもナルトも隅におけねぇぜ」
キバは笑いながらいう。シノもそれにうなずく。
そして2人は話をしながらサスケの家に向かう。
大切な友の、仲間の誕生日を祝うために。
**************
「できた!ねぇ、ネジ兄さん。これでどうかな??」
ヒナタはついにマフラーを完成させる。
ナルトの誕生日プレゼントのために編み上げたマフラーだ。それは黒と赤の毛糸で編まれた綺麗なマフラーだった。
「ヒナタ様、いい出来ではありませんか!これならナルトも大喜びですよ!」
ネジは賞賛の声をあげる。
「喜んでくれたらいいな…あ、ラッピングしなくちゃ!」
ヒナタは買ってあった袋に丁寧に畳んだマフラーを大切に入れる。それをネジが微笑見ながら見守った。
「ネジ兄さんは結局何にしたの?昨日リーさんと買いに行ったんでしょう?」
ネジは頷き答えた。
「俺は、ナルトに似合いそうなジャケットを買ってありますよ。冬が近づくと任務の時にも寒いですから。リーは俺の買ったジャケットに合うような忍用ズボンを購入してましたよ」
ネジはヒナタに報告するとそれが入った袋を見せる。
「じゃぁこれでナルト君冬の任務でもあったかいままで行けますね!」
「はい、ではそろそろ行きましょう。リーが迎えに来る時間です」
2人は笑顔で立ち上がり玄関に向かう。外に出るとリーが門の前に立っていた。
「こんにちわ、おふたりとも忘れ物はないですか??」
リーの質問に2人は袋を掲げてみせる。
「僕もしっかりと持ってきましたよ!」
リーも同じく袋を掲げるとみんなが笑い出した。
ネ「ナルトも幸せ者だ。」
リ「そうですね、喜んでくれるといいんですが」
ヒ「ナルト君なら…きっと喜んでくれますよ」
3人はナルトの喜ぶ顔を思い浮かべながらサスケの家に足を向けた。
**************
「シカマル、チョウジ、急げ、ナルトが来るまで時間あんまりねぇぞ!」
「そうよ、ナルトが来るまでに私たちがついてないなんて笑い話にもならないわ」
アスマと紅は走りながら後ろの2人に叫ぶ。
「あんたたちがあーでもないこーでもない言ってるからこうなってんだよ!少しは反省してください」
シカマルの厳しいツッコミに二人は押し黙る。
「でももう疲れたよ。ずっと走りっぱなしだし」
チョウジは背中に荷物を背負い走っていたためすでに疲労困憊。
「済まなかったとさっき謝ったじゃないか、シカマル。男ならグダグダ言わず許してくれ!」
アスマの声にシカマルは舌打ちする。
「まぁまぁアスマ。私たちが悪かったのだからもうすこし言い方考えなさいよ。ごめんね、シカマル、チョウジ」
紅の言葉にシカマルはため息をつくが、言葉は優しい。
「まぁナルトのためだ。許しますよ、なぁチョウジ」
「仕方ないね。ナルトのためだし」
2人の言葉に紅は微笑みアスマは安堵の息をつく。
「もう間に合いそうですね。サスケの家が見えました」
シカマルの言葉に3人も少しスピードを落とし、家の前に着く。時間は17時45分。ナルトが来るのは18時を過ぎてからだからまだ余裕ができたくらいだ。
「さぁ、私たちも残りの手伝いとかしちゃいましょう?」
紅を先頭にサスケの家に入っていく4人。ナルトが来るまでの予定は詰まっていた。
**************
「いの、そっちはどう?」
「あとはこれを盛りつければ完成です!テンテンさんの方はどうですか?」
「こっちはあとは煮詰めるだけよ、それ終わったらケーキに取り掛かっちゃって!スポンジは焼きあがって冷やしてあるから!」
2人はナルトのための料理を作っていた。
普段から二人は料理をよくするため、ほとんどの料理の下ごしらえはすみ、もう後はケーキとスープ、それにナルトの顔を模したちらし寿司だけになっていた、
「わかりました!ちらし寿司の方はお願いしますね!」
「おっけー!でもナルト喜んでくれるかな?ナルトにまだ何にも教えてないんでしょう?」
テンテンは少し不安そうに呟く。
「大丈夫ですよ!だってみんなで頑張って準備したんですから、ナルトもきっと喜んでくれますよ!」
そう言うと生クリームをスポンジに綺麗に伸ばしていく。
「そうだよね!大丈夫よね、きっと!」
そう言うとテンテンはちらし寿司にとりかかった。
「ねぇいの、いのはナルトの誕生日プレゼント何にしたの?」
「私はナルトの部屋に飾ってもらおうと観葉植物を持ってきたの!ナルトって実はベランダで花を育ててるの。だから次は部屋の中にってね!」
いのは部屋の片隅に置かれた大きな植物を指差し笑う。
「そーなんだ!私は冬が近くなってくるからニット帽にしたわ!それもナルトに似合いそうなやつを見つけられたからそれにしたわ!」
テンテンはナルトの顔を作りながら笑う。
「でも本当に今日の慰霊祭出なくてよかったんですかね?私たち。里の人たちはみんな出るんですよね?」
「でもナルトを排除した祭なんて参加したくないってみんなで決めたじゃない。綱手様も了承してくれた。何も気にすることないわ」
そう、慰霊祭にナルトが出たことがないのはみんなが知っていた。そしてナルトを排除しているのは里の大人たちだった。
「ナルトがなんで排除されてるかは知らない。でもナルトは私たちの仲間じゃない。ね?」
テンテンの言葉にいのは強く頷いた。
「そうですね、じゃぁナルトのためにもう少し頑張りましょー!」
二人は願う。ナルトが喜んでくれますようにと。
**************
カカシはナルトの家の前に立っていた。
何度ノックしても出てこない。留守かな?
きた道を戻り人ごみ溢れる街の中をナルトを探して歩き回る。
『ナルトが行きそうな場所…綱手様のところかな?』
そう考えたカカシはすぐに綱手のところに足を運ぶ。
「綱手様、ナルトここに来てませんか?」
カカシの言葉に綱手もシズネも首を横に振る。
「ここには今日は来ていないぞ?なぁ、シズネ」
「はい、私たちもナルト君にきてもらえればプレゼントを渡せたんですが」
綱手はシズネに同意を求め、そのシズネは頷くと少し悔しそうに持ってきていたプレゼントを横目でちらりと見る。
「あー、もしよかったら仕事が終わり次第サスケの家にプレゼントを持ってきてください。今日実はナルトの誕生日会をするんです」
カカシの言葉に綱手は答える。
「知っているさ。だから今日の慰霊祭にあいつらが不参加でもいいと許可したんだ。私たちも後で顔を出すよ。もちろんプレゼントを持ってね」
その言葉にカカシは頷き部屋を出る。
「さぁ、シズネ!早く仕事を終わらせて行くよ!」
「はい、私も手伝います!」
2人はすごいスピードでハンコを書類に押していく。それでもダメな書類は弾き明日訂正をさせるために分けることを忘れない。
2人の気持ちは同じ。
『ナルトの誕生日を祝いたい』
カカシは次の目的地を定めていた。
『一楽に行って聞いてみるか』
一楽に着くとナルトはいなかった。がそこには自来也がいた。
「自来也様、お久しぶりです。どうして木の葉に??」
カカシの問いに自来也は答える。
「なーに、弟子の誕生を祝うためにプレゼントを持ってきた。が、ナルトはもうここに来て帰った後だったのぅ、後で家に行ってみるわい」
ラーメンをすすりながら自来也は答える。
「わかりました、あ。もしよかったらサスケの家にプレゼントを持ってきてください。今日はみんなでナルトの誕生日を祝ってやるつもりなんで」
「おう、わかった。これを食い終わったら行ってみるかのぅ」
自来也と店主にお辞儀をしカカシは走り去る。
「あ、わしサスケの家知らんかった。綱手に聞いてみるかのぅ」
以外と抜けている自来也だった。
「あと、あいつのいきそうなところは…」
考えながら歩いて行くと、普通とは違う喧騒が聞こえる。何かあったか?
と疑問に持ちながらそこに駆け寄る。
「てめぇどのつら下げてこの日に外で歩いてやがんだ!今日という日にてめぇの顔なんざ見たくねーんだよ化狐が!」
「お前の中のバケモンに殺され死んでいった者たちに申し訳ねーと思わねーのか?あぁ?」
その声は間違いなくナルトを罵倒する声だった。
カカシは屋根に飛び上がりそこに駆け寄り着地する。
カカシを見た途端周りにいた、ナルトに罵声を浴びせていた大人たちは皆一様に顔が青ざめていった。
「おい、俺の部下に今なんて言った?なぁなんて言ったんだ?」
周りを睨みつけ、カカシは威圧する。
「あや、だってそいつがこんなとこにいんのが悪いんだろう?なぁ、違うか?そいつはバケモンだぞ!俺たちがバケモン相手に何しようが勝手だろうが!」
その言葉を皮切りに周りが増長する。
ナルトに対しての謝罪は全くない。出てくる言葉は全てが自己擁護、あるいはナルトへの罵声であった。
聞くに堪えないその言葉にカカシの堪忍袋の尾が切れた。
「言いたいことはそれだけか?ならお前達全員俺が殺す。俺の部下をバカにし、こんな幼い子供にしてきた今までの行為、すべて俺は知っているぞ。お前たちは生かしておかない。全員息の根を止める」
カカシは切れていた。普段冷静沈着なカカシだが仲間を傷つけられ、さらにそれが自分の恩師の息子に当たる子供であり、大切な木の葉の忍、うずまきナルトであったから。
カカシが一歩前に足を踏み出した瞬間だった。
カカシの服を掴む手。
それはナルトの手だった。
「カカシ先生、俺のために怒ってくれてありがと、でももういいよ。里の人たちをカカシ先生が殺すことない。カカシ先生の手が汚れちゃう」
ナルトは俯いたままつぶやく。
「ナルト…」
カカシは振り返りナルトを見る。
その目はさっきまでの目と違い優しいものだった。
そこに緑の男がやってくる。
「お前たち、大丈夫か?」
それは木の葉の青き猛獣、マイトガイだった。
囲まれるカカシとナルトに近づき声をかけたのだった。
「ガイか、あぁ大丈夫問題ない。ちょっとナルトを見ててくれ」
そういうとナルトの前にしゃがみ頭を撫でる。
「ナルト、大丈夫。わかったから、あいつらは殺さない。だから少しガイと一緒に離れててくれ?」
ナルトは手を離し、カカシを見上げると呟く。
「本当?約束だってばよ?」
「あぁ、約束だ」
それに頷いたカカシを見て納得したのか、ガイの方に近づくナルト。
「ガイ、綱手様のところに連れて行ってナルトの手当てをしてもらってきてくれ。おれはこいつらと話がある」
「そうか、わかった。だがやりすぎるなよ?あとでドヤされるぞ?」
「わかってる、頼んだよ」
お互いに顔をあわせることなく話を終えるとガイはナルトをおんぶし、綱手の元へ向かう。
「お前らナルトに感謝しろ。全員半殺しで許してやる」
そう言うとカカシは駆け出す。
そこにいた全員を全て素手で殴り倒し蹴り倒しボコボコにし、全員をそのまま放置した。
その大人たちは次の日の朝になるまで気を失ったままだった。通りかかった奈良シカクの通報により全員が病院に運び込まれ、意識が戻ったものから事情を聴いても誰も何も覚えていなかった。
カカシは全て倒し終わるとその足で綱手のもとに向かった。
「綱手様、ナルトの様子は?」
入ってきたカカシに目を向けると綱手はつぶやく。
「顔の傷以外はたいしたことないけど、顔の傷は残っちゃうかもね?まぁ命に別状はないし、さっきからそこで元気そうにお菓子を食べてるよ」
綱手は自分の足元を指さすと、嬉しそうにお菓子を頬張るナルトがいた。
「ナルト、元気そうで何よりだ」
そう呟くとガイが相槌を打ち、カカシに尋ねる。
「そうだなカカシ。だか今もう18時だがナルトを連れて行かなくていいのか??」
その声にカカシは時間を確認すると確かに18時になっていた。
「あ、やばいな。ナルト、今から一緒に来て欲しいところがあるんだがいいか?」
カカシの問いにナルトは首を傾げながら頷く。
「私たちも一緒に行こう、もう終わったからね。シズネ、行くよ」
「はい綱手様!」
綱手とシズネは荷物を持って、ガイはなぜか手ぶらで、そしてカカシはナルトをおんぶして一斉に走り出した。
早くナルトの喜ぶ顔が見たくて。
**************
「ここってばサスケの家だよね?」
うちはの村の大きな家の前でナルトが尋ねるとみんなが頷く。
「ここで何するんだってばよ?」
「それは入ってからのお楽しみだ。さぁ、インターフォンを鳴らして?」
カカシの言葉に首を傾げながらもナルトはインターフォンを押す。
「はーい、どなた?」
「ナルトだってばよ」
インターフォンからは女の人の声が聞こえた。
その声に返事を返すと中から人が来る音が聞こえる。
ドアの鍵があき、どうぞと声がかかる。
その声にナルトはドアを開けて入った瞬間
パーンパーンパーンパーンパーン
パーンパーンパーンパーンパーン
パーンパーンパーンパーンパーン
クラッカーの音が鳴り響き、ナルトの頭にクラッカーから出たカラフルな紙が降ってきた。
『ナルト、誕生日おめでとー!』
「ささ、入って入って!」
「そうだぞ、今日の主役はお前だ、ナルト!」
サクラとサスケに背中を押され、靴を急いで脱ぎ奥に通される。
そこには今まで見たことないような量の料理が並んでいた。
「な、なにこれ?なんでこんなに料理が?」
ナルトは目が点になっており、疑問を述べる。
「はぁ、何言ってんだお前、どう見てもお前の誕生日パーティーだろうが」
シカマルの言葉にチョウジといのもうなずく。
「そうだぜ、ナルト。お前のために俺たち全員で料理も、部屋の飾りも全部したんだ!」
キバの言葉にナルトは周りを見ると、部屋にカラフルな飾りが所狭しと飾られていた。
「俺の誕生日?え、でも」
ナルトはまだ戸惑っていた。
「里の誰が何て言おうがお前は俺たちの仲間だ。それにお前がいなければ里はなかったかもしれないんだぞ?もっと胸を張れ!」
イルカがナルトの頭を撫でながら笑う。
「そうよ、ナルトは私達の大切な仲間よ。これからもずっとね」
「周りなんか気にするな!お前は未来の火影だろ?」
紅は微笑みアスマはナルトに詰め寄りほおをつまむ。
「いふぁいよあふまへんへぇ!」
「ナルトくん、僕たち友達じゃないですか、友達の誕生日を祝う、それは当たり前のことですよ!」
「そうだぞ、ナルト。俺はお前のおかげで変われたんだ。お前は俺の誇りでもある」
リーにネジもナルトに笑いかけた。
「ほら、私とテンテンさんでナルトのために作ったのよ!ほら座って!」
「そうよ、ナルトに喜んでもらえるのが一番嬉しいんだから!」
いのとテンテンに促され座らせられるナルト。
隣にヒナタが座りナルトに笑いかける。
「ナルトくん、わたしも、それにみんなもナルト君くんのことが大好きなんだよ」
「そうだよ、ナルト、みんなナルトのことが大好きだからここに集まったんだ、遠慮なくていい、楽しんでいけ」
ヒナタとカカシの言葉で堤防が決壊する。
ナルトの目には大粒の涙。
そんなナルトを見てみんなは微笑んだ。
「ほらナルト、泣くのはまだ早いわよ!今からナルトの誕生日会を始めるんだから!泣くのは終わってからにしなさい!」
サクラもナルトの隣に座りながら背中を叩く。
「そうだ、だから泣くな。笑えよ、ナルト。笑顔の方がお前らしいぜ」
サスケは前に座る。そして笑いかけた。
ナルトは涙を拭き、笑う。、
その表情を見てみんなが安心したように笑い、席に着く。
そしてサスケが立ち上がる。
「それじゃぁ、せっかく来てくれたんだ。火影様、乾杯の音頭を取ってください」
その言葉に綱手は立ち上がる。
「じゃぁ、私が音頭をとらせてもらうよ。ナルト、ここにいるみんなはお前のために集まりお前のために誕生日を祝い、お前が生まれたことを喜んでくれている。それだけは忘れるな。これからも自分を大切にしてくれ。」
「そしてお前たち、今日は無礼講だ!ナルトを存分に祝おうぞ!カンパイ!」
「かんぱーい!」
皆立ち上がりナルトとグラスを鳴らす。
ナルトは嬉しそうに笑顔を振りまく。
その笑顔に自然とみんな嬉しく感じた。
「これ美味しいってばよ!いの、テンテン!ありがと!」
「いいのよ、いっぱい食べて!」
「そうよ、残さないでね!」
いのとテンテンは笑顔で返すとナルトは頷く。隣のヒナタがさらにとりわけそれをまたナルトにわたす。
「ありがと、ヒナタ!ヒナタも食べろよ!」
「う、うん!」
2人で笑いながらご飯を食べる。
「ナルト、これも食べろよ!うめぇぞ!」
キバが持ってきた料理を2人で分け合いながら食べる。
「ホントだ、うめぇ!」「だろ?」
2人は顔を見合わせ笑う。
「ナルト、口についてるわよ」
紅がナルトの口を拭う。
「ほら、ナルト。ゆっくり食えばいい。誰も取らねぇよ」
アスマがナルトの頭を撫でる。
ナルトは嬉しそうに、こそばゆそうに微笑んだ。
「ほら、ナルト、飲み物なくなってるじゃないか、入れてやるよ!」
綱手がナルトのグラスに酒を注ごうとする。
「ちょっと綱手様、まだナルト君は子供ですよ!ダメです、ほらナルトくん、こっちのジュース飲みましょうね!」
「シズネのねーちゃんありがとー!綱手のばーちゃん、俺20歳になったら最初のお酒はばーちゃんと飲むからそれまで待ってて!」
綱手は笑顔で頷き、シズネも微笑む。
「じゃぁここで、ナルトへのプレゼントタイムを始めまーす!」
「それじゃぁまずは8班!」
キバ、シノ、ヒナタ、紅が隣の部屋から持ってくる。
「あらためて「「「誕生日おめでとーナルト」」」くん」
「じゃぁ先ずは俺からな!お前が欲しがってた靴。これはいてこれからも任務頑張れよ!」
「ありがとう、キバ!明日からこれで頑張るってばよ!」
ナルトはキバにお礼をいう。
それを見たキバも嬉しそうにしている。
「ナルト、お前の部屋に飾ってくれ。お前の部屋は少し殺風景だからだ」
「あ、これみんなで撮った写真とかがいっぱいだってばよ!これがあったらいつでも寂しくないってば!ありがとう、シノ!」
「ナルトくん、少し目を閉じてもらっていいかな?」
「わかったってばよ」素直に目を閉じるナルトの首に巻かれるマフラー。
「もういいよ。ナルトくん、心を込めて編んだの。よかったら使ってもらえると嬉しいな」
もじもじするヒナタに笑顔で答えるナルト。
「あったけー!ありがと!寒くなったら毎日使うってばよ!」
ナルトはマフラーを両手で触りながら笑う。
「これは私からよ、ナルト。私からは無難に忍具のセットよ。これから絶対必要になるわ」
「ありがと、紅センセ!俺ってば頑張るからね!」
ナルトの頭を撫でながら紅も笑いうなずく。
「じゃぁ次は3班ね!」
ネジ、リー、テンテン、ガイは隣の部屋から荷物を取りに行く。
リーとネジがプレゼントを渡す。
「ナルトくん、誕生日おめでとう、これは冬用の任務服です。僕はズボンを」
「ナルト、おめでとうそして俺はジャケットだ」
「これを着て冬の任務も頑張ってこなしましょう」
そう言うとナルトはその服を両方自分に合わせてみる。
「似合う?似合う?」
体に合わせてみんなにきくとみんなが似合うと笑顔で答えるとリー、ネジ、ナルトは満足そうに笑う。
「ありがとな、二人とも!俺ってばこれ着ていっぱい任務行ってくる!」
そこにテンテンがナルトに帽子をかぶせる。
「ナルト、これは私から!これで頭も寒くないわよ」
そう言うと微笑む。
「ありがとうテンテンさん!任務の時はできないけど休みの日に毎日つけるね!」
ナルトはテンテンと顔を合わせて微笑みあう。
「ナルト、俺とリーとお揃いのスーツだ!これを着て修行をするといい!」
「あ、ありがとだってばよ、ゲキ眉先生」
さっと受け取り笑顔を向けるが周りの人間(ガイとリー以外)は引いているのがわかった。
「次は10班ね!」
10班の4人が荷物を持って戻ってくる。
「ほら、ナルト、これは僕からだよ!オススメのメーカーのジャージ。これだったらいつでも着れるでしょ?」
ナルトはオレンジのジャージを見て嬉しそうに笑う。
「ありがとな、チョージ!」
「俺からはこれ、お前の使ってる忍具入れがボロボロだったからな。これ新商品で前のよりかなり軽いのにいっぱい入るらしい。これならいつでも使えるだろ?」
シカマルがくれた黒い忍具入れをしっかり見る。使いやすそうな軽いものだった。
「ありがとな!買い換えるか悩んでたんだ!これも明日から使う!」
「そうかよ、ま、無茶すんなよな」
「私のはちょっとおっきいんだけど観葉植物よ!部屋に飾ってしっかり育ててあげて!」
いのが持ってきた観葉植物にナルトは礼を言う。
「お、ホントに!俺こいつもっとおっきく育ててやるってばよ!ありがとな!」
いのは満足そうに笑う。
「ナルト、お前のために俺が買ってきてやったぞ!あけてみろ」
アスマはナルトに一つのちいさな箱を渡す。
「これは?あ、ピアス?」
「そうだ。お前の目の色みたいだろ?ま、つけてみろ」
「うん!ばっちゃん!明日ピアスの穴開けてくれるふ?」
「あぁ、明日の朝な」
ナルトは笑いながらプレゼントをまとめて置いてあるところを見て笑う。
「次は綱手様、シズネさん、イルカ先生お願いします」
3人が隣の部屋から戻ってくる。
「ナルト、これは俺からな。お前は火影になるんだったらもっと強くならないとだからな!トレーニング用の重りが入った靴と服だ。俺も昔これと同じのを着てトレーニングしたんだ。だからナルトも試してみるといいぞ!」
「ありがと、イルカ先生!これ着てイルカ先生より強くなるってばよ!」
そう言うとイルカにわらいかける。それを見てイルカが優しい笑みを浮かべた。
「ナルトくん、これは私から、簡易救急キットです。これがあればすぐに簡単な治療が全部できちゃいます。ナルトくんは無茶をするなって言ってもすぐ無茶しちゃいますからね!だから怪我した時はこれで治療してください!」
「わかったってばよ!でもこれ使わなくていいように努力するね、シズネねーちゃん!」
「はい!」
ナルトはシズネに笑いかけるとシズネはナルトの頭を優しく撫でる。
「じゃぁ私からはこれだ。これは前にやったネックレスと同じ石でできているブレスレッドだ。大事にしろよ?」
ナルトの腕に綱手がつけたブレスレッド。ナルトはそれを左手で撫でながらつぶやく。
「ありがと、綱手のばーちゃん!俺が火影になるまでこれは外さねーってばよ!」
「うむ、お前が火影になるのを楽しみにしてるぞ」
綱手がナルトのおデコにキスをする。
「へへへ、俺って頑張るから!」
笑うナルトにみんなが優しく微笑む。
「じゃぁ最後は私たち7班ね!」
サクラ、カカシ、サスケが荷物を持ち戻ってくる。
「じゃぁ私からね!私はこの手袋よ!これから寒くなるからつけて任務に行きましょう!」
ナルトは手渡された手袋をつける。
「ありがと、サクラちゃん!これで寒いのもへっちゃらだってばよ!」
サクラはナルトが満足そうにしているのを見ると微笑みカカシに次を促す。
「じゃぁ次は俺ね。はいこれ、リュックサックね。最近自来也様と一緒に旅すること多いだろ?だからそれ使うといいよ。頑丈だしね」
ナルトはさっきもらったプレゼントを入れてリュックサックを背負ってみる。
「おー、これすげー背負いやすいってばよ!次にどっか行く時は絶対持ってくね!カカシ先生!ありがとうってばよ!」
カカシも満足げに微笑み頷く。
「じゃぁ俺が最後だ。ナルト。誕生日おめでとう」
サスケが手渡したのはオレンジと黒を基調とした服のセットだった。
「お前のトレードカラーといえばやっぱりその色だ。それは春夏秋冬いつでも着れると思うからな。ま、大事にしろよ」
ナルトに手渡しそっぽを向くサスケ。
ナルトはそれを手にサスケを覗き見る。
「サスケェ、ありがとな!俺ってばこれ大事にするからよ!」
また服を体に合わせ周りに見せる。
みんな似合っているとナルトに言うとナルトは満足げに笑う。
「みんな、本当にありがとな!俺ってばこんなに嬉しいの生まれて初めてだってばよ!俺、生まれて初めて誕生日が嬉しくて楽しい時間だって思えた。本当にありがとう!」
ナルトはぺこりと頭を下げる。
その目には涙が見える、
「俺たちも楽しかったんだ、頭を上げろ、ナルト」
「そうよ、ナルト。あんたは私たちの班の仲間でともだちでしょ?」
サスケとサクラが言う。
「そうだぜ?ナルト。お前は俺たちの仲間で友達だろ?遠慮してんじゃねーよ」
「そうよ、ナルト。あんたが大切だから今の時間が作られたんだから!」
「そうさ、僕らはナルトに喜んでもらいたかったからしただけさ!」
シカマル、チョウジ、いのが言葉を紡ぐ。
「ナルト、俺たちも楽しかったぜ!お前と騒げてよ!」
「その通り、なぜならお前の笑顔はみんなにうつる」
「そうだよ、ナルトくん!私もナルトくんと一緒にいるとすごく楽しいんだから!」
キバ、シノ、ヒナタも続く。
「そうですナルトくん!でもまだまだ楽しいことはこれからとたくさんありますよ!」
「これからは毎年俺たちがお前を祝ってやる」
「嫌って言われても無理やり祝っちゃうんだからね!」
リー、ネジ、テンテンも笑いながらナルトに告げる。
「ほら、ナルトお前にはこんなにたくさんの友達ができたんだぞ?」
アスマがナルトの肩を後ろから掴み周りを見渡させる。
「あんたは私たちの大切な生徒で大切な仲間よ」
紅も続いてナルトの肩に手を乗せた。
「ナルト、これからはもうお前は一人じゃないんだ」
カカシが右目を細めて微笑む。
「そうだぞ、ナルト。それに火影になったらもっと大切な人は増えていくんだぞ?覚悟しとけ?」
綱手が笑う。ナルトはもう涙が止まらなくなってしまっていた。
「ナルトくんは優しいですからね。だから周りにも優しい人が集まってくるんですよ」
シズネは周りを見渡し最後にナルトに目を向ける。
ナルトは何度も頷く。その度に床に涙が落ちる。
「ナルト」
イルカがナルトの前に立つ。
「イルカせんせぃ」
ナルトはイルカの腕の中に包まれていた。
イルカは涙をナルトに見せないようにしたのだった。
「生まれてきてくれて、ありがとう」
この言葉にナルトは声を上げて泣き出す。
今まで里のみんなからは化け物だ、厄病神だ、死ね、消えろと暴言の限りを尽くされてきたナルトにとってこの言葉は1番嬉しい言葉だったのかもしれない。
生まれてきたことを否定され続けてきたナルトに、1番の安心感を与えたこの言葉。
ナルトの今までの悲しさを全て吹き飛ばすようにナルトは泣き続けた。
その姿を見た下忍たちはみな少しだけ涙を見せた。
紅とシズネはもらい泣きで泣きじゃくり、綱手は涙を我慢するように目尻を抑える。
アスマもカカシは優しく微笑むのであった。
泣き疲れそのまま眠ってしまったナルトを寝かせ、みんなはまた微笑んだ。
ハッピーバースデーナルト。
生まれてきてくれてありがとう
みんなが心の中で思ったことだった。
そして7番を残し解散する。
サスケとサクラはナルトをはさみ右手をサスケが、左手をサクラが握り眠りにつく。
カカシはそれを見守りソファーで朝を迎えるのだった。
その頃自来也
「サスケの家はどこじゃー?うちはの里は立ち入り禁止じゃし、他の家はみんな慰霊祭で人がおらんし、綱手も見つからん。あー、もうせっかくナルトにプレゼント持ってきたっていうのにのぉー!」
絶賛道に迷っていた。
なおうちはの里の中でやっていたと後日聞かされた。
あ、自来也登場させといて誕生日会に入れるの忘れた!
ってことを最後に思い出したわけですね。
ちょっと最後はわかりづらくなったけど一応10月10日のうちにかけてよかった。
それでは他の連載もよければ読んでみてくださいね!
ハッピーバースデイナルト!