クレヨンしんちゃん&ジョジョの奇妙な冒険 ハリケーンを呼ぶ 綱玉の示す路(ロード)   作:パタ百ハイ

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しんのすけの日曜参観 その③

 

「悲鳴すらあげないって……本当にタフなんだな……」

 

 立ち上がった俺に、顔でそんな事言ってきた。確かに驚いているようだが、それだけで少し頭にきた。

 俺の事で何を聞かされたのか知らんが、浅いとはいえ熱湯の中に突き飛ばされて大丈夫な人間がいるかよ。お前(敵)がいるから我慢してるだけだ。

 

「『水の融点と沸点を操る』……それがお前の能力……だろ?」

 

『凍結』と『沸騰』の共通点は『温度』。その自由度は少なくとも常温でそれを起こすのが出来る程。違うか?

 そこまで言うと、塩屋は拍手しだした。

 

「ほぼ正解……僕のスタンド能力はそれで正しいよ。訂正、補足するなら『能力射程内にある水を含めた液体全て』を『その液体の本来の融点と沸点の間』で操れると言った所かな?」

 

「除夜のお兄さん、『ゆーてん』と『ふってん』って何?」

「簡単に言うと融点は液体が固まったり固体が溶け出したりする温度で沸点は液体が気化したり気体が液体になる温度の事。物質ごとにそれは違って例えば水は摂氏零℃が融点で百度が沸点」

「よーするに、氷作ったりお湯を沸かしたりが自在に出来るって事?」

「うん、物凄く簡単に言えばそうなるね」

「これだけだと大した事無い能力って感じがするね」

「確かにね」

 

 しんのすけの言葉に、塩屋自身が相槌を打った。

 

「僕の能力はそれだけだと大した事はない。射程内に液体が一定量はないと何も出来ないからね……でも、逆に言えば『一定量の液体が射程内に満遍なくあれば』この能力はかなりのアドバンテージを得る! それが理解されていたから今日この日『彼』は僕を選んだんだ!」

 

 ああ、お前の言ってる事はもっともだよ。

 ここら辺は4月で氷点下になる事はまずないし、自然に百度以上になる地域なんか地球上の何処にも無い。雨なら降り続く限り水は絶えず、止んだとしても「水溜まり」として場に残る。

 そして俺の能力はこういったいっぺんに広範囲に影響を与える事の出来る能力とは相性が悪い。本当にいい人選だよ。

 悪態をついていると、また体が一気に凍えてきた。

 

「じゃあそろそろ再起不能になってもらうよ。言っておくけど僕のスタンド、パワーは無いけど射程距離は広いから。能力なら一キロ先、スタンド像は五キロ先まで遠隔操作出来るからね」

 

 逃げられるのなら逃げてみろと? 途中で行動不能になるだろうが。

 足に力が入らなくなり、俺はうつ伏せに倒れた。それでも降り注いでる雨は俺に打ち込む度に凍っていく。

 もう冷たい、熱いとかそんな感覚すらない。ぼやけた視界と割と大きな音、感じるのはその程度。そして、そんな俺に塩屋は鉄パイプを握って近付いてくる。それでボコボコにするのか……ま、スタンドにパワーが無いなら凶器で攻撃した方が手っ取り早いよな。

 俺にはもうスタンドを出す余力も無い。ここまでか……。

 

「止めろ! これ以上除夜のお兄さんに手を出すな!」

 

 しんのすけの声が、耳に入った。

 

「これ以上の好き勝手は許さないぞ! 能力を使うのを止めてここから出て行け!」

「何を言い出すやら……彼を倒すという用件を済ませたらそうするよ。僕の仕事はそれだけで、そしてそれももう終わる」

「だからそれを許さないって言ってるんだぞ!」

「許さないって、どういう風に?」

「除夜のお兄さんはオラの友達だ! だから許さないんだぞ!」

「立派だね……けど君には用はないの。僕の仕事はさっき言った通り。それに、幼児の前で人を殴る行為なんてしたくない。だからさっさと園内に戻りなよ」

「じゃあオラをやれ! オラを見逃してみろ! 絶対にお前の木の根を止めてやるからな!」

「それをいうなら……『息の根』だ……」

 

 力振り絞って間違いを指摘した。

 

「本当にしぶとい……これ以上馬鹿を相手にしていられない。さっさと済ませてお金貰お」

「だからさせないって、言ってるぞ!」

「だからもう君に構っ……!」

「………………」

 

 はっきりと『それ』は目に捉える事が出来た。

 しんのすけが塩屋に突っ込んできたその時、あいつの右肩から『腕』が出て来て、それが塩屋を殴り飛ばした。

 

「もう一度言ってやる! 除夜のお兄さんはオラの友達なんだ! その友達をお前は傷付けた! だからお前を許さない! お仕置きしてやるぞ!」

 

 そう啖呵を切ると同時、しんのすけの背後から『人型の像』が発現した。

 

「こ……これは……」

 




しんのすけの力が遂に発現する。

次回、その力が振るわれます!
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