クレヨンしんちゃん&ジョジョの奇妙な冒険 ハリケーンを呼ぶ 綱玉の示す路(ロード)   作:パタ百ハイ

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主人公同士が出会います。


瀬上除夜は普通の人 その②

 

 学校出て歩いて十分足らずの所にある優太の家と違って、俺んちは徒歩通学では少しキツいと思う程度に離れている。だから俺は用事がない限り下校中に時折途中の公園で一休みする事にしている。

 まあそれは買ったジュースを飲み終えたら終わりだが。

 

「子供……いないな」

 

 人っ子1人いない公園を見渡して、俺は呟く。

 俺の街春日部市では、今年に入ってから『妙な事件』が続出している。『妙』と言うのは、起こる事件の全部が全部じゃないが、途中で捜査が行き詰まって迷宮入りになってしまう、またはどう考えても普通の人間には不可能だと断定せざるを得ない状況だったのどちらかなのだ。

 だから、全体的に無用な外出とかを控える傾向にある。特に子供の外出には強い制限をかけている親もいるようだ。

 実際俺も「寄り道せずにさっさと帰れ」と言われる回数が増えたし。

 

「あ」

 

 こんな事を考えている内に、飲み終えた。なのでゴミ箱に投げ捨てる。思いっ切り外してしまった。

 ほっとくのはいけないのでベンチから腰を上げ、それを入れる。それで一休みは終了、公園から出た。その際幼児と母親と乳飲み子の親子とすれ違った。中身の詰まっていない買い物袋を提げている事から、これから買い物に行くんだろうか。

 そんなどうでもいい事を思うと、今度は大きな挨拶が聞こえた。ランドセルを背負った子供達が、集団でいた。

 集団下校。この春日部や近辺では普通になっている光景だ。

 ノスタルジーを感じながら、挨拶を返す。それを終えて顔を上げた時、とんでもないものが目に入った。

 中型のトラック。それは別に珍しくも何ともない。問題は運転席。ハンドルを握っている運転手は、昨日までの疲れがまだ取れてなかったのか、昨日の夜徹夜したのか、気持ち良さげに『居眠りしていた』。しかも、このままだとさっきすれ違った小学生の集団に激突する。

 呼び掛けても間に合わない。だから俺は――

 

(『使う』しかないな……)

 

 自分に秘められた『力』を使う事に決めた。

 強く念じて、全身が紅くヒョウ柄模様の、背後から首に黄色いスカーフを巻いて煤けたボロ布を纏い、首の所にボルトがついた人型の像を出した。

 そして、トラックを公園内に瞬間移動する。トラックは木にぶつかり、動きを止めた。

 

 さっき言った俺が他の人と異なる『他数点』の一つがこれ。

 俺は、世間一般でいう『超能力』とやらが使える。

 この力が何故俺の身に宿ったのかは分からないが、俺はこの力を生まれながらに使う事が出来る。

『俺を主軸として半径五メートル以内なら瞬間移動させられる』のが能力。但し自由に移動はさせられる訳ではなく、コンパスで円を描くような移動だ。

 その能力と像が紅いのにちなんで、俺はこの能力を『惑星の綱玉(プラネット・ルビー)』と呼んでいる。

 他にも能力はあるが、今は使う必要もないので別の機会に。

 因みに像の方も、レンガを拳で破壊したりそれなりの重量の荷物を持ち上げたりは出来る。因みに、この像は俺以外見える奴いないの小さい頃に確認済みだから、そんな事したらいきなり壊れたり浮かんだり見えるだろう。こんな能力を持っているからか、もしかしたらスプーン曲げも原理は同じなのかもと思っている。

 

「ふー……」

 

 公園には元々人はいない。トラックも破損はそんなになさそうだし、運転手もエアバックが作動しているから特に心配する事はなさそうだ。

 後は警察の仕事という事で帰ろうと足を動かした。

 

 

「ねえねえお兄さん、さっきお兄さんから出て来たのって何?」

 

 後ろからかけられた声に、俺は心底から驚いた。

 だから、俺はその顔のまま振り返ったと思う。

 この出会いが、『俺と同じ能力を持つ者達』との戦いが始まりだという事を、俺はまだ気付いてなかった。

 

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