クレヨンしんちゃん&ジョジョの奇妙な冒険 ハリケーンを呼ぶ 綱玉の示す路(ロード)   作:パタ百ハイ

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少し?短いけど決着です。


アイアン・バタフライとサード・アイ・ブラインド その③

「奥の手使って……あの程度か……」

 

『アイアン・バタフライ』は二つに分けた状態で本体から離れると一つに戻ろうとする特性がある。これは放っておけば発動するが、本体の意思で発動する事も可能だ。

 二つに分けた『アイアン・バタフライ』の内の片方が奪われた、または奪わせて、特性を発動させる。これが『アイアン・バタフライ』の奥の手。

 その奥の手を使った結果は、右手の甲についた切り傷一つ。『ハリケーン』がすぐに鋏を捨てた上で飛んできた方を殴り飛ばして、その際刃が向いていたので必然的についた傷だ。これはしんのすけの意思ではなく、『ハリケーン』の咄嗟の判断。更にロンディネもしんのすけの袖を引っ張って鋏から遠ざけてる。

 

「つまらないドジやっちゃったわ……」

 

 失敗した理由は事前に特性を見せてしまった事だと理解している。そもそもあれを「奥の手」にしてるのは、一度使えば警戒されて通じない初見殺しだからだ。種がバレていたら何してくるかすぐ検討つく。

 終わった事なので切り換えて再び鋏を拾い上げる。

 

「ありがとロンディネお兄さん、『ハリケーン』」

『礼はあの女を倒してから言え』

「あの『スタンド』はヤバ過ぎる。何としてもすぐにでも終わらせないと……」

 

 鋏を二つに分け、片方は体に収め、もう片方を両手で握る。

 

『おい、もう片方は小さくしたのか?』

「いや、あの鋏以外にエネルギーは感知出来ない。間違いなく違う手で……」

 

 言う間を与えず、思い切り投げつけてきた。しんのすけは『ハリケーン』を刀にしてそれを弾き飛ばすが、杉江は投げると同時に接近していて、投げた方も体に収めて、しんのすけを頭から押さえ付け、ロンディネへと手を翳す。その手から刃先が飛び出してきた。『ハリケーン』の足がロンディネの胴体ぶち当たり、吹っ飛んだ彼の身体は塀に激しくぶつかる。攻撃対象を失った鋏はそのまますっぽ抜け、その隙をついてしんのすけは押さえ付ける手を振り払った。

 

「行くぞ! 変身!」

 

『装着型』に姿を変えた『ハリケーン』を纏うしんのすけ。すぐさま必殺の飛び蹴り『ワイルドボアキック』を放つ。杉江が鋏を拾った時点で距離は十センチもなく、キックはそのまま彼女の胸部に命中、その身体は衝撃で吹っ飛んだ。

 

「ま……まだまだぁ……」

 

 ふらつきながらも立ち上がり、『アイアン・バタフライ』を杖代わりにして接近するが、十歩目で限界を迎え、倒れ伏した。

 

「ロンディネお兄さん大丈夫?」

「まあ……一応大丈夫」

 

 口から流れる一筋の血をハンカチで拭って、服の汚れを払いながらしんのすけのもとに足を進めるロンディネ。

 

『血を口から出しながら言っても説得力がないな。一度病院に行ったらどうだ?』

「口の中切っただけだ。こんなの傷の内に入らないよ。それよりお前、手加減無しで僕を蹴ったよね?」

『あの事態で力加減を期待するな。それより』

「何だよ?」

『助けたのは事実だからな。救いの料一千万ユーロ、分割払いも可』

「色んな意味で払えないって!」

『何? 払えないだと? 誰が助けたと思ってる!』

「しんのすけ」

『しんのすけだけか? 私はどうなる?』

「お前はしんのすけのスタンドだろ」

「えっとさ、こいつの要求は無視していいよ。コンビニか何かでお菓子でいいから買ってあげなよ。こいつ飲み食いするから」

 

 しんのすけが溜め息を吐きつつ割ってくる。

 

「それならいいけど……飲食するスタンドって、他にもいたのか……それよりしんのすけ。この春日部で『今何が起こってるのか』説明してくれないか? 出来れば知ってる限り」

 

 ロンディネがこの街に来たのは『調査』だ。『矢』が関与している可能性も注意事項として聞いてはいた。

 しかし、この春日部では頭に入れていた以上の出来事が起こっていて、目の前の園児はそれに程度はどうあれ関わっている。『あの男』とも無関係ではないだろうし、知っておく必要はある。

 

「いいけど、今ここで?」

「それが好ましいけど、長くなりそうだから今日中がいいな。それと、仲間も呼んで欲しい。最低一人はいるんだろう? 今起こってる事とかなり深く関与している仲間が」

「分かった。除夜のお兄さん達に知らせるね」

『という事は今夜はデスペラードで焼鳥か……おい、救いの料0割引してやるから今夜の代金はお前が負担しろ。いいな?』

「……出来たらこいつを連れて来ないで欲しいんだけど」

「ごめん、無理」

「だよね……」

 

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