クレヨンしんちゃん&ジョジョの奇妙な冒険 ハリケーンを呼ぶ 綱玉の示す路(ロード)   作:パタ百ハイ

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今回でいよいよしんのすけも本格参戦します。この話ではまだだけど。


しんのすけの日曜参観 その①

 

 俺が琢磨に稲庭、御厨先輩と、スタンド使いと三連続で戦った日から早一週間が経とうとしていた。

 その三人が三人共俺に確かな協力の意思を示してくれている。それが、この春日部でスタンド使いを増やしている者の存在を知ったあの日から変わったと言える唯一の事だ。

 それ以外――『弓と矢』を持つ男に関しては一切掴めていない。

 野原兄妹のスタンド能力も発現する兆しはない。

 

『スタンドを発現させるだけの「きっかけ」に遭っていないからだと……』

 

 これについては、『スタンド』について一番の知識を持つ琢磨も、こう言うだけだった。

 ……曖昧過ぎだろと思った。

 その「きっかけ」とは、主に「『自分の身を守る』とか『相手に感情をぶつける』という気持ちが昂る機会」がそうらしい。実際俺も今まで基本こうして『スタンド』を発現させていたので説得力はあった。

 あの二人にそんな機会は来て欲しくないのが本音なんだが……

 これまでの事はここまでにして、俺は今、何をしているのかというと――

 

 しんのすけの通う『アクション幼稚園』にて、父兄代理として参観に来ていた。

 因みに本日日曜、学校は休み。

 

 理由は昨日に遡る。

 昨日、俺と琢磨と稲庭が野原家に集まって連絡会を行った。御厨先輩は友達と映画を観に行く約束を交わしていたらしく、欠席。

 まあ、前述したが進展してないんだから連絡会なんか名ばかりでかなり始めの方で切り上げてかくれんぼしたり、「アクション仮面」や「カンタムロボ」、「不思議魔女っ娘マリーちゃん」等のビデオを観たりと、完全にお遊びと化した。

 で、帰ろうとした時にしんのすけのお父さん――ひろしさんが帰ってきた。初対面の俺でも何となく分かる程気まずそうな顔をしていたと思えば、急にしんのすけに頭を下げてきた。理由は当日、つまり今日の日曜参観に行くと約束していたのに、突然接待ゴルフを命じられたからだ。

 しんのすけは目に見えて不機嫌になったが、琢磨がどうにか諫めた。

 みさえさんは当日は自称弟子のヤンママに料理を教えに行く約束を取り付けていたので行けない(その時しんのすけが「人様に教えられるような腕じゃないんだから逆に教えてもらえば?」と口走ったらグリグリ攻撃喰らわされた。思った事素直に言うのはいいが言葉選ばないといたずらに敵を作るだけだぞ)。

 それでしんのすけは少し寂しそうだったので、俺が代理を名乗り出た。以上。

 

 一時間とはいえ立ちっ放しは足に堪える。だからちょっとガラス戸越しに外を見た。

 

「あ」

 

 ガラスに水滴が次々に付く。時間の経過と共にそれは激しくなっていく。

 そう言えば天気予報で「八時から雨が降る」とか言ってたな。だから傘は持ってきてるが、激しい雨の中帰るのは嫌だから終わるまでには止んでほしいな。

 

「除夜のお兄さん」

 

 しんのすけに呼ばれたからそっちを向く。俺の前に立っているので、どうやらもう授業は終わって休み時間のようだ。そしてしんのすけの後ろには五人いて、全員が俺を興味深そうに見ている。

 当然といえば当然か。言えこんな得体の知れない人間が父兄の代理で来てるんだからな。

 

「ねえしんちゃん。このカッコいい人誰?」

 

 おにぎりを連想させる坊主頭の男の子が聞いてきた。

 

「オラの腹違いのお兄さ……」

「何の昼ドラだそれは」

 

 変な嘘口にしようとしたしんのすけの頭に弱いチョップをした。

 

「俺は瀬上除夜。コイツとは最近友達になってな。用があって来れない両親の代わりで来たんだ」

「外国の方ではないのですか?」

 

 一人だけ違う服着た、お嬢様然とした女の子が聞いてきた。

 

「よく間違われるけど日本人。れっきとした春日部市民」

「失礼致しました。では、宜しくお願い致します」

「宜しくお願いします」

「宜しく」

「よ、宜しくお願いします!」

「宜しく、お願いします」

「おぉ、宜しくな」

 

 簡単な自己紹介の後、彼等は俺に次々と質問を浴びせてきた。

 色々聞かれたが、「しんのすけとどういった経緯で出会って仲良くなったのか」を聞かれなかったのは意外だった。だからそれを逆に質問してみると、『しんのすけには高校生や大学生の友達がいるから』と返された。

 少し時間が過ぎたらしんのすけ達は席に戻る。席に着いた所で先生が来て、鐘が鳴った。

 

 

 

 

「あめあめふれふれかあさんが〜、じゃのめでおむかいうれしいなあ〜、ピッチピッチチャップチャップランランラン♪」

 

 日本人なら誰でも歌った事のある馴染み深い童謡「あめふり」を口ずさみながら、履いた長靴で水溜まりを踏みつけて水飛沫を上げながら。

 それは小文字のアルファベットのワッペンをあちこちに貼った茶色いレインコートを着込んだ男だった。その男は幼稚園の入口前に来ると一度止まる。

 

「『アクション幼稚園』……うん、ここだ……ここに『彼』がいる……」

 

 ポケットから除夜の写真を取り出し、幼稚園の敷地に足を踏み入れた。

 




『マリーちゃん』の他にも、『魔法少女もえP』も観た除夜。


「どうだった?」

「脚本家を心底尊敬した」


 観た内容、三十分間魔法使わず算数の宿題やってただけ。
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