クレヨンしんちゃん&ジョジョの奇妙な冒険 ハリケーンを呼ぶ 綱玉の示す路(ロード)   作:パタ百ハイ

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委員長と遊ぼう! その③

 

 正直な所、それを言われて反応に困った。

 琢磨から『弓と矢の所持者』の目的が俺を倒す事だと聞かされて、俺には「これから遭遇する『スタンド使い』は敵」という認識があった。

 その『敵』には身近な人間もいるだろうと思っていたが、いきなりそれが出て来るのは思わなかった。

 という訳で今の俺にあったのは、「驚き」と「戸惑い」で、何とか戦闘に意識を切り替えようと必死だった。

 

「相談?」

「うん……確認するけど、見えてるんだよね?」

 

 稲庭から出て来たのは、稲庭より頭一つ分程身長の低い、粘液に覆われた濃い灰色の皮膚に腕に並んだイボのある、頭にトゲの生えた赤いヘルメットを被った、口が耳の近くまで裂けているスタンドだった。

『オオサンショウウオがリアルに擬人化したらこんな感じだろうか』。それを見ての第一印象はこれだった。

 俺も『プラネット・ルビー』を発現させた。

 

「やっぱり……瀬上君も同じ能力を……」

「一応、生まれながらな。それとこの能力、『スタンド』って言うらしい」

「そうか……」

「……お前がその『スタンド』を身に付けた経緯を話してくれないか? もしかしたら、俺に相談したかった事が含まれているかも知れないからな」

「笑ったり……しない?」

「しない」

 

 不安げな表情で聞いてきた。だから即座にハッキリとそう返した。すると、いつもの笑顔を浮かべた。

 互いに『スタンド』をしまって話を始める。昨夜9時頃、お粥を食べている途中(因みに土鍋で二十杯目だったらしい。それを聞いた時、頭が痛くなった)、何者かが入ってきて、そいつが持っていた『弓と矢』に射られた。その時のショックで気を失っていて、起きた時には傷が治っていて、『イザベラ』が出せるようになったという。

 

「で、瀬上君とお話したかったのはこの『置き手紙』……目が覚めた時テーブルの上に置いてあったの」

 

 スカートのポケットから折り畳まれた紙を取り出し、広げて見せた。

 

『拝啓稲庭早良様 暑中お見舞い申し上げます』

 

 まだ春だよ。

 

『貴女様がこれを読むという事は、貴女はある素質があり、それが精神から引き出されたという事です。貴女にはやって貰いたい事が一つあります。それは、瀬上除夜を倒す事です。この春日部で近頃起きている妙な事件の数々、その元凶は瀬上除夜です。彼には「不思議な力」があり、倒せるのは同じ「力」を持った者だけなのです。どうか、彼を倒す仲間になって下さい』

 

 琢磨が言っていた事と変わらない内容だった。

 文章はパソコンで作成されている。今も後もこれを手掛かりにする事は不可能だ。

 

「瀬上君の名前が名指しで書かれていて、とても信じられなくて、だから……」

「ここに俺を呼んだ……か?」

 

 コクコクと頷く。

 首の運動を終えてすぐに俺は『スタンド能力』についての受け売りの知識を教え、俺が事件とは無関係なのを説明した。

 

「納得してくれたか?」

「うん。良かったー、瀬上君が悪い奴じゃなくて」

「じゃ、五限目まで後十分ちょいしか無いし、教室戻って授業の準備を――」

 

『イザベラ』の拳が俺の顔に迫る。それを『プラネット・ルビー』で受け止めた。その光景と掌から伝わった痛みから、稲庭に攻撃された事を認識した。

 

「何の真似だ?」

「戦おう」

 

 右肩から自分のスタンドの右腕を俺へと伸ばしている稲庭はそう返答する。その目と顔付きは、俺の知らないそれだった。

 

「……理由は?」

「これからの事を考えて、この『能力』でちゃんと戦えるか確かめたい」

「『断る』と言ったら?」

「嫌」

 

 瞬間、全体像を発現した『イザベラ』が俺に飛びかかってきた。

 

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