クレヨンしんちゃん&ジョジョの奇妙な冒険 ハリケーンを呼ぶ 綱玉の示す路(ロード)   作:パタ百ハイ

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令和に入って初の投稿。これからも宜しくお願いします。


藤方莓花(スウィートハート) その②

 逃げられないのは遺憾だが、こいつがわざわざ姿を現したのはチャンスだ。『群生型』はスタンド戦において有利な点は多いが、一体一体は非力で脆い。強力な攻撃を繰り出しては来るが、俺の能力を使えば本体を叩く事は出来る。

 

「なあ……あんた等が今考えとる事、当ててみせよっか?」

 

 小馬鹿にした感じで言ってきた。

 

「ウチのスタンドはそれ自体は弱くて直接的な戦いは向いてない……せやから姿見せとる今ならウチを叩ける……」

 

 正解。まあこれくらい本体だったら思い浮かぶだろうな。

 

「あんなぁ……ウチもそれくらい解っとるよ。『とっておき』が無かったらわざわざあんた等の前に二度現れようとせんわ」

 

『スウィートハート』にはまだ何かあるんだろう。気にはなるが「気に留める」程度にしてた方がいいな。そう思うと、蝙蝠が俺の真上へ覆うように飛んだ。

 

 左腕から突然凄い痛みがした。

 

「除夜のお兄さんどうしたの!」

「近付くな!」

 

 近寄ろうとしたしんのすけを一喝して、上空を見上げる。蝙蝠は俺へと体を向けて飛び回っている。全体で●になりそれが崩れないよう飛び交ってるが、よく見ると内部が中心に向かう程後ろに下がってる。

 それに気付いた途端、蝙蝠は藤方の周りに戻った。

 

「大丈夫?」

「ああ、骨にちょっとヒビが入った程度だ……」

「骨が折れる程には強くしたつもりやったけど……あんたが頑丈なんか設定が甘かったか……」

 

 何かぶつぶつ言ってるが、相手にせず攻撃を受けた左腕を見る。痣とか無いから内部破壊が出来るんだろう。スタンドは「一人一能力」で、最初の攻撃とやり方を変えてるのは解るんだが……

 待てよ……確か以前テレビであった……それに『スウィートハート』の姿と生態……

 

「『音波』だ……」

「え? コンパ?」

「『こ』じゃねーよ「お」だよ」

「人に呼び掛けてお金集める」

「それはカンパ」

「ビスケットみたいな保存食ぅ」

「それは乾パンだ! 『音波』! 音の波で音波! いいか。あいつが最初にした攻撃、多分『低周波音』ってやつだろう。テレビで聞いた事がある程度でよくは知らないが、人体に透過しやすくて長時間浴び続けると共振で体に害が生じるって。一匹一匹の出力は大した事は無いだろうが、数十匹が同時に放って増幅させたんだろう」

『理屈は解ったが、先程お前達の位置を把握していたのはどうしてだ?』

「『超音波』だ。『スウィートハート』の姿である蝙蝠は、反響定位で餌を探したり障害物の有無を耳で理解する事が出来るんだ。一帯に自分のスタンドを放ち、俺達の位置とここら辺の地理を把握し、俺達を自分のもとまで誘導したんだ」

 そしてさっきの攻撃も超音波だ。ガンマナイフだっけ。放射線を一点に浴びせて病巣を治療するというの。あれの超音波版だろう。

 

「ほぼ正解。付け加えるんならあんた等を誘導しとる時ウチがやったんは命じただけ。こんなぎょーさんのスタンド目の届かんとこで一匹一匹コントロールするなんて無理やし」

「コントロールしてないならオラ達を連れてくるなんて出来る訳無いでしょ!」

「『スウィートハート』はイルカさんと同じで超音波で会話出来るんよ」

「成程、お友達作るの下手だから一人会話が上手になったのか……」

『スタンドは本体の生命力で他人じゃないからな』

「あんた等、そんなウチを友達おらん奴にしたいんか?」

「だからこいつの言う事いちいち相手にするなって」

 

『スウィートハート』は再び上空に飛んだ。またさっきの攻撃をするつもりだろう。更に残ったスタンドが自分の周りを飛び交う。

 

「除夜のお兄さん! 跳んで!」

 

 唐突な指示を飛ばしたしんのすけへ顔を向ける。その表情はついさっきと違って真剣そのものだ。

 

「早く! ジャンプ!」

 

 ……何を考えてるか解らんが信じてみよう。言う通りにその場で跳ぶと、足の下に『ハリケーン』の両手、そのポーズは、バレーの「レシーブ」だった。

『ハリケーン』が腕を振り上げると、俺の身体は上空へと飛ぶ。高度は上に飛んだ蝙蝠の群れを突っ切り、今度は蝙蝠を見下ろす位置に

 

 て、高過ぎるだろおぉぅぅう!

 電柱の頭通り越してる、と言うか電柱の三倍は余裕であるぞ! しかもまだ上がってるし!

 驚いてる暇はない。蝙蝠は俺へと飛んできてる。しかも数も増やして。そして運動エネルギーが止まって落下が始まった。取り敢えず今は着地より迎撃だ。低周波音攻撃をしてきたが、耐えて瞬間移動で群れを出来るだけ分散させる。能力を使って蝙蝠を移動させる。

 

 ある程度散らせると、蝙蝠達は一斉に本体のもとへ戻っていった。あいつの前には『ハリケーン』を装着したしんのすけが飛び蹴りを放っている。さっき逃げた時と同じ思惑だろうかと思ったが、一度使った手にわざわざ乗ってくれる訳が無い。現にあいつは迫ってくるしんのすけに対して一歩も動こうとしていない。あの蝙蝠達は壁にならないというのはあいつ自身が暗に言ってるのに集めるのはーー

 

 飛び交っていた全ての蝙蝠が集まると、出現した『交差した二本の腕』がしんのすけの飛び蹴りを止めていた。

 

「ここからが『スウィートハート』の本領発揮や!」

 

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